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第四章
涙の華
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結論から言うと、マナの状態はかなり酷かった。
下着越しに秘部をなぞられるだけで、顔を真っ青にして震え出すほどに。
あの事件はマナの中に大きな爪痕を残した。
サリエルは、そんなマナを安心させるように抱きしめたり、手を握ったりした。
「どうしても辞めたくなったら叫ぶ事」をルールに2人はことを進めていく。
「ご、ごめんなさいっ…」
マナは今にも泣きそうな瞳でサリエルへと謝る。
こんなにもサリエルが頑張っているのに、トラウマを乗り越えられない自分にひどく嫌気がさしたマナ。
サリエルは、何も言わずにマナの唇へとキスを落とす。
マナの体からふわりと力が抜ける。
それを待っていたのか、サリエルは唇を離す。
ブルーサファイアの瞳を細めるサリエル。
「…考えてみたんだが。もしかしたらいい方法があるかもしれない。」
サリエルはマナを見つめる。
「……な、何でも試してみたいです!」
怖かった。
触れられるだけであの様なら何やってもダメだと投げ出したかった。
しかし、サリエルが居るからこそマナは諦めずにここまで来ていたのであった。
「分かった。怖くなったら叫んでくれ。」
「は、はい…!」
サリエルはそう言うと、マナの下半身の方へと顔を近付ける。
そんなサリエルの様子に、マナは頰をぶわりと赤くした。
「ま、まっ、そこっ…!」
マナの声より先に、サリエルの長い舌が下着越しにマナの割れ目をなぞる。
「………あっっ…!」
ビクビクとマナが快楽で震え上がる。
生暖かいものが割れ目に沿って上下に動く。
「はっ…あっん…あぁっ!」
マナの声が甘いものに変わる。
快楽でぎゅっと足に力が入った。
サリエルはそんなマナの様子を見て、下着を横へずらす。
マナの秘部が、切なげに涎を垂らしている。
その様子にごくりと喉が鳴る。
「…触るぞ。」
「はっ…、、、ぃ…」
嬌声混じりの声でマナが返答する。
サリエルの舌が直接マナの秘部を滑る。
びくりとマナの体が跳ねた。
最初は割れ目の方を擦る。
そして、マナの声が甘くなるにつれサリエルは敏感な蕾へと舌を伸ばした。
ぐちゅぐちゅ、ぬちゅちゅ…
いやらしい音を立てて、サリエルの舌がマナの蕾を責め立てる。
「あ、あっ……っ!……んっ、はぁんっ……っ~!」
その時。
マナは大きく体を逸らせ、ビクンッと震える。そして脱力した。
「…大丈夫か?」
サリエルはそんなマナの反応にオロオロと顔を上げる。
マナは絶頂の余韻で朧げな思考のまま、サリエルを見つめた。
「…さ、さりえるしゃ…」
マナは久しい絶頂で体を小刻みに震えさせた。
サリエルはそんなマナを労るように、頰を撫でる。
「…続けるが、大丈夫か?」
サリエルの声かけに、マナはこくんと頷く。
そんなマナの様子を確認すると、再びサリエルはマナの下半身に顔を埋める。
しっかりとマナの太ももを支え、今度は蕾を口に含む。
「あっあぁっっ…~っ!」
マナが背を逸らす。
じゅぷ、じゅぷ、じゅっ、じゅっ、じゅぐ
水音を立てながら、サリエルはマナの蕾を吸い上げる。器用に舌で蕾を転がしたりしながら。
「ひっ、…んっ…あっあっ、、、っあっ!」
マナは甲高く喘ぐ。
ぎゅうっとベッドシーツを無意識に掴む。
大きな何かが、近付いてくる。
「あっ…!っ~っ!!ぃぐっ……ふっ……あぁ~~っっっ!」
パンッと弾けたように頭が真っ白になるマナ。
サリエルに支えられていたマナの足がクイっと上がり、つま先を逸らす。
サリエルは女性の絶頂を間近で見たことが無いから知らない。
だが知識としては知っていた。
マナの状態と、洪水の如く膣から溢れ出る愛液を鑑みて、マナが絶頂したことを悟る。
サリエルは幸せだった。
本当はこういった役目はレイノルズの方が適任だ。
彼は「女狂いの大公」と呼ばれる程に女性を抱いてきたのだ。
だからこそ、テクニックもある彼こそふさわしい。
もとい、マナの事になると危うくなる彼には託したく無いが。
愛する人を、自分が絶頂に導くのがどんなに嬉しく、幸せで、光栄なことが。
「…サリエルさん…。」
マナは息が上がったまま、サリエルの名を呼ぶ。
サリエルはマナの呼びかけに、体を起こす。
そしてマナの頰に手が届く位置まで近付く。
「どうした…?」
「……触って…、下さいっ」
マナは頰を上気させ、サリエルへと求めた。
「サリエルさんならっ…大丈夫な気がして……」
恥ずかしそうに目を逸らしたマナ。
そんなマナを、サリエルは無性に強く抱きしめたくなった。
なんて愛らしい。
サリエルは何とか自身を抑えながらも、ゆっくりとそして優しくマナを抱きしめる。
マナはサリエルの背に手をまわす。
サリエルの手がお腹から滑り、マナの下半身へと辿り着く。
マナは少し身構えた。
サリエルの指が下着越しのマナの割れ目へと再び辿り着く。
そしてゆっくりと動き出す。
「んっ………はっん………」
マナの吐息が甘いものになる。
既にぐちょぐちょに濡れている下着越しに、マナの温かさを感じるサリエル。
くちゅくちゅっ…
「……んん、、、…、、、あっ、、、はっ…、、、」
サリエルはマナの様子を伺うと、ゆっくりと今度は下着の中へと手を滑らせる。
そして直接マナの秘部を触る。
「あぁっ…、、、!」
マナが胸焼けしそうなほど甘い声で鳴く。
そんなマナの声に犯されながら、サリエルはマナへの愛撫を続ける。
マナはぎゅううっとサリエルへとしがみつくように抱きつく。
「さっ…ぁ…、、、さりっえ…るさ…んぁっ!!………っっ…
ゆびっ…んっ…、、、いれてっ…くらっあっっっ…~!」
快楽で喘ぎながらも必死に言葉を紡ぐ、マナ。
耳元で間近に聞こえるマナの声。
しかもその声は淫らで甘い。
サリエルは荒い呼吸を繰り返しながらも、何とか理性を繋ぎ止める。
サリエルはゆっくりとマナの蜜壺に指を潜らせた。
トロトロで熱い膣壁が、キツくサリエルの指を締め付ける。
「あっっ……んぅっ…んっ!」
少し怖くなったのか、マナはキツくサリエルへと抱きつく。
不安を感じ取ったサリエルは、出来る限り動かないようにマナを抱き返した。
しばらく抱き合うマナとサリエル。
ようやくマナが落ち着いたのか、抱きしめていた力が緩くなる。
それが合図かのように、サリエルが指をゆっくりと動かす。
「んあっ、、、~~!、、、あっ、あぁっ、、、~!!!」
サリエルの指が丁度マナのGスポットを突いてるからか、マナは恐怖そっちのけで指を締め付けてしまう。
ナカを拡げるように、そしてマナの反応を見ながら、良さげなところを刺激するサリエル。
汗ばむマナの額にキスを落としながら、サリエルは指の本数を増やす。
くちゅ、くちゅくちゅ…
「…あ…ンンッ……っっ!!!…あっ、あ”ぁ~~っっっっっ!!!」
マナはビクンと跳ねると、愛液を垂れ流しながら中イキした。
膣が収縮し、サリエルの指にまとわりついた。
その後、マナはサリエルの指で何度も絶頂を繰り返す。
もう充分慣らしたのでは無いか、とマナが言いたくなる程に、サリエルは念入りにマナのナカを拡げていく。
ただ、問題はここからだ。
サリエルは自身の屹立をマナの入り口に当てがう。
そしてそのまま動けないでいた。
何故なら、マナが今まで以上に恐怖で顔を真っ青にしていたからだ。
こうなるまでに彼女を苦しめた人間への殺意が芽生えるサリエル。
しかし、それを表へと出したりはしない。
マナの髪を優しく撫でると、抱き締める。
マナは震えながら、サリエルにしがみついた。
「…ご、ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…」
マナは震えながらサリエルへと謝罪の言葉を紡ぐ。
迷惑ばかりかけて、なんて自分は最低なのだろうか。
サリエルは自身の胸元を濡らす存在に気付くと、ぐいっと更にマナを抱き寄せた。
「マナ…、大丈夫だ。
…心の傷は1日では回復できまい…。」
サリエルは、マナの背中を撫でる。
「それに私は………っ、
その……、私を頼ってくれた事が嬉しいと思っている……。」
マナの肩がぴくりと揺れる。
潤んだ瞳を上げれば、不器用に微笑むサリエル。
「…ゆっくりで良い…。
お前が乗り越えられよう、私が支える。」
「…っっ…!」
サリエルの言葉に、マナはとうとう泣きじゃくってしまう。
サリエルはオロオロとしながらも、しっかりとマナを抱きしめる。
「…う”ぅ…っ…えぐっ…ぅ
な”んで、そんなに”っ…やざじいんでずかっ……うぅ」
本当は泣きたくなんてなかった。
ただでさえサリエルの優しさを前にすると、甘えたくて、泣きたくなってしまうのに。
まるで自分に、甘える事も泣くことも許されていないかのようにマナは自戒する。
それをサリエルは薄々感じていた。
ただでさえ、他の人間がマナを傷つけようとしているのに、マナ本人でさえマナを傷つけようとしている。
サリエルにとって、それがたまらなく哀れで、悲しかった。
サリエルはマナの髪を撫でながら口を開く。
「……それは、お前が私以上に優しいからだ。」
サリエルはマナの額に優しくキスを落とす。
「…優しいお前がこれ以上他の人間のせいで苦しんでほしくない。」
サリエルのブルーサファイアの瞳を、マナは潤んだ視界で見つめる。
決して自分は優しい存在ではない。
そう、マナは言うつもりだった。
しかし口が動くよりも先に、マナはサリエルへと抱きつく。
マナの行動に、サリエルは目を見開く。
しかしゆっくりとマナの頭を撫でながら、震える体をしっかりと抱きしめたのだった。
下着越しに秘部をなぞられるだけで、顔を真っ青にして震え出すほどに。
あの事件はマナの中に大きな爪痕を残した。
サリエルは、そんなマナを安心させるように抱きしめたり、手を握ったりした。
「どうしても辞めたくなったら叫ぶ事」をルールに2人はことを進めていく。
「ご、ごめんなさいっ…」
マナは今にも泣きそうな瞳でサリエルへと謝る。
こんなにもサリエルが頑張っているのに、トラウマを乗り越えられない自分にひどく嫌気がさしたマナ。
サリエルは、何も言わずにマナの唇へとキスを落とす。
マナの体からふわりと力が抜ける。
それを待っていたのか、サリエルは唇を離す。
ブルーサファイアの瞳を細めるサリエル。
「…考えてみたんだが。もしかしたらいい方法があるかもしれない。」
サリエルはマナを見つめる。
「……な、何でも試してみたいです!」
怖かった。
触れられるだけであの様なら何やってもダメだと投げ出したかった。
しかし、サリエルが居るからこそマナは諦めずにここまで来ていたのであった。
「分かった。怖くなったら叫んでくれ。」
「は、はい…!」
サリエルはそう言うと、マナの下半身の方へと顔を近付ける。
そんなサリエルの様子に、マナは頰をぶわりと赤くした。
「ま、まっ、そこっ…!」
マナの声より先に、サリエルの長い舌が下着越しにマナの割れ目をなぞる。
「………あっっ…!」
ビクビクとマナが快楽で震え上がる。
生暖かいものが割れ目に沿って上下に動く。
「はっ…あっん…あぁっ!」
マナの声が甘いものに変わる。
快楽でぎゅっと足に力が入った。
サリエルはそんなマナの様子を見て、下着を横へずらす。
マナの秘部が、切なげに涎を垂らしている。
その様子にごくりと喉が鳴る。
「…触るぞ。」
「はっ…、、、ぃ…」
嬌声混じりの声でマナが返答する。
サリエルの舌が直接マナの秘部を滑る。
びくりとマナの体が跳ねた。
最初は割れ目の方を擦る。
そして、マナの声が甘くなるにつれサリエルは敏感な蕾へと舌を伸ばした。
ぐちゅぐちゅ、ぬちゅちゅ…
いやらしい音を立てて、サリエルの舌がマナの蕾を責め立てる。
「あ、あっ……っ!……んっ、はぁんっ……っ~!」
その時。
マナは大きく体を逸らせ、ビクンッと震える。そして脱力した。
「…大丈夫か?」
サリエルはそんなマナの反応にオロオロと顔を上げる。
マナは絶頂の余韻で朧げな思考のまま、サリエルを見つめた。
「…さ、さりえるしゃ…」
マナは久しい絶頂で体を小刻みに震えさせた。
サリエルはそんなマナを労るように、頰を撫でる。
「…続けるが、大丈夫か?」
サリエルの声かけに、マナはこくんと頷く。
そんなマナの様子を確認すると、再びサリエルはマナの下半身に顔を埋める。
しっかりとマナの太ももを支え、今度は蕾を口に含む。
「あっあぁっっ…~っ!」
マナが背を逸らす。
じゅぷ、じゅぷ、じゅっ、じゅっ、じゅぐ
水音を立てながら、サリエルはマナの蕾を吸い上げる。器用に舌で蕾を転がしたりしながら。
「ひっ、…んっ…あっあっ、、、っあっ!」
マナは甲高く喘ぐ。
ぎゅうっとベッドシーツを無意識に掴む。
大きな何かが、近付いてくる。
「あっ…!っ~っ!!ぃぐっ……ふっ……あぁ~~っっっ!」
パンッと弾けたように頭が真っ白になるマナ。
サリエルに支えられていたマナの足がクイっと上がり、つま先を逸らす。
サリエルは女性の絶頂を間近で見たことが無いから知らない。
だが知識としては知っていた。
マナの状態と、洪水の如く膣から溢れ出る愛液を鑑みて、マナが絶頂したことを悟る。
サリエルは幸せだった。
本当はこういった役目はレイノルズの方が適任だ。
彼は「女狂いの大公」と呼ばれる程に女性を抱いてきたのだ。
だからこそ、テクニックもある彼こそふさわしい。
もとい、マナの事になると危うくなる彼には託したく無いが。
愛する人を、自分が絶頂に導くのがどんなに嬉しく、幸せで、光栄なことが。
「…サリエルさん…。」
マナは息が上がったまま、サリエルの名を呼ぶ。
サリエルはマナの呼びかけに、体を起こす。
そしてマナの頰に手が届く位置まで近付く。
「どうした…?」
「……触って…、下さいっ」
マナは頰を上気させ、サリエルへと求めた。
「サリエルさんならっ…大丈夫な気がして……」
恥ずかしそうに目を逸らしたマナ。
そんなマナを、サリエルは無性に強く抱きしめたくなった。
なんて愛らしい。
サリエルは何とか自身を抑えながらも、ゆっくりとそして優しくマナを抱きしめる。
マナはサリエルの背に手をまわす。
サリエルの手がお腹から滑り、マナの下半身へと辿り着く。
マナは少し身構えた。
サリエルの指が下着越しのマナの割れ目へと再び辿り着く。
そしてゆっくりと動き出す。
「んっ………はっん………」
マナの吐息が甘いものになる。
既にぐちょぐちょに濡れている下着越しに、マナの温かさを感じるサリエル。
くちゅくちゅっ…
「……んん、、、…、、、あっ、、、はっ…、、、」
サリエルはマナの様子を伺うと、ゆっくりと今度は下着の中へと手を滑らせる。
そして直接マナの秘部を触る。
「あぁっ…、、、!」
マナが胸焼けしそうなほど甘い声で鳴く。
そんなマナの声に犯されながら、サリエルはマナへの愛撫を続ける。
マナはぎゅううっとサリエルへとしがみつくように抱きつく。
「さっ…ぁ…、、、さりっえ…るさ…んぁっ!!………っっ…
ゆびっ…んっ…、、、いれてっ…くらっあっっっ…~!」
快楽で喘ぎながらも必死に言葉を紡ぐ、マナ。
耳元で間近に聞こえるマナの声。
しかもその声は淫らで甘い。
サリエルは荒い呼吸を繰り返しながらも、何とか理性を繋ぎ止める。
サリエルはゆっくりとマナの蜜壺に指を潜らせた。
トロトロで熱い膣壁が、キツくサリエルの指を締め付ける。
「あっっ……んぅっ…んっ!」
少し怖くなったのか、マナはキツくサリエルへと抱きつく。
