49 / 57
第四章 魔王様の料理番
ざまあの時間です 2
しおりを挟む
ベールの付いた帽子を脱ぐと、エミリオ王子が驚いたように目を開く。
「お前、ヴィオネッタ!!」
「なっ……。そうなのか?」
国王は痩せた私を初めて見たため、半信半疑だ。
「国王陛下、エミリオ殿下、お久しゅうございます」
私はスカートを摘まみ、ことさら優雅にお辞儀した。
「これが我の……いや、魔界の宝だ。ヴィオネッタのおかげで、我が領土は富み栄えるだろう」
魔王に肩を抱き寄せられたため、ドキドキしてしまう。
即座に反応したのはヒロインで、勢いよく立ち上がる。
「その女は盗人よ! 魔界の王ともあろうお方が、盗人の肩を持つのですか?」
ピピがビシッと指差して、当然のように私を糾弾する。ゲームでの悪役令嬢を知っているせいか、痩せた姿もなんなく受け入れたみたい。
「いいえ、何も盗んでいないわ!」
「ふむ、盗人とな。それは誓って本当か?」
「え? ……ええ。もちろんですわ」
ヒロインは一瞬口ごもったものの、自分の言葉を聞き入れた魔王に気を良くしているみたい。祈るような可憐なポーズで、彼だけを見つめていた。
下女と言われてバカにされたのに、いいの? ヒロイン、結構たくましいのね。
「魔界の王様。あなたは、この女に騙されているのです。だって彼女は悪役ですもの。まっとうな生き方など、できるはずがありません」
いやいや、それはゲームの話でしょう?
ここでの私は悪事を働こうとも思わない。
憤慨し、すかさず言い返す。
「いいえ。あなたの方こそ、みんなを騙しているじゃない。猫を被るなら、徹底的になさったら? 自分勝手な命令で、周りの者を傷つけないで」
「ひどいっ。私を悪者にしようとしているのね」
「いや、悪者っていうか、すでに悪い……」
「みなさんは、私を信じてくれるでしょう?」
計算され尽くした角度で首を傾げるヒロインには、呆れてものが言えない。
こんなのを、信じるバカがいるはずが――。
「そうだな。ヴィオネッタは国の宝を盗み、純粋なピピを害した罪でここを追放された。その上、魔界の王までたぶらかしたと見える」
ここにいた!
エミリオ王子。そのセリフ、魔王にケンカを売っていますよ?
「ほう。我はそなたに、たぶらかされたようだな」
笑いを堪える魔王の横で、私は首をぶんぶん横に振る。
私が彼をたぶらかすなど、どう考えてもあり得ない。
「エミリオ殿下のおっしゃる通りですわ。盗んだ宝を返すどころか、平気で戻ってくるなん……」
「いつだ?」
魔王がいきなり、ピピの言葉を遮った。
「え?」
「宝とやらが盗まれたのは、いつのことかと聞いておる」
「え? まさか犯人が、別にいるとお思いですか?」
「魔界の王よ。城にもきちんとした記録がございます」
「お前達の言葉など、どうでもいい。正確な日にちを言え」
断罪された日のことは、私が一番よく覚えている。
けれど、宝を盗んだ覚えはないから、そっちは全くわからない。
「しょ、少々お待ちを。記述された帳面を、急いで取りに行かせます」
エミリオ王子に命じられ、侍従が慌てて部屋を出た。
戻って来た彼の手には、冊子のようなものが握られている。王子はそれを奪うようにもぎ取ると、素早く目を走らせた。
「ええっと昨年の太陽の月、下五日です」
「よかろう」
魔王は大きく頷くと、両手を掲げた。
すると玉座の間の中央に、巨大な映像が現れる。
「あっ……」
「なんと!」
まるでプロジェクションマッピングのようだ。何もない空間に投映されているので、ホログラムと言った方が近いかもしれない。
驚くべきはその精度。背景までもがくっきりと映し出されている。
それはある扉の前で、二人の兵士が立っている光景だった。
「これは……宝物庫の前ではないか」
「おかしいですね。今は、四人体制のはずです。増員前というと……」
国王が呟き王子がハッとしたため、私も気づく。
それならこれは、国宝が盗られた過去のこと?
扉に近づく後ろ姿の女性は、小柄で細身。
当時の太った私とは、似ても似つかない。
『お疲れ様です。差し入れをどうぞ』
声まで再生できるのね。
でも、今の声――――ピピだ!
