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 「なんだ!あの辺は?この辺りには、こんなに立派な街があったのか?廃墟になっている街に奴等は住み着いていると内通があった筈だぞ?」

 新しい建物が整然と立ち並んでいる街の周りには、丸太の柵で囲まれており、騎馬での侵入を許さない作りとなっている。その周りには空壕からぼりが掘られ、急襲を防いでいる。街に入るには、空壕からぼりがない橋の上を通るしかない。

 数万の軍隊が居てもこれでは攻められないではないか!数の有利はなくなり、逆に寡兵を持って大軍を相手する要塞と化している。

 街を包囲した軍隊は攻める手立てを失い、持久戦の様相となっていた。その時に1通の手紙が届いた。

 《街中の水源に毒薬を投下する。中毒症状が現れたのち、狼煙を上げる。狼煙を見たら時を置かず攻め上がって来るが良い。》

 内通者からの手紙であった。

 フェリカ王国軍は、いつでも総攻撃出来る態勢を取っている。

 
 ◇ ◇ ◇ ◇


 「アルフォンス公爵の性格からいって、このままという事はないわ。必ず報復が来る筈です。皆さん、街の整備と同じ様に、警備をしっかりお願いします。」

 「サラ様、アルフォンス公爵の軍隊が再び侵攻してくるようです。魔物の森で動物を狩っていた部隊からの目撃情報がありました。数万の軍隊のようです……」

 「す…数万?そしてまた、私達が潜んでいる場所を的確に知られてるみたいね……信じたくはないけど、内通者がいる事は間違いないわ……」

 防衛担当に警戒を怠らない様に指示を出した。しかしこのままでは、多勢に無勢だ。地の利を活かさなけば私達に勝ち目は無い。

 私もアルフォンス公爵の軍隊に何か手を打たなければ……

 「サラ様、いよいよ敵軍が間近に迫っています。私達の街を包囲したまま現在は動きが止まっています。」

 こちらの隙をみて一気に攻めかかるつもりか?

 囲まれたまま時が過ぎていった。

 急に大きな声が聞こえてきた。

 「サラ様、水源に何か細工をしようとしていた怪しい者を捕らえました!」
 
 警備に連れられて1人の男が私の前に引き出された。

 「なんと……貴方が……?なんで……?」

 引き出された男はシルメン教団から派遣されているデニス先生だった!

 「デニス先生!?水源で何をしようとしていたのですか?」

 「サラ様、離す様に言ってください。ただ喉が渇いて水を飲みに来ただけですよ……くそー離せ!」

 警備から離れようと、デニス先生はジタバタ動いている。

 私は無言でデニス先生をた。

 [腹黒い知略家]
 知識○弁舌○資産△武術✖️馬術✖️性分△
 裏切り◎

 以前にはなかった裏切り◎がついている!
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