不安を感じ取ったサリエルは、出来る限り動かないようにマナを抱き返した。
しばらく抱き合うマナとサリエル。
ようやくマナが落ち着いたのか、抱きしめていた力が緩くなる。
それが合図かのように、サリエルが指をゆっくりと動かす。
「んあっ、、、~~!、、、あっ、あぁっ、、、~!!!」
サリエルの指が丁度マナのGスポットを突いてるからか、マナは恐怖そっちのけで指を締め付けてしまう。
ナカを拡げるように、そしてマナの反応を見ながら、良さげなところを刺激するサリエル。
汗ばむマナの額にキスを落としながら、サリエルは指の本数を増やす。
くちゅ、くちゅくちゅ…
「…あ…ンンッ……っっ!!!…あっ、あ”ぁ~~っっっっっ!!!」
マナはビクンと跳ねると、愛液を垂れ流しながら中イキした。
膣が収縮し、サリエルの指にまとわりついた。
その後、マナはサリエルの指で何度も絶頂を繰り返す。
もう充分慣らしたのでは無いか、とマナが言いたくなる程に、サリエルは念入りにマナのナカを拡げていく。
ただ、問題はここからだ。
サリエルは自身の屹立をマナの入り口に当てがう。
そしてそのまま動けないでいた。
何故なら、マナが今まで以上に恐怖で顔を真っ青にしていたからだ。
こうなるまでに彼女を苦しめた人間への殺意が芽生えるサリエル。
しかし、それを表へと出したりはしない。
マナの髪を優しく撫でると、抱き締める。
マナは震えながら、サリエルにしがみついた。
「…ご、ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…」
マナは震えながらサリエルへと謝罪の言葉を紡ぐ。
迷惑ばかりかけて、なんて自分は最低なのだろうか。
サリエルは自身の胸元を濡らす存在に気付くと、ぐいっと更にマナを抱き寄せた。
「マナ…、大丈夫だ。
…心の傷は1日では回復できまい…。」
サリエルは、マナの背中を撫でる。
「それに私は………っ、
その……、私を頼ってくれた事が嬉しいと思っている……。」
マナの肩がぴくりと揺れる。
潤んだ瞳を上げれば、不器用に微笑むサリエル。
「…ゆっくりで良い…。
お前が乗り越えられよう、私が支える。」
「…っっ…!」
サリエルの言葉に、マナはとうとう泣きじゃくってしまう。
サリエルはオロオロとしながらも、しっかりとマナを抱きしめる。
「…う”ぅ…っ…えぐっ…ぅ
な”んで、そんなに”っ…やざじいんでずかっ……うぅ」
本当は泣きたくなんてなかった。
ただでさえサリエルの優しさを前にすると、甘えたくて、泣きたくなってしまうのに。
まるで自分に、甘える事も泣くことも許されていないかのようにマナは自戒する。
それをサリエルは薄々感じていた。
ただでさえ、他の人間がマナを傷つけようとしているのに、マナ本人でさえマナを傷つけようとしている。
サリエルにとって、それがたまらなく哀れで、悲しかった。
サリエルはマナの髪を撫でながら口を開く。
「……それは、お前が私以上に優しいからだ。」
サリエルはマナの額に優しくキスを落とす。
「…優しいお前がこれ以上他の人間のせいで苦しんでほしくない。」
サリエルのブルーサファイアの瞳を、マナは潤んだ視界で見つめる。
決して自分は優しい存在ではない。
そう、マナは言うつもりだった。
しかし口が動くよりも先に、マナはサリエルへと抱きつく。
マナの行動に、サリエルは目を見開く。
しかしゆっくりとマナの頭を撫でながら、震える体をしっかりと抱きしめたのだった。
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面白くて一気に読んでしまいました。すっかり先生の作品の世界に魅了されてしまいました。更新楽しみにしています。
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