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第3章 領地の防御

54ー領地の防御

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 次はロディ兄だ。兄の執務室へと来ている。流石に、執務室では試着はしないだろうと思っていたのだが、衝立を用意されロディ兄が試着をしている。

「ほう……なるほどね」
「兄さま、どうですか?」
「うん」

 静かに着替えてロディ兄が衝立の向こうから出てきた。女子達や父とは違って落ち着いている。この落ち着きがいいよ。安心する。

「父上が気に入るのも分かるよ。履き心地や肌触りが全然違う」
「良いでしょう?」
「ああ。それに、黒って良いね」
「でしょう?」
「全然ゴワつかないんだね。本当に良いものを見つけたよ。ココのお手柄だ」

 そう言って、俺の頭を撫でる。いつも、何かの度にロディ兄は俺の頭を撫でる。
 別に良いんだけどさ。完璧にスルーするから。でも、どれだけシスコンなんだよ。

「で、ココ。作業場なんだけどね。裏に少し大きめのをと考えているんだ」

 大きめ? どれくらいなんだ?

「1階はセレスアラーネアの飼育場と餌置き場にして、2階3階で作業をしてもらおうと計画しているんだ。もっと人を増やそうと思っていてね。下着類はもうココ達がいなくても作れるんだろう?」
「はい、兄さま。3サイズ位を予め作っておこうと思います。下着なのでそうきっちりとサイズに合わせなくても良いかと思って」

 前世の既製品の真似だけどさ。でも、便利だろう?

「うん、そうだね。でね、最終的に領民達に配れないかと思っているんだ」

 え……なんだって!?

「兄さま、領民全員ですか!?」
「そうだよ。本当はね領民達の洋服をこれで作りたいんだけどね」

 え……それは大変だよ。どれだけ掛かるか想像もできない。

「ココだって知っているだろう? この領地は危険が隣り合わせだ」
「はい」
「だから、取り敢えず領主隊の隊服をこの生地で作ってほしいんだ」

 確かに、そうだろうな。

「はい、兄さま。それは思っていましたから」

 そうだよ。その為にセレスアラーネアを探したようなもんなんだ。防御力アップまでついてくるとは思わなかったけどさ。

「だから、人をもっと増やす事に決めたんだ」

 よし、量産体制になるって事だな。

「はい、兄さま。それと、お願いがあります」
「何かな?」

 と、また俺の頭を撫でる。俺の頭、擦り減らないか?

「領主隊のサイズが知りたいです。統計をとって、3~5サイズ位にまとめて欲しいんです」
「なるほど。そのサイズでもう作ってしまうんだね」
「はい。例えば、一番小さいサイズをSにして、次がM、L、LL、3Lて、感じです。身長と体重を目安にして1番自分に合うサイズを選んでもらいます」

 これも、前世のサイズ分けをそのままもらった。

「うん、良いね。分かった。下着もそうするのかな?」
「はい、その予定です」
「うん、それは良いね。効率が良い。いちいちオーダーしていると間に合わない場合も出てくるだろうからね」
「はい」
「今の人達は新しい人が来たら教えられそうかな?」
「はい、全然大丈夫です。もう、自分達だけで先に進めてくれていますから」
「そう、じゃあ早速人選するよ」
「分かりました」
「ココ、取り敢えずは領主隊の隊服だけど、これは領地の産業になるよ」
「兄さま、分かってます」
「そう。さすがココだね。偉いね」

 と、また俺の頭を撫でる。良いけどさ。俺はスルーだ。

「ああ、それとね。殿下に普段着で良いからホワイトシャツを作り始めてほしいんだ。できれば、普段用と公式の場に出ても大丈夫な物もね」
「はい、分かりました」
「軽くで良いから防御力アップが付与出来れば良いんだけど」
「兄さま。それは魔石でします」
「ああ、そうか。言ってたね」
「はい。小さくても良いので沢山魔石が欲しいです。キリシマが知っているので詳しく聞いてみます」
「魔石は手配しているよ。入ったら知らせるね」
「お願いします」
「ココ、領主隊にも作るつもりかな?」
「はい、兄さま。念には念をです。で、兄さま。相談なんですけど」
「何かな?」

 俺は、キリシマに魔石の話を聞いてから考えていた事をロディ兄に相談した。
 魔石にシールドを付与するんだ。領地の森側だけでもカバーするシールドを張れる魔導具を作れないかと。
 森から魔物が溢れてきたり、スタンピードが起こった時に領地を守れる様にだ。
 例えばだ。森と領地の境に数箇所魔導具を設置しておく。そこに、魔力を流したら魔導具のある範囲でシールドを発生できないか? できたら、領地の防御が各段に強固なものとなる。そうしたら、被害に遭う領民も減る。それがしたいんだ。と、話した。



   ◇            ◇            ◇

読んでいただき有難うございます!
今日も後ほどあと1話投稿しようと思っています。
よろしくお願いしまっす!
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