よみがえりの一族

真白 悟

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1.1・5 ニヒルのおとぎ話と魔法理論

3.創世の悪魔

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 彼は最初からずっと、ただそこにいた。
 魔王が国を征服した時も、英雄が魔物を倒した時もそこにいた。
 彼はずっと見ていたのだ。
 彼はその様子を眺めて学び、ずっと笑っていた。
 そうして、ずっと機会を待っていた。

 何千年何万年ずっと待ち続けてようやく彼は動き始めた。
 待っていたのは自分に見合った体だった。
 彼は神との戦いにより体を失ってから、ずっと魂だけで生き長らえていた。
 そうやって、神をどうやって倒してやろうか考えていた。

 最初こそ、自分自身で倒す必要はないと考えた。
 ある時は、死を迎えようとしていた青年を不死にし、けしかけた。
 またある時は、罪のない神獣を狂わせ国を崩壊させたりした。
 
 しかし、上手くいったとしても神を倒すまでにはいかなかった。
 結局、人や動物の根底は悪ではなかったのだ。
 彼は悪の心が弱かったから神を倒すに至らないと考えた。
 だからこそ、自らにあった最強の体を探し、神を倒そうと考えた。

 創生の悪魔は世界に悪を作り続けていた。
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