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悦楽の狭間で3※
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「ミロは上手いだろう? 先ほど披露してやった私の技巧など足元にも及ばない」
乳首を執拗に捏ねられながら、この状況に似つかわしくない異様なほど穏やかな声が降ってくるのを聞いていた。
「わざわざ伽の指南役に教わったそうだ。偶然にも昔、父に妾として囲われていた男にな。お前もよく知っているだろう?」
「え……?」
ミロもギャラに指南を受けていたというのか。一体いつからいつまで。
驚いて言葉に詰まるが、そんな思考はすぐに太刀打ちできないものにさらわれていってしまう。
「ああっ、だめっ! ミロ、出る、出るから……っ!」
舌先でぐりぐりと鈴口をくじられ、乳首を強く押しつぶされ。無理やりに引き出される射精感にぎゅっと目をつぶる。
衝撃に備えたが、幹はすんでのところで口腔内から解放され、快感が宙ぶらりんになってしまった。
「あ、あ……? なんで……?」
「ユノン様、まだだめです」
ミロが口元を拭いながら身体を起こす。
たまらず放置された性器にユノンが手を伸ばそうとすると、タリアスの手に寝台に縫い止められた。
「やんっ、やだぁ」
寸止めをくらいもがきながら身じろぐユノンを見下ろし、口の周りをべしょべしょに濡らしたミロが微笑んだ。
「私の身体で、気持ちよくなっていただかなくては」
どういうことだ。もう十分気持ちよくなった。気持ちよくなったのだから、出させて解放してほしい。
そう涙目で訴えるも、ミロはにこにこと笑うだけだ。
ユノンはタリアスに支えられて身体を起こされた。
「さあ、ユノン様。出したいでしょう? どうぞ、この中へ入っていらして」
そう言うと、ミロは後ろ向きに四つん這いになり、ユノンの前に尻のあわいを晒した。
腰だけを高く掲げた大勢で、すでに濡れてひくつく穴を眼前に差し出される。襞が蠢くたび、中からは白濁した蜜が漏れ出し穴の周囲を濡らす。
「は……? 僕にどうしろと?」
ユノンは目を背ける。
逃げたい。ここからいなくなりたい。けれど夫の腕にしっかりと捕らえられ、そこに向き合うしかない。
「ですから、どうぞこの中へ。ユノン様の初めても、僕にください。もう既にタリアス様のお情けをいただき、とろとろに蕩けております。ユノン様もお気に召すとよいのですが」
「いっ、嫌だ。僕はそんなことはしたくない。お前が陛下の妾でも構わないから、それはやめてくれ」
こんなこと、知らない。
自分は誰かを抱けるように躾けられていない。生まれながらにして抱かれる側の男と思い生きてきたのに、王妃となってからこんなことをさせられるとは思いもしなかった。
夫の前で誰かを抱くなど。こんなことは自分にとって辱めも同然だ。
「ミロ、やめてくれ。タリアス様、」
助けを求めようと肩越しにタリアスを振り返ると、口づけられた。
「ふっ……んむ……ん」
舌を割り入れられると、こんな状況でもその動きに応えてしまう。侵入を許し、唾液を飲み下し、絡め合わせる。淫乱な本性を呪う。
「んっ、んっ、……んふ……」
蛇の交接のように深く舌を絡ませながら両胸の先端も捏ねられると、あっという間に萎れていた茎も力を取り戻す。
「あっ……そんな……」
唇を離され、ユノンは愕然としながら自身の雄を見下ろした。それはタリアスの両手によって上下に扱かれ、ますます高められている。
そして背後からは熱い胸板で身体を押され、徐々に強制的にミロへと距離を詰められていく。
尻にはごりごりと硬度のあるタリアスの男根が擦り付けられ、後ずさることはできない。
「いや、いや」
首を左右に振り訴えても、タリアスはユノンの顔など見もしない。握ったユノンの性器の先端を、ひたりとミロの奥に当てた。
「タリアス様、僕はあなたの妻ではないのですか?」
どうしてこんな辱めを受ける理由があるだろう。
