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人生を斜交いに生きた男 実話 31

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此処でボーイのイロハをしっかり叩き込まれた。
 やはり東京は広い。私が育った世界と180度違うまるで異次元の人が多いのには驚いた。いわゆるお金持ちのお坊っちゃま、お嬢様達が多く出入りして同じ人間に生まれてこうも落差があるのか。外車を乗り回し、それなりの相手を連れてくるが、どうせ金目当ての上辺の薄っぺらい関係だろうと決めつけて、何とか妬みの感情を押し殺して働いていた。同じ年でこんなに開きがある不公平に人生の矛盾を覚えた。私の生い立ちでは逆立ちしても勝てない。今を生き、食べていくのに必死なのだ。
 『今に見とれ、長い人生で逆転もあり得る微かな希望を持っていた』
東京は、やはり大都会だとヒシヒシ思い知らされた。お客の中には黒人、白人、ハーフも出入りしていたので、危ない系の薬や、中には本物の拳銃を隠し持っていて、見せびらかしたりとアホな坊々もいたのだ。その後この人はどんな人生を送ったやら⁈要は長い人生おいていつまでも光り輝く事はなく、必ず影の部分も訪れるのだ。病気、事故、事件、詐欺被害等々。現実のギャップを噛み締めながら仕事は真面目にこなしていたのが認められたのか?ある日この店のオーナーである社長が5人のお供連れて来店。社長とは全く面識も無いので一般人と同じ対応をしていた。誰も社長だと忠告してくれず、、、食事が終わった頃にマネージャーに呼ばれて社長に挨拶に
 「初めまして、小田です。よろしくお願いします」
 「ウム、、、」
 57歳位か、少し小太り気味で一見普通のサラリーマン風に見えて怖いという感じはしない。
 「君、明日●◆の事務所に11時に来る様に」
 「はい、分かりました」
 席を離れてマネージャーに聞いても
 「さあ、、、、」
 両手を広げるだけで、その晩はあれこれ悶々としたが、いつの間にか眠りについた様だ。普段から寝付きが良い方なので。
 翌日、事務所の受付で
 「おはようございます。小田ですが。」
 「小田様ですか?はい、伺ってますので5階へどうぞ」
 エレベーターで5階に、手前に秘書室があり、ノックして中へ
 「小田ですが」
 美人の秘書が部屋に案内をしてくれ
 「此処でお待ち下さい」    続く
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