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異世界初心者

ダンプでゴー!

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 「レベッカ様!僕です!僕達が城門の外に出ますので、城門を一度開けて下さい。僕達が出たらすぐに城門を閉じて、今のように敵の侵入を防いで下さい!」

 「アキラ様!?これは!?」

 「詳しい事はまた後で!一度城門を開けて、僕達が出たらすぐに閉じて!」

 「わ……分かりました……くれぐれも無茶をしないように!」

 運転席の窓から腕を出しガッツポーズを決める。

 「さぁ、行くぞ!」

 クラクションを高々と鳴り響かせ、ダンプは城門の外に飛び出た!

 突如現れた、ダンプに敵軍の兵士達はフリーズしている。轢きたくはないが、敵軍から攻めて来た戦いである。クラクションを鳴らしながら、敵軍兵士を次々と轢き跳ねる。

 辺りは一瞬にして阿鼻叫喚だ。城壁の近付いていた兵士達を薙ぎ倒して、戦況はあっという間に、我が軍が有利になった。

 向きを変えようとハンドルを切るが、さすがに大きな車体である。小回りは効きにくい。大きく膨らみながらUターンして、再び敵軍の中に、暴走ダンプが突っ込んで行く。

 すでに何人、何十人を轢いたのか分からない。敵軍もただ轢かれている状況から脱しようと、ダンプから距離を取り散り散りになっている。

 僕は窓を開けて後ろの仲間に指示を出す。

 「距離が空けば君達の出番だ!近付いて来たらまたダンプで跳ね飛ばすから、敵軍を撃ち続けてくれ!」

 僕の右手を振りかぶる合図で、弓矢が放たれる。敵軍は距離を取る。向こうの城壁に近付いて来ている一団を発見した。僕は窓から右手を右下に出し、「止め」の合図を出す。

 近付いている敵軍に向かって再びダンプが突進をする。ダンプの猛攻に敵軍はなす術もなくただ距離を取るのが精一杯であった。時間と共に城壁の外には、敵軍の死傷兵のみが増えていた。

 ダンプへの対処策がなく、遂に敵軍は撤退を始めた。逃げる敵軍をそのままにするほど僕には優しい心を持ち合わせていなかった。やらなければ僕達がやられていたのである。

 逃げる敵軍を背中を目掛けて、ダンプが押しつぶしていった。全滅とはならなかったが、恐らく倒れている敵軍は数百人はいるだろう。

 完全なる勝利だ!!

 城壁の周りをクラクションを高々と鳴り響かせ、窓から腕を出しガッツポーズをする。後ろの荷台の仲間達も両手を高々と掲げ、吠えている。

 城壁の上に居る我が軍の兵士達も呼応するような歓声をあげていた。

 興奮鳴り止まない中、荷台から降りたフォードは、倒れ込んでいる敵軍兵士の生死を確認している。息があるものには躊躇いなくスタンガンを押し当てていた。
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