1人の君と孤独な僕

ねる

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無くしたもの

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俺はあるものを無くした
いつ無くしたのかどこに無くしたかも分からない
ただ自分にとってとても大事にしないといけないものだった事は覚えてる
微かに覚えてる風景や場所を手当たり次第に探したがどこにも見当たらない、
家族や友人に聞いても誰も聞く耳を持ってくれない
街を歩きながら考えてみた俺が探しているものはそんなにくだらない物なのだろうか
そんなものをなぜ俺は探しているのか
そもそもなんでそんな大事にしないといけないものを無くしたのか
この大きな世界で果たして見つけることが出来るのだろうかでも探さなくてはいけない気がする
赤信号に止まりふと前を見るとその先には見たことある駄菓子屋その前にいるヤンチャそうな中学生くらいの3人組その上には真っ赤に燃える太陽
この風景 時間 場所なんか見覚えがあるなそう思いながら歩いていると小さな男の子が目の前に突然現れた
「お兄ちゃんは無くしたもの見つかった?」
「え、いや、まだだけど」
「僕は見つけたよ大っきな石!でもねもう遅いんだけど、、、」
「お兄ちゃんも見つかるといいね!」
そういうと男の子は赤に変わりそうな横断歩道を走り抜けたその瞬間大型トラックがとてつもないスピードで俺の目の前を通った
危ないと思った時にはもうトラックは通り過ぎていた男の子は無事なのか恐る恐る前を見ると
横断歩道の先で男の子が俺に手を振っている
よかった生きてた
手を振りながら何かを喋っている
「お兄ちゃん!人のこと気にしすぎて自分の事見てないでしょ、」
お兄さんの立ってる所横断歩道の中だよ
そう言われ後ろを振り返ると
そこには真っ赤な太陽に照らされて光っている1本の白い花とその上に「ありがとう」という下手な字で書いてある紙が置いてあった
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