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第5幕 鏑木町
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「なぁ小空、密売者はどこにおるん?」
「ちょっとめんどうなとこ。今から連れてってあげる。ここからすぐだから」
小空は自分が走ってきた道を美翔達を連れて歩く。
「この先って確か、『鏑木町』じゃなかったっけ?」
「そうよ。あそこにあるお店や共有施設はほとんどが私のパパがオーナーやってるの」
「鏑木町って……」
小空の発言に太志郎は引っかかる。
鏑木町とは中央区にある中華街。中央区の人間で知らない人はいない。中央武道場に向かう通りでもあるので観光客も多い。
「ほら、あれ」
「お! おおあれか」
小空が指さす先に鏑木町があった。
大きな門の向こうに赤く華やかな風景が見えた。
中華料理店、チャイナドレスの販売店、豚まんの屋台等中華街ならではの店が並ぶ。路上で大道芸のパフォーマンスを行う芸人もいる。
「あ、小空ちゃん!」
通りかかった老人が小空に声をかける。
「お嬢様、今日も綺麗可愛いねぇ」
老人のそばにいた老婆も声をかける。
「ありがとね!」
小空は気さくに返す。
「マサキのお嬢さん、これお父さんや家の人と食べておくれ」
「まぁありがとう!」
中年の女に呼び止められ、小空は紙袋に入ったたくさんのサツマイモを渡される。
「小空お姉ちゃん!」
「お嬢だ!」
小さい少女や若い男も声をかける。町行く人の何人かが小空を見かけては声をかけている。
「……小空ってお嬢なんか?」
町行く人の様子を見る美翔。
「そうよ。私んちは『マサキ財閥』。私これでも社長令嬢よ」
「え? 銃ぶっ放してるヤカラちゃうんか?」
「違うから! 令嬢だから! そう見えない?」
「あんまし見えん」
美翔は小空をじっと睨む。
「ああーーー!!」
「な!? なんやタイシ!?」
マサキ財閥という言葉に太志郎は反応して叫んだ。彼の中の疑問がはっきりしたのだ。
「小空ちゃん! もしかして、君って胡蝶さんの妹かい!?」
「え? そうだけど……兄のことわかるの?」
「やっぱり!」
「待てやって! どないしたん? 誰が誰の妹なん?」
美翔が太志郎を制止する。
「ああ、私の兄もシティナイツの一人なの。さっき私の顔見ても、タイシさんそんなに反応してなかったから、兄とは面識ない人かと思ったけどそうじゃなかったみたいね」
「顔? どういうことや?」
「私とお兄ちゃん、顔結構似てるのよ。ほら」
小空はチョーカーのボタンに触り空中にディスプレイを浮かべる。
ディスプレイの写真には小空と知らない青年が写っている。その青年は目付きや顔付きが小空に似ていた。
「やっぱりな。胡蝶さんと小空ちゃん、似てる……」
「でしょ?」
太志郎は写真を見つめる。似てると言われ小空は少し嬉しくなる
「タイシさんはお兄ちゃんのこと知ってるの? シティナイツって結構所属してる人多いみたいだけど」
「俺も何回か会っただけだけど……あの人、うちの組織の参謀でNo.3だから」
「ええ!? 今の参謀ってお兄ちゃんなの!? 初めて知った!」
二人の会話が所謂身内ネタのように思えて美翔と真幌は少し付いていけなくなるのだった。
「……なんの話やこれ?」
「さぁ?」
※
密売者バイアスの本拠地は鏑木町の端のほうにある古くて低いビルにある。
バイアスもかなり強いが彼の部下である黒服の男達も強く、生きた小さな要塞のようだ。
その説明を小空から美翔と真幌と太志郎は受ける。
「この先やね。ここで取引してるん?」
「そうみたい。購入者にネットでこの場所を教えて取りに行かせてるのよ」
小空はディスプレイの地図を美翔に見せる。
「なら一気に突撃やな! 倒してマスター・クオーツの居場所を吐かせたる!」
「美翔さん、バイアスが居場所知ってるのは確定してないから!」
美翔を太志郎はなだめる。
バイアスが潜伏するビルはこの先。突撃なら今。だがそれを遮るように美翔のズボンの中の電子端末が鳴った。
「え? 誰や?」
美翔は電子端末を出して通話をする。
『美翔! 真幌! 何してるアル!』
「式部? 今からスイートポイズン売ってる奴んとこに突しよう思てな」
通話相手は式部だった。
『太志郎からのメール読んだアルよ! 今は一旦引き上げるアル!! 胡蝶の妹だって子も連れてこいアル!』
「ええなんでや?」
美翔達の突撃は叶わず、引き返すことになった。
※
あるビルの一室に美翔と真幌と太志郎は呼び出された。そこには小空もいた。
「スイートポイズン絡みの事件で勝手に動くのはやめろアル。美翔が強いのを俺も見たし真幌も戦えるのは太志郎から聞いたけど、やばい組織と戦うっていう自覚を持たないといかんアル」
式部は静かかつ冷静に呼び出した美翔と真幌を叱る。
「……」
「ごめんなさい……」
美翔は黙り、真幌は謝る。
「ごめんなさい! 私が頼んだんです……鏑木町にスイートポイズンが出回ったら、町の評判が落ちたら、父の仕事にも響くと思って……」
小空は式部に頭を下げる。
「そっか、君はマサキ財閥の娘さんだねアル。頭上げてアル」
それを見た式部は頭を上げさせる。
「マサキ財閥ってことは、胡蝶の」
「はい、妹の小空です」
「やっぱりアルネ」
胡蝶には式部も会ったことがあった。
「太志郎もアル。なんで止めなかったアル?」
式部は太志郎にも怒る。
「一応は止めたんですが、なんと言うか」
「あ! タイシに怒らんといて!!」
美翔は太志郎を庇う。
「美翔さん、俺は大丈夫だよ」
太志郎が続ける。
「他のシティナイツの隊員は全員別の任務で対応は俺しか出来ないと思い、独断であのような行動をしてしました。申し訳ありません」
「タイシ……」
「もういいアル。美翔と真幌は選手登録用の情報確認あるから後で一緒に来るアル」
式部の話は終わった。
※
「にしても、ここはなんのビルなん?」
説教を終えて部屋を出ると美翔は太志郎に問う。
「『フロンティア・フレア』の本社ビルだよ。式部さんはここの専務なんだ」
フロンティア・フレア。柊市を本社に置く大手企業のひとつで格闘技の衣類の開発販売、トレーニングジムの運営等スポーツ格闘技関連を生業にしている。中央武道場の運営にも関わり、シティナイツとも協力関係にある。
「小空ちゃん、お父さんが迎えに来るからビルの入り口まで案内するよ」
「あ、うん」
「あても行く!」
「ボクも行きます」
太志郎が小空を送るのに、美翔と真幌も同行することにした。
※
「あ! パパもう来てる!」
ビルの入り口に出ると小空は父親を見つけた。大柄で茶色いスーツを着た強面の初老の男、それが小空の父・留吉だ。
「話はフロンティア・フレアの専務から聞いたぞ。全く無茶をして」
留吉は少し怒っているようだった。
「お説教は家に帰ってからにして!」
小空は制止する。
「あ、你好!」
「ああ、
美翔は挨拶する。留吉は美翔と真幌を見る。
「知らない子供巻き込んで危険を冒そうとするとは、けしからんぞ」
「もうわかったから続きは家でって!」
「胡蝶には会ったか?」
「お兄ちゃんは今忙しくてここにはいないわよ」
小空は留吉を連れて帰ろうとする。
「じゃあね美翔、真幌くん」
小空は二人に手を振る。
「ん、再見」
「バイバイ」
美翔と真幌も手を振る。
「……今日は色々あったな」
三人の様子を見て、ふと太志郎は呟くのだった。
※
選手登録に必要な身元情報の確認を終えると美翔と真幌は、ホテルの一室に通された。
「ああ”~、今日はハチャメチャに色々あって疲れたぁ」
「兄ちゃんそのセリフオッサン臭いよ」
シャワーから上がり着替えた美翔はため息をつく。それを見て真幌はクスリと笑う。
「小空、親父に怒られてへんかな。えらい怖そうな親父やったけど」
「どうだろ……」
真幌はベッドで布団を被り横になる。
「バイアス倒してマスターの手がかり見つかるといいね」
「せやな。はよ見つけたらあかんわ」
「うん……」
そう話していると、うとうとと真幌は寝付いた。
「……せやな。今日はもう疲れたもんな」
すぐに寝付いた真幌の傍に美翔は行く。
「二人でマスター見つけて、また三人で一緒に暮らしたわぁ」
二年前まであったクオーツとの暮らしが戻ってくるかもしれない。美翔はそう思うと嬉しさと懐かしさでいっぱいになっていた。
「二人で絶対マスター見つけような、それまであてがお前を守ったるかな。おやすみ、真幌」
美翔は眠る真幌の額に口付けをした。
「ちょっとめんどうなとこ。今から連れてってあげる。ここからすぐだから」
小空は自分が走ってきた道を美翔達を連れて歩く。
「この先って確か、『鏑木町』じゃなかったっけ?」
「そうよ。あそこにあるお店や共有施設はほとんどが私のパパがオーナーやってるの」
「鏑木町って……」
小空の発言に太志郎は引っかかる。
鏑木町とは中央区にある中華街。中央区の人間で知らない人はいない。中央武道場に向かう通りでもあるので観光客も多い。
「ほら、あれ」
「お! おおあれか」
小空が指さす先に鏑木町があった。
大きな門の向こうに赤く華やかな風景が見えた。
中華料理店、チャイナドレスの販売店、豚まんの屋台等中華街ならではの店が並ぶ。路上で大道芸のパフォーマンスを行う芸人もいる。
「あ、小空ちゃん!」
通りかかった老人が小空に声をかける。
「お嬢様、今日も綺麗可愛いねぇ」
老人のそばにいた老婆も声をかける。
「ありがとね!」
小空は気さくに返す。
「マサキのお嬢さん、これお父さんや家の人と食べておくれ」
「まぁありがとう!」
中年の女に呼び止められ、小空は紙袋に入ったたくさんのサツマイモを渡される。
「小空お姉ちゃん!」
「お嬢だ!」
小さい少女や若い男も声をかける。町行く人の何人かが小空を見かけては声をかけている。
「……小空ってお嬢なんか?」
町行く人の様子を見る美翔。
「そうよ。私んちは『マサキ財閥』。私これでも社長令嬢よ」
「え? 銃ぶっ放してるヤカラちゃうんか?」
「違うから! 令嬢だから! そう見えない?」
「あんまし見えん」
美翔は小空をじっと睨む。
「ああーーー!!」
「な!? なんやタイシ!?」
マサキ財閥という言葉に太志郎は反応して叫んだ。彼の中の疑問がはっきりしたのだ。
「小空ちゃん! もしかして、君って胡蝶さんの妹かい!?」
「え? そうだけど……兄のことわかるの?」
「やっぱり!」
「待てやって! どないしたん? 誰が誰の妹なん?」
美翔が太志郎を制止する。
「ああ、私の兄もシティナイツの一人なの。さっき私の顔見ても、タイシさんそんなに反応してなかったから、兄とは面識ない人かと思ったけどそうじゃなかったみたいね」
「顔? どういうことや?」
「私とお兄ちゃん、顔結構似てるのよ。ほら」
小空はチョーカーのボタンに触り空中にディスプレイを浮かべる。
ディスプレイの写真には小空と知らない青年が写っている。その青年は目付きや顔付きが小空に似ていた。
「やっぱりな。胡蝶さんと小空ちゃん、似てる……」
「でしょ?」
太志郎は写真を見つめる。似てると言われ小空は少し嬉しくなる
「タイシさんはお兄ちゃんのこと知ってるの? シティナイツって結構所属してる人多いみたいだけど」
「俺も何回か会っただけだけど……あの人、うちの組織の参謀でNo.3だから」
「ええ!? 今の参謀ってお兄ちゃんなの!? 初めて知った!」
二人の会話が所謂身内ネタのように思えて美翔と真幌は少し付いていけなくなるのだった。
「……なんの話やこれ?」
「さぁ?」
※
密売者バイアスの本拠地は鏑木町の端のほうにある古くて低いビルにある。
バイアスもかなり強いが彼の部下である黒服の男達も強く、生きた小さな要塞のようだ。
その説明を小空から美翔と真幌と太志郎は受ける。
「この先やね。ここで取引してるん?」
「そうみたい。購入者にネットでこの場所を教えて取りに行かせてるのよ」
小空はディスプレイの地図を美翔に見せる。
「なら一気に突撃やな! 倒してマスター・クオーツの居場所を吐かせたる!」
「美翔さん、バイアスが居場所知ってるのは確定してないから!」
美翔を太志郎はなだめる。
バイアスが潜伏するビルはこの先。突撃なら今。だがそれを遮るように美翔のズボンの中の電子端末が鳴った。
「え? 誰や?」
美翔は電子端末を出して通話をする。
『美翔! 真幌! 何してるアル!』
「式部? 今からスイートポイズン売ってる奴んとこに突しよう思てな」
通話相手は式部だった。
『太志郎からのメール読んだアルよ! 今は一旦引き上げるアル!! 胡蝶の妹だって子も連れてこいアル!』
「ええなんでや?」
美翔達の突撃は叶わず、引き返すことになった。
※
あるビルの一室に美翔と真幌と太志郎は呼び出された。そこには小空もいた。
「スイートポイズン絡みの事件で勝手に動くのはやめろアル。美翔が強いのを俺も見たし真幌も戦えるのは太志郎から聞いたけど、やばい組織と戦うっていう自覚を持たないといかんアル」
式部は静かかつ冷静に呼び出した美翔と真幌を叱る。
「……」
「ごめんなさい……」
美翔は黙り、真幌は謝る。
「ごめんなさい! 私が頼んだんです……鏑木町にスイートポイズンが出回ったら、町の評判が落ちたら、父の仕事にも響くと思って……」
小空は式部に頭を下げる。
「そっか、君はマサキ財閥の娘さんだねアル。頭上げてアル」
それを見た式部は頭を上げさせる。
「マサキ財閥ってことは、胡蝶の」
「はい、妹の小空です」
「やっぱりアルネ」
胡蝶には式部も会ったことがあった。
「太志郎もアル。なんで止めなかったアル?」
式部は太志郎にも怒る。
「一応は止めたんですが、なんと言うか」
「あ! タイシに怒らんといて!!」
美翔は太志郎を庇う。
「美翔さん、俺は大丈夫だよ」
太志郎が続ける。
「他のシティナイツの隊員は全員別の任務で対応は俺しか出来ないと思い、独断であのような行動をしてしました。申し訳ありません」
「タイシ……」
「もういいアル。美翔と真幌は選手登録用の情報確認あるから後で一緒に来るアル」
式部の話は終わった。
※
「にしても、ここはなんのビルなん?」
説教を終えて部屋を出ると美翔は太志郎に問う。
「『フロンティア・フレア』の本社ビルだよ。式部さんはここの専務なんだ」
フロンティア・フレア。柊市を本社に置く大手企業のひとつで格闘技の衣類の開発販売、トレーニングジムの運営等スポーツ格闘技関連を生業にしている。中央武道場の運営にも関わり、シティナイツとも協力関係にある。
「小空ちゃん、お父さんが迎えに来るからビルの入り口まで案内するよ」
「あ、うん」
「あても行く!」
「ボクも行きます」
太志郎が小空を送るのに、美翔と真幌も同行することにした。
※
「あ! パパもう来てる!」
ビルの入り口に出ると小空は父親を見つけた。大柄で茶色いスーツを着た強面の初老の男、それが小空の父・留吉だ。
「話はフロンティア・フレアの専務から聞いたぞ。全く無茶をして」
留吉は少し怒っているようだった。
「お説教は家に帰ってからにして!」
小空は制止する。
「あ、你好!」
「ああ、
美翔は挨拶する。留吉は美翔と真幌を見る。
「知らない子供巻き込んで危険を冒そうとするとは、けしからんぞ」
「もうわかったから続きは家でって!」
「胡蝶には会ったか?」
「お兄ちゃんは今忙しくてここにはいないわよ」
小空は留吉を連れて帰ろうとする。
「じゃあね美翔、真幌くん」
小空は二人に手を振る。
「ん、再見」
「バイバイ」
美翔と真幌も手を振る。
「……今日は色々あったな」
三人の様子を見て、ふと太志郎は呟くのだった。
※
選手登録に必要な身元情報の確認を終えると美翔と真幌は、ホテルの一室に通された。
「ああ”~、今日はハチャメチャに色々あって疲れたぁ」
「兄ちゃんそのセリフオッサン臭いよ」
シャワーから上がり着替えた美翔はため息をつく。それを見て真幌はクスリと笑う。
「小空、親父に怒られてへんかな。えらい怖そうな親父やったけど」
「どうだろ……」
真幌はベッドで布団を被り横になる。
「バイアス倒してマスターの手がかり見つかるといいね」
「せやな。はよ見つけたらあかんわ」
「うん……」
そう話していると、うとうとと真幌は寝付いた。
「……せやな。今日はもう疲れたもんな」
すぐに寝付いた真幌の傍に美翔は行く。
「二人でマスター見つけて、また三人で一緒に暮らしたわぁ」
二年前まであったクオーツとの暮らしが戻ってくるかもしれない。美翔はそう思うと嬉しさと懐かしさでいっぱいになっていた。
「二人で絶対マスター見つけような、それまであてがお前を守ったるかな。おやすみ、真幌」
美翔は眠る真幌の額に口付けをした。
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