7 / 54
No.07:「そんなのつまんないじゃん…」
しおりを挟む
翌朝。
学校で朝のSHR前だ。
アパートから学校まで、30分とかからない。
電車一本で行けて、とても便利だ。
8時にアパートを出れば、余裕で間に合う。
「ウッス、翔」
授業の準備をしていると、さわやかイケメンから声が掛かる。
「智也、おはよう」
安川智也は僕の一番近い友人だ。
親友と言ってもいい。
身長180センチのガッシリした体型。
バスケ部のパワーフォワードでレギュラーだ。
切れ長の奥二重、スポーツマンらしいショートヘアのイケメン。
性格も優しく、空気が読める。
そりゃあもう、女子からモテることモテること。
「翔、数学の宿題やってきたか?」
「え、そんなのあったっけ?」
「やっぱり聞いてなかったんだな。章末の問題やってこいって、先生授業の最後に言ってたろ?」
「マジで?」
言ってたっけ?
全然記憶にないんだけど。
「もーしょうがないなー。翔、あたしのノート見せてあげてもいいけど?」
横から快活な女子の声が割り込んでくる。
上原亜美
ショートカットの活発女子だ。
身長160センチぐらいで、運動神経抜群。
女子テニス部のエースだ。
くりっとした目で、八重歯がチャームポイント。
明るく、男女分け隔てなく優しい。
これまた男子に人気の女子生徒である。
そんなスクールカーストの上位陣2名と、なぜか僕は1年の時から仲がいい。
2人とも高校からの付き合いだが、この学校は1年と2年はクラス替えをしない。
だから高校に入ってから一年半くらい、この2人とは仲良くしていることになる。
休日もたまに3人で遊びに行ったり、一人暮らしの僕の家に遊びに来たりする仲だ。
「亜美、宿題やってきたんだ。見せてくれる?」
「ジュース1本ね」
「わかったわかった」
余分な出費は抑えたいんだけどな。
でもこれはしょうがない。
「でもようやく金曜日だね。1週間長かったよ。ねえねえ、週末どっか行かない?」
「お、いいねぇ。俺、久々にアラウンド・ワンに行きてーな」
亜美と智也が、なんか盛り上がってる。
アラウンド・ワンというのはスポーツ・カラオケ・ビリヤード等、いろいろ楽しめる総合娯楽施設だ。
「あたしは土日、両方空いてるよ。翔は?」
「え? あー僕は今週はパス。予定が入ってるんだ」
「あれ? 翔、今週末はバイト入ってないって、言ってなかったか?」
よく覚えてたな。
でも土曜日はホームセンターだし、日曜も多分すみかさんは買い出しだろう。
荷物持ちが必要かもしれない。
それに食材の買い出しにも、行かないと。
「僕にも色々予定があるんだ」
「えーそーなの? もう……付き合い悪いなー」
「僕がいなくたって、2人で行って来ればいいのに」
「えっ? そ、それは……そんなのつまんないじゃん……」
「?」
「はぁー……。こりゃ亜美も大変だ」
智也がなにか呟いたが、周りの喧騒にかき消されて聞こえなかった。
………………………………………………………………
そして今日は土曜日。
寝起きの悪い朝だ。
またいつもの夢を見た。
あの夢をみると、夜中でも起きてしまうんだよな。
本当に、なんとかならないかな……。
夕方には、すみかさんがやってくる。
今日は朝から忙しいというのに。
まず朝一で、ホームセンターへ。
突っ張り棒とカーテンのセットを買ってくる。
すぐにアパートに戻って、ソファーベッドを広げお客さん用の布団をセットする。
テレビとソファーベッドを移動した後、突っ張り棒を設置する。
案外簡単にできてびっくりした。
二つのベッドの間に、いい感じで仕切りができた。
簡単に部屋を掃除したあと、すぐに買い物に出た。
駅向こうの業務スーパーへ向かう。
歩いて20分以上かかるが、節約しなきゃ。
大量の食材を購入して、アパートへ戻る。
大半が冷凍食品なんだけど。
夕方の4時過ぎ。
