6 / 126
王の褥3※
しおりを挟む
「はあ、……っあん、あん……」
「お前は、本当に可愛らしいな」
タリアスは感心したように言い、ユノンの尻に音を立ててキスをした。
「以前他国からやって来た旅芸人の女を抱いたことがあるが、お前ほど鳴いてはくれなかったよ。それに反応も……」
きゅうう、と二本の指を穴の中で広げられ、内壁が空気に晒される。
「ひゃっ、だめ、です。何を……」
反射的に締めようと力が入る。それでもタリアスは許してくれず、顔を近付けてじっと中を見つめている。
「自分と同じ男が、こんな風に艶めかしく男に抱かれるものなのだな……」
指を抜かれる感覚があり、ユノンは一度深呼吸した。圧迫感がなくなり、身体が楽になる。
「もっと可愛がってやりたいが、そろそろ私も限界だ」
四つん這いのまま脱力していると、後ろに温かな杭のようなものが当てられた。くちゅくちゅと入り口に馴染ませるように動かされ、ユノンはすぐにそれが何なのか悟った。
「あ……、あ……」
喉の奥に空気が引っ込む。あの張り型よりも大きな、夫のものが迫っている。
ユノンは無意識に傍らに立つ真っ黒な男を見上げた。当然ながら彼の表情はわからず、助けてくれるはずもない。それどころか早く接合しろと思っているに違いないのだ。
「う……」
どうしようもない。たとえ身体が裂けようとも、妻である自分は堪えるしかない。
ユノンは手が震えるほどに敷布を握り締めた。目をつぶり、いつものまぶたの裏の世界を思い浮かべようとするが、今日ばかりは恐怖の方が勝り歯がかちかちと鳴ってしまう。
小さく濡れた音を立てながら撫でられていた入口に、外からの圧がかかる。侵入しようとしている。
「……はあ……はあ……」
深呼吸を繰り返し、何とか力を抜こうとする。力むとかえって身体に負担がかかる。
「どうした、ユノン」
穴に押し付けられていた夫の性器の動きが止まった。
「もしかして、怖いのか?」
「う……。いえ……」
滲んでいた涙を、慌てて敷布に擦り付け拭った。そして振り向き、笑う。
「こ、怖くなど」
「しかし、震えている」
タリアスはユノンの腹に手を添えて抱き起こし、胡坐をかいた膝の上に座らせた。
「それにここも、こんなに縮こまってしまって」
「ああ……っ」
脚を広げられ、萎れてしまった性器をふにふにと握られた。今度は情けなさで泣きたい。
「申し訳、ございません……」
「謝らずともよい。意にそぐわぬ接合は本意ではない。やはり初めて男を受け入れるということは、妻にとっては恐ろしいことなのだな」
「こんなに優しくしていただいているというのに、僕は……」
「いや、いいのだ」
夫の手の中で弄ばれ、意に反して性器は固さを取り戻す。身体と心が折り合わなくて、どちらが自分の本性なのかもわからない。
こんなにも優しい腕に抱かれていて、迷子になったような気分だ。
「実は、以前伽の指南を受けておりました際、張り型を入れて切れてしまったことがあるのです」
「張り型を? お前はそんなことに取り組んでいたのか?」
「よりタリアス様に愛していただくためです。もちろん、受け入れる男性はタリアス様が初めてで、……張り型よりも大きくて、きっと無意識に恐くなってしまっていたのです」
尻の辺りを、固いもので擦られる。落ち着いたタリアスの性器も、また興奮を取り戻しつつあるようだ。
「張り型よりも、大きい?」
訊き返され、頷く。
「はい。とてもご立派で、やはり王はご自身まで王なのだと……」
言い終わらないうちに、押し倒された。
「ひゃ……タリアス様……?」
タリアスは薄く笑いながら、顔を近付けて見つめてくる。
「本当に、お前は……。男のあしらいも伽の指南の賜物か?」
「あしらいなどと、そんなこと僕には……ひゃあうっ!」
油断していた後孔に、みちみちと指を挿入された。
「脚を開け」
命じられ、その通りにする。しかしもっとと指示され、少しだけ怯えながらめいっぱいに開脚した。
「恐がる妻と無理やりに繋がる趣味はない。しばらくはこの穴は他の手段で可愛がってやろう」
「しかし、千夜のお褥は」
「焦ることはない。私たちには時間はたっぷりとある。私も妻をじっくりと愛したい一人の男なのさ」
指の関節を曲げ、ぬちぬちと動かされる。性器の裏辺りをやんわり擦られ、腰がくねってしまう。
「あうう……っ、そこ……!」
思わず高い声が出た。良いところだ。
「やはりここか。お前との初夜を失敗せぬよう、私も指南を受けたのだよ。実際に一人少年を抱いてみたのは、お前の受けた指南とは違うところだが」
きゅうう、と深く押され、出したい感覚に襲われる。
目で懇願すると、唇を舐められた。
「よくなってきたか?」
「はい。すごく、……出したい、です」
「ふふ、そうか。素直でいいことだ。可愛らしいここからも、そのうち何か出てきてしまうかもしれないな」
美しい唇に、きつく乳首を吸われた。
「お前は、本当に可愛らしいな」
タリアスは感心したように言い、ユノンの尻に音を立ててキスをした。
「以前他国からやって来た旅芸人の女を抱いたことがあるが、お前ほど鳴いてはくれなかったよ。それに反応も……」
きゅうう、と二本の指を穴の中で広げられ、内壁が空気に晒される。
「ひゃっ、だめ、です。何を……」
反射的に締めようと力が入る。それでもタリアスは許してくれず、顔を近付けてじっと中を見つめている。
「自分と同じ男が、こんな風に艶めかしく男に抱かれるものなのだな……」
指を抜かれる感覚があり、ユノンは一度深呼吸した。圧迫感がなくなり、身体が楽になる。
「もっと可愛がってやりたいが、そろそろ私も限界だ」
四つん這いのまま脱力していると、後ろに温かな杭のようなものが当てられた。くちゅくちゅと入り口に馴染ませるように動かされ、ユノンはすぐにそれが何なのか悟った。
「あ……、あ……」
喉の奥に空気が引っ込む。あの張り型よりも大きな、夫のものが迫っている。
ユノンは無意識に傍らに立つ真っ黒な男を見上げた。当然ながら彼の表情はわからず、助けてくれるはずもない。それどころか早く接合しろと思っているに違いないのだ。
「う……」
どうしようもない。たとえ身体が裂けようとも、妻である自分は堪えるしかない。
ユノンは手が震えるほどに敷布を握り締めた。目をつぶり、いつものまぶたの裏の世界を思い浮かべようとするが、今日ばかりは恐怖の方が勝り歯がかちかちと鳴ってしまう。
小さく濡れた音を立てながら撫でられていた入口に、外からの圧がかかる。侵入しようとしている。
「……はあ……はあ……」
深呼吸を繰り返し、何とか力を抜こうとする。力むとかえって身体に負担がかかる。
「どうした、ユノン」
穴に押し付けられていた夫の性器の動きが止まった。
「もしかして、怖いのか?」
「う……。いえ……」
滲んでいた涙を、慌てて敷布に擦り付け拭った。そして振り向き、笑う。
「こ、怖くなど」
「しかし、震えている」
タリアスはユノンの腹に手を添えて抱き起こし、胡坐をかいた膝の上に座らせた。
「それにここも、こんなに縮こまってしまって」
「ああ……っ」
脚を広げられ、萎れてしまった性器をふにふにと握られた。今度は情けなさで泣きたい。
「申し訳、ございません……」
「謝らずともよい。意にそぐわぬ接合は本意ではない。やはり初めて男を受け入れるということは、妻にとっては恐ろしいことなのだな」
「こんなに優しくしていただいているというのに、僕は……」
「いや、いいのだ」
夫の手の中で弄ばれ、意に反して性器は固さを取り戻す。身体と心が折り合わなくて、どちらが自分の本性なのかもわからない。
こんなにも優しい腕に抱かれていて、迷子になったような気分だ。
「実は、以前伽の指南を受けておりました際、張り型を入れて切れてしまったことがあるのです」
「張り型を? お前はそんなことに取り組んでいたのか?」
「よりタリアス様に愛していただくためです。もちろん、受け入れる男性はタリアス様が初めてで、……張り型よりも大きくて、きっと無意識に恐くなってしまっていたのです」
尻の辺りを、固いもので擦られる。落ち着いたタリアスの性器も、また興奮を取り戻しつつあるようだ。
「張り型よりも、大きい?」
訊き返され、頷く。
「はい。とてもご立派で、やはり王はご自身まで王なのだと……」
言い終わらないうちに、押し倒された。
「ひゃ……タリアス様……?」
タリアスは薄く笑いながら、顔を近付けて見つめてくる。
「本当に、お前は……。男のあしらいも伽の指南の賜物か?」
「あしらいなどと、そんなこと僕には……ひゃあうっ!」
油断していた後孔に、みちみちと指を挿入された。
「脚を開け」
命じられ、その通りにする。しかしもっとと指示され、少しだけ怯えながらめいっぱいに開脚した。
「恐がる妻と無理やりに繋がる趣味はない。しばらくはこの穴は他の手段で可愛がってやろう」
「しかし、千夜のお褥は」
「焦ることはない。私たちには時間はたっぷりとある。私も妻をじっくりと愛したい一人の男なのさ」
指の関節を曲げ、ぬちぬちと動かされる。性器の裏辺りをやんわり擦られ、腰がくねってしまう。
「あうう……っ、そこ……!」
思わず高い声が出た。良いところだ。
「やはりここか。お前との初夜を失敗せぬよう、私も指南を受けたのだよ。実際に一人少年を抱いてみたのは、お前の受けた指南とは違うところだが」
きゅうう、と深く押され、出したい感覚に襲われる。
目で懇願すると、唇を舐められた。
「よくなってきたか?」
「はい。すごく、……出したい、です」
「ふふ、そうか。素直でいいことだ。可愛らしいここからも、そのうち何か出てきてしまうかもしれないな」
美しい唇に、きつく乳首を吸われた。
0
お気に入りに追加
179
あなたにおすすめの小説
初めてなのに中イキの仕方を教え込まれる話
Laxia
BL
恋人との初めてのセックスで、媚薬を使われて中イキを教え混まれる話です。らぶらぶです。今回は1話完結ではなく、何話か連載します!
R-18の長編BLも書いてますので、そちらも見て頂けるとめちゃくちゃ嬉しいですしやる気が増し増しになります!!
浮気疑惑でオナホ扱い♡
掌
恋愛
穏和系執着高身長男子な「ソレル」が、恋人である無愛想系爆乳低身長女子の「アネモネ」から浮気未遂の報告を聞いてしまい、天然サドのブチギレセックスでとことん体格差わからせスケベに持ち込む話。最後はラブラブです。
コミッションにて執筆させていただいた作品で、キャラクターのお名前は変更しておりますが世界観やキャラ設定の著作はご依頼主様に帰属いたします。ありがとうございました!
・web拍手
http://bit.ly/38kXFb0
・X垢
https://twitter.com/show1write
突然現れた自称聖女によって、私の人生が狂わされ、婚約破棄され、追放処分されたと思っていましたが、今世だけではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
デュドネという国に生まれたフェリシア・アルマニャックは、公爵家の長女であり、かつて世界を救ったとされる異世界から召喚された聖女の直系の子孫だが、彼女の生まれ育った国では、聖女のことをよく思っていない人たちばかりとなっていて、フェリシア自身も誰にそう教わったわけでもないのに聖女を毛嫌いしていた。
だが、彼女の幼なじみは頑なに聖女を信じていて悪く思うことすら、自分の側にいる時はしないでくれと言う子息で、病弱な彼の側にいる時だけは、その約束をフェリシアは守り続けた。
そんな彼が、隣国に行ってしまうことになり、フェリシアの心の拠り所は、婚約者だけとなったのだが、そこに自称聖女が現れたことでおかしなことになっていくとは思いもしなかった。
どうせ結末は変わらないのだと開き直ってみましたら
風見ゆうみ
恋愛
「もう、無理です!」
伯爵令嬢である私、アンナ・ディストリーは屋根裏部屋で叫びました。
男の子がほしかったのに生まれたのが私だったという理由で家族から嫌われていた私は、密かに好きな人だった伯爵令息であるエイン様の元に嫁いだその日に、エイン様と実の姉のミルーナに殺されてしまいます。
それからはなぜか、殺されては子どもの頃に巻き戻るを繰り返し、今回で11回目の人生です。
何をやっても同じ結末なら抗うことはやめて、開き直って生きていきましょう。
そう考えた私は、姉の機嫌を損ねないように目立たずに生きていくことをやめ、学園生活を楽しむことに。
学期末のテストで1位になったことで、姉の怒りを買ってしまい、なんと婚約を解消させられることに!
これで死なずにすむのでは!?
ウキウキしていた私の前に元婚約者のエイン様が現れ――
あなたへの愛情なんてとっくに消え去っているんですが?
回帰令嬢ローゼリアの楽しい復讐計画 ~拝啓、私の元親友。こまめに悔しがらせつつ、あなたの悪行を暴いてみせます~
星名こころ
恋愛
ルビーノ公爵令嬢ローゼリアは、死に瀕していた。親友であり星獣の契約者であるアンジェラをバルコニーから突き落としたとして断罪され、その場から逃げ去って馬車に轢かれてしまったのだ。
瀕死のローゼリアを見舞ったアンジェラは、笑っていた。「ごめんね、ローズ。私、ずっとあなたが嫌いだったのよ」「あなたがみんなに嫌われるよう、私が仕向けたの。さようならローズ」
そうしてローゼリアは絶望と後悔のうちに人生を終えた――はずだったが。気づけば、ローゼリアは二年生になったばかりの頃に回帰していた。
今回の人生はアンジェラにやられっぱなしになどしない、必ず彼女の悪行を暴いてみせると心に誓うローゼリア。アンジェラをこまめに悔しがらせつつ、前回の生の反省をいかして言動を改めたところ、周囲の見る目も変わってきて……?
婚約者候補リアムの協力を得ながら、徐々にアンジェラを追い詰めていくローゼリア。彼女は復讐を果たすことはできるのか。
※一応復讐が主題ではありますがコメディ寄りです。残虐・凄惨なざまぁはありません
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる