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第三章 偽の恋人
破滅の足音 2
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嬉しいが、喜んでいる暇はない。
アウロスのことが好きなのか否か。
彼女自身の口から真実を聞き出すためにも、森へ急ごう。
「ディアの今日の服装は?」
「ラ、ラベンダー色のドレスです。襟と裾がベルツのレースで、同色の帽子を被っているかと」
もう一人の侍女が答えた。ハンナと呼ばれた彼女も、城で何度も見かけたことがある。
「わかった、ありがとう。それからヨルク、この男を貸してくれ。どの道を通ったのか案内を頼みたい」
「使い物になりませんが、よろしいのですか? まさか、クラウス王子が自ら助けに?」
「ああ、すぐに向かう」
東屋でも会った大柄な男は、マルクというらしい。妹を案じるヨルクも付いて来ようとしたが、足手まといになるので断った。
『深い森』に向けて全速力で馬を駆る。途中、馬を休ませている間に俺はマルクに疑問をぶつけた。
「動きを見て気になったが、もしかして護衛の経験がないのではないか?」
「ど、どうしてそれを!」
やはりそうか。彼は東屋でディアを守り切れず、貴族の子弟を傷つけることをためらった。また、仲間を優先し、主人をあっさり引き渡す。本物の護衛なら、そんなことはしない。
「なぜ伯爵家に潜り込めた? 公爵家の者か?」
「いえ、あの……酒場でたまたま話を聞いて」
「酒場?」
マルクの話によると、「女性に興味のない護衛が見つからない~」と大騒ぎしていたヨルクを見て、思いついたそうだ。護衛の経験はないが、互いにしか興味のない自分達なら雇われるのではないか、と。
「つまり、ヨルクはその条件を優先した。君達もギルドに登録しているわけではないと、そういうわけか」
「ええ、まあ」
ヨルクももう少し考えれば良かったものを。歴戦の猛者が、たとえそうであっても「女性に興味がない」と自ら名乗りを上げるわけないだろう? 妹好きもここまでくると恐ろしい。そのせいで彼女は今、危険な目に遭っているのだ。
「だが、仲間を助けるだけならディアを引き渡した後、そのまま逃げることもできたはずだな。裏切った家にわざわざ戻って来たのはなぜだ?」
「それは……お嬢様が逃がしてくれたからです。その身を投げ出し、私達を庇って下さったので」
髪をかき上げため息をつく。
ディア、君はなぜ――もっと自分を大事にしないんだ?
日が沈む前に、マルクがディアと別れたという森の入り口に到着した。ここから入った狩猟用の小屋にでも、彼女は捕らえられているのだろう。よく見れば所々に馬の蹄の跡があるから、俺の推測は間違っていないはずだ。
「ここからは二手に別れよう。ミレディアを発見したら、笛で合図をしてくれ」
「かしこまりました。お気をつけて」
三人ずつに分かれた。笛は鳥の鳴き声にも似ているため、たぶん相手に警戒されない。ディアを早く助けようと、俺は木立の中でもぎりぎりの速度を保った。夜には真っ暗で何も見えなくなるから、救出に向かう術がない。それまでが勝負だ。
進むにつれ、日が急速に傾く。気が付けば、オレンジ色の夕日が沈もうとしていた。
「クラウス様、そろそろ戻った方がよろしいかと」
「まだだ、もう少し先に……待て、この匂いは何だ?」
そう遠くないところから、焦げたような匂いがした。俺は嫌がる馬を宥め、そちらに進む。急激に不安が募る。少し開けた場所に黒焦げの塊が見えるが……あれは、建物の残骸か?
馬を飛び降り、慌てて近づく。触れた地面は温かく、所々から煙も立ち上っているようだ。見つかることを恐れてここを焼き払い、他に移動したのか? いや、公爵の身柄は城で拘束していたため、連絡する手段は断たれていた。それなら誰が? エルゼの仕業だとしたら、いったい何のために――?
じわじわと恐怖がせり上がる。
捕らえたディアを置き去りにして、ここを離れたわけではないだろうな?
「クラウス様、こちらをご覧下さい! ちょうど崩れた薪の下にあって……」
優秀な兵が焼け残ったわずかな物を見つけたようだ。受け取った瞬間、思考が停止する。
目にしたものが信じられない。いや、信じたくないと言えばいいのか。焦げ付いたラベンダー色の生地には、わずかにレースが付いていた。特徴的なベルツのレースだ!
「バカな!」
頭が理解を拒み、苦しくて息もできない。
「違う……何かの間違いだ。これは、ディアのものじゃない!」
彼女が俺を残して、先に逝くはずがないだろう? 俺は切れ端を握り締めて、ただひたすら彼女の無事を祈った。
*****
クラウスが慌ただしく去った後、僕――アウロスも兵を引き連れてデリウス公爵家に向かった。といってもエルゼが森にいるのなら、ここはもぬけの殻のはずだ。
ところが、屋敷の正面近くで公爵家の馬車に行き会った。馬車は急停止し、窓からエルゼが顔を出す。
「まああ。アウロス様、どうなされたの? わざわざいらして下さるなんて、嬉しい驚きですわ」
エルゼは相変わらずだった。父親が捕まったというのに、着飾って出掛けていたのか? それともディアが中にいる?
「エルゼ嬢、緊急事態だ。中を改めさせてもらう」
「緊急事態? いったいどういうことですの?」
不思議そうな顔は、演技にはとても見えない。けれど僕もクラウスも、この女の本性をよく知っている。
「人が一人攫われた。公爵が指示したらしい」
エルゼは初めて聞いたように、身を震わせた。
「お父様が? まさか、そんな恐ろしいことを!」
扉を開けさせ、中に乗り込む。エルゼと目の細い侍女……だけ? だったらエルゼは、父親の件とは無関係なのだろうか?
「ディアを……僕のディアを知らないか?」
あえて口にする。
けれどエルゼは、一瞬強張った表情を見事な笑みで覆い隠した。
「さあ、何のことかしら。どうしてわたくしが知っていて?」
森には行っていないのか。
諦めて馬車を降りようとしたところ、侍女の顔色が悪いことに気が付いた。侍女は両手を顔の前で組んで微かに震えている。待てよ、さっき公爵は何と言った?
『よく知らん。娘の側にいた女だ』
――まさか!
僕は侍女を見て、次いでエルゼとその足元を見た。ドレスの裾を一気に捲り上げる。
「きゃあっ、アウロス様ったら。こんな所で大胆ですわ!」
喜ぶエルゼを無視し、彼女の足に手を伸ばす。足首を持ち、履いていた銀色の靴を脱がせた。その裏には……
「なぜ腐葉土が? それにこの葉っぱは?」
特徴的で小さな葉は、この近辺にはないものだ。エルゼはやはり、森へ行ったのか。
馬車の中の温度が、一気に下がった気がした。連れ去ったはずのディアだけが、ここにはいない。
「さ、さあ?」
「申し訳ありません、すみませんすみません……」
「お前! よくもっ」
侍女が震えながら謝罪する。
そんな侍女をエルゼが叱り飛ばした途端、外では騒ぎが持ち上がる。
「なっ、いきなりなんだ?」
「抵抗するな! 取り押さえろ」
「エルゼ様ーーっ!」
外に目を向ける。絶叫した男が、刃物を振り回しているようだ。従僕の出で立ちだが、刺客なのか? だが、鍛えられた兵士を相手に敵うはずがない。男はあっさり捕らえられた。
「何なの、これ。わたくしは知らないわ。彼が勝手にしたことよ!」
他人に罪をなすりつけるとは、どこまで性根が腐っているのか。それよりディアは、どこにいる?
「ディアは……ミレディア嬢はどこだ?」
歯を食いしばり、声を出す。エルゼと侍女をかわるがわる見つめると、侍女が先に口を開いた。
「ドゥンケルヴァルトです。でも、もしかしたらもう……」
「何なのよ! わたくしは知らないわ。ねえアウロス様、信じ……きゃあっ」
僕の腕に縋りつこうとするエルゼを、思いっきり振り払う。勢いで、手が彼女の頬を掠ったようだ。エルゼが邪魔なせいで、侍女の話がよく聞こえない。
「痛いっ。わたくしに対してこの扱いはどういうこと! 貴方は女性に優しいはずで……ふぐっ」
エルゼの顔ごと片手で掴むと、背もたれに彼女の頭を押し付けた。騒ぐだけなら斬り付けたいが、立場上それはマズい。
「うるさいな、黙っていられないのか? 優しいのはクラウスだ。手を上げてしまわないよう、わざと君を遠ざけた。僕は、害虫には優しくできない」
エルゼを睨みつけた僕は、侍女の話に耳を傾ける。侍女は観念したのかエルゼを庇おうともしなかった。詳しい話を聞くにつれ、目の前が絶望に染まる――お願いだ、誰か嘘だと言ってくれ!