『いいえ、我々は仕事中ですので』
『あら。でも、殿下の許可はいただいておりますよ』
女性の顔がはっきり映し出された。
やっぱりヒロインだ。
「許可? いったいなんのことだ?」
「違う、私じゃない……」
「気が散る。静かにしておれ」
魔王の言葉で、王子もピピも黙り込む。
映像の中の兵士は、ピピに嬉しそうな顔を向けている。
『そうですか? では、遠慮なく』
彼女の差し入れたものを口にした兵士は、眠そうに目をパチパチさせている。
その数分後、二人の兵士は床に崩れ落ちた。
『意外と時間がかかったわね。でも、まあいいわ』
ピピは持っていた鍵を差し込むと、宝物庫の中に滑るように消えていく。
「違う、何かの間違いよ!!」
大声で叫ぶヒロインだけど、みんなは画像に釘付けだ。
画面の中のピピが、満足そうに部屋を出た。
それからしばらくして、眠っていた兵士が飛び起きる。
『しまった! 甘いものを食べたせいで、うたた寝したようだ』
『俺も。こんなことがバレたら大変だ。誰もいなくて良かったな』
苦笑する兵士達の前に、覆面をした二人の男が登場する。
『誰だ!』
『この中に用がある』
『悪いが、ここを通してもらうぞ』
『させるか! ……何? 手が、手が急に動かないっ』
『俺もだ。まさか、さっきの中にしびれ薬が? ……ごふっ』
哀れな兵士は斬り捨てられて、怪しい男達はまんまと宝物庫へ侵入する。
出てきた彼らの懐は、大きく膨らんでいた。
『どういうことだ? 緑の石なんてなかったぞ』
『ま、その分他のをせしめたし、いいじゃないか。ある方の名前を出せば助かるとはいえ、ここはいったん引いておこう』
男達の会話の直後、女性の悲鳴が聞こえる。
『きゃーっ、大変。誰か、誰か来て!!』
またしてもピピだ。
彼女の声で駆け寄った王子と護衛が、覆面男に斬りかかる。
『なっ……直ちに捕らえよ!』
『いや、俺達は頼まれただけ……って、お前!!』
一人は逃げ足が速く、そのまま逃走。
残った男は焦った様子で、聞いてもないのに白状する。
『ヴィオネッタ様だ! 俺達は、彼女の依頼で国宝を借りに来た』
『借りに? 盗むの間違いだろう? しかも人を殺しておいて、よくもっ』
『まあね。それっ!』
隙を見て走り出した男に、ピピ自らが体当たり。
『きゃあーーっ』
待って。今、自分から倒れたよね?
『貴様、僕のピピまで……許さん!』
わざとらしく床に伏せた彼女を見て、エミリオ王子は勘違い。
激高した王子は男に走って追いつくと、問答無用で背中を斬りつけた。
男の懐から、盗んだ腕輪や宝石が零れ落ちていく――。
ふいに画像が消え、辺りは静寂に包まれた。
「お前、ヴィオネッタ!!」
「なっ……。そうなのか?」
国王は痩せた私を初めて見たため、半信半疑だ。
「国王陛下、エミリオ殿下、お久しゅうございます」
私はスカートを摘まみ、ことさら優雅にお辞儀した。
「これが我の……いや、魔界の宝だ。ヴィオネッタのおかげで、我が領土は富み栄えるだろう」
魔王に肩を抱き寄せられたため、ドキドキしてしまう。
即座に反応したのはヒロインで、勢いよく立ち上がる。
「その女は盗人よ! 魔界の王ともあろうお方が、盗人の肩を持つのですか?」
ピピがビシッと指差して、当然のように私を糾弾する。ゲームでの悪役令嬢を知っているせいか、痩せた姿もなんなく受け入れたみたい。
「いいえ、何も盗んでいないわ!」
「ふむ、盗人とな。それは誓って本当か?」
「え? ……ええ。もちろんですわ」
ヒロインは一瞬口ごもったものの、自分の言葉を聞き入れた魔王に気を良くしているみたい。祈るような可憐なポーズで、彼だけを見つめていた。
下女と言われてバカにされたのに、いいの? ヒロイン、結構たくましいのね。
「魔界の王様。あなたは、この女に騙されているのです。だって彼女は悪役ですもの。まっとうな生き方など、できるはずがありません」
いやいや、それはゲームの話でしょう?
