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 待ち惚け

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「来ないか..... まだ」

 樹海に居るサファードは、毎日のようにリィーアの訪れを待っていた。

 森の民は、薬であれ毒であれ、依頼があれば精霊らを使ってその内情を調べる。
 そして三年前に依頼された毒が王弟の暗殺に使用されるのだと分かり、仄暗い歓喜に打ちふるえた。
 あの愚昧な男を殺せる。しかも依頼をしてきたのは王妃だというではないか。一石二鳥だ。この犯罪を暴露し、王妃共々地獄の底に叩きつけてやろう。

 そういった思惑から、何の見返りもなく毒薬を製作して渡し続けてきた森の民。
 当然、真っ当な対価は頂く。それもまた、あの愚かな国を苦しめることだろう。
 苛烈な税金で溺れる民達。贅沢に耽り、罪を重ねていく貴族ら。正しき係累を失い刻々と滅びに向かう王家。
 デリラス将軍からフィーアの忘れ形見の話を聞いていたサファードは、このまま王家は苦難の果てに失くなるだろうと予想していた。
 いずれ全てが塩とされるに違いない。森の民らはそう思っていた。
 フィーアを殺したあの国を、精霊王達が許すはずはない。そう思い込んでいたのだ。
 そうして疲弊し、ボロボロになったあの国を嗤ってやろう。正しき王の資格を持つフィーアの子供と共に。

 その子供が王になりたいと言うのなら支えよう。フィーアの血族が豊かで幸せに暮らしていけるよう、全力で。
 だが万一、王とならない決断をしたなら、我が手に入れよう。
 妻として慈しみ、精霊王らと共に長く愛し抜こう。失われたフィーアの分も足して、深く..... より深く。

 そんな未来を垣間見ていたサファード。ほんのりと頬を高揚させ、彼は、まだ見ぬ花嫁に想いを寄せていた。

 あの日、精霊達が騒ぎ出すまでは。



《愛し子が来るよ》

《愛し子が戻ってきたよ》

 ガヤガヤざわめく森の精霊達。如何にも喜色満面なその雰囲気に、森の民らは息を呑んだ。
 精霊が愛し子と呼ぶ者は一人しかいない。
 外界では森の民そのものを精霊の愛し子だと呼び、勘違いしているが、本当に愛し子なのは四大属性を持つ者だけなのだ。
 そして今、その名を頂くに相応しい者は一人しかいなかった。

「フィーアの忘れ形見が.....? 来る?」

 おおっと歓声を上げる森の民ら。しかし、それに続く精霊の言葉で人々の顔は凍りついた。

《来るよ、恋人を連れて》

《来るよ、聖捌の儀に》

 恋人?

 何と言う事か。

 森の民らの視線が、一斉にサファードへ注がれる。
 憤りや憐憫に満ちた複雑な視線。それらを全身に浴び、サファードは拳を握りしめた。

 王となる事を選ばれたか。それなら、それで仕方無し。

 懊悩煩悶するサファード。その脳裡に浮かぶのは、手放してしまった愛しい少女。
 なぜあの時、彼女の決断を止めなかったのか。なぜこの手にあった幸せを掴まなかったのか。
 フィーアが処刑されてからというもの、散々己の不甲斐なさを呪ってきたサファード。
 べっとりと張り付く悔恨の残滓に責め苛まれ、夜も眠れずに日々を送っていた。
 サファードを心配した精霊達が、彼を無理やり魔法で寝かしつけておらねば、とうにサファードは骨と皮だけの屍に成り果てていた事だろう。

 精霊に愛される森の民は、その胸に抱く愛情も深い。伴侶を失った者は生きる気力を奪われ、みるみる衰弱してしまう。

 愛する我が子でもいれば別なのだが、愛と呼ぶには凄まじ過ぎる激情は行き場を失い、自分自身を殺してしまう。
 そんな森の民らの次期長であるはずのサファードも、愛する者を失い当然憔悴していく。それは誰にも止められなかった。

 狼狽えた森の民達は、一縷の希望を抱いて辺境のデリラス将軍を尋ねる。
 城が落ちる寸前までフィーアと共にいた将軍なら、何か彼女の遺品でも持っていないだろうかと考えたのだ。
 将軍にとっても大切な形見だろう。それを譲っていただくのは心苦しいが、今にも消えそうなサファードのために何とか出来ないかと彼の元へ訪うた森の民達。

 そんな彼等を慮り、デリラス将軍は隠していた秘密を話す。

 フィーアの子供が生きていると。

 将軍に呼ばれて出てきたのは小さな子供。十歳くらいの利発そうな少年。
 しかし、その面差しはフィーアにそっくりである。
 不思議そうな顔でこちらを見る少年と、その周囲を囲む多くの精霊達。
 見まごうことなき、森の民の血筋だった。

 狂喜乱舞しつつ樹海へと戻った人々は、サファードに事のしだいを報せる。

『生きてる.....? フィーアの子供が?』

『そうです、フィーア様に瓜二つでございました。銀髪紫眼の可愛らしい御子でしたよ』

 銀髪紫眼と聞き、微かに眉を寄せるサファード。それはフィーアを奪った憎き男の子供でもある証だ。
 しかし、そんなことは些細な問題。愛するフィーアの子供なら我が子も同じである。

『生きてた..... そうか』

 ほろりと一筋の涙を零し、みるみるサファードは生きる気力を取り戻していった。

 愛する我が子を守らねば。今は亡きフィーアの分も愛おしんで幸せにせねば。

 こうして復活したサファードは、愛しいフィーアの子供を手にすることを夢見るようになり、その渇望は日に日に凄まじくなっていった。
 そんなこんなで穏やかならざる願望を抱くようになったサファードの元に届いた、愛し子来訪の報せ。

 しかも恋人連れだという。

 奥歯を噛み締める彼を静かに見守る森の民達。

 こうなれば妻とするのは諦め、我が子として慈しむ他ない。愛する者を失った森の民がどんな末路を辿るのかをサファードはこの身をもって知っている。
 憔悴し、痩せ衰え、枯れ木のように儚くなってしまうのだ。
 自分とて、その一歩手前まで行ったではないか。

 祝福しよう。王となる我が子を陰から見守り、幸せにしてやろう。

 そう一人ごち、彼は切なげに天を振り仰いだ。



「...............」

 しかし、その翌日。

 樹海の外からやってきたフィーアの忘れ形見は、男の成りをしつつ王太子に寄り添っている。
 端から見ていても仲睦まじそうな二人に、周囲の森の民らも疑問顔。

 恋人が男性? ならば、彼女は王の道を選んだのではなく、女性として王に寄り添うことを選んだのか?

 本人が男性にならないのなら..... 反則的な方法だが手に入れる術はあった。
 精霊は嫉妬深く傲慢だ。祝福や加護を与えた相手に凄まじい独占欲を示す。それこそ、壊す一歩手前までぐらいまで容赦なく愛情をぶつけてくる。
 ガタガタに壊しても、直ぐ様癒せるため、彼等に罪悪感などはない。それが彼等の愛し方なのだ。
 そんな精霊達の頂点に立つ精霊王。彼等に出来ぬことはなく、彼等の望みに協力してやれば、こちらの望みもきいてくれる。

 精霊王の愛し子に手を出そうものなら彼等の逆鱗に触れるが、それが精霊王達の望むことであれば、話は変わるのだ。

 精霊王達は、愛し子が望むから王太子を恋人として黙認しているだけ。
 王太子が愛し子の伴侶と認められる前に、自分が精霊王達に名乗り出て誓えば.....
 精霊王らと共に彼女を共有し、神殿に住むと誓えば。
 利はこちらにある。ただ奪っていく王太子より、共にあると誓うサファードに精霊王らは協力してくれるだろう。
 彼等とて、むざむざフィーアの忘れ形見である愛し子を失いたくはないはずだ。サファードが彼女を手に入れ、王家の紋章を得てしまえば、あとはどうとでもなる。
 彼女の記憶を精霊王達に改竄してもらい、サファードに愛される可愛い娘だと思い込ませれば良い。
 精霊王らの助力があれば出来ないことは何もない。

 神殿の奥深くに彼女の住まいを作り、一切外に出さず、真綿でくるむように優しい暮らしをすれば良いのだ。

 精霊王達も全力でサファードに協力してくれるだろう。
 まずは、彼女が聖捌の儀を終えて戻ってきてから。彼女を拉致し神殿へ連れ込まねば。
 うっそりと笑みを深めてリィーアの帰還を待ちわびていたサファード。

 だが、その後の展開は惨澹たるモノだった。

 リィーアは既に精霊王への誓いを王太子と共に済ませており、千載一遇のチャンスを潰されてしまう。

 サファードは愛くるしい少女となったリィーアを見て、目の前が真っ赤に染まった。

 誓いがたてられた以上、もはや何も出来ない。
 精霊王が認めた伴侶と引き離すなど、とうてい不可能だった。
 ぎりっと奥歯を噛み締めるサファードの瞳に、極寒の焔が宿る。

 可愛さ余って憎さ百倍。

 まさか、この諺の意味を身をもって実感するはめになるとは、夢にも思っていないサファードだった。

 そうして彼は沈黙する。



「まだ来ぬか。王弟が死んでしまうぞ?」

 長く王妃へと届け続けていた毒薬。アレに気づけば、リィーアは必ず樹海にやってくる。
 サファードは、そう考えていた。
 あの毒薬は貴重な物。眼の利く薬師や医師が分析すれば、森の民の調剤だとすぐに分かるはず。当然、解毒も調剤者にしか出来ない。

 .....それを知った時の顔が見物だな。どうしてくれよう?

 ふくりと黒い笑みを浮かべ、サファードは跪く愛しい少女を脳裡に描く。
 王弟を救うために彼女は懇願するだろう。解毒薬と引き換えに何を望んでやろうか。

 .....一夜の相手? 王太子の目の前で? それも良い。

 あるいは精霊王らに身を捧げさせる? そうなれば一生神殿から出ることは叶わなくなる。ただしサファードにも手は出せない。

 .....悩ましいね。手の内に繋ぐ良い方法はないものか。

 王太子と引き離せても、自分が愛でられないのでは意味がないのだ。
 かといって一夜限りの逢瀬も切な過ぎる。
 何とかしてリィーアを手元に置いておく方法はなかろうか。
 解毒薬を見返りに要求を通せるのは一度きり。
 真剣な面持ちで懊悩する彼を周囲でながめつつ、待ち人が来ないことを知る精霊らは、クスクスと含み笑う。

 可愛らしい人間の悩む姿は、精霊達の密かな楽しみであった。

 サファードは知らない。

 既に水の精霊王によって解毒されている王弟殿下を。
 いくらリィーアの頼みだからとはいえ、まさか精霊王達が王弟を救うなどとサファードは夢にも思っていなかったからだ。
 フィーアを死に至らしめたあの国を許すはずがないと勝手に思っていたのだ。

 嫉妬深く傲慢な精霊達は、移り気で気まぐれでもある。

 フィーアを失った彼等の喪失感は、新たな愛し子のリィーアによって埋められている。
 さらには長々とリィーアを愛おしんできたのだ。精霊王達の脳裡には、幸せだった頃のフィーアと今現在幸せなリィーアの姿しかない。
 そのリィーアの幸せを守るためであれば、過去の遺恨などどこ吹く風。

 人外達の底無しな愛情深さを侮っていたサファードである。

 彼が真実を知るのは、しばらくしてから。

 王弟が快癒し、王太子が新たな王として即位するとの報せを聞いた時だった。
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