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第1章 赤ちゃんじゃん!
34ーさつまいも
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「うぶぅー、ああー」
「はいはい。あーん」
俺は食べるよ。ふむふむと味わいながらだ。美味いね。まさか、さつまいもをこんなに美味しく思う日が来るとは思いもしなかった。
「おいししょうみゃ」
「ミミ、止めておきなさいな~」
「わかってるみゃ」
そうジッと見つめられると、食べ辛いんだけど。でも、あーん。
「ああー」
「はい、あーん」
「ふふふ、沢山食べられるようになったわね」
「はい、もうしっかり食べて下さいますね」
しっかり食べないとな。身体を作るのは食べ物だからな。
「んまーああー」
「はいはい、あーん」
さつまいもだって俺の身体を作っているんだぞ。そんな事、以前は考えた事もなかった。
母乳だけの時と違って、離乳食が始まってからは力が出るんだ。お腹持ちだって良い。
力をつけないとだ。これからシールドをマスターして、それから転移魔法だ。
前の時は中距離しか転移できなかった。今回は長距離に挑戦だ。前より魔力量が増えているみたいだし、イケる気がするんだ。
「らうみぃ、しょんなことを、かんがえてるみゃ」
こら、ミミ。内緒だ。
「しょうなのみゃ?」
そうなんだよ。精霊女王とはもう相談済みだ。
「みゃみゃみゃ!? いちゅのまにみゃ!?」
ミミが爆睡している間にだよ。精霊女王の世界に呼ばれたのに、爆睡していただろう?
「みゃみゃ……!? まじゅいみゃ! たいへんみゃ!」
と、パタパタと羽を動かして焦っている。何だ? どうした?
「しかられるみゃ……」
「あうー」
精霊女王は笑っていたぞ。
「みゃみゃ? 本当みゃ?」
「あう」
ミミは仕方ないわね~って、笑っていた。怒ってないんじゃないか?
「らうみぃは、あまいみゃ。しぇいれいじょうおうが、しょんなのれ、おこらないはじゅないみゃ。みゃ、みゃ」
プルプルしている。なんだよ、怖いのか? その割に起きなかったぞ。
ミミの能力はどうなんだろう? まだ凄いところを見ていないからな。
まさか、大したことなかったりして。その確率の方が高いような気がする。
「なにいってるみゃ! みみはゆうしゅうみゃ!」
「あばー」
なら期待しているぞ、ミミ。頼りにしているからな。
「あたりまえみゃ。どんときたいしゅるみゃ!」
ほう、じゃあ早速だけどシールドを教えてくれ。前回の時は軽く使えたんだけどな。
誘拐された時にも咄嗟にシールドを展開した。物理防御のみのシールドだ。
でもあんなのではなくて、魔素をシャットアウトするような強力なやつをマスターしたいぞ。
「しょんなの、らうみぃならちゅかえるみゃ」
「あば?」
そうなのか? でも精霊女王はミミと練習しろと話していたぞ。
「え? しょうなのみゃ?」
そうだよ。だから特殊なシールドなのかと俺は思っていたんだ。
「ちょちょちょっとまちゅみゃ。なんていったみゃ? ましょを、しゃっとあうとみゃ?」
「あう」
聞いていなかったのかよ。物理防御だけじゃなくて、魔素を遮断しないといけないんだ。俺達の身体に、濃い魔素は悪影響だから。
「しょんなのむりみゃ。ろうしてしょんな、しーるろがひつようみゃ?」
「あぶあ」
それは今は内緒だ。今話すとミミは喋ってしまうだろう? ポロッとな。
「しょんなことないみゃ! みみはおりこうみゃ!」
「あば」
はいはい、とにかく今は内緒だ。
俺だってだんだんミミの事が分かってきたぞ。つい口が滑ってしまうタイプだ。
「みゃみゃみゃ!」
「あう」
「ラウ坊ちゃま、お昼寝しましょうね」
「あうあー」
ベッドに寝かされる俺。その側にミミもいる。
ミミ、良いか? おフクが出ていったら作戦会議だ。
「みゃみゃ? なんみゃ?」
「あぶ」
だからさっき話していたシールドだよ。
「みゃ、わかったみゃ」
と言いながら、二人ともスヤ~ッと爆睡だ。ミミもお腹を見せて、警戒心の欠片もなく爆睡だ。
どうしてかな? いや0歳児なのだから当然といえば当然だ。
「ふふふふ、二人仲良くしているみたいね」
「あばー」
お、精霊女王だ。もうこの世界に来るのも慣れてしまった。
初めての時みたいに、気分の悪い感じはしない。
テンと両足を投げ出して、座っている。隣をみると、ミミが爆睡していた。大きなミミが。
羽を伸ばすとは正にこの事だ。両手(?)を伸ばして、お腹を出してピヨヨと言いながら眠っている。やっぱミミだよ。
その姿を見て、期待してはいけないと俺は思った。
「あう」
「ふふふ、これじゃあシールドの練習ができないわね」
「あぶぶ」
そうなんだよ。どうしてこの世界に来てもミミは眠っているんだ?
起きないのは何故だ? 0歳児の俺でさえ起きているんだぞ。いや、精神だけこっちに来ているんだっけ?
「だってミミは精霊ですもの、こっちの世界の方が馴染みがあるのよ」
「あうぅ」
ああ、そうなのか。だからか。いや、それにしても寝過ぎだ。
ちょっと叩いてみよう。
「あう」
ペチペチとミミの羽を叩いてみる。
むにゃむにゃとはするが、起きる気配がない。俺の小さな手だと、駄目か?
うんともすんとも言わない。もっと強く叩いてみるか?
「あば」
パシパシと叩く。なんなら両手で叩いてみる。うん、まだ起きそうにないぞ。
「ぴよよ~」
寝言か? 寝言なのか? まだ眠っている。
思いっきりいってみよう。
「あぶ」
バシコーンとミミの手を思い切り叩く。力を込めて、何なら魔力も込めようかってくらいに叩いてみた。
◇◇◇
お読みいただき有難うございます🌟
平日お休みするつもりなのですが、ファンタジー小説大賞開催中ではないですか⁉️
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これは頑張らないと😤✨
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どうなる事やら~🤣
いつも感想を有難うございます💛
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「ああー」
「はい、あーん」
「ふふふ、沢山食べられるようになったわね」
「はい、もうしっかり食べて下さいますね」
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「んまーああー」
「はいはい、あーん」
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こら、ミミ。内緒だ。
「しょうなのみゃ?」
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「みゃみゃみゃ!? いちゅのまにみゃ!?」
ミミが爆睡している間にだよ。精霊女王の世界に呼ばれたのに、爆睡していただろう?
「みゃみゃ……!? まじゅいみゃ! たいへんみゃ!」
と、パタパタと羽を動かして焦っている。何だ? どうした?
「しかられるみゃ……」
「あうー」
精霊女王は笑っていたぞ。
「みゃみゃ? 本当みゃ?」
「あう」
ミミは仕方ないわね~って、笑っていた。怒ってないんじゃないか?
「らうみぃは、あまいみゃ。しぇいれいじょうおうが、しょんなのれ、おこらないはじゅないみゃ。みゃ、みゃ」
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そうだよ。だから特殊なシールドなのかと俺は思っていたんだ。
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「あう」
聞いていなかったのかよ。物理防御だけじゃなくて、魔素を遮断しないといけないんだ。俺達の身体に、濃い魔素は悪影響だから。
「しょんなのむりみゃ。ろうしてしょんな、しーるろがひつようみゃ?」
「あぶあ」
それは今は内緒だ。今話すとミミは喋ってしまうだろう? ポロッとな。
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「あぶ」
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「みゃ、わかったみゃ」
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「あうぅ」
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「あう」
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むにゃむにゃとはするが、起きる気配がない。俺の小さな手だと、駄目か?
うんともすんとも言わない。もっと強く叩いてみるか?
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パシパシと叩く。なんなら両手で叩いてみる。うん、まだ起きそうにないぞ。
「ぴよよ~」
寝言か? 寝言なのか? まだ眠っている。
思いっきりいってみよう。
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