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藤宮学園編

曇天

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 「何で……あの時 我慢 出来なかった 
のかな……  ホント馬鹿みたい 」


人生については何回も語ったつもりでいた
だけど話しても話してもキリがない

「話しかけんなよ クソ女  」

「近づくなよ 汚いんだよ  」

逃げたいって思っても……足は沼から……
抜けない 這い蹲ろうと 沼は足を連れて行く


「もう死にたい…… 」

死を覚悟する瞬間…… 民はあの娘を笑う
だろうか 人は人を馬鹿にする

お前らも同類の癖にな……

「疲れちゃったよ 次郎……  」

「ダメだ……まだ…… お前をあっち
に逝かせる訳にはいかない…… 」

「ううん もう逝くね ありがとう……
次郎 私に 楽しさを教えてくれて 」

逝かせない 逝かせない 逝かせない ……。

彼女は俺の前で飛び降りた
それはまさに天使に羽が生えたように
でもその羽は漆黒で彼女を闇に連れて行って
しまった…… 。彼女の声が脳内から消えない

「これは俺と彼女の必死に抗った物語
である……  」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「極王 ただいま 戻りました  」

「おかえり カオス 、イリアの事は残念
だった……  」

極王はそう言うと……俺の肩をポンと叩き
俺の側から離れる

「カオス お疲れ様  」

俺は…… 誰もが言うそんな簡単な言葉ですら
いまは泣いてしまう……

目は涙で溢れかえってた

「イリアに祝福がありますように……そして
イリアにとっての最高の人生がスタートする
事を祈り 俺の声を捧げ 終わりにします 」

仲間の死は 家族の死と 同じ……イリアの
死は俺達を変えた、良い方向とは限らない

「 カオス 後 ファイアが IBDを抜けた 」

「そうですか…… 」

「後 さっそくで悪い 時間がない 明日
藤宮学園 (ふじみや )に行ってほしい 」

「わかりました 」

俺はさっそく自分の部屋に戻り、就寝に
付いた……

「次郎 アンタさ 何人殺してんの? 」

「俺は違うんだ ただ…… 」

「また言うんだ……笑いたいとか言うんだ
もう次郎の言葉はただの紙クズも同然だね
 この人殺しっ!! 」

真由美はまた俺の夢に出てきた……そして
俺を生ゴミを見るかのような目線で見つめた

「…… 」

「ふっ 本当 次郎 クズだね 」

真由美はそう言い残し夢の中に消えた

またまた叱られた……でもなにより君に
叱られたことが嬉しかった

そして日は昇り

くだらない朝の始まりだ

「おはようございます 極王  」

「今日から藤宮だ 頼んだぞ 」

俺はいつものように藤宮学園の服を着け、
藤宮学園へと向かう

「憂鬱だな…… 」

空は晴れていて快晴だが、俺の心は曇天
だった…

足取りは当然重く……一歩 一歩 ですら
歩くのに苦痛だった

「 よぉ! クソ女  」

「股 ユルユルなんじゃないの? 」

そこにはまた俺の見えない……いじめが
繰り広げられていた

「……違う 」

「何か言った? ユル子  」

「何?ユル子って  」

「だって朝礼の時間にうんこ漏らすような
女だよ……だから股がユルユルだからユル子
いい名前でしょ? フフッ 」

女だよ……その他人回しのようなその言葉
が一番何より一番重く私の心にのしかかる

「…… 」

私はいつも登校中……こんな屈辱を……
毎日のように受けていた

………誰か助けて………

届かない声、でも私は願いつづけた、
いつか私の心を快晴にしてくれる存在が
きっといるのだと……

そして私は校門前に到着する

「きた きた  きた きた  糞女  」

「じゃあ やりますか  」

そう彼女が校門をくぐり抜け、学校の敷地
に入った…その瞬間…

向かいの校舎の3階から……デカイ垂れ幕
ぶら下がる……そしてそこには

クソ女 お前は 学校来るな と 書かれていた

次郎はその垂れ幕を見て

「さっそく いじめを見つけた 執行は
早めに開始するか  」


時間は狂気に変わる……その前に……
早く手を打たないと

そして彼女は涙を堪えながらもクラスに
向かう……

そして 次郎も鬼のような形相をしながら
藤宮学園にはいる

当然次郎はまた転入生として クラスに
はいる

「川南高校から来た 山田次郎です
よろしくお願いします 」

俺はいつものようにクラスを見渡す
そしてすぐにいじめられている子を発見する

でもとなりに誰か座ってるな

「先生 自分 あそこの 席がいいです 」

「えっでも…… 」

「あそこがいいです 」

俺は先生を睨む…… そうすると先生は
怯んだのか 
 
「川島君 そこ 次郎くんと席変われる? 」

「別にいいですけど…… 」

そして次郎は彼女の席に座る

そして 俺は 「ラッキー 」といっている
川島の声が聞こえた

「えっと……よろしくね  」

彼女は俺の声を聞いてはいなかった……

「……」

彼女はいつも窓の向こう側を見つめている
のだろうか……

でも彼女の顔は 優しい顔をしていた

俺の心は自然と太陽が照らし始めた。
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