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騎士にデートに誘われました3
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ウィルと城下町でその後も食べ歩きをし、お腹の膨れた私はウィルと一緒に自宅へ向かっていた。
本当は一人で帰れると言ったのだが、ウィルは送ると言って強引について来たのだ。
町から少し離れた場所にこじんまりと建っている平屋が見えた時、焼き鳥を食べる私を見た時同様の表情をウィルはした。
「すごい、あのアリスがこんな小さな場所で生活しているんですね。」
失礼だな。一人暮らしなんだから充分でしょ。
「送っていただきありがとうございます。」
若干腹立ちながらも、ウィルにお礼を伝える。
そして家に入ろうと扉に手をかけたとき、ウィルに腕を掴まれた。
「明日も、一緒にご飯を食べませんか?」
ど、どうして??
なぜこんなに誘ってくるのだろうか、意図が分からない。
もしかして、隙を見て王城に連行しようとしているのだとしたらどうしよう。
疑いの目を向ける私に、ウィルは首を横に振った。
「もし何か疑っているのであれば、違います。
ユキナが今考えているような事は神に誓ってしません。
私はただ、ユキナと一緒にいたいだけです・・・。」
そう言って、顔を少し赤らめたウィルに、いよいよこっちも心臓の脈打つスピードが速くなった。
恋愛経験は少ないけど、そこまで鈍感なわけでもない。
もちろん、こんな少女漫画みたいな場面に遭遇したことはないけど。
でも、これは・・・さすがにもしかして・・・・。
「わ、分かりました・・・。」
赤くなった顔を隠すために俯きながら、そう答えるのが精一杯だった。
本当は一人で帰れると言ったのだが、ウィルは送ると言って強引について来たのだ。
町から少し離れた場所にこじんまりと建っている平屋が見えた時、焼き鳥を食べる私を見た時同様の表情をウィルはした。
「すごい、あのアリスがこんな小さな場所で生活しているんですね。」
失礼だな。一人暮らしなんだから充分でしょ。
「送っていただきありがとうございます。」
若干腹立ちながらも、ウィルにお礼を伝える。
そして家に入ろうと扉に手をかけたとき、ウィルに腕を掴まれた。
「明日も、一緒にご飯を食べませんか?」
ど、どうして??
なぜこんなに誘ってくるのだろうか、意図が分からない。
もしかして、隙を見て王城に連行しようとしているのだとしたらどうしよう。
疑いの目を向ける私に、ウィルは首を横に振った。
「もし何か疑っているのであれば、違います。
ユキナが今考えているような事は神に誓ってしません。
私はただ、ユキナと一緒にいたいだけです・・・。」
そう言って、顔を少し赤らめたウィルに、いよいよこっちも心臓の脈打つスピードが速くなった。
恋愛経験は少ないけど、そこまで鈍感なわけでもない。
もちろん、こんな少女漫画みたいな場面に遭遇したことはないけど。
でも、これは・・・さすがにもしかして・・・・。
「わ、分かりました・・・。」
赤くなった顔を隠すために俯きながら、そう答えるのが精一杯だった。
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