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 我ながら、ボロを出さずに結構情報収集出来たぞ!とほくそ笑んでいた。

 「旦那様、日が暮れる前にそろそろ野営の準備をした方がよーガス。」

 御者のテルの言葉で幕から外を見る。まだうっすらと日が落ちてきている時間だが、電気も無いこの世界では早目に野営の準備をするのが当たり前なのだろう。

 「テル。分かった。街道から離れ過ぎない安全そうな場所で止めてくれ!」

 しばらく馬車は進み、平地に停まった。

 「アキラ様。私とアキラ様はこのまま荷台で雑魚寝になりますが、宜しいでしょうか?テルは外で火の番をしてくれます。」

 雑魚寝か……この状況では仕方ない。

 火を起こす御者のそばに行き、周りの安全を確かめる。スコープを暗視スコープに交換する。

 熱源反応を感知する暗視スコープだ。

 おいおい!火の明るさに釣られてか、結構な数の熱源反応があるぞ!

 幸い距離は遠い。一体ずつ処理していこう。

 パシュ!パシュ!

 『島コウモリを倒しました!』
 【経験値68を獲得】

 何体も島コウモリを倒したが、弱いのだろう経験値も少ない。どうやら危険な生物は近くに居そうにはないが……

 「周りには、まだ生物反応がある。俺も火のそばで警戒しておこう。商店主は先に休んでくれ!御者お前もだ。数刻経てば起こすから、一度休め!」

 俺のGUNスキルをあまり披露したくもない。俺一人で周りの生物を狩っていた方が良いだろう。

 夜目が効くであろう夜行性の生物には悪いが、俺にも生物の体温が分かる熱源反応が感知出来る。

 遠距離でも的確に居場所が分かるというのは、狩られる側からすればショックだろう。

 魔物であろうが、命を奪うという行動に対して俺のアドレナリンがドパドパ分泌されていた。眠くなるどころか、どんどん目が覚めていた。

 暗闇の中、おそらく小さいであろう魔石を探して拾い集めるのは面倒だ。どうせサルビア商店主から金貨も貰えるし、島コウモリの魔石は捨て置こう。

 そう決めてからは、ただのコウモリキラーになった。一族郎党皆殺しじゃないかという数のコウモリを屠った。

 1分でMPが1自然回復するので、弾切れを起こす事もなく、一発必中で狩っていく。少ない経験値ながらも、レベルアップも果たしていった。

 「アキラ様!もう夜が明けますが……」

 サルビア商店主は交代を申し出ない俺に声を掛けに来た。御者のテルは火の側でグゥーグゥーと呑気に寝息を立てている。

 「そうだな……じゃ朝日が登るまで少し休ませて貰おう。」

 底をついてきたMP回復の為にも、少し目を瞑り休憩する事にした。

 
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