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第11話 私はリリーナ・ブリスタニア……あなたは……?
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「あ、その子がうわさの彼女さんだね?」
綺麗な女の人は、わたしの顔を見ると嬉しそうに前まで来て、言った。
「初めまして、私はリリーナ・ブリスタニアだよ。ライちゃん――えっと、ライオネルの1つ上のお姉ちゃんです。リリーナって呼んでね。それで、あなたは?」
「ご、ご挨拶が遅れました、リリーナ様。わ、わたしはクレアと申します。こ、このたび、ライオネルに――ライオネル殿下に引き立てられまして、『水龍の巫女』として、こ、このブリスタニアの王宮で働かせていただくことになりました。どうぞ、お見知りおきくださいまちぇ」
わたしはちょっと詰まりながらも、どうにか自己紹介を終えると――最後は思いっきり噛んじゃったけど――がばっと勢いよく頭を下げた。
しまった、またやっちゃったよ!
だってライオネルのお姉ちゃんってことは、リリーナ様は王女さまだよ!?
よりにもよって庶民が、王女さまに先に名前を名乗らせるなんて、不敬もいいところだもん。
わたしが内心ガクガクブルブル(基本ヘタレなので)していると、
「私、こんな可愛い妹が欲しかったんだよね~」
むぎゅ!
「わわっ!? リリーナ様!?」
いきなりリリーナ様の豊満な胸に、ぎゅーってされて、わたしは慌てふためいた。
やっぱりすごい胸だ。
爆乳ってこういうのを言うんだね。
やわらかいなぁ、いいなぁ。
そして、わたしのAAカップとは、天と地の差だった。
ぐすん、世知辛い現実を再確認させられちゃったよ……。
「リリーナでいいよ、クレアちゃん」
「で、ですが……」
「さっきライちゃんのことを、ライオネルって呼んでたでしょ? 姉弟なのに、私だけ仲間外れはさみしいなぁ……」
「えっと、それはその、成り行きと申しますか……」
「じゃあ私もなりゆきでオッケーだよね。これからはリリーナって呼んでね」
「それではリリーナさんと、そう呼ばせていただいても……?」
「うーん、まぁいっか、それでも」
話が一息ついたところで、
「姉さん、いきなりハグなんてしたら、クレアが困っちゃうよ」
ライオネルがやんわり注意してくれた。
「えー? だって将来、ライちゃんのお嫁さんになったら、クレアちゃんはわたしの義理の妹ってことでしょう? だったら今のうちから、仲良くしておきたいしー?」
「「お嫁さん!?」」
わたしとライオネルの声が、見事にハモった。
「え? だって、その子をパパに紹介したんでしょ? 結婚はいつの予定なの? 個人的には早い方がいいと思うなー。理由は、私が早くかわいい妹が欲しいから!」
「あの、ライオネルとは、そういうんじゃなくてですね。キングウルフに襲われていた時に、さっそうと助けていただきまして! しかも行く当てのないわたしを、ブリスタニアの王宮で働けるようにしてくれたんです。だからただの小間使いみたいなもので、わたしなんかは、全然そんな論外ですから!」
わたしは早口でまくしたてた。
だってライオネルは、王子さまで、イケメンで、イケボで、サラサラの金髪で、透き通るような蒼い瞳で、高身長で、すらっとしてて、立ち居ふるまいが優雅で、言葉遣いもジェントルメンで、すごく優しくて、笑顔がとってもチャーミングで、リリーナさんみたいな綺麗なお姉さんがいる、ステキな男の人なんだもん。
わたしみたいな驚異のAAカップ胸囲をほこる、ザ・ちんちくりんな庶民が、恋人とか結婚とかの話題になるだけでも、そんなのライオネルに失礼すぎるよ。
「そうだよ、姉さん。クレアはあの神龍国家シェンロンで『神龍の巫女』をしていたんだよ? すごく一生懸命で、とても素直で正直な女の子で。残念ながら、ボクなんかじゃ釣り合いは取れないよ」
ライオネルが自嘲気味に言った。
「ふえっ……?」
今ライオネルは、なんて言ったの?
なんか信じられないような言葉が聞こえたような……って、まぁどう考えても、わたしの空耳だよね。
やだやだ、都合のいい耳って。
聞き返すのは自意識過剰な妄想女子みたいで恥ずかしいから、やめておこっと。
わたしは深く考えるのをやめた。
偶然たまたまライオネルの目的に合致したおかげで、貴族みたいな扱いを受けてるけど。
しょせんわたしは庶民なんだから。
庶民のわたしには、庶民の生きる道があるのだから。
バーバラにもさんざん「庶民のブンザイで! ワキマエなさい!」って言われたしね。
「うん……? うぬぬ・……? なんだか微妙に話がかみ合ってないような……?」
なぜかリリーナさんが首をかしげていた。
そんなリリーナさんに、わたしとライオネルはもう一度、今回の一件を丁寧に説明したのだった。
綺麗な女の人は、わたしの顔を見ると嬉しそうに前まで来て、言った。
「初めまして、私はリリーナ・ブリスタニアだよ。ライちゃん――えっと、ライオネルの1つ上のお姉ちゃんです。リリーナって呼んでね。それで、あなたは?」
「ご、ご挨拶が遅れました、リリーナ様。わ、わたしはクレアと申します。こ、このたび、ライオネルに――ライオネル殿下に引き立てられまして、『水龍の巫女』として、こ、このブリスタニアの王宮で働かせていただくことになりました。どうぞ、お見知りおきくださいまちぇ」
わたしはちょっと詰まりながらも、どうにか自己紹介を終えると――最後は思いっきり噛んじゃったけど――がばっと勢いよく頭を下げた。
しまった、またやっちゃったよ!
だってライオネルのお姉ちゃんってことは、リリーナ様は王女さまだよ!?
よりにもよって庶民が、王女さまに先に名前を名乗らせるなんて、不敬もいいところだもん。
わたしが内心ガクガクブルブル(基本ヘタレなので)していると、
「私、こんな可愛い妹が欲しかったんだよね~」
むぎゅ!
「わわっ!? リリーナ様!?」
いきなりリリーナ様の豊満な胸に、ぎゅーってされて、わたしは慌てふためいた。
やっぱりすごい胸だ。
爆乳ってこういうのを言うんだね。
やわらかいなぁ、いいなぁ。
そして、わたしのAAカップとは、天と地の差だった。
ぐすん、世知辛い現実を再確認させられちゃったよ……。
「リリーナでいいよ、クレアちゃん」
「で、ですが……」
「さっきライちゃんのことを、ライオネルって呼んでたでしょ? 姉弟なのに、私だけ仲間外れはさみしいなぁ……」
「えっと、それはその、成り行きと申しますか……」
「じゃあ私もなりゆきでオッケーだよね。これからはリリーナって呼んでね」
「それではリリーナさんと、そう呼ばせていただいても……?」
「うーん、まぁいっか、それでも」
話が一息ついたところで、
「姉さん、いきなりハグなんてしたら、クレアが困っちゃうよ」
ライオネルがやんわり注意してくれた。
「えー? だって将来、ライちゃんのお嫁さんになったら、クレアちゃんはわたしの義理の妹ってことでしょう? だったら今のうちから、仲良くしておきたいしー?」
「「お嫁さん!?」」
わたしとライオネルの声が、見事にハモった。
「え? だって、その子をパパに紹介したんでしょ? 結婚はいつの予定なの? 個人的には早い方がいいと思うなー。理由は、私が早くかわいい妹が欲しいから!」
「あの、ライオネルとは、そういうんじゃなくてですね。キングウルフに襲われていた時に、さっそうと助けていただきまして! しかも行く当てのないわたしを、ブリスタニアの王宮で働けるようにしてくれたんです。だからただの小間使いみたいなもので、わたしなんかは、全然そんな論外ですから!」
わたしは早口でまくしたてた。
だってライオネルは、王子さまで、イケメンで、イケボで、サラサラの金髪で、透き通るような蒼い瞳で、高身長で、すらっとしてて、立ち居ふるまいが優雅で、言葉遣いもジェントルメンで、すごく優しくて、笑顔がとってもチャーミングで、リリーナさんみたいな綺麗なお姉さんがいる、ステキな男の人なんだもん。
わたしみたいな驚異のAAカップ胸囲をほこる、ザ・ちんちくりんな庶民が、恋人とか結婚とかの話題になるだけでも、そんなのライオネルに失礼すぎるよ。
「そうだよ、姉さん。クレアはあの神龍国家シェンロンで『神龍の巫女』をしていたんだよ? すごく一生懸命で、とても素直で正直な女の子で。残念ながら、ボクなんかじゃ釣り合いは取れないよ」
ライオネルが自嘲気味に言った。
「ふえっ……?」
今ライオネルは、なんて言ったの?
なんか信じられないような言葉が聞こえたような……って、まぁどう考えても、わたしの空耳だよね。
やだやだ、都合のいい耳って。
聞き返すのは自意識過剰な妄想女子みたいで恥ずかしいから、やめておこっと。
わたしは深く考えるのをやめた。
偶然たまたまライオネルの目的に合致したおかげで、貴族みたいな扱いを受けてるけど。
しょせんわたしは庶民なんだから。
庶民のわたしには、庶民の生きる道があるのだから。
バーバラにもさんざん「庶民のブンザイで! ワキマエなさい!」って言われたしね。
「うん……? うぬぬ・……? なんだか微妙に話がかみ合ってないような……?」
なぜかリリーナさんが首をかしげていた。
そんなリリーナさんに、わたしとライオネルはもう一度、今回の一件を丁寧に説明したのだった。
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