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異世界初心者

首都キリシア7

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 「構いませんよ。レベッカ奥様から領内の説明をして頂けると?」

 「はい、それでは早速ですが現在のザッカルニア領内の説明からさせて頂きます。」

 なるほど、淀みなく説明する一部分を見ても優秀な母娘というのが理解出来た。

 ザルト村でもそうであったが、ザッカルニア領内全てにおいて、最近の干ばつなどにおける水不足、水不足から引き起こされた食料の不足が大きな問題の様だ。

 流通は、ファミリア国内の他の3つの領土や、友好国レイディア国、同盟国であるリプソール国などと活発に行き来しているらしい。ザッカルニア領内で盛んに栽培されている、洋服の材料となる綿花が特産品らしい。

 農家はより儲けが大きい綿花の栽培に力を入れているため、穀物や野菜の栽培が疎かになっている一面もあるとのことだ。

 「領内の田畑を一度視察に行きたいのですが?」

 「是非ともお願い致します。ザルト村を豊かにしてくれた様に、領内を豊かにして頂けるのであれば何でも協力を致します。」

 「それでは、今から街の様子を見学に行きたいのですがよろしいでしょうか?」

 「アキラ様!私が案内しますわ!」

 娘ニコルがピョコンと手を挙げている。

 僕は領主様を見た。

 「アキラ様がお邪魔でなければ、ニコルを連れて行って下さいませんか?もちろん護衛としてフォードとシャロンも同行させますので。」

 一瞬、可愛いニコルと二人きりのデートを想像したが、しっかり護衛兼監視役がついてくる様だ。

 ◇ ◇ ◇ ◇
 
 僕はニコルを伴い、街中に出た。後ろには付かず離れずの距離を保ち、フォードとシャロンがいる。

 「アキラ様はお幾つなんですか?」

 ほんとはおっさんだが、この世界では15歳に設定した。

 「15歳です。」

 「あら私と同じ歳だわ!嬉しい!」

 僕の目をしっかりと見て笑う顔が眩しい。おそらくイケメン設定にして貰った効果が出ているんだと信じたい。

 「ニコル様も15歳なのですか?」

 「アキラ様!同じ歳ですし堅苦しい言葉遣いは止めにしませんか?」

 「ニコル様そうですね。」

 「ほらもう!ニコルと呼んで下さい……あ!ニコルと呼んでよ、アキラ!」

 かわいい子からグイグイ迫られている……惚れてまうやろーと心の中で叫んだ。

 「分かったよ、ニコル!」

 ニコルは自分から言い出したくせに頬を赤らめた。

 「同じ歳ぐらいのカッコいい男の子と街中を歩くなんて初めてだから緊張するわ。」

 カッコいい?僕の事をカッコいいと言ったのか?女性とあまり縁がない前世を送って来た僕は、あまりの積極性に身構えていた。

 
 
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