56 / 57
エピローグ
気づかなかった、いくつものこと
しおりを挟む
魔王の専属料理番となってから、半年が過ぎた。
調理場のみんなは今まで通り接してくれるし、時には料理のアドバイスを求めてくる。頼られるのは嬉しく、毎日がとっても充実していた。
そんなある日、もふ魔が私を呼びに来る。
「ぎぃー、きゅっき」
「こっち、ってどこまで行くつもり?」
黒い毛並みのもふ魔に、慌ててついていく。最近可愛い姿を見ないな、と思ったら急にこれなのだ。
今歩いているのは、ドワーフのところへ向かう道。地下にできた巨大な穴の周り、つまり土の壁に沿って少しずつ進んでいる。
もふ魔はドワーフのいる鍛冶場を通過し、さらに下へ。
さすがに不安になって、聞いてみた。
「ねえ、この下に何があるの? もう一匹はどこ?」
二匹はいつも一緒なのに、今回はこの一匹だけ。そのことに何か、関係があるのだろうか。怪我などしていないといいけれど。
「きゅいきゅ」
もふ魔はある小さな扉の前で、急にとまる。
「着いた? ここってこと?」
「きゅい」
入り口は狭く、バスケットボールくらいのもふ魔がちょうど通れるくらいの大きさだった。私だと、這ってぎりぎりくぐれる程度かな?
つぶらな瞳で期待を込めて見つめられたら、応じないわけにはいかない。
私はもふ魔に続き、中へ入った。
「……あら、案外広いのね」
扉を抜けた先は、私が立てるくらいの高さの小さな部屋だった。天井にある蜘蛛の巣を除けば意外と清潔で、壁には明かりが灯っている。
がらんとした部屋の、奥にいたのは――。
「えっと……もう一匹のもふ魔、よね? 側にあるのは、たわし?」
元気そうだから、お留守番をしていたと思われる。その周りには、焦げ茶色のたわしが点々と転がっていた。
「ぎー! きゅっき」
そのもふ魔が呼ぶので近づくと、たわしが動いた。
「きゅ」
「きゅい」
「きゅー」
「え? これって――」
ちっちゃな『もふ魔』だ!
色や大きさは前世のたわしにそっくりで、丸くもふもふした身体に、申し訳程度の角が付いている。
「か、可愛……」
あまりの愛らしさに、絶句してしまう。
その時、私を案内してくれた方のもふ魔が飛び跳ねて、たわし――じゃなく、『ちびもふ魔』の横に誇らしげに並ぶ。
「きゅーい」
「待って。お留守番がお母さんなら、あなたはお父さん? もしかして、ご夫婦だったの!?」
「きゅい」
「きゅーい♪」
当然のように返事をされた。
私は、衝撃の事実にようやく気づく。
普段から仲がいいと思っていたら、なんともふ魔はオスとメス。
そして、この三匹の『ちびもふ魔』は彼らの子供!