アウロスのことが好きなのか否か。
彼女自身の口から真実を聞き出すためにも、森へ急ごう。
「ディアの今日の服装は?」
「ラ、ラベンダー色のドレスです。襟と裾がベルツのレースで、同色の帽子を被っているかと」
もう一人の侍女が答えた。ハンナと呼ばれた彼女も、城で何度も見かけたことがある。
「わかった、ありがとう。それからヨルク、この男を貸してくれ。どの道を通ったのか案内を頼みたい」
「使い物になりませんが、よろしいのですか? まさか、クラウス王子が自ら助けに?」
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東屋でも会った大柄な男は、マルクというらしい。妹を案じるヨルクも付いて来ようとしたが、足手まといになるので断った。
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「動きを見て気になったが、もしかして護衛の経験がないのではないか?」
「ど、どうしてそれを!」
やはりそうか。彼は東屋でディアを守り切れず、貴族の子弟を傷つけることをためらった。また、仲間を優先し、主人をあっさり引き渡す。本物の護衛なら、そんなことはしない。
「なぜ伯爵家に潜り込めた? 公爵家の者か?」
「いえ、あの……酒場でたまたま話を聞いて」
「酒場?」
マルクの話によると、「女性に興味のない護衛が見つからない~」と大騒ぎしていたヨルクを見て、思いついたそうだ。護衛の経験はないが、互いにしか興味のない自分達なら雇われるのではないか、と。
「つまり、ヨルクはその条件を優先した。君達もギルドに登録しているわけではないと、そういうわけか」
「ええ、まあ」
ヨルクももう少し考えれば良かったものを。歴戦の猛者が、たとえそうであっても「女性に興味がない」と自ら名乗りを上げるわけないだろう? 妹好きもここまでくると恐ろしい。そのせいで彼女は今、危険な目に遭っているのだ。
「だが、仲間を助けるだけならディアを引き渡した後、そのまま逃げることもできたはずだな。裏切った家にわざわざ戻って来たのはなぜだ?」
「それは……お嬢様が逃がしてくれたからです。その身を投げ出し、私達を庇って下さったので」
髪をかき上げため息をつく。
ディア、君はなぜ――もっと自分を大事にしないんだ?
日が沈む前に、マルクがディアと別れたという森の入り口に到着した。ここから入った狩猟用の小屋にでも、彼女は捕らえられているのだろう。よく見れば所々に馬の蹄の跡があるから、俺の推測は間違っていないはずだ。
「ここからは二手に別れよう。ミレディアを発見したら、笛で合図をしてくれ」
「かしこまりました。お気をつけて」
三人ずつに分かれた。笛は鳥の鳴き声にも似ているため、たぶん相手に警戒されない。ディアを早く助けようと、俺は木立の中でもぎりぎりの速度を保った。夜には真っ暗で何も見えなくなるから、救出に向かう術がない。それまでが勝負だ。
進むにつれ、日が急速に傾く。気が付けば、オレンジ色の夕日が沈もうとしていた。
「クラウス様、そろそろ戻った方がよろしいかと」
「まだだ、もう少し先に……待て、この匂いは何だ?」
そう遠くないところから、焦げたような匂いがした。俺は嫌がる馬を宥め、そちらに進む。急激に不安が募る。少し開けた場所に黒焦げの塊が見えるが……あれは、建物の残骸か?
馬を飛び降り、慌てて近づく。触れた地面は温かく、所々から煙も立ち上っているようだ。見つかることを恐れてここを焼き払い、他に移動したのか? いや、公爵の身柄は城で拘束していたため、連絡する手段は断たれていた。それなら誰が? エルゼの仕業だとしたら、いったい何のために――?
じわじわと恐怖がせり上がる。
捕らえたディアを置き去りにして、ここを離れたわけではないだろうな?
「クラウス様、こちらをご覧下さい! ちょうど崩れた薪の下にあって……」
優秀な兵が焼け残ったわずかな物を見つけたようだ。受け取った瞬間、思考が停止する。
目にしたものが信じられない。いや、信じたくないと言えばいいのか。焦げ付いたラベンダー色の生地には、わずかにレースが付いていた。特徴的なベルツのレースだ!
「バカな!」
頭が理解を拒み、苦しくて息もできない。
「違う……何かの間違いだ。これは、ディアのものじゃない!」
彼女が俺を残して、先に逝くはずがないだろう? 俺は切れ端を握り締めて、ただひたすら彼女の無事を祈った。
*****
クラウスが慌ただしく去った後、僕――アウロスも兵を引き連れてデリウス公爵家に向かった。といってもエルゼが森にいるのなら、ここはもぬけの殻のはずだ。
ところが、屋敷の正面近くで公爵家の馬車に行き会った。馬車は急停止し、窓からエルゼが顔を出す。
「まああ。アウロス様、どうなされたの? わざわざいらして下さるなんて、嬉しい驚きですわ」
エルゼは相変わらずだった。父親が捕まったというのに、着飾って出掛けていたのか? それともディアが中にいる?
「エルゼ嬢、緊急事態だ。中を改めさせてもらう」
「緊急事態? いったいどういうことですの?」
不思議そうな顔は、演技にはとても見えない。けれど僕もクラウスも、この女の本性をよく知っている。
「人が一人攫われた。公爵が指示したらしい」
エルゼは初めて聞いたように、身を震わせた。
「お父様が? まさか、そんな恐ろしいことを!」
扉を開けさせ、中に乗り込む。エルゼと目の細い侍女……だけ? だったらエルゼは、父親の件とは無関係なのだろうか?
「ディアを……僕のディアを知らないか?」
あえて口にする。
けれどエルゼは、一瞬強張った表情を見事な笑みで覆い隠した。
「さあ、何のことかしら。どうしてわたくしが知っていて?」
森には行っていないのか。
諦めて馬車を降りようとしたところ、侍女の顔色が悪いことに気が付いた。侍女は両手を顔の前で組んで微かに震えている。待てよ、さっき公爵は何と言った?
『よく知らん。娘の側にいた女だ』
――まさか!
僕は侍女を見て、次いでエルゼとその足元を見た。ドレスの裾を一気に捲り上げる。
「きゃあっ、アウロス様ったら。こんな所で大胆ですわ!」
喜ぶエルゼを無視し、彼女の足に手を伸ばす。足首を持ち、履いていた銀色の靴を脱がせた。その裏には……
「なぜ腐葉土が? それにこの葉っぱは?」
特徴的で小さな葉は、この近辺にはないものだ。エルゼはやはり、森へ行ったのか。
馬車の中の温度が、一気に下がった気がした。連れ去ったはずのディアだけが、ここにはいない。
「さ、さあ?」
「申し訳ありません、すみませんすみません……」
「お前! よくもっ」
侍女が震えながら謝罪する。
そんな侍女をエルゼが叱り飛ばした途端、外では騒ぎが持ち上がる。
「なっ、いきなりなんだ?」
「抵抗するな! 取り押さえろ」
「エルゼ様ーーっ!」
外に目を向ける。絶叫した男が、刃物を振り回しているようだ。従僕の出で立ちだが、刺客なのか? だが、鍛えられた兵士を相手に敵うはずがない。男はあっさり捕らえられた。
「何なの、これ。わたくしは知らないわ。彼が勝手にしたことよ!」
他人に罪をなすりつけるとは、どこまで性根が腐っているのか。それよりディアは、どこにいる?
「ディアは……ミレディア嬢はどこだ?」
歯を食いしばり、声を出す。エルゼと侍女をかわるがわる見つめると、侍女が先に口を開いた。
「ドゥンケルヴァルトです。でも、もしかしたらもう……」
「何なのよ! わたくしは知らないわ。ねえアウロス様、信じ……きゃあっ」
僕の腕に縋りつこうとするエルゼを、思いっきり振り払う。勢いで、手が彼女の頬を掠ったようだ。エルゼが邪魔なせいで、侍女の話がよく聞こえない。
「痛いっ。わたくしに対してこの扱いはどういうこと! 貴方は女性に優しいはずで……ふぐっ」
エルゼの顔ごと片手で掴むと、背もたれに彼女の頭を押し付けた。騒ぐだけなら斬り付けたいが、立場上それはマズい。
「うるさいな、黙っていられないのか? 優しいのはクラウスだ。手を上げてしまわないよう、わざと君を遠ざけた。僕は、害虫には優しくできない」
エルゼを睨みつけた僕は、侍女の話に耳を傾ける。侍女は観念したのかエルゼを庇おうともしなかった。詳しい話を聞くにつれ、目の前が絶望に染まる――お願いだ、誰か嘘だと言ってくれ!
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