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上級冒険者

謁見

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 王城を尋ねた僕は、金色のギルドカードを見せ応接室に通された。

 しばらくすると、侍女が王妃様の元に案内するという。

 王妃様の部屋に到着すると、最初に出逢った時とは見違えるほど元気になっていた。

 「ああ~くにどん様!貴方のおかげでこんなに元気になりました。何度感謝してもしきれないぐらいですわ!」

 王妃様の後ろには、アンジェリカとジェシカもにこやかな笑顔で立っていた。

 「王妃様それはなによりです。お役に立てて嬉しいです。本日は王様にお聞きしたい事がありまして、参上致しました。王様に謁見は可能でしょうか?」

 「もちろんよ!命の恩人が来てくれたのだから、王様を引っ張ってくるわ!少しお待ちになって!それまで2人の話相手をしていてちょうだい。2人とも貴方にとても逢いたかったようなの!」

 と言い残し、王妃様は部屋を出て行った。

 「2人とも久しぶり!元気にしてたかい?」

 「ちょっとちょっと!他人行儀ね~」

 「くにどん様お逢い出来て嬉しいです。」

 しばらく見ないうちに、ジェシカも大人っぽくなっている。

 アンジェリカは、変わらず美しい。

 「一度2人で[くにどんハウス]にお母様の御礼に伺ったのですが、ちょうどお留守で……」

 「最近バタバタしていて…ごめんね。」

 「ちょっとちょっと!2人で良い雰囲気にならないでくれる?」

 トントン!

 「くにどん君!お待たせ!」

 「ちょっとちょっと!お父様もう来たの?ゆっくりで良かったのに~」

 「お邪魔だったかな?」

 「王様。急に押し掛けて申し訳ございません。本日はお聞きしたい事がありまして参上致しました。」

 王様は2人をチラッと見て

 「人払いは?」

 「お願いします。」

 「2人ともちょっと席を外してくれ。話が終わればくにどん君を返すから。」

 「それでは、くにどん君話を聞かせてくれ!」

 僕はドラゴン族を襲撃した、男の話をした。

 「その男の話を聞いた事がありますか?」

 「いや、ないな。少なくてもこのイテリアの国では、そんな話は聞いた事もない。ドラゴン族の国の話もない。この間くにどん君がドラゴンを連れていると報告が来た時でも、びっくりしたぐらいだよ。」

 僕は、手掛かりがない事に肩を落とした。

 「話は変わるが、くにどん君はウチのどちらと婚約する気なんだい?まさか2人共とは言わないよな?」

 「ええ?婚約など滅相もございません。僕のような平民とはとても釣り合いが取れません。」

 「しかし君はもうAランク冒険者なのだろう?しかも娘のジェシカと王妃の命の恩人だ。何の問題もなかろう。」

 「この国では、複数と結婚しても、当人達が納得していれば何の問題もない。ウチの2人の姫はどうじゃ?好意を持っているのか?」
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