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第4章 立ち向かう
133ーどうされますか?
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だが、当の本人はずっと此処にいる。そんな話とは関係のない平和な生活をしている。どうやってクーデターなんて起こすんだよ。
「それで兄上、どうして殿下が旗頭になっているのですか?」
「文によると、貴族達だけでは大義名分が不足なのだろうという事だ。陛下が1番寵愛された側室様の一人息子で、現在唯一王室の色を濃く持たれる殿下だから首謀者にしやすかったのだろうと」
「兄さま、色って何ですか?」
「ココはまだ勉強していないか?」
「はい」
何だ? 何の事だ?
「ココ。色とはね」
ロディ兄が説明してくれた。
王室が代々受け継いできた髪色と瞳の色なんだそうだ。第3王子の髪色はプラチナブロンド。瞳の色がミッドナイトブルーの瞳でミッドナイトブルーサファイアと言われる色らしい。今の王も同じ色なんだそうだ。
だが、第1王子の髪色はレッド。そして瞳の色はターコイズブルー。
第2王子の髪色はダークブロンド。瞳の色はエメラルドグリーンだ。
因みに、第1王女の髪色はキャラメルブロンドで瞳の色はオレンジガーネットだ。
3人とも王妃側の色が濃く出るか混ざって出てしまったらしい。
王妃の髪色がレッド。瞳の色がオレンジガーネットだそうだ。
「そんな色なんて……」
「ココ、この国では大事な事らしいんだ」
「うちの領地でもですか?」
「うちは関係ないぞッ! 実力主義だッ!」
良かったよ。そんな、髪色や瞳の色で人生決められたくないぞ。
「そんなものは何かを決めるための材料にはならぬッ! 見かけがどうというだけの話だッ! ただの個性だッ!」
「それをこの国では重んじる事があるのですよ。あなたの様な考えはまだまだ少数派ですわ。本当に馬鹿らしいわ」
おう、馬鹿らしいといったぞ。母が。あの呑気な母が。
「ココ、母上の瞳の色も珍しいんだよ。パイロープガーネットと言ってね、深紅のガーネットだ」
「もう、ロディ。そんな事は良いのよ」
「勝負と力を司ると言われておったかッ。ワッハッハッ!」
「もう、あなたまで」
「婚約前は騒がれておったなッ! 誰が勝利の女神を射止めるかなどと言われておったなッ!」
え? そうなのか? 母、モテモテじゃん。
「それこそ馬鹿らしいですわ。私の実家は文官家系ですのに」
「確かにッ! ワッハッハッ!」
母が少し照れている。珍しい。で、父を肘で小突いている。仲良いね~。
「うちはアッシュシルバーの髪にアメジストの瞳が多いな」
確かに、父や兄達、じーちゃん達もそうだ。俺も瞳の色はアメジストだ。髪色は母の色と一緒だ。俺は両親の両方の色をもらったんだな。
「そんなの、個性に過ぎないんだよ。相手に与える印象もあるだろうけどね。髪色や瞳の色で血統がどうとか、能力がどうとか関係ないよ」
ロディ兄の言う通りだ。しかし、それにこじつけて第3王子を旗頭にしようとしているのか。
「良い迷惑だ……」
知らせをうけてからずっと黙っていた王子が初めて発言した。
「殿下……」
「アルベルト、だってそうだろう。僕が幽閉されている時は誰も見向きもしなかったというのに」
本当だよ。こんな事をするなら、どうして助け出そうとしなかったんだよ。
「殿下、どうされますか?」
いつもうるさい位に大きな声の父が、珍しく静かなトーンで王子に聞いた。
「辺境伯……どうとは?」
「殿下はどうされたいのですか? 今までの様に黙って静かに此処で暮らされますか? それとも、自分は違う。関係ないと意思表示されますか?」
父が何を言いたいのか? どうしたいのか? 俺には予測できなかった。
「どちらでもないと言うか……僕は……私は誰が私を幽閉したのか知りたい。誰が命を狙っているのか、父は健在なのか……それを知りたいと思う」
「当然の事ですな」
「そこを解明できればこの馬鹿らしいクーデターも止められるのではないかと思う」
「なるほど……殿下は繋がっているのではないかと思われているのですな」
「繋がっているとは言い切れないが……第三者の関与を疑っている」
今までの王子とは別人の様だ。毒が抜け精神干渉も解け、身体が元気になって思考も明晰になったのだろう。声の張りが違う、瞳の輝きも違う。これが本来の王子なのか。
「殿下、第三者ですか?」
「ああ。先日も話した様に、王妃様の1番近くにいる侍女は出てくるが王妃様本人は1度も見ていない。それも不自然だと思うんだ。私の印象だが、王妃様の性格ならご自身で文句を言いに出て来られてもおかしくはないと思う」
「そういえば父上。陛下に謁見できない事に気を取られてましたが、王妃様のお姿も見られておりませんでしたね」
「そうだったか?」
「はい、陛下程ではありませんが」
「確かに。私が調べた限りでも王妃様も表には出て来られていません」
バルト兄とアルベルトが思い返して話している。王妃か……俺は全然知らないけどあまり良い印象がないんだよな。だって俺は王子が幽閉されていたのは王妃の命令だとばかり思っていたのだから。
「ココ、それは皆もそうだよ。程度の差こそあれ関わっておられるだろうね」
「ロディ兄さま、そうですか?」
「ああ。でないと誰も言う事を聞かないだろう?」
「そうです。近衛の上層部でさえ言う通りにできる立場の人間です」
そうか、誰かが命令しているんだよな。それが誰かという事だ。
「それで兄上、どうして殿下が旗頭になっているのですか?」
「文によると、貴族達だけでは大義名分が不足なのだろうという事だ。陛下が1番寵愛された側室様の一人息子で、現在唯一王室の色を濃く持たれる殿下だから首謀者にしやすかったのだろうと」
「兄さま、色って何ですか?」
「ココはまだ勉強していないか?」
「はい」
何だ? 何の事だ?
「ココ。色とはね」
ロディ兄が説明してくれた。
王室が代々受け継いできた髪色と瞳の色なんだそうだ。第3王子の髪色はプラチナブロンド。瞳の色がミッドナイトブルーの瞳でミッドナイトブルーサファイアと言われる色らしい。今の王も同じ色なんだそうだ。
だが、第1王子の髪色はレッド。そして瞳の色はターコイズブルー。
第2王子の髪色はダークブロンド。瞳の色はエメラルドグリーンだ。
因みに、第1王女の髪色はキャラメルブロンドで瞳の色はオレンジガーネットだ。
3人とも王妃側の色が濃く出るか混ざって出てしまったらしい。
王妃の髪色がレッド。瞳の色がオレンジガーネットだそうだ。
「そんな色なんて……」
「ココ、この国では大事な事らしいんだ」
「うちの領地でもですか?」
「うちは関係ないぞッ! 実力主義だッ!」
良かったよ。そんな、髪色や瞳の色で人生決められたくないぞ。
「そんなものは何かを決めるための材料にはならぬッ! 見かけがどうというだけの話だッ! ただの個性だッ!」
「それをこの国では重んじる事があるのですよ。あなたの様な考えはまだまだ少数派ですわ。本当に馬鹿らしいわ」
おう、馬鹿らしいといったぞ。母が。あの呑気な母が。
「ココ、母上の瞳の色も珍しいんだよ。パイロープガーネットと言ってね、深紅のガーネットだ」
「もう、ロディ。そんな事は良いのよ」
「勝負と力を司ると言われておったかッ。ワッハッハッ!」
「もう、あなたまで」
「婚約前は騒がれておったなッ! 誰が勝利の女神を射止めるかなどと言われておったなッ!」
え? そうなのか? 母、モテモテじゃん。
「それこそ馬鹿らしいですわ。私の実家は文官家系ですのに」
「確かにッ! ワッハッハッ!」
母が少し照れている。珍しい。で、父を肘で小突いている。仲良いね~。
「うちはアッシュシルバーの髪にアメジストの瞳が多いな」
確かに、父や兄達、じーちゃん達もそうだ。俺も瞳の色はアメジストだ。髪色は母の色と一緒だ。俺は両親の両方の色をもらったんだな。
「そんなの、個性に過ぎないんだよ。相手に与える印象もあるだろうけどね。髪色や瞳の色で血統がどうとか、能力がどうとか関係ないよ」
ロディ兄の言う通りだ。しかし、それにこじつけて第3王子を旗頭にしようとしているのか。
「良い迷惑だ……」
知らせをうけてからずっと黙っていた王子が初めて発言した。
「殿下……」
「アルベルト、だってそうだろう。僕が幽閉されている時は誰も見向きもしなかったというのに」
本当だよ。こんな事をするなら、どうして助け出そうとしなかったんだよ。
「殿下、どうされますか?」
いつもうるさい位に大きな声の父が、珍しく静かなトーンで王子に聞いた。
「辺境伯……どうとは?」
「殿下はどうされたいのですか? 今までの様に黙って静かに此処で暮らされますか? それとも、自分は違う。関係ないと意思表示されますか?」
父が何を言いたいのか? どうしたいのか? 俺には予測できなかった。
「どちらでもないと言うか……僕は……私は誰が私を幽閉したのか知りたい。誰が命を狙っているのか、父は健在なのか……それを知りたいと思う」
「当然の事ですな」
「そこを解明できればこの馬鹿らしいクーデターも止められるのではないかと思う」
「なるほど……殿下は繋がっているのではないかと思われているのですな」
「繋がっているとは言い切れないが……第三者の関与を疑っている」
今までの王子とは別人の様だ。毒が抜け精神干渉も解け、身体が元気になって思考も明晰になったのだろう。声の張りが違う、瞳の輝きも違う。これが本来の王子なのか。
「殿下、第三者ですか?」
「ああ。先日も話した様に、王妃様の1番近くにいる侍女は出てくるが王妃様本人は1度も見ていない。それも不自然だと思うんだ。私の印象だが、王妃様の性格ならご自身で文句を言いに出て来られてもおかしくはないと思う」
「そういえば父上。陛下に謁見できない事に気を取られてましたが、王妃様のお姿も見られておりませんでしたね」
「そうだったか?」
「はい、陛下程ではありませんが」
「確かに。私が調べた限りでも王妃様も表には出て来られていません」
バルト兄とアルベルトが思い返して話している。王妃か……俺は全然知らないけどあまり良い印象がないんだよな。だって俺は王子が幽閉されていたのは王妃の命令だとばかり思っていたのだから。
「ココ、それは皆もそうだよ。程度の差こそあれ関わっておられるだろうね」
「ロディ兄さま、そうですか?」
「ああ。でないと誰も言う事を聞かないだろう?」
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