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1.1・5 ニヒルのおとぎ話と魔法理論
7.ゼロの魔女
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ゼロの魔女は何度でも蘇る。
魔女はそう言ったが、蘇ることはなかった。
しかし、そうではなかった。
ゼロの魔女の黒い魔力は国民全員に宿っていた。
そのことに気がついた時にはもう手遅れだった。
黒い魔力は世界に蔓延し、みな黒い魔力に当てられて気力も失いつつあった。
100年以上の月日が流れた頃、世界には魔物が溢れ帰っていた。
そんな時、生まれて18年経つ少女がいた。
少女が魔女の魔力に当てられることはなかったため、魔女の魔力を吸い続ける依代として利用された。
しかし、黒い魔力を吸い続けて平気なわけはなく、彼女は少しずつだが弱っていった。
全ての黒い魔力を吸い込む事には成功したが、彼女は衰弱しきっていていつ死ぬとも分からない状態だった。
彼女はその時子供を身籠っていたため、なんとか生まれるまでは生きようと最後の気合だけで耐えつづてた。
彼女は子供が生まれるまではなんとか耐え続けたが、子供が生まれるとともに息を引き取った。
彼女は黒い魔力を吸い続けていたのだから、その子供も影響を受けないわけはない。
生まれて来た少女は産まれながらにして、黒い魔力を保有していた。
人々は彼女を恐れた。
まさにゼロの魔女が言っていた通りだ。
少女は魔女として産まれた。
その名前は魔女からとられ、ニヒルと名付けられた。
人々はニヒルを恐れながらも、大切に育てた。
それは、彼女が世界を救った少女の娘だったからである。
彼女が悪い魔女にならないように導くのが、彼らの役目となっていた。
彼女は学校に通いながら、みんなで生きて行いった。
しかし、彼女が16歳になった時に事件は起きた。
彼女ではないもう一人のゼロの魔女が現れたのだ。
くしくも、彼女の名前もニヒルだった。
新しい方の魔女ニヒルは再び世界に黒い魔力を広めた。
それに対抗するべくもう一人のニヒルは魔力を集めながら、ゼロの魔女を追った。
ゼロの魔女は国の外れであるよみがえりの村の約束の丘の上に住んでいた。
なぜ、黒い魔力を世界に広げるのか聞いた。
彼女は16年ずっと一人ぼっちで寂しかったという。
彼女はニヒルのもう1つのあったかもしれない姿だったのだ。
彼女は別の世界からこちらを覗き見て、こちらの世界のニヒルを羨ましく思っていた。
こっちの世界のニヒルは彼女を抱きしめ、彼女を認めた。
そうして、二人は約束の丘の底へと消えて行った。
人々はニヒルが消えたことを悲しみ、二人のニヒルのために墓を建てた。
それから、ニヒルの墓には人は絶えずおとずれ、ニヒルが消えた日には盛大なイベントが行われるようになった。
ニヒルは消えても、彼らの心の中からは消えなかったのだ。
魔女はそう言ったが、蘇ることはなかった。
しかし、そうではなかった。
ゼロの魔女の黒い魔力は国民全員に宿っていた。
そのことに気がついた時にはもう手遅れだった。
黒い魔力は世界に蔓延し、みな黒い魔力に当てられて気力も失いつつあった。
100年以上の月日が流れた頃、世界には魔物が溢れ帰っていた。
そんな時、生まれて18年経つ少女がいた。
少女が魔女の魔力に当てられることはなかったため、魔女の魔力を吸い続ける依代として利用された。
しかし、黒い魔力を吸い続けて平気なわけはなく、彼女は少しずつだが弱っていった。
全ての黒い魔力を吸い込む事には成功したが、彼女は衰弱しきっていていつ死ぬとも分からない状態だった。
彼女はその時子供を身籠っていたため、なんとか生まれるまでは生きようと最後の気合だけで耐えつづてた。
彼女は子供が生まれるまではなんとか耐え続けたが、子供が生まれるとともに息を引き取った。
彼女は黒い魔力を吸い続けていたのだから、その子供も影響を受けないわけはない。
生まれて来た少女は産まれながらにして、黒い魔力を保有していた。
人々は彼女を恐れた。
まさにゼロの魔女が言っていた通りだ。
少女は魔女として産まれた。
その名前は魔女からとられ、ニヒルと名付けられた。
人々はニヒルを恐れながらも、大切に育てた。
それは、彼女が世界を救った少女の娘だったからである。
彼女が悪い魔女にならないように導くのが、彼らの役目となっていた。
彼女は学校に通いながら、みんなで生きて行いった。
しかし、彼女が16歳になった時に事件は起きた。
彼女ではないもう一人のゼロの魔女が現れたのだ。
くしくも、彼女の名前もニヒルだった。
新しい方の魔女ニヒルは再び世界に黒い魔力を広めた。
それに対抗するべくもう一人のニヒルは魔力を集めながら、ゼロの魔女を追った。
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なぜ、黒い魔力を世界に広げるのか聞いた。
彼女は16年ずっと一人ぼっちで寂しかったという。
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彼女は別の世界からこちらを覗き見て、こちらの世界のニヒルを羨ましく思っていた。
こっちの世界のニヒルは彼女を抱きしめ、彼女を認めた。
そうして、二人は約束の丘の底へと消えて行った。
人々はニヒルが消えたことを悲しみ、二人のニヒルのために墓を建てた。
それから、ニヒルの墓には人は絶えずおとずれ、ニヒルが消えた日には盛大なイベントが行われるようになった。
ニヒルは消えても、彼らの心の中からは消えなかったのだ。
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