食事の用意に取りかかる。
今日のメニューは、手羽元のサムゲタンスープと豚の生姜焼きだ。
スープに米を入れるが、一応冷凍ご飯もある。
サムゲタンスープは炊飯器で作る。
お釜に手羽元にキムチ、水煮ごぼうとお米を入れる。
後は調味料入れて、スイッチを押すだけ。
簡単だ。
それから豚肉を調味料と一緒に、ビニール袋に入れてもみ込んでおく。
後はすみかさんが来てから焼けばいい。
すみかさんからLimeのメッセージ。
5時半ぐらいに着くそうだ。
なんだか少し落ち着かない。
学校で朝のSHR前だ。
アパートから学校まで、30分とかからない。
電車一本で行けて、とても便利だ。
8時にアパートを出れば、余裕で間に合う。
「ウッス、翔」
授業の準備をしていると、さわやかイケメンから声が掛かる。
「智也、おはよう」
安川智也は僕の一番近い友人だ。
親友と言ってもいい。
身長180センチのガッシリした体型。
バスケ部のパワーフォワードでレギュラーだ。
切れ長の奥二重、スポーツマンらしいショートヘアのイケメン。
性格も優しく、空気が読める。
そりゃあもう、女子からモテることモテること。
「翔、数学の宿題やってきたか?」
「え、そんなのあったっけ?」
「やっぱり聞いてなかったんだな。章末の問題やってこいって、先生授業の最後に言ってたろ?」
「マジで?」
言ってたっけ?
全然記憶にないんだけど。
「もーしょうがないなー。翔、あたしのノート見せてあげてもいいけど?」
横から快活な女子の声が割り込んでくる。
上原亜美
ショートカットの活発女子だ。
身長160センチぐらいで、運動神経抜群。
女子テニス部のエースだ。
くりっとした目で、八重歯がチャームポイント。
明るく、男女分け隔てなく優しい。
これまた男子に人気の女子生徒である。
そんなスクールカーストの上位陣2名と、なぜか僕は1年の時から仲がいい。
2人とも高校からの付き合いだが、この学校は1年と2年はクラス替えをしない。
だから高校に入ってから一年半くらい、この2人とは仲良くしていることになる。
休日もたまに3人で遊びに行ったり、一人暮らしの僕の家に遊びに来たりする仲だ。
「亜美、宿題やってきたんだ。見せてくれる?」
「ジュース1本ね」
「わかったわかった」
余分な出費は抑えたいんだけどな。
でもこれはしょうがない。
「でもようやく金曜日だね。1週間長かったよ。ねえねえ、週末どっか行かない?」
「お、いいねぇ。俺、久々にアラウンド・ワンに行きてーな」
亜美と智也が、なんか盛り上がってる。
アラウンド・ワンというのはスポーツ・カラオケ・ビリヤード等、いろいろ楽しめる総合娯楽施設だ。
「あたしは土日、両方空いてるよ。翔は?」
「え? あー僕は今週はパス。予定が入ってるんだ」
「あれ? 翔、今週末はバイト入ってないって、言ってなかったか?」
よく覚えてたな。
でも土曜日はホームセンターだし、日曜も多分すみかさんは買い出しだろう。
荷物持ちが必要かもしれない。
それに食材の買い出しにも、行かないと。
「僕にも色々予定があるんだ」
「えーそーなの? もう……付き合い悪いなー」
「僕がいなくたって、2人で行って来ればいいのに」
「えっ? そ、それは……そんなのつまんないじゃん……」
「?」
「はぁー……。こりゃ亜美も大変だ」
智也がなにか呟いたが、周りの喧騒にかき消されて聞こえなかった。
………………………………………………………………
そして今日は土曜日。
寝起きの悪い朝だ。
またいつもの夢を見た。
あの夢をみると、夜中でも起きてしまうんだよな。
本当に、なんとかならないかな……。
夕方には、すみかさんがやってくる。
今日は朝から忙しいというのに。
まず朝一で、ホームセンターへ。
突っ張り棒とカーテンのセットを買ってくる。
すぐにアパートに戻って、ソファーベッドを広げお客さん用の布団をセットする。
