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異世界初心者

畑作り

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 水路が完成したので次は農作物だ。畑を耕すのは村人に任せてどんな農作物を植えるかを考えていた。

 この世界では大麦や芋類を主に育てているようだ。早く育つ農作物として調べ物アプリで検索した結果、水菜やレタスが1ヶ月ほどで収穫出来るようだ。
 
 穀物として小麦や稲も育ててみよう。

 根菜類も必要だ。

 畑を何反も拡張して、早く収穫出来る畑、半年ほど掛かる畑と区分していく。農作物初心者の僕は、アプリを見て勉強し、農作物が得意な村人に育て方や注意点を伝授していった。

 「アキラ様は何でも知っているのですね。」

 「これからはラルクが畑の係になるんだからしっかり頼むよ。」

 「アキラ様に教えて頂いた事をしっかりみんなにも教えていきます。」

 農作物はラルク、土木作業はシエルと若い男性を責任者にして知識を教えていった。さらにミーヒャは僕の秘書のように、僕を色々とサポートしてくれていた。

 「シエル!前教えた木工道具で木を切り出す人を何人か揃えていてくれ。畑の周りと村の周りを覆う柵を作りたいんだ。せっかくの農作物を動物に食べられないようにね。」

 シエルは、ノコギリや金槌なども使いこなしており、技術を村人に伝承している。

 「アキラ様、木工道具で家の修繕や道具を置く小屋を作りたいのですが良いでしょうか?」

 「ああ!良いですね。よく気付いてくれましたね。何かいいアイデアがあったら、どんどん教えて下さい。」

 シエルを筆頭に若い男性達は土木作業や木工作業の腕前が格段に上達していた。

 「アキラ様、農作物の育ちが悪いのですが見てもらえませんか?」

 ラルクに声をかけられ、畑を見に行くと、確かに芽が出てからの成長が遅い気がする。

 「畑を休ませたりしてますか?」

 「畑を休ませずずっと栽培していると土地が痩せて収穫が悪くなるみたいです。」

 偉そうに教えているが、もちろんアプリで検索した情報である。

 「知りませんでした……」
 
 「土が元気になるように肥料をやってみましょう。」

 村が発展しているのを実感している若者達が率先して働いてくれるため順調に事が進んでいる。村長フィオナも影ながら僕をサポートしてくれており、今や村全体が僕を頼りにして、僕の意見を元に発展していっている。

 「アキラ様ちょっと相談が……」

 「フィオナ村長かしこまってどうしました?」

 「我がザルト村は、ザッカルニア領の一部なのです。毎年このぐらいの時期になりますと人口や作物の収穫具合などを調べにザッカルニア領主の調査が来ます。我がザルト村は、水源であるため池が干上がって収穫が悪かったため3年間の税の免除を受けていまして、今年は2年目となります。」
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