ただ夫のために尽くしてきたつもりだ。夜は精一杯悦ばせ、与えられる官能には逆らわず身を任せた。
どこかへ伴われれば静かに微笑んでいたし、勉学や礼儀作法の勉強へも興味を持って取り組んできた。
それなのに、この仕打ちはなぜ。
「愛しているよ、ユノン」
伝っていく涙を、タリアスの舌がぞろりと舐め上げた。
「お前はよい妻だ。男でありながら最高に美しく、また聡く、しかも淫婦だ。だが、私だけのものにはならない。他の男の味も知ってしまった。それが遺憾だ」
「あなた様だけの妻に? ……だったら、命じてください。自分だけの妻になれと。そうすれば、僕はその通りにいたします」
「もう遅い」
ず、と先端が差し入れられる。きつく締めあげられる感覚に、ユノンはひっとあえかな声を上げた。
「あっ! ……あっ、……入って、来る……。ユノン、さま……?」
ミロが肩越しに振り向いてくる。口元には笑みが浮かび、瞳は興奮のためかぎらぎらと輝いている。
「や、だぁ……っ。だめ、いや、タリアス様、離して……」
熱い。油断をすれば先端から溶けてしまいそうで、ユノンは歯を食いしばる。
ユノンの懇願を無視し、タリアスは背を押してくる。そうして、ユノンのまろい下腹はミロの弾力のある小さな尻にぶつかった。
「あ、あん……」
たまらず二つの膨らみに手を乗せ、わし掴んでしまった。
「あうっ。ああ、ユノン様……! 僕の中に……?」
獣のような体勢で身体を繋げながら、ミロは歯を見せて笑った。とても嬉しそうで、いつもの彼の無邪気な笑顔が頭をよぎる。
それなのに、ミロはとうの昔に男を、それもユノンの夫の味を知っていた。
「ミロ、だめだ。僕はできない」
タリアスが聞いてくれないのならミロにとこれ以上の続行不可を訴えるも、彼に言っても同じこと。
「ユノン様、大丈夫です。ほら、こうして」
ミロは円を描くように丸く腰を揺する。ぬちゅ、ぬちゅ……とみだりがわしい音が立ち、柔らかく熱い肉がユノンに絡みついて離さない。
「あん、やだ、ああんっ……!」
抱かれている時と同様に声が漏れる。性器がミロの内部と一体になって蕩けてしまいそうな感覚に、腰を使うことなどできるわけもない。
乳首を執拗に捏ねられながら、この状況に似つかわしくない異様なほど穏やかな声が降ってくるのを聞いていた。
「わざわざ伽の指南役に教わったそうだ。偶然にも昔、父に妾として囲われていた男にな。お前もよく知っているだろう?」
「え……?」
ミロもギャラに指南を受けていたというのか。一体いつからいつまで。
驚いて言葉に詰まるが、そんな思考はすぐに太刀打ちできないものにさらわれていってしまう。
「ああっ、だめっ! ミロ、出る、出るから……っ!」
舌先でぐりぐりと鈴口をくじられ、乳首を強く押しつぶされ。無理やりに引き出される射精感にぎゅっと目をつぶる。
衝撃に備えたが、幹はすんでのところで口腔内から解放され、快感が宙ぶらりんになってしまった。
「あ、あ……? なんで……?」
「ユノン様、まだだめです」
ミロが口元を拭いながら身体を起こす。
たまらず放置された性器にユノンが手を伸ばそうとすると、タリアスの手に寝台に縫い止められた。
「やんっ、やだぁ」
寸止めをくらいもがきながら身じろぐユノンを見下ろし、口の周りをべしょべしょに濡らしたミロが微笑んだ。
「私の身体で、気持ちよくなっていただかなくては」
どういうことだ。もう十分気持ちよくなった。気持ちよくなったのだから、出させて解放してほしい。
そう涙目で訴えるも、ミロはにこにこと笑うだけだ。
ユノンはタリアスに支えられて身体を起こされた。
「さあ、ユノン様。出したいでしょう? どうぞ、この中へ入っていらして」
そう言うと、ミロは後ろ向きに四つん這いになり、ユノンの前に尻のあわいを晒した。
腰だけを高く掲げた大勢で、すでに濡れてひくつく穴を眼前に差し出される。襞が蠢くたび、中からは白濁した蜜が漏れ出し穴の周囲を濡らす。
「は……? 僕にどうしろと?」
ユノンは目を背ける。
逃げたい。ここからいなくなりたい。けれど夫の腕にしっかりと捕らえられ、そこに向き合うしかない。
「ですから、どうぞこの中へ。ユノン様の初めても、僕にください。もう既にタリアス様のお情けをいただき、とろとろに蕩けております。ユノン様もお気に召すとよいのですが」
「いっ、嫌だ。僕はそんなことはしたくない。お前が陛下の妾でも構わないから、それはやめてくれ」
こんなこと、知らない。
自分は誰かを抱けるように躾けられていない。生まれながらにして抱かれる側の男と思い生きてきたのに、王妃となってからこんなことをさせられるとは思いもしなかった。
夫の前で誰かを抱くなど。こんなことは自分にとって辱めも同然だ。
「ミロ、やめてくれ。タリアス様、」
助けを求めようと肩越しにタリアスを振り返ると、口づけられた。
「ふっ……んむ……ん」
舌を割り入れられると、こんな状況でもその動きに応えてしまう。侵入を許し、唾液を飲み下し、絡め合わせる。淫乱な本性を呪う。
「んっ、んっ、……んふ……」
蛇の交接のように深く舌を絡ませながら両胸の先端も捏ねられると、あっという間に萎れていた茎も力を取り戻す。
「あっ……そんな……」
唇を離され、ユノンは愕然としながら自身の雄を見下ろした。それはタリアスの両手によって上下に扱かれ、ますます高められている。
そして背後からは熱い胸板で身体を押され、徐々に強制的にミロへと距離を詰められていく。
尻にはごりごりと硬度のあるタリアスの男根が擦り付けられ、後ずさることはできない。
「いや、いや」
首を左右に振り訴えても、タリアスはユノンの顔など見もしない。握ったユノンの性器の先端を、ひたりとミロの奥に当てた。
「タリアス様、僕はあなたの妻ではないのですか?」
どうしてこんな辱めを受ける理由があるだろう。
ただ夫のために尽くしてきたつもりだ。夜は精一杯悦ばせ、与えられる官能には逆らわず身を任せた。
どこかへ伴われれば静かに微笑んでいたし、勉学や礼儀作法の勉強へも興味を持って取り組んできた。
それなのに、この仕打ちはなぜ。
「愛しているよ、ユノン」
伝っていく涙を、タリアスの舌がぞろりと舐め上げた。
「お前はよい妻だ。男でありながら最高に美しく、また聡く、しかも淫婦だ。だが、私だけのものにはならない。他の男の味も知ってしまった。それが遺憾だ」
「あなた様だけの妻に? ……だったら、命じてください。自分だけの妻になれと。そうすれば、僕はその通りにいたします」
「もう遅い」
ず、と先端が差し入れられる。きつく締めあげられる感覚に、ユノンはひっとあえかな声を上げた。
「あっ! ……あっ、……入って、来る……。ユノン、さま……?」
ミロが肩越しに振り向いてくる。口元には笑みが浮かび、瞳は興奮のためかぎらぎらと輝いている。
「や、だぁ……っ。だめ、いや、タリアス様、離して……」
熱い。油断をすれば先端から溶けてしまいそうで、ユノンは歯を食いしばる。
ユノンの懇願を無視し、タリアスは背を押してくる。そうして、ユノンのまろい下腹はミロの弾力のある小さな尻にぶつかった。
「あ、あん……」
たまらず二つの膨らみに手を乗せ、わし掴んでしまった。
「あうっ。ああ、ユノン様……! 僕の中に……?」
獣のような体勢で身体を繋げながら、ミロは歯を見せて笑った。とても嬉しそうで、いつもの彼の無邪気な笑顔が頭をよぎる。
それなのに、ミロはとうの昔に男を、それもユノンの夫の味を知っていた。
「ミロ、だめだ。僕はできない」
タリアスが聞いてくれないのならミロにとこれ以上の続行不可を訴えるも、彼に言っても同じこと。
「ユノン様、大丈夫です。ほら、こうして」
ミロは円を描くように丸く腰を揺する。ぬちゅ、ぬちゅ……とみだりがわしい音が立ち、柔らかく熱い肉がユノンに絡みついて離さない。
「あん、やだ、ああんっ……!」
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