底辺おっさん異世界通販生活始めます！〜ついでに傾国を建て直す〜

異世界初心者

改革８

　「私は大丈夫だって！若いしアキラの側で働きたいの！」

　「もちろん！ぜひ一緒に働いてほしい。けどフォードやシャロンみたいに色々頼める優秀な人材がもっと欲しいんだ。フォードとシャロンにも無理をさせられないしね。」

　「ニコル！アキラ様の提案をお受けなさい……新たに中核になれそうな人材という事ですね……アキラ様が仰るならば、斡旋所に募集をかけておきます。」

　ニコルは自分の役目を取られそうだと不安に思っているようだった。が、ニコルは領主の娘というだけで僕の補佐をしているわけではなかった。

　よく気が利き、誰よりも進んで働いていた。圧倒的な美貌を持ちながら人当たりもよく、街中でも人気があった。

　「ニコルに不満がある訳じゃないんだよ。むしろ逆だ。ニコルは凄くよく働いてくれている。僕は凄く助かってるんだけど、君が心配なんだ。全てを自分でしようとするから全く休む間もないだろう？ニコルが働き過ぎて倒れてしまわないか心配してるんだよ。」

　と僕は優しいニコルの頭を撫でた。

　「分かったわ。でも全然平気なんだからね！」

　「ちゃんと寝る事と食べる事を約束してくれよ。」

　「分かったってば！さぁ次の議題は何？」

　◇　◇　◇　◇

　「今日はフォードは５０人の人夫を使って引き続き畑の開拓の指揮を頼むよ。シャロンは柵や建物を指揮してくれ。僕はしばらくの間、別の作業に入るから頼んだよ。」

　農園は順調で、ザルト村での経験から早く収穫出来る作物、日にちが掛かる作物など収穫時期に分けて、様々な作物を植えている。

　飼育小屋も何棟も建てている。動物が捕獲出来れば家畜として飼いたい。有精卵は数日前から飼育器で暖めているので、無事孵化する事を期待している。

　僕は［通販］で品物を購入する際に必要となる代価を稼がなければいけない。

　集まった５０人を、１０ずつ５組に分けた。

　「本日は５組に分かれて様々な物を収穫してきて貰います。本日も追加報酬を用意していますので、張り切って収穫を競って下さい。」

　数時間後、それぞれはリヤカー数台に及ぶ品物を採取してきていた。

　雑草や石、木や木屑など僕が教えていた品物だ。１組は僕が教えていなかった品物を運んで来た。近くの鉱山に行ったようで、鉱石や鉱石を精製する時に出る、鉱滓と呼ばれるいわゆる鉱石の絞りカスである。

　［売却アプリ］を起動させ査定してみると、この鉱石と鉱滓が意外なほど高額で売却出来たのだ。

　思いもよらず高額で売却出来る品物を発掘してくれた組には、特別報酬として３倍の給金を支払う事にした。