ここでの私は悪事を働こうとも思わない。
憤慨し、すかさず言い返す。
「いいえ。あなたの方こそ、みんなを騙しているじゃない。猫を被るなら、徹底的になさったら? 自分勝手な命令で、周りの者を傷つけないで」
「ひどいっ。私を悪者にしようとしているのね」
「いや、悪者っていうか、すでに悪い……」
「みなさんは、私を信じてくれるでしょう?」
計算され尽くした角度で首を傾げるヒロインには、呆れてものが言えない。
こんなのを、信じるバカがいるはずが――。
「そうだな。ヴィオネッタは国の宝を盗み、純粋なピピを害した罪でここを追放された。その上、魔界の王までたぶらかしたと見える」
ここにいた!
エミリオ王子。そのセリフ、魔王にケンカを売っていますよ?
「ほう。我はそなたに、たぶらかされたようだな」
笑いを堪える魔王の横で、私は首をぶんぶん横に振る。
私が彼をたぶらかすなど、どう考えてもあり得ない。
「エミリオ殿下のおっしゃる通りですわ。盗んだ宝を返すどころか、平気で戻ってくるなん……」
「いつだ?」
魔王がいきなり、ピピの言葉を遮った。
「え?」
「宝とやらが盗まれたのは、いつのことかと聞いておる」
「え? まさか犯人が、別にいるとお思いですか?」
「魔界の王よ。城にもきちんとした記録がございます」
「お前達の言葉など、どうでもいい。正確な日にちを言え」
断罪された日のことは、私が一番よく覚えている。
けれど、宝を盗んだ覚えはないから、そっちは全くわからない。
「しょ、少々お待ちを。記述された帳面を、急いで取りに行かせます」
エミリオ王子に命じられ、侍従が慌てて部屋を出た。
戻って来た彼の手には、冊子のようなものが握られている。王子はそれを奪うようにもぎ取ると、素早く目を走らせた。
「ええっと昨年の太陽の月、下五日です」
「よかろう」
魔王は大きく頷くと、両手を掲げた。
すると玉座の間の中央に、巨大な映像が現れる。
「あっ……」
「なんと!」
まるでプロジェクションマッピングのようだ。何もない空間に投映されているので、ホログラムと言った方が近いかもしれない。
驚くべきはその精度。背景までもがくっきりと映し出されている。
それはある扉の前で、二人の兵士が立っている光景だった。
「これは……宝物庫の前ではないか」
「おかしいですね。今は、四人体制のはずです。増員前というと……」
国王が呟き王子がハッとしたため、私も気づく。
それならこれは、国宝が盗られた過去のこと?
扉に近づく後ろ姿の女性は、小柄で細身。
当時の太った私とは、似ても似つかない。
『お疲れ様です。差し入れをどうぞ』
声まで再生できるのね。
でも、今の声――――ピピだ!
『いいえ、我々は仕事中ですので』
『あら。でも、殿下の許可はいただいておりますよ』
女性の顔がはっきり映し出された。
やっぱりヒロインだ。
「許可? いったいなんのことだ?」
「違う、私じゃない……」
「気が散る。静かにしておれ」
魔王の言葉で、王子もピピも黙り込む。
映像の中の兵士は、ピピに嬉しそうな顔を向けている。
『そうですか? では、遠慮なく』
彼女の差し入れたものを口にした兵士は、眠そうに目をパチパチさせている。
その数分後、二人の兵士は床に崩れ落ちた。
『意外と時間がかかったわね。でも、まあいいわ』
ピピは持っていた鍵を差し込むと、宝物庫の中に滑るように消えていく。
「違う、何かの間違いよ!!」
大声で叫ぶヒロインだけど、みんなは画像に釘付けだ。
画面の中のピピが、満足そうに部屋を出た。
それからしばらくして、眠っていた兵士が飛び起きる。
『しまった! 甘いものを食べたせいで、うたた寝したようだ』
『俺も。こんなことがバレたら大変だ。誰もいなくて良かったな』
苦笑する兵士達の前に、覆面をした二人の男が登場する。
『誰だ!』
『この中に用がある』
『悪いが、ここを通してもらうぞ』
『させるか! ……何? 手が、手が急に動かないっ』
『俺もだ。まさか、さっきの中にしびれ薬が? ……ごふっ』
哀れな兵士は斬り捨てられて、怪しい男達はまんまと宝物庫へ侵入する。
出てきた彼らの懐は、大きく膨らんでいた。
『どういうことだ? 緑の石なんてなかったぞ』
『ま、その分他のをせしめたし、いいじゃないか。ある方の名前を出せば助かるとはいえ、ここはいったん引いておこう』
男達の会話の直後、女性の悲鳴が聞こえる。
『きゃーっ、大変。誰か、誰か来て!!』
またしてもピピだ。
彼女の声で駆け寄った王子と護衛が、覆面男に斬りかかる。
『なっ……直ちに捕らえよ!』
『いや、俺達は頼まれただけ……って、お前!!』
一人は逃げ足が速く、そのまま逃走。
残った男は焦った様子で、聞いてもないのに白状する。
『ヴィオネッタ様だ! 俺達は、彼女の依頼で国宝を借りに来た』
『借りに? 盗むの間違いだろう? しかも人を殺しておいて、よくもっ』
『まあね。それっ!』
隙を見て走り出した男に、ピピ自らが体当たり。
『きゃあーーっ』
待って。今、自分から倒れたよね?
『貴様、僕のピピまで……許さん!』
わざとらしく床に伏せた彼女を見て、エミリオ王子は勘違い。
激高した王子は男に走って追いつくと、問答無用で背中を斬りつけた。
男の懐から、盗んだ腕輪や宝石が零れ落ちていく――。
ふいに画像が消え、辺りは静寂に包まれた。
11
お気に入りに追加
725
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!
中野莉央
ファンタジー
将来の夢はケーキ屋さん。そんな、どこにでもいるような学生は交通事故で死んだ後、異世界の子爵令嬢セリナとして生まれ変わっていた。学園卒業時に婚約者だった侯爵家の子息から婚約破棄を言い渡され、伯爵令嬢フローラに婚約者を奪われる形となったセリナはその後、諸事情で双子の猫耳メイドとパティスリー経営をはじめる事になり、不動産屋、魔道具屋、熊獣人、銀狼獣人の冒険者などと関わっていく。
※パティスリーの開店準備が始まるのが71話から。パティスリー開店が122話からになります。また、後宮、寵姫、国王などの要素も出てきます。(以前、書いた『婚約破棄された悪役令嬢は決意する「そうだ、パティシエになろう……!」』というチート系短編小説がきっかけで書きはじめた小説なので若干、かぶってる部分もありますが基本的に設定や展開は違う物になっています)※「小説家になろう」でも投稿しています。
家族内ランクE~とある乙女ゲー悪役令嬢、市民堕ちで逃亡します~
りう
ファンタジー
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。
ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。
我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。
――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。
「はい、では平民になります」
虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。
hoo
恋愛
ほぅ……(溜息)
前世で夢中になってプレイしておりました乙ゲーの中で、わたくしは男爵の娘に婚約者である皇太子さまを奪われそうになって、あらゆる手を使って彼女を虐め抜く悪役令嬢でございました。
ですのに、どういうことでございましょう。
現実の世…と申していいのかわかりませぬが、この世におきましては、皇太子さまにそのような恋人は未だに全く存在していないのでございます。
皇太子さまも乙ゲーの彼と違って、わたくしに大変にお優しいですし、第一わたくし、皇太子さまに恋人ができましても、その方を虐め抜いたりするような下品な品性など持ち合わせてはおりませんの。潔く身を引かせていただくだけでございますわ。
ですけど、もし本当にあの乙ゲーのようなエンディングがあるのでしたら、わたくしそれを切に望んでしまうのです。婚約破棄されてしまえば、わたくしは晴れて自由の身なのですもの。もうこれまで辿ってきた帝王教育三昧の辛いイバラの道ともおさらばになるのですわ。ああなんて素晴らしき第二の人生となりますことでしょう。
ですから、わたくし決めました。あの乙ゲーをこの世界で実現すると。
そうです。いまヒロインが不在なら、わたくしが用意してしまえばよろしいのですわ。そして皇太子さまと恋仲になっていただいて、わたくしは彼女にお茶などをちょっとひっかけて差し上げたりすればいいのですよね。
さあ始めますわよ。
婚約破棄をめざして、人生最後のイバラの道行きを。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒロインサイドストーリー始めました
『めんどくさいが口ぐせになった公爵令嬢とお友達になりたいんですが。』
↑ 統合しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる