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1.3 相棒と信頼
1.武器屋
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昨晩の『社畜の誓い』もひと晩寝て起きれば、嘘のように頭から消え去っていた。もちろんニヒルへの感謝の気持ちがなくなった訳ではない。ただ、昨日の僕が勝手にテンションに身を任せて立てた誓いなど僕には関係がない。
この言葉を聞けば僕のことを身勝手だとかなんだとか勝手なことをほざくやつもいるかもしれないが、僕は騎士であると共に商人の息子でもあるのだか彼女の思惑を読み取るぐらい容易だ。彼女は店の長として、社員に対して優しさをみせることにより僕たちのやる気をひきだすのだ。きっとこれもその一部なのだろう・
誰に言われるでもなく僕は頭の中で屁理屈をたれる……が、そんなことをする必要など毛頭ない。ただ単に僕が頭を整理するための言い訳に過ぎない訳で、誰かに弁解したいわけでもないから別にいいのだ。
こんなにも気持ちのよい朝なのに、こんなことも考えているのも馬鹿らしいだろう。
カーテンの隙間から部屋に入り込む木もれ陽をぼやっとした瞳で眺めながら、昨晩のことをなんとなく思い出しては、口に出さなかったことを喜ばしく思うばかりだ。
――――口に出したならばきっと黒歴史になったことは間違いないだろう…………。
時計はノウェムとの約束の時間が近づいていることを教えてくれる。
「……起きるか」
眠気まなこを擦り、畳のうえに無造作に敷いた布団から嫌々はいでて準備する。もちろん、クローゼットなどある訳もなく着替えがあるわけでもないから、臭いままの服で準備完了。
なんだか涙が出てきた……なんでだろう……。
代わり映えのしない部屋が悪いわけでも、会話する相手がニヒルと堺プラスアルファーなのも関係がないだろうし、家族や仲間に会えないのが辛くない訳ではないが、それで何度も涙するほど心に深くダメージがあるわけではない。たぶんなんとなく情けなかったのだろう。
自己見聞ではそうだと思う。それだけだ……。
僕はようやくすっかり見慣れてしまった部屋とはおさらばし、いつものように洗面所へと向かう。
顔を洗いさっぱりし、ご飯も今日も美味しかった。だが、今日はいつもとは違う。
――――そう、今日は会社が休みなのだ。だからノウェムとゆっくりデートが出来る。まあ僕には将来を誓っていた『彼女』がいるのでたぶん心から楽しむことは出来ないだろうけど、今日は楽しもう!
僕は誰にも見えないようにガッツポーズをした。
「……ねぇ、堺さん。イグニスさんはどうしてガッツポーズをしているのでしょうか?」
「それはな、たぶんノウェムが装備を選んでくれるっていうのをデートと勘違いしてるからやろ」
2人の会話は僕に聞こえているし、そういう悪口を言うならもっとトーンを落としていってくれないかな……?
というか、僕もノウェムさんと出かけることに対してなんら期待なんてしてないんだけどな……。
「馬鹿にしないでもらえるかな? 僕はそんなにチャラついた男じゃないよ……ただ買い物に出かけるのが楽しみなだけだよ」
「わかっとるって!」
堺はそう言うが、きっとわかっていない。
「イグニスさんそれより時間大丈夫なんですか?」
ニヒルの言葉にわれに帰る。
……これは非常にまずい、時間に間に合わないかも知れないぞ!
僕は待ち合わせの生田神社の前まで大急ぎで、未だかつてない驚異の走りを見せた。
「――――――っで? どうしてお前がいるんだ?」
ノウェムとの待ち合わせの時間には間に合ったが、そこに来ていたのはノウェムだけではなく堺もいた。
「細かいこときにしたらあかんで! そんな事より女の子待たしたらあかんで?」
いや! もともとお前のせいだろ! というツッコミをグッとこらえる。
「それよりも、僕の方が先に出たはずなのにどうしてここにいる?」
「それは秘密や」
堺は友としては頼りがいのある男だがたまに僕をイライラさせるそんな一面がある。しかし女性の前だ。僕はほとばしる怒りを抑えノウェムに向かって詫びる。
「遅くなってごめんなさい!」
こんな寒い中で、朝から人通りの多いこんな場所で待っていてくれたノウェムには非常に申し訳がない。僕はこれでも仁義に生きる男なのだ。しかし彼女はそんなこと気にも止めていない様子。
「それはいいんだ……それよりも堺がいることを言っていなくてすまない! 我が目的地とする装備やの場所を知っているのが堺だけなのだ……」
…………なんだ、そういうことか……僕が勝手に期待して勝手に気を落としただけ……
彼女よりも恨むべきは堺だ! コイツは昨日の晩からそれを知っておきながら、僕には黙っていたんだからな!
僕は迫力のない目で堺を睨みつけた。
「なんや? そんなに物欲しそうな目でこっち見て? 朝飯でも食い足らんかったんか?」
これで僕は堺に恨み事が一つ増えた。僕の恨みは生涯消えることはないだろう。
2人との掛け合いは決してつまらないものではないが、こんな所でだべっているのも時間が持ったいないだろう。
目的地をさっさと教えろ堺。それから西へと歩き始める僕らだった。
歩き続けてはや10分、堺の歩くスピードが少しだけ落ちたように感じた。もしかすると目的地が近くなっているのかも知れない。そんな淡い期待を抱きながら辺りをキョロキョロ見わたす僕だ。
そこの景色は先ほどまでと一風変わり、オシャレな雰囲気を醸し出している。そこにある店はどれもハイカラな服屋や飲食店といった感じだ。なんとなく上を見上げると、トアロードと表示された看板が建てられえいる。どうやらそれがこの道の名前のらしい。。
「……ちょっとまって! 本当にここであってるの?」
明らかに武器を取り扱っている店があるような通りではない。僕はそう言わずにはいられなかった。
「そう言われればそうだな……ここはとてもお洒落だ。確かに武器を売っていそうにないね……」
ノウェムも僕の意見に同意した。
僕らの反応が予想通りだったのか、にやけている堺だがとくになにも言わない。
――――――僕のはらの虫は場の空気が読めないようだ。
レストランから漂ってくる美味しそうな料理の香織の数々にお腹が鳴ってしまった。装備を買うまでは我慢しなければならないとはわかってはいるものの生理現象だ仕方がない。
二人からの屈辱的な笑いと空腹に耐えながら道を歩き続け、店に着いたのは少し経ってからだった。
「おっと、行きすぎるところやった! ついたで!」
堺の声で空腹が吹き飛んだ。待ちに待った装備屋だが、僕は自分の目を疑った。
…………店はこれでもかというほどの黄金に包まれ、眩いばかりに太陽光を反射している。ここまで趣味が悪い建物をみるのは初めてだ。というくらい悪趣味な光を放つ建物だ。
全く、こんな店の持ち主がどんなやつなのか顔を拝みたいくらいだよ……
だけど僕は人の趣味にダメ出しできるほど崇高な人間ではない。黙っておこう。
こればっかりは堺も同意見なようで、こちらをみてうんうんと頷いている。
だけど、ノウェムは空気が読めなかった。
「これは、どう考えても悪趣味だろ?」
普通に店先で店を侮辱した。
その声を聞きつけたであろう屈強な店主がドアを開けて出て来た。その顔は怒りに満ちている様子だった。しかし、その怒りはすぐに収まった。
「人の店の前で失礼なやつがいると思えば……なんだお前らか……それにしてもお前はいつも失礼なやつだなノウェム?」
ノウェムはまた気の無いように言葉を返した。
「こんな悪趣味な人は他にはないとは思ったけど……やっぱりここがおやっさんのみせだったのか……」
どうやらこの3人は顔見知りのようだった。
「俺が謝るから許してやおやっさん。今日は武器を買いに来たんや。」
「別に怒っちゃいねーよ!」
―――――嘘つけ! さっき出てきた時は顔が真っ赤だったじゃねーか! と言いたいところではあるが、彼の屈強な筋肉それに巨体の前では決して悪態などつけない。
「……それにしても、お前らがここに来るとは珍しいな。ということはそいつが?」
おやっさんと呼ばれた男がこちらを指差した。指を差されるのは気分が悪いがそんなことも言えるわけがなくただ堺から紹介されるのを待つばかりだ。
「そうや! コイツがうちのところの期待の新人で俺の心の友であるイグニスや!」
堺の紹介は少し大げさではあったが、紹介されたからにはお辞儀せざるを得ない。
「イグニスですよろしくお願いします」
僕の返事に男は驚いた様子だった。
「こいつは驚いた。お前たちの連れがこんなに丁寧だとは…… いや、すまんかった……こいつ達と関わっているからまたろくでなしかと思っちまったよ!」
「――――娘に聞いているかもしれないが、俺は水無灯の父親、水無 光だ。よろしくな!」
……え! 灯さんの父親!? いくらなんでも似て無さ過ぎるだろう!?
たぶん光は言われなれているのだろう。僕が言葉にするまでもなく自分から切り出す。
「似てないだろう? 俺もまさか自分の娘があんなに可愛くなるとはおもわなかったよ! 正に妻の遺伝子さまさまだな!」
そう言って笑った。
この言葉を聞けば僕のことを身勝手だとかなんだとか勝手なことをほざくやつもいるかもしれないが、僕は騎士であると共に商人の息子でもあるのだか彼女の思惑を読み取るぐらい容易だ。彼女は店の長として、社員に対して優しさをみせることにより僕たちのやる気をひきだすのだ。きっとこれもその一部なのだろう・
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こんなにも気持ちのよい朝なのに、こんなことも考えているのも馬鹿らしいだろう。
カーテンの隙間から部屋に入り込む木もれ陽をぼやっとした瞳で眺めながら、昨晩のことをなんとなく思い出しては、口に出さなかったことを喜ばしく思うばかりだ。
――――口に出したならばきっと黒歴史になったことは間違いないだろう…………。
時計はノウェムとの約束の時間が近づいていることを教えてくれる。
「……起きるか」
眠気まなこを擦り、畳のうえに無造作に敷いた布団から嫌々はいでて準備する。もちろん、クローゼットなどある訳もなく着替えがあるわけでもないから、臭いままの服で準備完了。
なんだか涙が出てきた……なんでだろう……。
代わり映えのしない部屋が悪いわけでも、会話する相手がニヒルと堺プラスアルファーなのも関係がないだろうし、家族や仲間に会えないのが辛くない訳ではないが、それで何度も涙するほど心に深くダメージがあるわけではない。たぶんなんとなく情けなかったのだろう。
自己見聞ではそうだと思う。それだけだ……。
僕はようやくすっかり見慣れてしまった部屋とはおさらばし、いつものように洗面所へと向かう。
顔を洗いさっぱりし、ご飯も今日も美味しかった。だが、今日はいつもとは違う。
――――そう、今日は会社が休みなのだ。だからノウェムとゆっくりデートが出来る。まあ僕には将来を誓っていた『彼女』がいるのでたぶん心から楽しむことは出来ないだろうけど、今日は楽しもう!
僕は誰にも見えないようにガッツポーズをした。
「……ねぇ、堺さん。イグニスさんはどうしてガッツポーズをしているのでしょうか?」
「それはな、たぶんノウェムが装備を選んでくれるっていうのをデートと勘違いしてるからやろ」
2人の会話は僕に聞こえているし、そういう悪口を言うならもっとトーンを落としていってくれないかな……?
というか、僕もノウェムさんと出かけることに対してなんら期待なんてしてないんだけどな……。
「馬鹿にしないでもらえるかな? 僕はそんなにチャラついた男じゃないよ……ただ買い物に出かけるのが楽しみなだけだよ」
「わかっとるって!」
堺はそう言うが、きっとわかっていない。
「イグニスさんそれより時間大丈夫なんですか?」
ニヒルの言葉にわれに帰る。
……これは非常にまずい、時間に間に合わないかも知れないぞ!
僕は待ち合わせの生田神社の前まで大急ぎで、未だかつてない驚異の走りを見せた。
「――――――っで? どうしてお前がいるんだ?」
ノウェムとの待ち合わせの時間には間に合ったが、そこに来ていたのはノウェムだけではなく堺もいた。
「細かいこときにしたらあかんで! そんな事より女の子待たしたらあかんで?」
いや! もともとお前のせいだろ! というツッコミをグッとこらえる。
「それよりも、僕の方が先に出たはずなのにどうしてここにいる?」
「それは秘密や」
堺は友としては頼りがいのある男だがたまに僕をイライラさせるそんな一面がある。しかし女性の前だ。僕はほとばしる怒りを抑えノウェムに向かって詫びる。
「遅くなってごめんなさい!」
こんな寒い中で、朝から人通りの多いこんな場所で待っていてくれたノウェムには非常に申し訳がない。僕はこれでも仁義に生きる男なのだ。しかし彼女はそんなこと気にも止めていない様子。
「それはいいんだ……それよりも堺がいることを言っていなくてすまない! 我が目的地とする装備やの場所を知っているのが堺だけなのだ……」
…………なんだ、そういうことか……僕が勝手に期待して勝手に気を落としただけ……
彼女よりも恨むべきは堺だ! コイツは昨日の晩からそれを知っておきながら、僕には黙っていたんだからな!
