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逆襲

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 『アルテニア皇国に攻められるのを待つだけですか?我が国は一方的な侵略にあったのですよ?大義はあります。逆に攻め上がりましょう!ユリナの軍をご覧になられましたか?死者も負傷者もおらず、数倍の敵を殲滅させました。それも敵軍にも被害がないように、麻痺や眠らせてです。手心を加えて、この戦果です。』

 我がルーミハイム王国の軍隊は、アルテニア皇国に比べて圧倒的に少ないのだ。全兵力を集めたとしても、侵略軍よりも少ないようだ。

 それに侵略軍をほとんど捕虜にしているため、5万人近い捕虜が既に居る。捕虜を囲って置く場所も、捕虜達が暴動を起こさない様に、ある程度の兵力を残しておく必要がある。

 『俺達が行こう!!俺達にはユリナがついている。』

 ロドリゲス将軍は重苦しい空気の中、声をあげた。

 『チャタルシフト軍は、既にユリナから、装備を預かり、2度実戦を踏まえている。何倍、何十倍もの兵力を相手にしながら、驚く事に我が軍の被害はゼロだ。未だかつてこんな事があったか?いやないだろう。もちろん私や司令、兵士も全力を尽くした。しかし大部分はユリナの作戦、装備のおかげだ。どうだ!?ユリナ!?既にそなたは我が国の至宝となっている。遠征に行くとしてもそなた次第なのだが……?』

 屈強な男達の視線が、全て私に突き刺さっている。視線はキラキラ希望に溢れたものであった。長年、傲慢なアルテニア皇国に不平等な対応をされていたルーミハイム王国の心情が溢れているのだろう。とても断れそうな雰囲気ではなかった。

 「分かりました。同行致しましょう。」

 屈強な男達から爆発する様な歓声があがった。

 「しかしこれだけは覚えておいてください。私は、ルーミハイム王国の兵士も惨殺したい訳ではありません。先日の戦いの様に、敵軍を無力化して動けなくしていきたいと思っています。そしてアルテニア皇国の守護大臣であるナカサキ大臣の謝罪、我がルーミハイム王国への不可侵条約の締結、拘束した兵士の解放を条件に賠償金の請求を求めていきたいと思います。」

 屈強な男達は、拍手をもって私の話に同意を表した。

 「それでは、侵攻軍としてロドリゲス将軍のチャタルシフト軍3000人で参りましょう。さらなる装備の強化を行います。各隊で点呼及び装備の再点検を行なってください。さらに大量の食料品と水を。さらに敵軍を捕虜にした場合、連行する後方支援をする兵士1000人ほどを王都軍からお借りしたい。」

 全ての兵士に背嚢リュックを持たせた。私の物よりは、容量は少ないが、アイテムボックスとなっており外見以上の収納が出来るようになっていた。腰には、麻痺魔法を付与した剣を持たせた。シールド隊の様な全身が隠れるような大きな盾ではなく、片手で持てる盾を作製し対物理攻撃、対魔法攻撃を無効化させる効果を持たせ、配備した。
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