22 / 126
身体を繋げるということ3※
しおりを挟む
「だめ、もう、お尻、いっぱいで苦し……」
息も絶え絶えだ。
苦しいと思うのに、先ほど精を吐いた自分の細身の芯は首をもたげふるふると頼りなく揺れている。
身体は確かに感じているという事実に、ユノンはじわりと目尻に涙を浮かべた。
淫乱な自分が情けなく、恨めしい。
自分は誰にこんなことをされても歓んでしまうのだろうか。
これでは貞淑を求められる王妃になど相応しくないではないか。
「いい声だ。もっと鳴けよ。お前の中、たまらない。ぬるぬるできつくて、俺のブツにあつらえて作られたみたいだ」
「ひああっ、あん、あん、あ……」
抜き差しされるたびに腹の奥を押され、意に沿わない興奮が高まる。性器は痛いくらいに昂り、自然と腰も振れて、ライルの動きに合わせてより深く咥え込もうとしてしまう。
媚薬の効果だと思わないと、この行為の後にどんな顔でライルを非難すればよいのかわからない。
「達したいか?」
突き上げられながら、ユノンは何度も頷く。
「はい、もう、出したい……です……」
消えてしまいたい。それでも身体には逆えず、正直に答えた。
ライルは荒く息をしながらも余裕を覗かせ笑う。
「はは。あんたはなかなか正直でいいな。じゃあ、俺と一緒に達しろ。この中に、注いでやる」
「ま、待って。それはだめです。陛下が」
「何がだめだと?」
「あううっ!」
突然根元をぎゅうと掴まれ、ユノンは痛みに身体を震わせた。
抽挿をやめないまま、ライルが耳元に唇を寄せてくる。熱い息が耳にかかり、ユノンは肩を竦ませた。
「いいか、俺が最初にあんたと身体を繋げた男だ。兄上みたいに子種を指で塗り込むなんて中途半端な真似、俺はしない。張り型なんて入れている暇があったら俺のものを咥えろと、何度も思ったさ」
耳を疑った。タリアスと自分しか知りえない事情だ。それなのになぜ彼が。
ユノンは目を見開いてライルを振り返る。
快楽に流される身体の感覚も、灯された熱も、すべて一瞬忘れた。
彼の濡れて笑みを浮かべる赤い唇にやたらと目がいく。
タリアスが話したのだろうか。いや、いくら弟でも夜の事情など。だとしたらーー。
「なぜ僕たちのことを」
「見ていたからな。あの場で、初夜から全部」
――心配するな。彼は私が最も信頼する人物だ――。
タリアスの言葉が蘇る。そうか、そうだったのか。
裏切られたとも欺かれていたともつかない、奇妙な心持ちが芽生えた。信じていたのに、と心の中がすっと冷えていく。王は何も嘘はついていないのに。
「や、あ、あ、」
ライルがユノンの性器を戒める手を上下に扱く。感傷に浸る暇も与えられない。
前からと後ろから、両方から責められて一気に快感が閾値に近づく。
突き上げは激しさを増し、寝椅子がガタガタ音を立てる。
「だめ、だめ、それ……」
「だめじゃない。しっかり受け止めろ!」
ぶわり、と腹の中に熱いものが広がるのと、ユノンが吹き上げるのは同時だった。
「ひぁ、ああぁあーーっ……! あつい……」
二つの強すぎる刺激にふらふらと倒れそうになる身体を、後ろからしっかりと抱かれた。
「あ、やん……」
(すごい……指で入れられるより、ずっとたくさん……)
ユノンは手で下腹部をさする。
気づけばメレの実による腹の中の疼きもだいぶましになっている。
二度、三度ぐりぐりと深くねじ込まれた。残さず最後までしっかりと注がれる。
だらだらと先端から白濁を滴らせながら、ユノンはされるがままになっていた。
「これで、あんたは俺の妻だ」
ゆっくりと、言い聞かせるようなライルの声が聞こえる。
「ユノン・オルトアは、俺の妻……」
感慨深ささえ含んでいるような繰り返しのライルの言葉に、頭がぼうっとなる。
(ライル様は、こんな声も出せるのか)
普段の人を寄せ付けない彼とは真逆の、安心しきった優しい声のように思う。
「ライル様……」
