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【クレナイ視点】風呂 ※
しおりを挟む鬼神は10年で成人する。
5つの時に彼と出会ってから3年経った。体は大分大きくなって、ニンゲンで言えば恐らく14・5にでもなった位だろうか。町で会うニンゲンの子どもと比べてスイがそんなことを言っていた気がする。
初めてスイと風呂に誘われたあの日は驚いた。
オレたちの一族は3歳を越えれば親であろうと肌を晒さない。それこそ伴侶でも無い限りは。今思えば風習が違うから同然なのだが、裸に剥かれた挙句同じように裸体を晒したスイに対しては、子供心にも思うものはあった。
だがスイの滑らかな肌と華奢な体躯は、里の者たちとは全く違った。かといって女のようなまろやかな曲線があるわけでも無いのに、それなのにやけに美しく感じたものだ。十人並みであろう顔立ちも、頼りなさげな笑顔も、触れ合った肌の温かさも全てが好ましい。
だからそろそろ二人で寝るベッドも小さく感じ始めて大きく作り直そうかとも話もされたけれど、スイと離れる夜は寂しすぎて何だかんだとその話題を躱していたのだ。
そしてある晩、俺はいつも通りスイと一つのベッドで寝ていた。ふと隣の冷たさで目を覚まし、いないスイを探した。たまにこうして夜中にいない時があり、翌朝理由を問うと町で売る商品の確認をしていたと聞いていたからだ。
夜中に一人で根を詰めてはいけないと、手伝うつもり、だった。その水音が聞こえるまでは。
夕方一緒に入ったはずだった風呂から聞こえた音を辿り、そうっと覗いた。
「………っ………ぁ」
顔を真っ赤にさせ、小さなそれを必死で擦るスイは淫らだった。
左手で輪を作り、粘着質な音をさせながらその手は激しく上下している。反対の手で壁に手をついて、つま先立ちになるほど没頭している姿から目が離せない。
「……っ、ふ、……っ」
彼だって大人の男だ、きっと今までもこうしてオレの目を盗んで自慰をしていたのだろう。甘い息を吐きながらニチャニチャといやらしい音をさせて、揺らめく腰と赤く色づく肌にオレの呼吸まで荒くなる。
「く……う……っ、」
ぶる、とスイの体は大きく震え、陰茎を覆ったその手のひらから受け止めきれずに白濁が溢れた。快楽の余韻に浸りながら、大きく肩で息をするスイに――。
そうして気が付けば、オレは自分が精通したことを知った。ぬるぬるとした股間の感触が気持ち悪くて気持ちよくて。急いでその場を離れ着替えると、また冷たいシーツに包まりスイの帰りを待つうちに、寝てしまった。
翌朝、必死で汚れた下着を洗った事は言うまでもない。
ベッドサイズは大きくせずに、二つにわけた。
この体が成長しきるまで。授受の儀を行う時まで。
オレが彼を汚さずに済むように。
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