僕は迫力のない目で堺を睨みつけた。
「なんや? そんなに物欲しそうな目でこっち見て? 朝飯でも食い足らんかったんか?」
これで僕は堺に恨み事が一つ増えた。僕の恨みは生涯消えることはないだろう。
2人との掛け合いは決してつまらないものではないが、こんな所でだべっているのも時間が持ったいないだろう。
目的地をさっさと教えろ堺。それから西へと歩き始める僕らだった。
歩き続けてはや10分、堺の歩くスピードが少しだけ落ちたように感じた。もしかすると目的地が近くなっているのかも知れない。そんな淡い期待を抱きながら辺りをキョロキョロ見わたす僕だ。
そこの景色は先ほどまでと一風変わり、オシャレな雰囲気を醸し出している。そこにある店はどれもハイカラな服屋や飲食店といった感じだ。なんとなく上を見上げると、トアロードと表示された看板が建てられえいる。どうやらそれがこの道の名前のらしい。。
「……ちょっとまって! 本当にここであってるの?」
明らかに武器を取り扱っている店があるような通りではない。僕はそう言わずにはいられなかった。
「そう言われればそうだな……ここはとてもお洒落だ。確かに武器を売っていそうにないね……」
ノウェムも僕の意見に同意した。
僕らの反応が予想通りだったのか、にやけている堺だがとくになにも言わない。
――――――僕のはらの虫は場の空気が読めないようだ。
レストランから漂ってくる美味しそうな料理の香織の数々にお腹が鳴ってしまった。装備を買うまでは我慢しなければならないとはわかってはいるものの生理現象だ仕方がない。
二人からの屈辱的な笑いと空腹に耐えながら道を歩き続け、店に着いたのは少し経ってからだった。
「おっと、行きすぎるところやった! ついたで!」
堺の声で空腹が吹き飛んだ。待ちに待った装備屋だが、僕は自分の目を疑った。
…………店はこれでもかというほどの黄金に包まれ、眩いばかりに太陽光を反射している。ここまで趣味が悪い建物をみるのは初めてだ。というくらい悪趣味な光を放つ建物だ。
全く、こんな店の持ち主がどんなやつなのか顔を拝みたいくらいだよ……
だけど僕は人の趣味にダメ出しできるほど崇高な人間ではない。黙っておこう。
こればっかりは堺も同意見なようで、こちらをみてうんうんと頷いている。
だけど、ノウェムは空気が読めなかった。
「これは、どう考えても悪趣味だろ?」
普通に店先で店を侮辱した。
その声を聞きつけたであろう屈強な店主がドアを開けて出て来た。その顔は怒りに満ちている様子だった。しかし、その怒りはすぐに収まった。
「人の店の前で失礼なやつがいると思えば……なんだお前らか……それにしてもお前はいつも失礼なやつだなノウェム?」
ノウェムはまた気の無いように言葉を返した。
「こんな悪趣味な人は他にはないとは思ったけど……やっぱりここがおやっさんのみせだったのか……」
どうやらこの3人は顔見知りのようだった。
「俺が謝るから許してやおやっさん。今日は武器を買いに来たんや。」
「別に怒っちゃいねーよ!」
―――――嘘つけ! さっき出てきた時は顔が真っ赤だったじゃねーか! と言いたいところではあるが、彼の屈強な筋肉それに巨体の前では決して悪態などつけない。
「……それにしても、お前らがここに来るとは珍しいな。ということはそいつが?」
おやっさんと呼ばれた男がこちらを指差した。指を差されるのは気分が悪いがそんなことも言えるわけがなくただ堺から紹介されるのを待つばかりだ。
「そうや! コイツがうちのところの期待の新人で俺の心の友であるイグニスや!」
堺の紹介は少し大げさではあったが、紹介されたからにはお辞儀せざるを得ない。
「イグニスですよろしくお願いします」
僕の返事に男は驚いた様子だった。
「こいつは驚いた。お前たちの連れがこんなに丁寧だとは…… いや、すまんかった……こいつ達と関わっているからまたろくでなしかと思っちまったよ!」
「――――娘に聞いているかもしれないが、俺は水無灯の父親、水無 光だ。よろしくな!」
……え! 灯さんの父親!? いくらなんでも似て無さ過ぎるだろう!?
たぶん光は言われなれているのだろう。僕が言葉にするまでもなく自分から切り出す。
「似てないだろう? 俺もまさか自分の娘があんなに可愛くなるとはおもわなかったよ! 正に妻の遺伝子さまさまだな!」
そう言って笑った。
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