とても心地いい。こんな彼の声をもっと聞いていたい。
そんな気持ちを込めて名を呼ぶと抱き上げられ、寝椅子に座る彼の膝の上に乗せられた。
「少し休んでいい。後で部屋まで連れて行ってやる」
「はい……」
身体は汗と精液とメレの果汁でべしゃべしゃだ。けれど、なぜか心は晴れている。
彼に抱かれることにあれだけ葛藤があったのに、どういうことだろう。
ライルが薄手の羽織を脱いで裸の身体にかけてくれた。優しい面もあるようだ。
(悪い人ではないのかもしれない。まだよく、わからないけれど……)
ユノンは重くなってきたまぶたを閉じた。ライルのしっかりした温かな腕に抱かれ、安心できる。
唇に柔らかなものが当たった気がしたが、すぐに意識は心地よいぬかるみの中へ落ちて行った。
息も絶え絶えだ。
苦しいと思うのに、先ほど精を吐いた自分の細身の芯は首をもたげふるふると頼りなく揺れている。
身体は確かに感じているという事実に、ユノンはじわりと目尻に涙を浮かべた。
淫乱な自分が情けなく、恨めしい。
自分は誰にこんなことをされても歓んでしまうのだろうか。
これでは貞淑を求められる王妃になど相応しくないではないか。
「いい声だ。もっと鳴けよ。お前の中、たまらない。ぬるぬるできつくて、俺のブツにあつらえて作られたみたいだ」
「ひああっ、あん、あん、あ……」
抜き差しされるたびに腹の奥を押され、意に沿わない興奮が高まる。性器は痛いくらいに昂り、自然と腰も振れて、ライルの動きに合わせてより深く咥え込もうとしてしまう。
媚薬の効果だと思わないと、この行為の後にどんな顔でライルを非難すればよいのかわからない。
「達したいか?」
突き上げられながら、ユノンは何度も頷く。
「はい、もう、出したい……です……」
消えてしまいたい。それでも身体には逆えず、正直に答えた。
ライルは荒く息をしながらも余裕を覗かせ笑う。
「はは。あんたはなかなか正直でいいな。じゃあ、俺と一緒に達しろ。この中に、注いでやる」
「ま、待って。それはだめです。陛下が」
「何がだめだと?」
「あううっ!」
突然根元をぎゅうと掴まれ、ユノンは痛みに身体を震わせた。
抽挿をやめないまま、ライルが耳元に唇を寄せてくる。熱い息が耳にかかり、ユノンは肩を竦ませた。
「いいか、俺が最初にあんたと身体を繋げた男だ。兄上みたいに子種を指で塗り込むなんて中途半端な真似、俺はしない。張り型なんて入れている暇があったら俺のものを咥えろと、何度も思ったさ」
耳を疑った。タリアスと自分しか知りえない事情だ。それなのになぜ彼が。
ユノンは目を見開いてライルを振り返る。
快楽に流される身体の感覚も、灯された熱も、すべて一瞬忘れた。
彼の濡れて笑みを浮かべる赤い唇にやたらと目がいく。
タリアスが話したのだろうか。いや、いくら弟でも夜の事情など。だとしたらーー。
「なぜ僕たちのことを」
「見ていたからな。あの場で、初夜から全部」
――心配するな。彼は私が最も信頼する人物だ――。
タリアスの言葉が蘇る。そうか、そうだったのか。
裏切られたとも欺かれていたともつかない、奇妙な心持ちが芽生えた。信じていたのに、と心の中がすっと冷えていく。王は何も嘘はついていないのに。
「や、あ、あ、」
ライルがユノンの性器を戒める手を上下に扱く。感傷に浸る暇も与えられない。
前からと後ろから、両方から責められて一気に快感が閾値に近づく。
突き上げは激しさを増し、寝椅子がガタガタ音を立てる。
「だめ、だめ、それ……」
「だめじゃない。しっかり受け止めろ!」
ぶわり、と腹の中に熱いものが広がるのと、ユノンが吹き上げるのは同時だった。
「ひぁ、ああぁあーーっ……! あつい……」
二つの強すぎる刺激にふらふらと倒れそうになる身体を、後ろからしっかりと抱かれた。
「あ、やん……」
(すごい……指で入れられるより、ずっとたくさん……)
ユノンは手で下腹部をさする。
