上 下
32 / 88

第32話 あおられ

しおりを挟む
 吾輩はネコである。
 名前はちび太。


「はぁ……っ!!?? 初めて違う人から感想がついたと思ったら、『主人公ばかり何でそんなモテるの?w』だとぉ!? ウッキウキで感想見に行ったのになんだこいつ! 純情な作者の心をもてあそびやがって、絶対に許さんぞ!!」

 珍しくご主人様が憤慨していた。

 どうもWeb投稿している小説の感想コメントで、軽く煽られてしまったようだった。

「こいつ、なんて返してやろうか……! 作家志望の言葉の力を甘く見るなよ……!

1.主人公がモテるんじゃなくて、モテる奴が主人公なの
2.俺の異世界では主人公がモテるんだよ
3.モテた方が楽しいだろ
4.ハーレムもの全否定か?
5.えっ? そこ理由いる??
6.うるせぇ、エビフライぶつけんぞ!

パッと思いついただけでもこれだけある。さてどれだ、どれで応戦する……!?」

 一心不乱にパソコンに向かって、あーでもないこーでもないとやり始めたご主人様。

 そんな怒りに打ち震えるご主人様が最終的にどうなったかというと、

「感想ありがとうございます。これからも頑張ります(*´ω`*)」

 これ以上ないヘタレっぷりを発揮していた。

 なんだかんだで平和志向で優しい主人様のことを、吾輩は結構好いているのだった。
しおりを挟む

処理中です...