底辺おっさん異世界通販生活始めます！〜ついでに傾国を建て直す〜

異世界初心者

改革

　「庶民を雇う事ができ、工事を行えるようになると、指揮する者が必要です。ザルト村でも、農作業の責任者、木工工事の責任者を各１人ずつ任命して、村長の娘が僕の全ての作業を手助けする秘書役をしてくれていました。キリシアでもそのような体制を取りたいと思います。」

　「私はアキラを手伝いますわ！」

　「私もアキラ様をお手伝い致します。」

　ニコルとレベッカがすぐに申し出てくれた。

　「フォードとシャロンもアキラ様の助手として差し向けてるのだから、存分に使ってくれ！」

　経験がある奥方様レベッカを財務担当に、娘ニコルは僕の秘書として全ての作業の手伝いを。フォード、シャロンを工事、農作業など実務の責任者にする事にした。

　「それではアキラ様を総司令官として任命致します。各々はアキラ様の指示に従うように！アキラ様の指示は領主ロレーヌの言と同様とみなすように！」

　短かな間で、領主ロレーヌは絶大な信頼を僕に示してくれている。僕もこれに応えなければ男じゃない！

　思えば誰にも必要とされず、居ても居なくても変わらない存在であった前世が嘘のようだ。人に信頼され、頼られる事がこんなにも嬉しい事だとは、異世界に来なければ一生経験出来なかったであろう。

　「では、皆様御協力お願いします。ザッカルニア領を建て直しましょう！」

　レベッカは領主家及び領の財務状況の資料のまとめ、ニコルはジルコニアの指輪、ネックレス、ペンダント、などそれぞれ違う品を１０品馴染みの店に代理販売の交渉を頼んだ。

　「フォードさん、シャロンさんは城の外まで同行願います。兵士の中にも親が大工や石工、木こりや農家、料理人だった者がいると思います。その者達も集めて城の外に来てもらえますか？」

　◇　◇　◇　◇

　「アキラ様お待たせ致しました。仰られたように親や兄弟が職人だった者を集めました。」

　「ありがとうございます。皆さんはじめまして。僕は、領主ロレーヌ様より、このザッカルニア領内の改革を任される事になったアキラと言います。今から皆さんには、それぞれ便利な道具を渡します。使い方を覚えて頂きたい。」

　電動ノコギリ、電動ドリル、金槌、鉄製の釘、鉄製の鋤すきや鍬くわ、スコップ、電動耕運機の使い方を実際に見せて教えた。

　「こんな便利な道具は見た事がありません。これなら凄く作業が捗りそうです。フォードとシャロンも全ての道具を使いこなせる様になって貰いますからね！ちゃんと覚えて下さいよ！」