気づけばメレの実による腹の中の疼きもだいぶましになっている。
二度、三度ぐりぐりと深くねじ込まれた。残さず最後までしっかりと注がれる。
だらだらと先端から白濁を滴らせながら、ユノンはされるがままになっていた。
「これで、あんたは俺の妻だ」
ゆっくりと、言い聞かせるようなライルの声が聞こえる。
「ユノン・オルトアは、俺の妻……」
感慨深ささえ含んでいるような繰り返しのライルの言葉に、頭がぼうっとなる。
(ライル様は、こんな声も出せるのか)
普段の人を寄せ付けない彼とは真逆の、安心しきった優しい声のように思う。
「ライル様……」
とても心地いい。こんな彼の声をもっと聞いていたい。
そんな気持ちを込めて名を呼ぶと抱き上げられ、寝椅子に座る彼の膝の上に乗せられた。
「少し休んでいい。後で部屋まで連れて行ってやる」
「はい……」
身体は汗と精液とメレの果汁でべしゃべしゃだ。けれど、なぜか心は晴れている。
彼に抱かれることにあれだけ葛藤があったのに、どういうことだろう。
ライルが薄手の羽織を脱いで裸の身体にかけてくれた。優しい面もあるようだ。
(悪い人ではないのかもしれない。まだよく、わからないけれど……)
ユノンは重くなってきたまぶたを閉じた。ライルのしっかりした温かな腕に抱かれ、安心できる。
唇に柔らかなものが当たった気がしたが、すぐに意識は心地よいぬかるみの中へ落ちて行った。
0
お気に入りに追加
186
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんだって甘えたい!!
こじらせた処女
BL
大江家は、大家族で兄弟が多い。次男である彩葉(いろは)は、県外の大学に進学していて居ない兄に変わって、小さい弟達の世話に追われていた。
そんな日々を送って居た、とある夏休み。彩葉は下宿している兄の家にオープンキャンパスも兼ねて遊びに行くこととなった。
もちろん、出発の朝。彩葉は弟達から自分も連れて行け、とごねられる。お土産を買ってくるから、また旅行行こう、と宥め、落ち着いた時には出発時間をゆうに超えていた。
急いで兄が迎えにきてくれている場所に行くと、乗るバスが出発ギリギリで、流れのまま乗り込む。クーラーの効いた車内に座って思い出す、家を出る前にトイレに行こうとして居たこと。ずっと焦っていて忘れていた尿意は、無視できないくらいにひっ迫していて…?
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】
海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。
発情期はあるのに妊娠ができない。
番を作ることさえ叶わない。
そんなΩとして生まれた少年の生活は
荒んだものでした。
親には疎まれ味方なんて居ない。
「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」
少年達はそう言って玩具にしました。
誰も救えない
誰も救ってくれない
いっそ消えてしまった方が楽だ。
旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは
「噂の玩具君だろ?」
陽キャの三年生でした。
近親相姦メス堕ちショタ調教 家庭内性教育
オロテンH太郎
BL
これから私は、父親として最低なことをする。
息子の蓮人はもう部屋でまどろんでいるだろう。
思えば私は妻と離婚してからというもの、この時をずっと待っていたのかもしれない。
ひそかに息子へ劣情を向けていた父はとうとう我慢できなくなってしまい……
おそらく地雷原ですので、合わないと思いましたらそっとブラウザバックをよろしくお願いします。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる