ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第35話 勇者と竜姫
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俺は平原に降り立つとすぐにミストルティアに向き直った。
流れるように聖剣≪クラウソラス≫を抜くと、聖なる力を注ぎ込んでいく。
「わぉう! すごいパワーだねっ! じゃあボクもいくよ!」
対するミストルティアもどこからともなく一本の剣を取り出した。
「は? 今、何したんだ? その剣どこから取り出した?」
「この空間と収納異空間を繋いで、向こうにある愛剣を取っただけだけど?」
「だけってお前なぁ……」
「これくらい全然普通だし」
この世界に来て初めて見た、ゲームみたいな収納魔法。
人間は誰一人として使っているのを見たことがなかったから、ドラゴンだけが使える便利な魔法なのだろう。
さすがドラゴン、なんでもありだな。
「っていうかその姿のままで戦うつもりか? てっきりドラゴンの姿に戻って戦うもんだとばかり思ってたんだが」
「そだよー♪ ボクは人の姿で、剣を使って戦うのが一番好きなんだー。それにおにーさんも剣を使うからちょうどいいでしょ? チャンバラしよ、チャンバラ♪」
「一応言っておくが、それで全力が出せなかったとか言い訳はなしだからな?」
「それなら心配はご無用! ボクはドラゴンの姿よりこっちのほうが強いから!」
マジかよ。
ドラゴンと剣を使ってチャンバラすんのかよ。
「それともう一つ言っておくが、並大抵の剣じゃ聖剣≪クラウソラス≫の相手は務まらないからな?」
硬いドラゴンの鱗すら易々と切り裂く聖剣≪クラウソラス≫と打ち合えば、ほとんどの剣は一発でへし折れる。
「それも大丈夫♪ この剣はゲンブドラゴンの甲羅≪ドラゴニック・スケイル≫の一部を使って作った剣だもん。ゲンブドラゴンは知ってるよね? この前おにーさんが倒した四天王」
「げっ、その剣、あのクソ硬い甲羅からできてるのかよ!?」
「そ、だから折れることはまずないと思うよ♪ 名付けてゲンブソード♪」
「まんま過ぎだろ……もう少し捻ろうぜ……」
「まぁ剣って言っても、見よう見まねで剣の形にしただけだから、全然切れ味はないんだけど。でもちゃんと殴り殺すことはできるから安心してね♪」
なにが嬉しいのか、ミストルティアがゲンブソードをブンブンと振り回す。
「剣の形はしているけど実質、鈍器ってことか……」
斬られるのも嫌だけど、殴られるのも嫌だなぁ……。
「そういうわけだから心配の必要はナッシング! さあさあ、早く始めようよ! ボクもういい加減、待ちきれないんだから! 全力の殺し合い、しよっ?」
たしかにこれ以上話しても意味はないか。
「いいだろう、本気で相手をしてやる。俺も死にたくはないからな」
こいつは手を抜いて勝てる相手じゃない。
全力で殺す気で行かないとダメな相手だ。
「そうこなくっちゃ♪」
「だが勇者の本気をあまり舐めるなよ?」
「そっちこそ大魔竜ドラグバーンの娘にして、ドラゴン四天王のボクを見くびらないでよね?」
互いの闘気が猛烈に膨れ上がり、臨界を超える――!
闘気と闘気がぶつかり合い、ピシッ、ピシッと爆ぜる音が俺たちの周囲の至るところから聞こえ始めた。
「行くぞ!」
「行くよ!」
俺とミストルティアは鏡合わせのように同時にまっすぐ踏み込んだ!
ガキンッ!!
鈍い音がして聖剣とゲンブソードが激しくぶつかり、火花が飛び散る!
スキル≪剣聖≫によって熟練の凄腕剣士となっている俺の剣技をいとも簡単に受け止めるとはな。
さすがバトルマニアだ。
パワーや身体能力だけでなく、戦闘技術も一流ってか。
「やるな!」
「そっちこそ!」
俺とミストルティアとの最強剣士決定戦が幕を開けた――!
流れるように聖剣≪クラウソラス≫を抜くと、聖なる力を注ぎ込んでいく。
「わぉう! すごいパワーだねっ! じゃあボクもいくよ!」
対するミストルティアもどこからともなく一本の剣を取り出した。
「は? 今、何したんだ? その剣どこから取り出した?」
「この空間と収納異空間を繋いで、向こうにある愛剣を取っただけだけど?」
「だけってお前なぁ……」
「これくらい全然普通だし」
この世界に来て初めて見た、ゲームみたいな収納魔法。
人間は誰一人として使っているのを見たことがなかったから、ドラゴンだけが使える便利な魔法なのだろう。
さすがドラゴン、なんでもありだな。
「っていうかその姿のままで戦うつもりか? てっきりドラゴンの姿に戻って戦うもんだとばかり思ってたんだが」
「そだよー♪ ボクは人の姿で、剣を使って戦うのが一番好きなんだー。それにおにーさんも剣を使うからちょうどいいでしょ? チャンバラしよ、チャンバラ♪」
「一応言っておくが、それで全力が出せなかったとか言い訳はなしだからな?」
「それなら心配はご無用! ボクはドラゴンの姿よりこっちのほうが強いから!」
マジかよ。
ドラゴンと剣を使ってチャンバラすんのかよ。
「それともう一つ言っておくが、並大抵の剣じゃ聖剣≪クラウソラス≫の相手は務まらないからな?」
硬いドラゴンの鱗すら易々と切り裂く聖剣≪クラウソラス≫と打ち合えば、ほとんどの剣は一発でへし折れる。
「それも大丈夫♪ この剣はゲンブドラゴンの甲羅≪ドラゴニック・スケイル≫の一部を使って作った剣だもん。ゲンブドラゴンは知ってるよね? この前おにーさんが倒した四天王」
「げっ、その剣、あのクソ硬い甲羅からできてるのかよ!?」
「そ、だから折れることはまずないと思うよ♪ 名付けてゲンブソード♪」
「まんま過ぎだろ……もう少し捻ろうぜ……」
「まぁ剣って言っても、見よう見まねで剣の形にしただけだから、全然切れ味はないんだけど。でもちゃんと殴り殺すことはできるから安心してね♪」
なにが嬉しいのか、ミストルティアがゲンブソードをブンブンと振り回す。
「剣の形はしているけど実質、鈍器ってことか……」
斬られるのも嫌だけど、殴られるのも嫌だなぁ……。
「そういうわけだから心配の必要はナッシング! さあさあ、早く始めようよ! ボクもういい加減、待ちきれないんだから! 全力の殺し合い、しよっ?」
たしかにこれ以上話しても意味はないか。
「いいだろう、本気で相手をしてやる。俺も死にたくはないからな」
こいつは手を抜いて勝てる相手じゃない。
全力で殺す気で行かないとダメな相手だ。
「そうこなくっちゃ♪」
「だが勇者の本気をあまり舐めるなよ?」
「そっちこそ大魔竜ドラグバーンの娘にして、ドラゴン四天王のボクを見くびらないでよね?」
互いの闘気が猛烈に膨れ上がり、臨界を超える――!
闘気と闘気がぶつかり合い、ピシッ、ピシッと爆ぜる音が俺たちの周囲の至るところから聞こえ始めた。
「行くぞ!」
「行くよ!」
俺とミストルティアは鏡合わせのように同時にまっすぐ踏み込んだ!
ガキンッ!!
鈍い音がして聖剣とゲンブソードが激しくぶつかり、火花が飛び散る!
スキル≪剣聖≫によって熟練の凄腕剣士となっている俺の剣技をいとも簡単に受け止めるとはな。
さすがバトルマニアだ。
パワーや身体能力だけでなく、戦闘技術も一流ってか。
「やるな!」
「そっちこそ!」
俺とミストルティアとの最強剣士決定戦が幕を開けた――!
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