ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第38話 vsギガントドラゴン
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「この――っ! ぐふぁっ!?」
俺は聖剣≪クラウソラス≫で突進するギガントドラゴンの巨体を打ち返そうとして――しかし激しく吹き飛ばされてしまった。
空中でなんとか体勢を立て直して着地するが、それを狙いすましたかのように、
『ギガント・ドラゴンブレス!』
強力なブレスが俺を目掛けて放たれる!
炎属性が付与された真紅のドラゴンブレスが俺に向かって一直線に襲いかかってきた!
「こなくそぉぉっ!! おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ――――っっっっ!!!!」
俺は聖剣≪クラウソラス≫に残る力を注ぎ込むと、真紅のギガント・ドラゴンブレスを叩き斬る!
これくらいのドラゴンブレス、普通ならそれで簡単に霧散させられるはずが。
しかし今の俺の力では完全に消しきることができず、打ち消しきれなかったギガント・ドラゴンブレスを喰らってしまう。
「ぐぅ……っ!」
なんとかそれに耐える。
半分以上は打ち消したはずだが、それでも身体が焼けるように熱い。
聖なる力が弱まっていて防御力までもが低下しているからだ。
『くくく、弱い! 弱っちいなぁ勇者! こんな程度の攻撃で苦悶の表情を浮かべるなど笑止千万! だがそれもすぐに終わる。次で終わりにしてやろう』
「くそ、万全の状態ならお前程度に負けることなんてありはしないのに――!」
『ガハハ、いいザマだな勇者! 悔しそうな顔が最高にそそるぜ! 喰らえ! ギガント・ドラゴンブレス!』
紅蓮に燃え盛るギガント・ドラゴンブレスが再び俺を目掛けて放たれる。
くっそぅ……!
俺は、俺はここまでなのか!
だがもう打つ手がない――
迫りくる灼熱のギガント・ドラゴンブレスを前に、俺の心が諦めかけたその時だった。
「だめぇぇぇぇぇっ!!!!!」
突然ミストルティアが俺の前に割って入ると、ゲンブソードでギガント・ドラゴンブレスを弾き飛ばしたのだ!
ギガント・ドラゴンブレスは、まるで最初からそこに何もなかったかのように霧散した。
『なっ!? 何をするミストルティア! どういうつもりだ! なぜ邪魔をした!』
「おにーさんは殺させないもん!」
『なんだと? ミストルティア、まさかキサマ裏切るつもりか!?』
「違うもん! でもこれはダメだもん! ズルして勝つのはダメだもん!」
『ズルではない、これは戦略なのだ!』
「何が戦略だよ! ボクはこんなズルでおにーさんに勝っても嬉しくないし、最高に強いおにーさんがこんなズルでボク以外のやつに負けるのが嫌なだけだもん!」
『わけのわからんことを言うな! そこをどけミストルティア! 勇者を殺せばこの戦いは我らドラゴンの勝利なのだ!』
「そもそもそれがおかしいと思わないの?」
『なんだと?』
「ドラゴンは誰かの命令で弱っちい人間を襲うような、そんな愚かな種族じゃないはずでしょ! ドラゴンはもっと高貴で、孤高で、強くて! 誰の命令にも従わない、自分の強さと誇りを何よりも大事にする崇高な種族のはずだもん!」
『ぐ……それは……』
どうやら痛いところを突かれたようで、ミストルティアの指摘にギガントドラゴンが言葉を詰まらせる。
「ドラゴンは決して群れない孤高の種族。なのにパパの命令だからって唯唯諾諾とそれに従って、徒党を組んで人間を襲うだなんて。もうそれドラゴン失格じゃんか!」
『くっ、たしかに今まではそうだった。だが大魔竜ドラグバーン様はそんな世界の在り方を根本的に変えようとしておられるのだ! 我ら偉大なるドラゴン族が脆弱な人間どもを支配する世界。強き者が弱きものを従える、それは最もシンプルな自然の摂理ではないか!』
「へへーんだ! そんなもんボクは知らないよーだ! 勝手に言ってろバーカ! バーカバーカ! あっかんべーだ!」
無邪気な子供のようにミストルティアが舌を出す。
『くっ、これだから戦闘狂の脳筋は! 感情で物事を判断しおってからに……!』
あ、やっぱりミストルティアって、仲間のドラゴンからも戦闘狂の脳筋だって思われてたんだな(苦笑
「それの何が悪いの? ドラゴンは己の心に忠実に生きる種族、自分のやりたいように生きるのが本来の姿でしょ?」
『だからそんな世界のありようを大魔竜ドラグバーン様は変えようとしておられるのだと言っている!』
「ふーんだ、ボクもそんなの知らないって言ってるでしょ! ……うん、そうだね。ボクは決めたよ」
『決めただと?』
「うん、そうさ。ボクはおにーさんと一緒にパパを倒すことに決めた!」
『はぁっ!? ミストルティア、キサマ何を言っているのか分かっているのか?』
「分かってるに決まってるじゃん。今からギガントを倒して、そしてパパを――ううん、大魔竜ドラグバーンを倒す!」
ミストルティアが凛々しい表情でキリリと宣言した!
俺は聖剣≪クラウソラス≫で突進するギガントドラゴンの巨体を打ち返そうとして――しかし激しく吹き飛ばされてしまった。
空中でなんとか体勢を立て直して着地するが、それを狙いすましたかのように、
『ギガント・ドラゴンブレス!』
強力なブレスが俺を目掛けて放たれる!
炎属性が付与された真紅のドラゴンブレスが俺に向かって一直線に襲いかかってきた!
「こなくそぉぉっ!! おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ――――っっっっ!!!!」
俺は聖剣≪クラウソラス≫に残る力を注ぎ込むと、真紅のギガント・ドラゴンブレスを叩き斬る!
これくらいのドラゴンブレス、普通ならそれで簡単に霧散させられるはずが。
しかし今の俺の力では完全に消しきることができず、打ち消しきれなかったギガント・ドラゴンブレスを喰らってしまう。
「ぐぅ……っ!」
なんとかそれに耐える。
半分以上は打ち消したはずだが、それでも身体が焼けるように熱い。
聖なる力が弱まっていて防御力までもが低下しているからだ。
『くくく、弱い! 弱っちいなぁ勇者! こんな程度の攻撃で苦悶の表情を浮かべるなど笑止千万! だがそれもすぐに終わる。次で終わりにしてやろう』
「くそ、万全の状態ならお前程度に負けることなんてありはしないのに――!」
『ガハハ、いいザマだな勇者! 悔しそうな顔が最高にそそるぜ! 喰らえ! ギガント・ドラゴンブレス!』
紅蓮に燃え盛るギガント・ドラゴンブレスが再び俺を目掛けて放たれる。
くっそぅ……!
俺は、俺はここまでなのか!
だがもう打つ手がない――
迫りくる灼熱のギガント・ドラゴンブレスを前に、俺の心が諦めかけたその時だった。
「だめぇぇぇぇぇっ!!!!!」
突然ミストルティアが俺の前に割って入ると、ゲンブソードでギガント・ドラゴンブレスを弾き飛ばしたのだ!
ギガント・ドラゴンブレスは、まるで最初からそこに何もなかったかのように霧散した。
『なっ!? 何をするミストルティア! どういうつもりだ! なぜ邪魔をした!』
「おにーさんは殺させないもん!」
『なんだと? ミストルティア、まさかキサマ裏切るつもりか!?』
「違うもん! でもこれはダメだもん! ズルして勝つのはダメだもん!」
『ズルではない、これは戦略なのだ!』
「何が戦略だよ! ボクはこんなズルでおにーさんに勝っても嬉しくないし、最高に強いおにーさんがこんなズルでボク以外のやつに負けるのが嫌なだけだもん!」
『わけのわからんことを言うな! そこをどけミストルティア! 勇者を殺せばこの戦いは我らドラゴンの勝利なのだ!』
「そもそもそれがおかしいと思わないの?」
『なんだと?』
「ドラゴンは誰かの命令で弱っちい人間を襲うような、そんな愚かな種族じゃないはずでしょ! ドラゴンはもっと高貴で、孤高で、強くて! 誰の命令にも従わない、自分の強さと誇りを何よりも大事にする崇高な種族のはずだもん!」
『ぐ……それは……』
どうやら痛いところを突かれたようで、ミストルティアの指摘にギガントドラゴンが言葉を詰まらせる。
「ドラゴンは決して群れない孤高の種族。なのにパパの命令だからって唯唯諾諾とそれに従って、徒党を組んで人間を襲うだなんて。もうそれドラゴン失格じゃんか!」
『くっ、たしかに今まではそうだった。だが大魔竜ドラグバーン様はそんな世界の在り方を根本的に変えようとしておられるのだ! 我ら偉大なるドラゴン族が脆弱な人間どもを支配する世界。強き者が弱きものを従える、それは最もシンプルな自然の摂理ではないか!』
「へへーんだ! そんなもんボクは知らないよーだ! 勝手に言ってろバーカ! バーカバーカ! あっかんべーだ!」
無邪気な子供のようにミストルティアが舌を出す。
『くっ、これだから戦闘狂の脳筋は! 感情で物事を判断しおってからに……!』
あ、やっぱりミストルティアって、仲間のドラゴンからも戦闘狂の脳筋だって思われてたんだな(苦笑
「それの何が悪いの? ドラゴンは己の心に忠実に生きる種族、自分のやりたいように生きるのが本来の姿でしょ?」
『だからそんな世界のありようを大魔竜ドラグバーン様は変えようとしておられるのだと言っている!』
「ふーんだ、ボクもそんなの知らないって言ってるでしょ! ……うん、そうだね。ボクは決めたよ」
『決めただと?』
「うん、そうさ。ボクはおにーさんと一緒にパパを倒すことに決めた!」
『はぁっ!? ミストルティア、キサマ何を言っているのか分かっているのか?』
「分かってるに決まってるじゃん。今からギガントを倒して、そしてパパを――ううん、大魔竜ドラグバーンを倒す!」
ミストルティアが凛々しい表情でキリリと宣言した!
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