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王の褥3※

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「はあ、……っあん、あん……」
「お前は、本当に可愛らしいな」

 タリアスは感心したように言い、ユノンの尻に音を立ててキスをした。

「以前他国からやって来た旅芸人の女を抱いたことがあるが、お前ほど鳴いてはくれなかったよ。それに反応も……」

 きゅうう、と二本の指を穴の中で広げられ、内壁が空気に晒される。

「ひゃっ、だめ、です。何を……」

 反射的に締めようと力が入る。それでもタリアスは許してくれず、顔を近付けてじっと中を見つめている。

「自分と同じ男が、こんな風に艶めかしく男に抱かれるものなのだな……」

 指を抜かれる感覚があり、ユノンは一度深呼吸した。圧迫感がなくなり、身体が楽になる。

「もっと可愛がってやりたいが、そろそろ私も限界だ」

 四つん這いのまま脱力していると、後ろに温かな杭のようなものが当てられた。くちゅくちゅと入り口に馴染ませるように動かされ、ユノンはすぐにそれが何なのか悟った。

「あ……、あ……」

 喉の奥に空気が引っ込む。あの張り型よりも大きな、夫のものが迫っている。

 ユノンは無意識に傍らに立つ真っ黒な男を見上げた。当然ながら彼の表情はわからず、助けてくれるはずもない。それどころか早く接合しろと思っているに違いないのだ。

「う……」

 どうしようもない。たとえ身体が裂けようとも、妻である自分は堪えるしかない。
 ユノンは手が震えるほどに敷布を握り締めた。目をつぶり、いつものまぶたの裏の世界を思い浮かべようとするが、今日ばかりは恐怖の方が勝り歯がかちかちと鳴ってしまう。
 小さく濡れた音を立てながら撫でられていた入口に、外からの圧がかかる。侵入しようとしている。

「……はあ……はあ……」

 深呼吸を繰り返し、何とか力を抜こうとする。力むとかえって身体に負担がかかる。

「どうした、ユノン」

 穴に押し付けられていた夫の性器の動きが止まった。

「もしかして、怖いのか?」
「う……。いえ……」

 滲んでいた涙を、慌てて敷布に擦り付け拭った。そして振り向き、笑う。

「こ、怖くなど」
「しかし、震えている」

 タリアスはユノンの腹に手を添えて抱き起こし、胡坐をかいた膝の上に座らせた。

「それにここも、こんなに縮こまってしまって」
「ああ……っ」

 脚を広げられ、萎れてしまった性器をふにふにと握られた。今度は情けなさで泣きたい。

「申し訳、ございません……」
「謝らずともよい。意にそぐわぬ接合は本意ではない。やはり初めて男を受け入れるということは、妻にとっては恐ろしいことなのだな」

「こんなに優しくしていただいているというのに、僕は……」
「いや、いいのだ」

 夫の手の中で弄ばれ、意に反して性器は固さを取り戻す。身体と心が折り合わなくて、どちらが自分の本性なのかもわからない。
 こんなにも優しい腕に抱かれていて、迷子になったような気分だ。

「実は、以前伽の指南を受けておりました際、張り型を入れて切れてしまったことがあるのです」
「張り型を? お前はそんなことに取り組んでいたのか?」

「よりタリアス様に愛していただくためです。もちろん、受け入れる男性はタリアス様が初めてで、……張り型よりも大きくて、きっと無意識に恐くなってしまっていたのです」

 尻の辺りを、固いもので擦られる。落ち着いたタリアスの性器も、また興奮を取り戻しつつあるようだ。

「張り型よりも、大きい?」

 訊き返され、頷く。

「はい。とてもご立派で、やはり王はご自身まで王なのだと……」

 言い終わらないうちに、押し倒された。

「ひゃ……タリアス様……?」

 タリアスは薄く笑いながら、顔を近付けて見つめてくる。

「本当に、お前は……。男のあしらいも伽の指南の賜物か?」
「あしらいなどと、そんなこと僕には……ひゃあうっ!」

 油断していた後孔に、みちみちと指を挿入された。

「脚を開け」

 命じられ、その通りにする。しかしもっとと指示され、少しだけ怯えながらめいっぱいに開脚した。

「恐がる妻と無理やりに繋がる趣味はない。しばらくはこの穴は他の手段で可愛がってやろう」
「しかし、千夜のお褥は」
「焦ることはない。私たちには時間はたっぷりとある。私も妻をじっくりと愛したい一人の男なのさ」

 指の関節を曲げ、ぬちぬちと動かされる。性器の裏辺りをやんわり擦られ、腰がくねってしまう。

「あうう……っ、そこ……!」

 思わず高い声が出た。良いところだ。

「やはりここか。お前との初夜を失敗せぬよう、私も指南を受けたのだよ。実際に一人少年を抱いてみたのは、お前の受けた指南とは違うところだが」

 きゅうう、と深く押され、出したい感覚に襲われる。
 目で懇願すると、唇を舐められた。

「よくなってきたか?」
「はい。すごく、……出したい、です」
「ふふ、そうか。素直でいいことだ。可愛らしいここからも、そのうち何か出てきてしまうかもしれないな」

 美しい唇に、きつく乳首を吸われた。
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