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誘淫の戒め2※

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「あ、だめ、だめ、取って……」
「よく似合っている。とても仕置きの最中には見えないほどにな」
「ああんっ、やだあっ!」

 突き上げはどんどん激しくなる。タリアスは唇を舌で濡らしながら、獣のように鋭く光る目でユノンを見上げていた。
 ユノンの内側はタリアスをきつく締め上げ、今宵二度目の子種を授かる瞬間を待ち望んでいる。それに連動し小ぶりな性器もむくむくと大きくなってくるが、鎖に戒められて苦しい。
 何度か根元を抑えつけられ射精の瞬間を抑え込まれたことはあるが、こんなに苦しさが持続するのは初めての経験だ。

「やんっ、あんっ、いやああっ!」

 何とか鎖が解けないかと腰を左右に振るが逆効果で、タリアスの雄をごつごつと色々なところに当ててしまう。

「ひゃああん、あう……」

 子どものように泣きじゃくりながら恨みがましくタリアスを見下ろすと、さすがに憐れになったのか眉尻を下げて微笑まれた。

「そろそろ、いくか」

 タリアスは息を切らしながら一際腰遣いを深くする。
 性器は戒められ泣いているというのに、肉の洞は歓喜に沸いている。
 ユノンは揺さぶられ悦にまみれながら、自分という人間がわからなくなっていた。
 こんな風に恥ずかしい姿でいたぶられているというのに、それでも自分の身体は興奮しさらなる愉悦を期待している。
 本当に、ユノン・オルトアはこの世で一番淫乱な生き物なんじゃなかろうか――。

 ごつん、と一番深いところをタリアスが叩いた。
 男のかすかな呻き声とじんわり内に広がる温かさに、ユノンはぶるりと見悶えた。

「あっ、あん……」

 中に出されたのだ。本来なら押し出されるようにして、このまま自分も射精できる。けれど――。

「……や、うああっ、お取り、くださ……っ!」

 びきびきと性器を締め上げる美しい銀の鎖。
 熱い迸りを堰き止め、ユノンの桃色の性器は真っ赤に染まり、苦しそうに涙を流している。

「ああんっ、あんっ、だめええ」

 泣きながら訴えているのに、タリアスは首を縦に振らない。

「まだだ。もっと乱れたところが見たい」

 ユノンの細い両手を片手でまとめて持つと、身体を起こして今度はユノンを寝台に倒す。そして側卓に手を伸ばし掴んだのは金色の杭だ。

「や、やだそれっ、先に鎖をっ」

 訴えに耳も貸さず、タリアスは素早く自らのものをユノンから抜くと、代わりに杭を挿入させた。

「う、あんっ!」

 杭はくちゅん……と白濁を溢れさせながら滑らかに奥まで入って行く。そして尻の間に黄金の小花が咲いた。

「やっ、タリアスさまあ、お腹、いっぱい、苦しっ……」

 前も後ろも苦しい。こんな状態で明日朝まで過ごさなければならないのだろうか。
 もうユノンはどうしたらよいのかわからない。
 こんなにいたぶられなければならない罪を自分が犯しただろうか。そんなことはないだろう。

「よいか、鎖はまだ外してはならぬぞ」

 念を押され身体を解放されたが、いくら王でも、夫なら妻が苦しんでいたら助けるものだろう。
 ユノンは四つん這いでタリアスに向かい尻を振り立て懇願する。

「タリアス様っ、嫌です! どうか、どうかお外しください」

 戒められたままの性器はまだ完全に勃起が引かず痛むし、腹の中はパンパンだ。
 タリアスはこころなしかやや膨らんだユノンの下腹を、うっとりと撫でる。

「偉いな、ユノン。ここにたくさん子種を入れて、きっと明日にでも子ができるかもしれない」
「あんっ、やだあっ! 外して、くださいっ!」

 王の眼前に尻を突き出し、苛立ちと苦痛、羞恥に任せるまま激しく腰をくねらせ尻を振った。
 無礼だとかそんなことはもうどうでもいい。この苦しみから解放されたい。

「タリアス様……」

 再び訴えかけようとした時に、部屋の外から何やら人の言い争うような声が聞こえた。
 何だろうと思う間もなくすぐにどんどんと扉を叩かれ、勢いよく開かれる。
 身体を隠す余裕などなかった。
 ユノンはタリアス越しに乱入者の方にまで秘部を晒す格好になってしまった。
 振り向いたユノンと、ずけずけ入ってきた人物との視線が交わる。

「あ、あ……」

 ユノンは驚愕し姿勢を正すこともできない。
「兄上。ずいぶんとお愉しみのようじゃないですか」

 タリアスの方など見もせず、ライルが言葉を発した。寝台のそばに立った彼の目は、ユノンの尻にじっと注がれている。

「いけません、ライル様っ!」

 全身漆黒の伽守姿の男が扉の辺りに立ち、ライルを咎める。声には聞き覚えがある。ミロだ。

「ふん、お前も毎夜部屋の外に突っ立っているだけではもの足りないだろう? 立っているのはお前の脚だけではないだろうしな。今からせいぜい抱かれに行ってよがってこいよ」

「な……!」

 下品な物言いに伽守も憤慨したようだったが、すぐに自らの務めを思い出したのか黙った。
 どうやら伽守は完全に廃止にしたわけでなく、部屋の外での待機に留めているらしかった。

「伽守、よい。下がれ」

 タリアスが落ち着いた声で命じ、伽守姿のミロと思われる男は一礼して出て行った。
 ユノンは固まってしまった。
 とんでもない姿をライルに、ミロにも見られてしまった。しかしなぜライルがこんな夜更けに王の寝室へ? わからない。

「どうぞ構わずお続けになって、と言いたいところですが、お約束通りそろそろ彼を引き取りに参りました」

「ああ、わかっている。つい楽しみ過ぎた。ユノンがあまりにも可愛らしく健気で、いじめたくなってしまった」

 何を言っている? 約束とはなんだ?
 頭がすっと冷静になって行くユノンを、タリアスがひょいとひっくり返した。タリアスの腹に背を預け、開脚させられる。ライルに向かい身体を開かれたのだ。
 二人の男の視線が、ユノンの汗と精液にまみれた白い身体に絡まった。

「あっ、やめ……ふぅ、ん……」

 やめてと懇願したかったのに、温かい手で両乳首をくすぐられると、すぐに声が鼻から抜けてしまった。
 タリアスの手が再びてきて、尻に引っかかるただの布きれと化していた女物の下帯を足から抜く。
 そして下腹部を撫でた。

「ここにたっぷりと注ぎ、すでにこうして栓をした。これを外さぬと約束するのなら連れていくがいい」
「ここは? ずいぶんとめかし込んでいる」

 近付いてきたライルの指が、首飾りを巻かれくたびれた憐れな性器をぴんと弾いた。

「あううっ!」

 痛みにユノンは身を捩った。しかし後からじわじわやって来るのは淫らな余韻で、幹はライルに見つめられながら半勃ちになった。

「や、だあ……っ」

 みっともない。こんなことで感じている。隠したいのに、タリアスに腕と足を抑えられてこのまま身体を晒すしかない。

「体毛もなく、ひっきりなしに涙を流し、あまりにみだりがわしく私を惑わすので仕置きをした。こんなことで仕置きになったかはわからぬが」

 タリアスの指がくりくりと先端を撫でる。

「あっ、あっ」

 ユノンは刺激にびくびくと腰を動かしてしまった。
 ライルがいるというのに関係ない。この身体は、まごうことなき淫乱だ。
 そう改めて知らしめられ悲しくなるのに、何か刺激を与えられれば敏感に反応してしまう。
 ただ二人の夫に痴態を見られているだけでさえ、戒められた幹は首をもたげるのだから。

「なるほど。これはさらなる仕置きが必要だ。兄上、俺に任せてくださいますか?」

 ライルがタリアスに問う。タリアスはゆっくりと頷いた。

「たくさん可愛がってやりなさい」
「ど、どういうことでしょうか……?」

 状況が呑めず、ユノンはたまらずタリアスを見上げ訊ねた。ちゅ、と額にキスをされ、湿った髪を耳に掛けられる。
 その甘い仕草に、心が複雑にざわめく。

「ライルとの伽が進んでおらぬそうじゃないか。なかなか昼間に時間を取るのは厳しい。だからこうして、私との褥の後にライルに引き渡すことにした」

「えっ……!」

 そんなことがあってよいのだろうか。
 妻の務めとして二人の夫の相手をするのは当然の義務。しかし一人に抱かれた直後の妻を、もう一人がそのまま抱くというのは――。
 ライルの方を見上げると、彼の目はすでに暗い光を湛えている。

「兄上、薄手の掛布を一枚お借りしますよ」
「よい。持って行け」

 ライルはばさりとユノンの身体を掛布で包み、軽々抱き上げた。

「あっ、やだっ、下ろしてくださいっ!」

 まさかこの格好でライルの部屋まで運ぶというのだろうか。夜間でも数人の使用人たちは城内を回っているというのに。

「嫌です、恥ずかしい! 服を」

「いらぬ。あんたは俺たちの妻。妻と夫、つまりあんたと俺が夜に身を寄せ合い何をするかなど、城内にいるすべての者が知ることだ」

「なっ……!」

 滅茶苦茶だ。ライルも、タリアスも。
 驚きを通り越し、気が遠くなる。

「栓が落ちぬよう、しっかりと尻を締めているのだぞ」

 立て膝の上に肘をついたタリアスににこやかに言われ、ユノンはかしこまりましたと返すしかなかった。

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