「ええっと、まだ小さいから生まれたばかり?」
「きゅい」
「ここは、あなた方のおうち?」
「きゅい」
「お子さんを見せるため、わたくしをここまで連れてきてくれたのね?」
「きゅーい」
「嬉しいわ! それから、ご出産おめでとう」
「きゅいきゅきゅー」
「ぎぃー、きゅいきゅきゅー」
「ありがとうって、わたくしの方こそありがとう」
可愛いの集合体を目にしたおかげで、心が温かい。
帰りは上りでつらくとも、午後の仕事も頑張れそうだ。
焦げ茶色のちびもふ魔にヒントを得て、今日のおやつはモンブラン。
土台は小さなロールケーキをスライスして、上の部分は栗ではなく、ごく少量の黒芋にカスタードクリームを混ぜて仕上げた。
なんとかそれっぽいものができたから、良しとしよう。
「色も茶色で、いいわよね?」
魔王は丸いケーキに怪訝な顔をしたものの、今日も完食してくれた。
「うむ、悪くな……いや、美味しかった」
慌てて言い直したのは、この前の私の発言を気にしているからだと思う。
それは、五日ほど前のこと。
*****
食堂でルーと会食した魔王は、「悪くない」との感想を述べた。対してルーは、「すっごく美味しかったよ」と褒めちぎってくれる。
まあ、メインがルーの好きなスペアリブだったから、わからなくもないけれど。
ただ、手間をかけた料理の感想が「悪くない」では、作りがいもない。
虫の居所が悪かった私は、ルーが立ち去った後、とうとう魔王に意見した。
「悪くない、ではわかりません。気に入ったら、美味しいと言ってください。でなければ、そのメニューは今後一切出しません」
冷静になって考えると、雇われている身でこれはない。
魔王は私の偉そうな物言いを咎めず、すぐに頷く。
「わかった。思うことがあれば、遠慮なく申せ」
「え? いいんですか?」
「ああ」
「ただの使用人なのに?」
「人間界では『妻』と紹介したが?」
「あれは演技でしたよね。そう言えば、あの時髪が長かったのは、どうしてですか?」
「人間の抱く魔王のイメージは、ああではないのか?」
「え? じゃあ、短い今が本来のお姿?」
「決まっておらぬが、こっちの方が手入れが楽だ」
まさか、たったそれだけの理由で?
「他にもあるか? せっかくだから、聞いてやる」
「ええっと……そうだわ! これ、まだ消してもらっておりません」
胸元の魔法陣を見せるため、深く考えずにシャツの襟を広げた。
間の悪いことに、そこへ吸血鬼が来てしまう。
「魔王様、先ほどの書類……人間! そうやって偉大なお方を誘惑するとは、けしからん!!」
「誘惑? ……違っ、あの、これは……」
「言い訳は無用です。さっさとここから出て行きなさい!」
誤解を正してもらおうと魔王を見れば、なぜか片手で口を塞いでいる。
頬がうっすら赤いのは、私の気のせい?
「だいたい、罪人だった分際で……なっ」
胸の刻印に目を走らせた吸血鬼は、なぜか言葉を失った。
彼は私ではなく、魔王に向き直る。
「魔王様! どうして『罪人』でなく『所有』の印を? いつの間に書き換えたのです?」
「え? 書き換えられた覚えはありませんが」
「お前は黙っていなさい! ……え? 今、なんと?」
「ですから、書き換えられた覚えはない、と言いました」
「魔王様!」
慌てる吸血鬼の視線を、魔王は冷静に受け止めている。
「ま、そういうことだ」
「そういうことって……。では、魔王様は初めから、この者を処分なさるおつもりはなかったのですね?」
「クリストラン、いちいち言わねばわからぬか?」
「……いいえ。出過ぎたことを申しました」
悔しそうな吸血鬼。
だけど、私にとっては新事実。
――だったらこの刻印は、魔界で私を護るため?
「我のもの」とか、「魔王様の刻印」だとか。今になってそのセリフの意味が、ようやくわかる。
――『罪人』ではなく『所有』の印なら、消す必要などないのでは?
そんなことを考えた自分が恥ずかしく、顔が熱くなった。
調理場のみんなは今まで通り接してくれるし、時には料理のアドバイスを求めてくる。頼られるのは嬉しく、毎日がとっても充実していた。
そんなある日、もふ魔が私を呼びに来る。
「ぎぃー、きゅっき」
「こっち、ってどこまで行くつもり?」
黒い毛並みのもふ魔に、慌ててついていく。最近可愛い姿を見ないな、と思ったら急にこれなのだ。
今歩いているのは、ドワーフのところへ向かう道。地下にできた巨大な穴の周り、つまり土の壁に沿って少しずつ進んでいる。
もふ魔はドワーフのいる鍛冶場を通過し、さらに下へ。
さすがに不安になって、聞いてみた。
「ねえ、この下に何があるの? もう一匹はどこ?」
二匹はいつも一緒なのに、今回はこの一匹だけ。そのことに何か、関係があるのだろうか。怪我などしていないといいけれど。
「きゅいきゅ」
もふ魔はある小さな扉の前で、急にとまる。
「着いた? ここってこと?」
「きゅい」
入り口は狭く、バスケットボールくらいのもふ魔がちょうど通れるくらいの大きさだった。私だと、這ってぎりぎりくぐれる程度かな?
つぶらな瞳で期待を込めて見つめられたら、応じないわけにはいかない。
私はもふ魔に続き、中へ入った。
「……あら、案外広いのね」
扉を抜けた先は、私が立てるくらいの高さの小さな部屋だった。天井にある蜘蛛の巣を除けば意外と清潔で、壁には明かりが灯っている。
がらんとした部屋の、奥にいたのは――。
「えっと……もう一匹のもふ魔、よね? 側にあるのは、たわし?」
元気そうだから、お留守番をしていたと思われる。その周りには、焦げ茶色のたわしが点々と転がっていた。
「ぎー! きゅっき」
そのもふ魔が呼ぶので近づくと、たわしが動いた。
「きゅ」
「きゅい」
「きゅー」
「え? これって――」
ちっちゃな『もふ魔』だ!
色や大きさは前世のたわしにそっくりで、丸くもふもふした身体に、申し訳程度の角が付いている。
「か、可愛……」
あまりの愛らしさに、絶句してしまう。
その時、私を案内してくれた方のもふ魔が飛び跳ねて、たわし――じゃなく、『ちびもふ魔』の横に誇らしげに並ぶ。
「きゅーい」
「待って。お留守番がお母さんなら、あなたはお父さん? もしかして、ご夫婦だったの!?」
「きゅい」
「きゅーい♪」
当然のように返事をされた。
私は、衝撃の事実にようやく気づく。
普段から仲がいいと思っていたら、なんともふ魔はオスとメス。
そして、この三匹の『ちびもふ魔』は彼らの子供!
「ええっと、まだ小さいから生まれたばかり?」
「きゅい」
「ここは、あなた方のおうち?」
「きゅい」
「お子さんを見せるため、わたくしをここまで連れてきてくれたのね?」
「きゅーい」
「嬉しいわ! それから、ご出産おめでとう」
「きゅいきゅきゅー」
「ぎぃー、きゅいきゅきゅー」
「ありがとうって、わたくしの方こそありがとう」
可愛いの集合体を目にしたおかげで、心が温かい。
帰りは上りでつらくとも、午後の仕事も頑張れそうだ。
焦げ茶色のちびもふ魔にヒントを得て、今日のおやつはモンブラン。
土台は小さなロールケーキをスライスして、上の部分は栗ではなく、ごく少量の黒芋にカスタードクリームを混ぜて仕上げた。
なんとかそれっぽいものができたから、良しとしよう。
「色も茶色で、いいわよね?」
魔王は丸いケーキに怪訝な顔をしたものの、今日も完食してくれた。
「うむ、悪くな……いや、美味しかった」
慌てて言い直したのは、この前の私の発言を気にしているからだと思う。
それは、五日ほど前のこと。
*****
食堂でルーと会食した魔王は、「悪くない」との感想を述べた。対してルーは、「すっごく美味しかったよ」と褒めちぎってくれる。
まあ、メインがルーの好きなスペアリブだったから、わからなくもないけれど。
ただ、手間をかけた料理の感想が「悪くない」では、作りがいもない。
虫の居所が悪かった私は、ルーが立ち去った後、とうとう魔王に意見した。
「悪くない、ではわかりません。気に入ったら、美味しいと言ってください。でなければ、そのメニューは今後一切出しません」
冷静になって考えると、雇われている身でこれはない。
魔王は私の偉そうな物言いを咎めず、すぐに頷く。
「わかった。思うことがあれば、遠慮なく申せ」
「え? いいんですか?」
「ああ」
「ただの使用人なのに?」
「人間界では『妻』と紹介したが?」
「あれは演技でしたよね。そう言えば、あの時髪が長かったのは、どうしてですか?」
「人間の抱く魔王のイメージは、ああではないのか?」
「え? じゃあ、短い今が本来のお姿?」
「決まっておらぬが、こっちの方が手入れが楽だ」
まさか、たったそれだけの理由で?
「他にもあるか? せっかくだから、聞いてやる」
「ええっと……そうだわ! これ、まだ消してもらっておりません」
胸元の魔法陣を見せるため、深く考えずにシャツの襟を広げた。
間の悪いことに、そこへ吸血鬼が来てしまう。
「魔王様、先ほどの書類……人間! そうやって偉大なお方を誘惑するとは、けしからん!!」
「誘惑? ……違っ、あの、これは……」
「言い訳は無用です。さっさとここから出て行きなさい!」
誤解を正してもらおうと魔王を見れば、なぜか片手で口を塞いでいる。
頬がうっすら赤いのは、私の気のせい?
「だいたい、罪人だった分際で……なっ」
胸の刻印に目を走らせた吸血鬼は、なぜか言葉を失った。
彼は私ではなく、魔王に向き直る。
「魔王様! どうして『罪人』でなく『所有』の印を? いつの間に書き換えたのです?」
「え? 書き換えられた覚えはありませんが」
「お前は黙っていなさい! ……え? 今、なんと?」
「ですから、書き換えられた覚えはない、と言いました」
「魔王様!」
慌てる吸血鬼の視線を、魔王は冷静に受け止めている。
「ま、そういうことだ」
「そういうことって……。では、魔王様は初めから、この者を処分なさるおつもりはなかったのですね?」
「クリストラン、いちいち言わねばわからぬか?」
「……いいえ。出過ぎたことを申しました」
悔しそうな吸血鬼。
だけど、私にとっては新事実。
――だったらこの刻印は、魔界で私を護るため?
「我のもの」とか、「魔王様の刻印」だとか。今になってそのセリフの意味が、ようやくわかる。
――『罪人』ではなく『所有』の印なら、消す必要などないのでは?
そんなことを考えた自分が恥ずかしく、顔が熱くなった。
10
お気に入りに追加
727
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された公爵令嬢は、真実の愛を証明したい
香月文香
恋愛
「リリィ、僕は真実の愛を見つけたんだ!」
王太子エリックの婚約者であるリリアーナ・ミュラーは、舞踏会で婚約破棄される。エリックは男爵令嬢を愛してしまい、彼女以外考えられないというのだ。
リリアーナの脳裏をよぎったのは、十年前、借金のかたに商人に嫁いだ姉の言葉。
『リリィ、私は真実の愛を見つけたわ。どんなことがあったって大丈夫よ』
そう笑って消えた姉は、五年前、首なし死体となって娼館で見つかった。
真実の愛に浮かれる王太子と男爵令嬢を前に、リリアーナは決意する。
——私はこの二人を利用する。
ありとあらゆる苦難を与え、そして、二人が愛によって結ばれるハッピーエンドを見届けてやる。
——それこそが真実の愛の証明になるから。
これは、婚約破棄された公爵令嬢が真実の愛を見つけるお話。
※6/15 20:37に一部改稿しました。
【完結】聖女が世界を呪う時
リオール
恋愛
【聖女が世界を呪う時】
国にいいように使われている聖女が、突如いわれなき罪で処刑を言い渡される
その時聖女は終わりを与える神に感謝し、自分に冷たい世界を呪う
※約一万文字のショートショートです
※他サイトでも掲載中
【完結】2愛されない伯爵令嬢が、愛される公爵令嬢へ
華蓮
恋愛
ルーセント伯爵家のシャーロットは、幼い頃に母に先立たれ、すぐに再婚した義母に嫌われ、父にも冷たくされ、義妹に全てのものを奪われていく、、、
R18は、後半になります!!
☆私が初めて書いた作品です。
虐げられた落ちこぼれ令嬢は、若き天才王子様に溺愛される~才能ある姉と比べられ無能扱いされていた私ですが、前世の記憶を思い出して覚醒しました~
日之影ソラ
恋愛
異能の強さで人間としての価値が決まる世界。国内でも有数の貴族に生まれた双子は、姉は才能あふれる天才で、妹は無能力者の役立たずだった。幼いころから比べられ、虐げられてきた妹リアリスは、いつしか何にも期待しないようになった。
十五歳の誕生日に突然強大な力に目覚めたリアリスだったが、前世の記憶とこれまでの経験を経て、力を隠して平穏に生きることにする。
さらに時がたち、十七歳になったリアリスは、変わらず両親や姉からは罵倒され惨めな扱いを受けていた。それでも平穏に暮らせるならと、気にしないでいた彼女だったが、とあるパーティーで運命の出会いを果たす。
異能の大天才、第六王子に力がばれてしまったリアリス。彼女の人生はどうなってしまうのか。
異世界転移の……説明なし!
サイカ
ファンタジー
神木冬華(かみきとうか)28才OL。動物大好き、ネコ大好き。
仕事帰りいつもの道を歩いているといつの間にか周りが真っ暗闇。
しばらくすると突然視界が開け辺りを見渡すとそこはお城の屋根の上!? 無慈悲にも頭からまっ逆さまに落ちていく。
落ちていく途中で王子っぽいイケメンと目が合ったけれど落ちていく。そして…………
聞いたことのない国の名前に見たこともない草花。そして魔獣化してしまう動物達。
ここは異世界かな? 異世界だと思うけれど……どうやってここにきたのかわからない。
召喚されたわけでもないみたいだし、神様にも会っていない。元の世界で私がどうなっているのかもわからない。
私も異世界モノは好きでいろいろ読んできたから多少の知識はあると思い目立たないように慎重に行動していたつもりなのに……王族やら騎士団長やら関わらない方がよさそうな人達とばかりそうとは知らずに知り合ってしまう。
ピンチになったら大剣の勇者が現れ…………ない!
教会に行って祈ると神様と話せたり…………しない!
森で一緒になった相棒の三毛猫さんと共に、何の説明もなく異世界での生活を始めることになったお話。
※小説家になろうでも投稿しています。
【完結(続編)ほかに相手がいるのに】
もえこ
恋愛
恋愛小説大賞に参加中、投票いただけると嬉しいです。
遂に、杉崎への気持ちを完全に自覚した葉月。
理性に抗えずに杉崎と再び身体を重ねた葉月は、出張先から帰るまさにその日に、遠距離恋愛中である恋人の拓海が自身の自宅まで来ている事を知り、動揺する…。
拓海は空港まで迎えにくるというが…
男女間の性描写があるため、苦手な方は読むのをお控えください。
こちらは、既に公開・完結済みの「ほかに相手がいるのに」の続編となります。
よろしければそちらを先にご覧ください。
私、自立します! 聖女様とお幸せに ―薄倖の沈黙娘は悪魔辺境伯に溺愛される―
望月 或
恋愛
赤字続きのデッセルバ商会を営むゴーンが声を掛けたのは、訳ありの美しい女だった。
「この子を預かって貰えますか? お礼に、この子に紳士様の経営が上手くいくおまじないを掛けましょう」
その言葉通りグングンと経営が上手くいったが、ゴーンは女から預かった、声の出せない器量の悪い娘――フレイシルを無視し、デッセルバ夫人や使用人達は彼女を苛め虐待した。
そんな中、息子のボラードだけはフレイシルに優しく、「好きだよ」の言葉に、彼女は彼に“特別な感情”を抱いていった。
しかし、彼が『聖女』と密会している場面を目撃し、彼の“本音”を聞いたフレイシルはショックを受け屋敷を飛び出す。
自立の為、仕事紹介所で紹介された仕事は、魔物を身体に宿した辺境伯がいる屋敷のメイドだった。
早速その屋敷へと向かったフレイシルを待っていたものは――
一方その頃、フレイシルがいなくなってデッセルバ商会の経営が一気に怪しくなり、ゴーン達は必死になって彼女を捜索するが――?
※作者独自の世界観で、ゆるめ設定です。おかしいと思っても、ツッコミはお手柔らかに心の中でお願いします……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる