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第34幕 太志郎との任務④
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恒星は空中ディスプレイに映る地図を見てベータの居場所を見た。
ベータは人気の少ない時間帯の中央武道場の前にいた。
「見つけたぞ貴様!!」
恒星はベータを見つける。彼の腕の中には、真幌の姿があった。ベータは捕まえた真幌を連れて行こうとした直後だったのだ。
「うわ! 見つかった! あのGPS……外せないのが腹立つ」
ベータの体内のGPSは心臓に埋め込まれているので彼自身では外せなかったのだ。
「副長さん!」
真幌は恒星の姿を見る。
「やっぱりか……」
恒星も真幌の姿を見る。
「何お前もこの子の血がほしいの?」
「そいつは俺の恩人の息子。それだけだ」
恒星はベータを睨み構える。
※
「なあタイシ、コイツどうするん?」
走行している大型ダブルユニック車、鉄子の車内の助手席に座る美翔は後部座席のライザーを見る。
「てめえフザケルなよ!!」
ライザーは縄で全身を固定されているが勢いは止まらずに太志郎と美翔に叫ぶ。
「ほんまお前黙れや!」
叫ばれた美翔は叫び返す。それに対し太志郎は運転のために黙っていた。しかし、彼は鉄子を停止させた。
「美翔さん、ちょっと待っててくれ」
「え?」
太志郎は鉄子から降りる。後部座席からライザーを引きずり下ろす。
「なんだやるのか!?」
「さっきから……うるせえのと、座席にツバ飛ばしてんじゃねえよ! 鉄子嫌がんだろ!!」
「え?」
ライザーは唖然とする。その瞬間、
――バキィッ!!
ライザーに強烈な一撃を太志郎は腹に食らわせる。そしてそのままライザーはガクンと倒れて気絶する。
「最初からこうしときゃよかった」
「タイシ……」
気絶したライザーを再び後部座席に乗せる太志郎を美翔は見る。
「さあ行こうか」
「行くんかい。まあええけど」
何もなかったように太志郎は運転席に戻り運転を再会する。鉄子は徐々に加速する。
「なあ、このへんって中央武道場の近くやない?」
美翔は車内から外をよく見る。
「ああ。ベータの中のGPS辿ったらここみたいだ」
鉄子を走らせると中央武道場の前に着く。太志郎は車内越しに紫の皮膚の一部が紫の男を見つける。
「あいつだ。ん?」
太志郎はベータの腕に別の人物がいるのを見つける。桃色の髪。真幌だ。
「あ、あれって真幌!?」
「それに、立花副長?」
美翔もそれが真幌だと気付き驚く。太志郎はベータの前にいるのが恒星なのも気づく。
「真幌!」
「美翔さんっ」
美翔はドアを開け鉄子から降りる。
「兄ちゃん!?」
ベータに捕まっている真幌に向かって美翔は走る。
「お前何してんねん!」
美翔はベータから真幌を離そうと掴みかかる。
「わ! 何こいつ!?」
ベータは美翔に驚き、殴りかかる。
「どわ!」
美翔は真幌の腕を掴んだまま避ける。避けた美翔は真幌からベータをうまく離し、自分の身に寄せる。
「真幌大丈夫なん!?」
「う、うん何とか」
ベータは刀を出し美翔に向かって斬りかかる。
「邪魔しないで!」
「どわ!」
美翔は真幌を庇うようにして避ける。
「その桃童の子を連れて帰らないといけないんでね、いい子から譲ってよ」
「嫌や! どいつもこいつも桃童のことばっか言うて……」
「兄ちゃん?」
ベータが真幌を桃童として認識していると思い、美翔は少し苛立つ。
「あ、そうだ。その子が本当に使えるか試しとかないと」
ベータは美翔の後ろにいる真幌を睨み、素早く近づき再び真幌の腕を取る。
そして噛み付いた。
――カブリっ!
「うああっ!!」
真幌は腕の痛みに叫び、その血は少しベータの口に入る。ベータの口は真幌の腕から離れる。
「……おお! 来たよこれ!」
血を舐めたベータは笑顔を見せ高笑いをする。美翔はそれを見て黙ってしまう。
「ぃよいしょ!!」
ベータは力を試すように刀を降る。離れた場所にいる恒星に向かって。
――ブウン!!
ベータが降ると剣の残像のようなものが見え、それが恒星に向かって飛び、彼にぶつかる。
――ザシュッ!!
「がは!!」
恒星は刀で斬られたような痛みに襲われる。恒星は仰向けに倒れる。
「おおすっげ! 桃童の血本物じゃん!」
ベータは真幌の血を舐めたことによる効果に喜ぶ。
「これなら『アルファ』にもいいかも!」
ベータは再び真幌を連れて行こうと胴体を掴む。
「ああ! いや! 離して!」
真幌は抵抗するがベータから離れられない。そんなベータの首元に槍の刃先が迫る。
「え?」
刃先を向けたのは美翔だった。美翔は咄嗟にブレスレットを槍に変え刃を取り付けてベータに向けたのだった。
「お前、何してくれてんねん……」
槍を向けながら、美翔は鬼の形相でベータを睨む。
「兄ちゃん! 美翔兄ちゃん!!」
抵抗しながら真幌は美翔に向かって叫ぶ。
美翔は槍を大きく降る。ベータはそれを避け、刀で槍を受け止める。
「おわ! それクオーツの持ってた槍じゃん! お前やっぱクオーツの弟子か!」
怒り任せに槍を振り回す美翔のそれをベータは受け止めていく。
――キイン! キンッ!!
「美翔さん!?」
美翔が怒りで頭に血が登っているのを太志郎は見抜く。
それは恒星も同じだった。
「……っ」
恒星は斬られた腹を押さえながら恒星は立ち上がる。
ベータは人気の少ない時間帯の中央武道場の前にいた。
「見つけたぞ貴様!!」
恒星はベータを見つける。彼の腕の中には、真幌の姿があった。ベータは捕まえた真幌を連れて行こうとした直後だったのだ。
「うわ! 見つかった! あのGPS……外せないのが腹立つ」
ベータの体内のGPSは心臓に埋め込まれているので彼自身では外せなかったのだ。
「副長さん!」
真幌は恒星の姿を見る。
「やっぱりか……」
恒星も真幌の姿を見る。
「何お前もこの子の血がほしいの?」
「そいつは俺の恩人の息子。それだけだ」
恒星はベータを睨み構える。
※
「なあタイシ、コイツどうするん?」
走行している大型ダブルユニック車、鉄子の車内の助手席に座る美翔は後部座席のライザーを見る。
「てめえフザケルなよ!!」
ライザーは縄で全身を固定されているが勢いは止まらずに太志郎と美翔に叫ぶ。
「ほんまお前黙れや!」
叫ばれた美翔は叫び返す。それに対し太志郎は運転のために黙っていた。しかし、彼は鉄子を停止させた。
「美翔さん、ちょっと待っててくれ」
「え?」
太志郎は鉄子から降りる。後部座席からライザーを引きずり下ろす。
「なんだやるのか!?」
「さっきから……うるせえのと、座席にツバ飛ばしてんじゃねえよ! 鉄子嫌がんだろ!!」
「え?」
ライザーは唖然とする。その瞬間、
――バキィッ!!
ライザーに強烈な一撃を太志郎は腹に食らわせる。そしてそのままライザーはガクンと倒れて気絶する。
「最初からこうしときゃよかった」
「タイシ……」
気絶したライザーを再び後部座席に乗せる太志郎を美翔は見る。
「さあ行こうか」
「行くんかい。まあええけど」
何もなかったように太志郎は運転席に戻り運転を再会する。鉄子は徐々に加速する。
「なあ、このへんって中央武道場の近くやない?」
美翔は車内から外をよく見る。
「ああ。ベータの中のGPS辿ったらここみたいだ」
鉄子を走らせると中央武道場の前に着く。太志郎は車内越しに紫の皮膚の一部が紫の男を見つける。
「あいつだ。ん?」
太志郎はベータの腕に別の人物がいるのを見つける。桃色の髪。真幌だ。
「あ、あれって真幌!?」
「それに、立花副長?」
美翔もそれが真幌だと気付き驚く。太志郎はベータの前にいるのが恒星なのも気づく。
「真幌!」
「美翔さんっ」
美翔はドアを開け鉄子から降りる。
「兄ちゃん!?」
ベータに捕まっている真幌に向かって美翔は走る。
「お前何してんねん!」
美翔はベータから真幌を離そうと掴みかかる。
「わ! 何こいつ!?」
ベータは美翔に驚き、殴りかかる。
「どわ!」
美翔は真幌の腕を掴んだまま避ける。避けた美翔は真幌からベータをうまく離し、自分の身に寄せる。
「真幌大丈夫なん!?」
「う、うん何とか」
ベータは刀を出し美翔に向かって斬りかかる。
「邪魔しないで!」
「どわ!」
美翔は真幌を庇うようにして避ける。
「その桃童の子を連れて帰らないといけないんでね、いい子から譲ってよ」
「嫌や! どいつもこいつも桃童のことばっか言うて……」
「兄ちゃん?」
ベータが真幌を桃童として認識していると思い、美翔は少し苛立つ。
「あ、そうだ。その子が本当に使えるか試しとかないと」
ベータは美翔の後ろにいる真幌を睨み、素早く近づき再び真幌の腕を取る。
そして噛み付いた。
――カブリっ!
「うああっ!!」
真幌は腕の痛みに叫び、その血は少しベータの口に入る。ベータの口は真幌の腕から離れる。
「……おお! 来たよこれ!」
血を舐めたベータは笑顔を見せ高笑いをする。美翔はそれを見て黙ってしまう。
「ぃよいしょ!!」
ベータは力を試すように刀を降る。離れた場所にいる恒星に向かって。
――ブウン!!
ベータが降ると剣の残像のようなものが見え、それが恒星に向かって飛び、彼にぶつかる。
――ザシュッ!!
「がは!!」
恒星は刀で斬られたような痛みに襲われる。恒星は仰向けに倒れる。
「おおすっげ! 桃童の血本物じゃん!」
ベータは真幌の血を舐めたことによる効果に喜ぶ。
「これなら『アルファ』にもいいかも!」
ベータは再び真幌を連れて行こうと胴体を掴む。
「ああ! いや! 離して!」
真幌は抵抗するがベータから離れられない。そんなベータの首元に槍の刃先が迫る。
「え?」
刃先を向けたのは美翔だった。美翔は咄嗟にブレスレットを槍に変え刃を取り付けてベータに向けたのだった。
「お前、何してくれてんねん……」
槍を向けながら、美翔は鬼の形相でベータを睨む。
「兄ちゃん! 美翔兄ちゃん!!」
抵抗しながら真幌は美翔に向かって叫ぶ。
美翔は槍を大きく降る。ベータはそれを避け、刀で槍を受け止める。
「おわ! それクオーツの持ってた槍じゃん! お前やっぱクオーツの弟子か!」
怒り任せに槍を振り回す美翔のそれをベータは受け止めていく。
――キイン! キンッ!!
「美翔さん!?」
美翔が怒りで頭に血が登っているのを太志郎は見抜く。
それは恒星も同じだった。
「……っ」
恒星は斬られた腹を押さえながら恒星は立ち上がる。
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