16 / 369
1
理由
しおりを挟む
「ずっと思ってたんだけど、恋次はどうして、いつも私をからかうの?」
なんてことを先生は不思議そうに尋ねる。
だけど、答えは簡単だ。好きな人の困り顔ほどそそるものはない。
しかし、事実をありのままに伝えても面白くもなんともないし、ろくなことにもならない。
まさに無い無い尽くしだ。
「それは……からかい甲斐があるからですよ」
我ながらつまらない答えだ。
もっと気の利いた言葉があるだろうに……
「ふーん、好きな人ほど、からかいたくなるって奴?」
先生はニヤリと笑う。
まさか、先生にからかわれることがあるなんて……貴重な体験だ。だがしかし、僕を甘く見てもらっては困る。
「もちろん、そうです!」
これは先生も予測していなかった返しだろう。彼女は顔を背けている。
しかし、横顔をみるに顔が赤くなっているのはバレバレだ。1年の時な流れ、僕と先生がどれだけ親密になっても、何度同じやりとりがくりかえされても、『僕が先生を好きなこと』それだけは変わらない。
――それが僕がこの部活を作った『理由』なのだら。
なんてことを先生は不思議そうに尋ねる。
だけど、答えは簡単だ。好きな人の困り顔ほどそそるものはない。
しかし、事実をありのままに伝えても面白くもなんともないし、ろくなことにもならない。
まさに無い無い尽くしだ。
「それは……からかい甲斐があるからですよ」
我ながらつまらない答えだ。
もっと気の利いた言葉があるだろうに……
「ふーん、好きな人ほど、からかいたくなるって奴?」
先生はニヤリと笑う。
まさか、先生にからかわれることがあるなんて……貴重な体験だ。だがしかし、僕を甘く見てもらっては困る。
「もちろん、そうです!」
これは先生も予測していなかった返しだろう。彼女は顔を背けている。
しかし、横顔をみるに顔が赤くなっているのはバレバレだ。1年の時な流れ、僕と先生がどれだけ親密になっても、何度同じやりとりがくりかえされても、『僕が先生を好きなこと』それだけは変わらない。
――それが僕がこの部活を作った『理由』なのだら。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
庭木を切った隣人が刑事訴訟を恐れて小学生の娘を謝罪に来させたアホな実話
フルーツパフェ
大衆娯楽
祝!! 慰謝料30万円獲得記念の知人の体験談!
隣人宅の植木を許可なく切ることは紛れもない犯罪です。
30万円以下の罰金・過料、もしくは3年以下の懲役に処される可能性があります。
そうとは知らずに短気を起こして家の庭木を切った隣人(40代職業不詳・男)。
刑事訴訟になることを恐れた彼が取った行動は、まだ小学生の娘達を謝りに行かせることだった!?
子供ならば許してくれるとでも思ったのか。
「ごめんなさい、お尻ぺんぺんで許してくれますか?」
大人達の事情も知らず、健気に罪滅ぼしをしようとする少女を、あなたは許せるだろうか。
余りに情けない親子の末路を描く実話。
※一部、演出を含んでいます。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる