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【クレナイ視点】そして初めての ※
しおりを挟むとろりとした粘度の高いジェルを小さな孔に塗り込める。先日一人で町に行った際、手に入れた物だ。
町のニンゲンは俺がスイを愛していることをすでに知っている。以前女に求められた時に、スイを想う気持ちをそのまま伝え断ったら町中に広まった。知らぬは本人(スイ)ばかりなり、だ。
そのため俺がこれを買い求めた際に、一番良いものを祝いだと言って寄越してくれたばかりか、使い方まで親切なやつがわざわざ教えてくれた。
「スイ、ゆっくり息を吐いて。少しずつ入れていく」
「ん……わかっ、た」
覆うものは何もないまま、スイにはベッドの上に俯せになってもらった。顔だけ俺の方を向けてもらい、濡らした後孔に中指を一本沈ませた。
「ふ……っ」
入り口のきつい締め付けを潜り抜け、奥へと進む。少しひいてはジェルを足し、再度奥へと指を侵入させた。スイの中は驚くほど熱くて、そして狭い。
そして指一本できつそうなそこがほんの少しだけ緩んだ拍子に、薬指もまとめて滑り込ませた。
「く……っん……っ、は……あ」
「苦しいか?スイ」
「だい、じょぶ……んっ」
きっとまだココに快楽は無いだろうに、きっと俺への愛情だけで耐えてくれているのだろうその姿はいじらしい。ギュッと閉じた瞼にキスを落とす。
そう、多分……この辺に教えて貰ったポイントがある。俺はゆっくりと、指を鉤にしてそこを擦った。
「っん!?」
びくりと震えたスイの身体と連動して、きゅっと後孔が締まった。
教えてくれたやつによれば、ここが男のナカの気持ちの良いところらしい。ゆっくり、ゆっくりと指で押すようにして孔を出し入れすると、スイから零れる息は次第に甘くなっていく。
「んっ!んっ!あっ、クレナイ……、そこやだぁ…」
「気持ち良くはないか?」
嫌だとスイは言うけれど、そこを擦る度に細い腰はビクビクと浮き上がる。
ぬぷぬぷと入れた俺の人差し指をこの小さな穴は飲み込み、うつ伏せで高く上げさせた白い尻は、俺の目の前でゆらゆらと揺れる。
「強い……っ、なんかっ変になる、からぁ」
変になるのはこちらの方だ。スイの声、体、表情すべてが俺の高ぶりを刺激する。
「変になったら駄目か」
「駄目……っ、だめだよ……っ。変になっちゃう……呆れられちゃ、う」
「呆れない。見たい」
そうは言ってもスイは聞き入れず、枕に顔を埋めて隠そうとする。
俺の目の前には……指を飲み込む淫らな孔と、ふるふると揺れるスイの性器があるのに。
頭隠してなんとやら……そんな里の諺を思い出した。
息をゆっくりと吐いて自分の気持ちを落ち着かせる。この狭くて熱い部分に、俺自身が入るようにしなくてはならない。それまではこの痴態をいくら見せつけられようとも、耐えがたいこの誘惑に耐えなくてはいけないのだ。
「スイ、痛くないか?顔を見せて。寂しい」
「や、やあ……っん、んっ!だ、めっ」
なけなしの理性を総動員させてでも、俺は少しでもスイへ与えられる負担を軽減しなければいけない。
二本の指で目一杯拡げ、そこにジェルを追加した。奥へ奥へと塗り込め、入口が拡がるようにぐるりと回す。
「んんん――っ!」
きゅうきゅうと締め付けるそこに三本目を加えて拡げようとするが、赤く艶めくソコはギッチリと指を咥えこんで離さない。
「スイ……スイ、少し緩められるか」
「も……ばかっ……」
スイはゼイゼイと肩で息をし、肩越しに俺を睨んだ。目は潤み、蕩けた顔で睨まれても愛しいだけだ。
ふるふると震えるスイを見ると、シーツに水溜りができている事に気づく。
「スイ、達したのか」
「~~!!!ばかっ!!クレナイのばかっ!!駄目って言ったのに!弄るから!」
なんと言う事だろう。俺が尻を解す事に夢中になっている間に、スイは達してしまっていた。
そんな瞬間を見逃すなんて、なんと言う事をしてしまったんだろう。
「んぁ…!えっ!?」
食いちぎられそうに締め付けられていた指をずるりと引き抜くと、スイをグルリとひっくり返した。
これなら余すことなく見ていられる。眼前に広がる可愛いスイと濡れたペニス、絶景だ。
ジタバタと暴れようとするスイの後孔に再度指を入れこみ、逃げようとする腰を押さえつけた。
「スイ、俺はお前が達した事を見逃した。あの体勢では、万が一があっても分からないだろう。だから俺は、こうしてスイの全てを見ておく必要がある」
戸惑いながらもスイは頷いてくれたが、俺の半身は純粋過ぎるから心配になる。まあオレ意外に騙されないでくれたらそれでいい。
細い腰を抱え込み、ビクビクと脈打つオレ自身を窄まりに宛がう。
入念に拡げたはずのそこは、指を引き抜いた途端に小さく閉じ始める。グッと尻たぶを広げて覗き込むと、ジェルに濡された孔が誘うようにうごめいた。
「クレ、ナイ……ごめん…怖い……っ」
ピタリと宛がった俺の熱に不安を感じたのだろうか。だがもう止めてやれない。
「スイ、大丈夫だ。怖くない。落ち着こう。息を大きく吸って」
息は吸ったら吐かねばならない。その瞬間を見計らい、ぐちゅ、と俺自身を突き立てた。
「か……っは……、クレ…ないっ……んぅ…!」
それでも狭いその中は、浅い部分までしか入らない。
指で探った所よりも深く、もっと全てを収めたい。
苦しそうなスイ。可哀想に、直ぐに楽にさせてあげたい。
出来るだけ早く終わらせてやろうと、俺はその狭い肉筒にペニスを押し込んだ。異物を押し戻そうとしているのか、きつく纏わりつく粘膜が堪らない。
少し抜いては押し込み、また引いては入れてやる。ぐ、ぐっと腰を進める度に、シーツの上でスイが肢体をくねらせる。
「やだぁ……っ、おっきい!……大っきすぎる……んっ!」
「……っ、スイ、少し黙って」
まだ俺の全てを入れきっていないのに、こんな所で出すわけにはいかない。
細かくピストンを繰り返し、ようやく半分程収まった。細く息を吐く。
「も……ぜんぶ……っ?」
色香を漂わせながら、潤んだ瞳でオレを見つめる愛しい人。
「あと半分ほどだ」
彼の手を取り、繋がった場所に添わせてやるとスイは目を見開く。
まだ入り切っていない事への絶望か?それとも……期待か?
息が更に乱れたスイの目は、期待しているようにも見える。彼の中に納まる俺のペニスを、まだ入りきらないそこを、その細い指でぬるりと撫であげてくれた。
「あ、熱い……ね」
そのいやらしさに、俺の欲望は一気に膨れ上がる。
「――ああぁっ!?」
俺はこれ以上堪らず、一気に奥を穿つ。
「ああ!あ!あっ、クレッ…ナイ……駄目ぇ、あっ、ゆっくり……っ」
―――パン!パンッ!
激しく中でピストンさせると、スイの中は熱く蠕動して俺を歓迎している。蕩けきったスイの顔を見つめながら俺は夢中で腰を振った。
見れば、プルプルと揺れ動くスイの可愛いペニスからは、プクリと出た液体が伝って落ちた。
自分だけでなく、彼も気持ちがいいのだ。
この小さな窄まりは、精一杯俺を受け入れてくれている。ただそれだけだというのに、俺という生物をスイが受け入れてくれているような、そんな深い繫がりを感じた。
―――魂の半身
ふいにその言葉がよぎる。授受の儀で繋がった魂は、角を現すほどに高まる神力は副産物でしかない。きっとそもそも俺とスイという存在が、一つの魂を分けた相手なのではないか。
「あ……っ、クレナイ……っ、あ、やぁ……っ!」
体の熱が一点に集中する。砕けそうに気持ちいい腰を、より高みに導くために俺は何度も肉壁に打ち付けた。ぐちゅぐちゅと激しく音を立てるその孔は、別の生き物のように妖しく蠢いて絡みつく。
「スイ……っ、スイ、俺の……!」
「あぅ、……っあ、あっ、クレナイぃ……!」
手を合わせてきた指を絡める。
感じきった様子のスイは、空いた手で己自身を扱いていた。俺の視線も気付いていないのか、それとも自慰をしている自覚すらないのか。必死に絶頂を目指そうと腰を振る男は酷くいやらしい。
初めての交わりでこれなら、お互い上出来だろうとホッと息をつく。
「いい、いいよぉ……っ!……っあ、あっ!」
「スイ……っ」
一際腰を奥へと押し込み堪えていた精液を吐き出した。我慢しつづけた絶頂に目の前が白くなりながら、断続的に出てくる精液をスイの中に塗りこんだ。
「あ、は……っ」
スイも達した様子で、ビクビクと震える後孔は蕩けそうに気持ちがいい。
だらしなく開いた唇を吸い、舌を絡める。
可愛い。俺の、俺だけの。
「クレナイ……っあ、………ふぅ…、ん……」
ピチャピチャと舌を合わせると、気持ちよさそうな声が漏れる。スイはキスが好きだ。
「ん……ん……、んっ!」
そして俺はスイの全てが好きだ。
引いた腰を再び揺すると、スイが見上げてきた。
わかってる、これ以上は駄目だと言いたいんだな?
わかってる、スイ。
「スイ、もう一度だけ。駄目か?お願いだ」
俺はこの元・養い親を愛するために、いつだって子供の顔を使うのだ。
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