テレビとソファーベッドを移動した後、突っ張り棒を設置する。
案外簡単にできてびっくりした。
二つのベッドの間に、いい感じで仕切りができた。
簡単に部屋を掃除したあと、すぐに買い物に出た。
駅向こうの業務スーパーへ向かう。
歩いて20分以上かかるが、節約しなきゃ。
大量の食材を購入して、アパートへ戻る。
大半が冷凍食品なんだけど。
夕方の4時過ぎ。
食事の用意に取りかかる。
今日のメニューは、手羽元のサムゲタンスープと豚の生姜焼きだ。
スープに米を入れるが、一応冷凍ご飯もある。
サムゲタンスープは炊飯器で作る。
お釜に手羽元にキムチ、水煮ごぼうとお米を入れる。
後は調味料入れて、スイッチを押すだけ。
簡単だ。
それから豚肉を調味料と一緒に、ビニール袋に入れてもみ込んでおく。
後はすみかさんが来てから焼けばいい。
すみかさんからLimeのメッセージ。
5時半ぐらいに着くそうだ。
なんだか少し落ち着かない。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
NTRするなら、お姉ちゃんより私の方がいいですよ、先輩?
和泉鷹央
青春
授業のサボリ癖がついてしまった風見抱介は高校二年生。
新学期早々、一年から通っている図書室でさぼっていたら可愛い一年生が話しかけてきた。
「NTRゲームしません?」
「はあ?」
「うち、知ってるんですよ。先輩がお姉ちゃんをNTRされ……」
「わわわわっーお前、何言ってんだよ!」
言い出した相手は、槍塚牧那。
抱介の元カノ、槍塚季美の妹だった。
「お姉ちゃんをNTRし返しませんか?」
などと、牧那はとんでもないことを言い出し抱介を脅しにかかる。
「やらなきゃ、過去をバラすってことですか? なんて奴だよ……!」
「大丈夫です、私が姉ちゃんの彼氏を誘惑するので」
「え? 意味わかんねー」
「そのうち分かりますよ。じゃあ、参加決定で!」
脅されて引き受けたら、それはNTRをどちらかが先にやり遂げるか、ということで。
季美を今の彼氏から抱介がNTRし返す。
季美の今の彼氏を……妹がNTRする。
そんな提案だった。
てっきり姉の彼氏が好きなのかと思ったら、そうじゃなかった。
牧那は重度のシスコンで、さらに中古品が大好きな少女だったのだ。
牧那の姉、槍塚季美は昨年の夏に中古品へとなってしまっていた。
「好きなんですよ、中古。誰かのお古を奪うの。でもうちは新品ですけどね?」
姉を中古品と言いながら自分のモノにしたいと願う牧那は、まだ季美のことを忘れられない抱介を背徳の淵へと引きずり込んでいく。
「新品の妹も、欲しくないですか、セ・ン・パ・イ?」
勝利者には妹の愛も付いてくるよ、と牧那はそっとささやいた。
他の投稿サイトでも掲載しています。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
俺たちの共同学園生活
雪風 セツナ
青春
初めて執筆した作品ですので至らない点が多々あると思いますがよろしくお願いします。
2XXX年、日本では婚姻率の低下による出生率の低下が問題視されていた。そこで政府は、大人による婚姻をしなくなっていく風潮から若者の意識を改革しようとした。そこて、日本本島から離れたところに東京都所有の人工島を作り上げ高校生たちに対して特別な制度を用いた高校生活をおくらせることにした。
しかしその高校は一般的な高校のルールに当てはまることなく数々の難題を生徒たちに仕向けてくる。時には友人と協力し、時には敵対して競い合う。
そんな高校に入学することにした新庄 蒼雪。
蒼雪、相棒・友人は待ち受ける多くの試験を乗り越え、無事に学園生活を送ることができるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる