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2話

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「よかったじゃんまた仲間と冒険できるわよ!」

 またまた真夜中、女神が顔を出した。

 「よかったじゃねーよ!なんで日本じゃねーんだよ!普通そこは異世界じゃなくて日本だろ!」 

「だってぇ、日本に送ったらぁ面白くないじゃぁん」 

「面白い・面白くないって問題じゃねーよ馬鹿垂れ!期待して損したわ!てか何でかならず真夜中にくるんだよ!」 

「だって女神世界だとその時間がちょうど人間を異世界に飛ばした女神たちの循環時間なんだもん」 

この女神どころか全女神が鬼だったのかよ。 

「苦情たくさん来てるんじゃないのか?」 一応聞いてみる、僕みたいな被害者がどれくらいいるか

 「苦情?女神条例には『苦情は褒め言葉』って条約があるから苦情なんて女神の力の源になるの」

 なにその『やればできるは魔法の言葉』的な言葉は…… 

「ちなみに一番ひどかった苦情はどんなだったんだ?」 

「えっと、『俺をなんで異世界で魔王にしたんだ!おしえろ駄女神!』が私的に素晴らしい褒め言葉だったよ?」
 「は?今なんて?」 
「だから『俺をなんで異世界で魔王にしたんだ!おしえろ駄女神!』って言ったんだよ?」 

「お前まさかここに無理やり日本の一般人を魔王にしたのか?」 
「うん!」 

「頭腐ってんのかテメー!」


 次の日、僕はジンマとイオリに女神のことを話した。 

「馬鹿言ってんじゃねーよ、女神様はそんなことやらねーよ」 

「そうですよサキ様!例えサキ様の作り話でも女神様を馬鹿にしちゃいけませんよ!」 
だめだ、信じてくれない。

 「魔王幹部も倒したし、これでやっとまともなクエスト受けられるなサキ」

 そういえば初クエストイオリを助けるためにリタイアしたんだっけ? 

「さぁ、クエスト行きましょうよ!サキ様!」 

僕の手を引いてイオリはクエストボートへ走った。
 「あれ?豚スターの討伐クエストがないよ?なんで?」


 クエストボートへいったらまともなクエストがあまりなかった。 

「せっかく来ていただいたのにすいません、初心者クエストは今、メンテナンス中でして、豚スターの討伐クエストは今回で廃止になりました」

 奥から女のギルドスタッフがやって来た。

 「メンテナンスする前にいってよ!ギルスタのお姉さん!私たち『イオリちゃんとサキ様~愛を添えて~』の初クエストがないじゃないですかぁ!」

 初めて見た、ギルドスタッフをギルスタって省略する人 てかその名前人前で言うな。みろギルスタのひと、僕をみて笑ってるよ。 

「でも、一個だけ、中ぐらいの難易度のクエストがあるのですがそちらにしましょうか?」 

「はい!」

 イオリは僕の了承を訪ねず勝手にクエスト申請をした。

僕たちはギルスタのお姉さんオススメの中ぐらいの難易度のクエストを行うところだった。だが…… 
「イオリ、ひとつきいていいか?あのお姉さん、中ぐらいの難易度のクエストって言ったよな?」 
地図をみて僕はイオリに尋ねる 
「は、はい……いってましたね」

 「中ぐらいの難易度なのになんで俺たち今魔王の城にいるの?」 

「さ、さぁ?」 僕たちは今、魔王が住んでる城の出入り口にいる。

 「てかおかしくない?なんで一番簡単なクエストは町の外でやるのにたいして中ぐらいの難易度のクエストは魔王がいる城の探索なの?」 

「もしかしてメンテナンスで慌ただしくて超上級者向けのクエストを持ってきちゃったのかもしれませんよ?」 

「下手すりゃモンスターに捕まるかもしれないぞこれ」 僕は恐る恐る城へと足を運んだ。 ギィィィとすごくボロい感じの音が扉を開けるとなった。 

「真っ暗だ、誰もいないのかな?」 


とその瞬間城中が明るくなって パン!パパーン! 

「アンコーラ様!魔王幹部昇格おめでとうございま~す!」

 魔物たちが僕たちを祝ってくれた!いや、たぶん見間違いだと思うけど 

「さぁさぁ、アンコーラ様、こちらに!」 ゴブリンたちが僕たちを真ん中の特等席に座らせた。

 「さぁさぁ、アンコーラ、飲みなぁくいなぁ!」

 次々に出される不思議な食べ物。 やはりここでも豚スターの丸焼きが出てくる


 「あの、君たち、勘違いしてない?」

 すこし怖い魔物に僕は質問しました。死ぬ覚悟で…… 

「勘違い?なにいってるんです?僕たちは今日、ここに来るアンコーラ様の顔も声も今まで知らないで待ちわびてたんですよ?」

 顔も声も知らないでパーティーするなんてスゲーな魔界って。

 一時間ぐらい魔物たちと戯れていると 

「よー!君たちが今日から私の下で働くものかぁ!」

 いかにも魔王幹部らしき女の死神が城へ入ってきた。

 ものまね番組でよくある真似してるとご本人登場のシーン アンコーラ様きっと本人登場!これはまた女神のところへいくの…… アンコーラ(本人)はこのどんちゃん騒ぎを見て硬直する。


 「イオリ!ヤバイかも!僕達逃げよう!」 
僕はイオリの手をつかみ城の出入り口に走ろうとすると 「なにうそついてんだよ!にせアンコーラ様は消えろ!」

 『消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!』

 なぜだか知らないが本物のアンコーラは魔物たちに追い出されそうになってる。

 「な、なぜだ!私はアンコーラだぞ!この間山の外れのいなか町の人々を助けたアンコーラなのだぞ?」

 半泣きで言う幹部。

 いま人助けがどうとか言ってなかった? なに?魔物なのに人間助けると魔王幹部になれるの? まぁ、魔王が転送された一般人なら悪いことしないか 

「人助けした?最近人助けしたやつって女だったな?じゃあ君たちは何者?」

 と魔物の一人が僕たちを見る。 


「僕たちは……えっと……あなたたちをぶちのめすためきた…冒険者です………」

 

その言葉を聞いてアンコーラ様ご本人は 


「確保!」


 その言葉で魔物たちは僕達に襲いかかった。 

ですよねぇ! 僕達はあっさり捕まった。



 魔王の城で捕まってから数日、ここら辺はちゃんと悪役っぽいことしてるんだな、食事も出ないし拘束されてるし……もしこれを一般人魔王がみたらどう思うんだろ。


 そう考えてると 


「やっほー!なんか捕まったみたいだね!」 

馬鹿女神がすごく殴りたくなるような満面の笑みでこちらを見ている。

 もしこの世界の冒険者に付録としてまほうが使えるならこの女神まほうでぼろくそにしてやったのに。

 「捕まっちまったよ!どーすればいいんだよ!」 

すこし大声を出すと監視のやつが来そうなので小さい声で女神を怒った。 

「なに怒ってるの?ここの城は魔王が前世でマゾだったらしく魔王になった瞬間みんなあなたのような格好で魔物も魔王もぐっすり寝てるわよ?」

 「馬鹿なの?」 

「うーん、最初はこの方法提案したとき半殺しにされそうになったらしいけどいつの間にかブームになりこのスタイルがここでは定着したらしいのよ、ちなみに食事なしは一部の魔物に人気だけどね。」 

いい人が魔王になったんだと思ったらマゾって、異世界に転送されてちゃんとここで生きてる普通の一般人はぼくひとりだけかよ。 

「てかお前、女神だよな?なんかここで使える魔法ある?」
 「あるわけないでしょ?人と女神が会話してる時点で魔法みたいなもんよ」 使えねぇ。 

次の日なんかよくわからないが魔王の城から脱出アンコーラ様が出してくれたできた。



異世界で冒険者生活になれてしまった僕はひとつの結論にたどり着く。


 <もういっそここの一流冒険者を目指して暮らそうかな>

 異世界で暮らしてもいいんだよ僕は。 ギルドへ行くとたくさんの仲間が俺を待ってくれてるし、クエストへ行けばイオリやジンマが僕の手助けをしてくれる。 だが、何かが足りない。

 日本にいた頃僕はちょくちょくラノベオタの友達の家に行きファンタジーラノベをよく読んでいた。
 そのラノベはこうだった……

 【女神によって選ばれ異世界転送されて一流冒険者となった主人公はいい仲間に恵まれ恋愛をして最後には魔王をヒロインと倒し結婚する】 

いいなぁ、恋愛………恋愛?

 今、僕は女神がヴァンパイアに扮した幹部嘘を倒して英雄呼ばわりしてそれに憧れてパーティーに入ってきたイオリ。


  それにいい仲間といっても過言ではないジンマ……これ、もしかしてあのライトノベルの主人公と同じ状況にたってるよな? だったらパーティーの誰かと恋に発展するかともあるんじゃ? イオリは僕のことすごく尊敬してなついてるからなぁ、

 やっべ!そんなこと考えてたら興奮してきた! ワンチャンありそう!  

この際魔法系の仲間もさがしてみるか!

 そんなことを考えながら僕の休日は終えた。 

「イオリは僕たちのパーティーに魔法使いの仲間ほしい?」

 ギルドで夕食を食べてるイオリに聞いてみた。 
「ほしいですぅ、私たち冒険者なので魔法使いは必須ですね!私も魔法使いを探すのでサキ様は募集の張り紙の方を頼みます!」
 「わかった!」

 僕は早速パーティーメンバー登録受付に魔法使い二人募集の張り紙を申請した。 張り紙を申請した三日後の夜中。 

「こない、なぜ来ない。ヴァンパイアを倒したのに!」


 もしかして英雄サキの伝説はもう冷めたのかも! この世界にもパソコンがあるらしくパソコンの検索欄に『ツヅラヤ サキ』と検索してみたらひとつの記事に目がいった 【ツヅラヤサキ 幹部 嘘説】 やっべ!ばれた?魔王幹部をあのとき倒してないのばれた? 急いでその記事にカーソルをあわせクリックした。

 「なんだよこれ……」 

その記事は僕の悪口がたくさんかいてあった。

 『町で暴れてた魔王幹部はサキの友達で英雄になりたいため友達を殺した』

 『魔王幹部の言葉をもう一度ゆっくり聞くと女神といっているwww 女神様をころす冒険者あらわる!』

 『ちなみにだがイオリという子は俺の仕込んだロリババァwあいつ引っ掛かりやがった!』

 といった言葉がたくさんあった。 いじめって異世界にもあるんだな。


エゴサーチとか今はどーでもいい。 今は後衛の仲間探しだ、前衛だけでだと秒で死ぬ。 

「おーい!サキ様ぁ!この人たちが仲間になってくれるそうですよぉ!」

 元気いっぱいに僕に近づくロリババァ……じゃなかったイオリ。 

「もうみつけたのか早いな」

 一人はムキムキマッチョの髭があり体をくねらせてる男の人ともう一人は小さい幼女。

 「はぁーい、私の名前はカオルよぉ!」

 やっぱこのひとオカマか、

 「あの……えっと……こんちは」

 イオリの後ろに隠れながら小さな女の子は挨拶をした。 

「ほら、ここのパーティのリーダーのサキ様だよ、マロンちゃん」

 イオリにそういわれ恥ずかしながらちょこちょことこちらに向かってきた。 「こ、こんちは……私の名前は、えっとま、マロンでしゅ!」 

マロンは自己紹介で盛大にかんだ。

………かわいいな マロンは本当に栗のような髪色で瞳はクリクリのかわいいお目目だった。

こんな小さい子でも魔法使いがいるのがすごいな。 

「ちなみに、マロンちゃんは、何歳なの?」 

 「ちいしゃい女の子に個人じょーほーを聞くのははんじゃい!電撃まほー!ビリビリユナイテット!」 

杖を僕の方へ向け魔法を放った。

 「うんぎゃぁぁぁぁぁ!」

 体に電撃がはしる

 「あぁ!だめだよマロンちゃん!サキ様はマロンちゃんのこと知りたいだけなの!お友だちになれるかどうかって!」

 「何だそうなの」 

杖を下げマロンちゃんはイオリの言うことを聞いた。 あとすこしでまた駄女神のところへいくところだった。 

「ほらちゃんとサキ様に謝りなマロンちゃん」 

「ごめんなさい、嫌いになった?」 

と僕の服の袖をさわりマロンちゃんは謝った。

 なにこの天使。

やっぱりパーティ名は 『イオリちゃんとサキ様~愛を添えて~With、カオル&マロン』 という誰がどうみようとバカらしい名前になった。

 「なぁ、名前変えようぜ、イオリ」 

「え~!嫌ですよ、こんなに素晴らしいパーティ名他にないですよ?」 

「素晴らしいというか恥ずかしい名前だよ!」 

「だったらどんな名前がいいんですか?」 

「僕は異世界らしい名前がいいと思う!例えば………僕、わかんないな……うーん、あ!『オンラインズ』は!」 


「心に響きませんね、パーティ名は後々私が考えましょう!」 

「おい、なにか言いたそうじゃないか」 

「まぁいいです、お二人の魔力を見るためクエストを受けましょう!」

 こいつぅ! 仕方がないから僕はマロンちゃんとカオルをつれどのような魔法を使うのかためしに簡単なクエストを受けた、いや、イオリが僕をつれ無理矢理受けさせた。 

「私の魔法はね、モンスターの魔力を吸い最高にヤバい魔法を使うことができます!」 

といいカオルは近くにいた奴を食べ始めた 

「ちょちょい!なにいきなり魔物食べようとしてるの!」

 「だって食べないと魔力を吸収できないんだもん」
 こいつ、ヤバいやつだな。 数秒間あり得ない行動をみてやっとカオルが 「よし!吸収完了!この魔物の魔法は………毒だね!ポイズンブレス!」 

そういい口から紫色の息を吐いた。 うわぁ、この魔法の使い方は嫌だな、 よし次、マロンちゃんの魔法


きっとかわいい魔法の使い方だろうな、

 僕はマロンちゃんの方を見るとちがう意味でヤバかった。

 マロンちゃんの魔法の出し方……日本で言う中二病のようだった。


 「竜よ!我が杖に魔力を!可能性を無限に!夢よ!世界に!ライジングバーベキュー!」



 <ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン> 




すげぇ地響き……このロリ魔法使いスゲーな 魔力を食べないと魔力を吸収できない魔法使いとヤバい魔法を使う魔法使い。

  これはこれで英雄って言われそう………


 「ねぇサキ、聞いた?今日調査パーティーが魔王の幹部を討伐しにいくらしいわよ?」

 魔王幹部、漢字にすると怖いが僕は少し前に初めて魔王幹部の『ヴァンパイア』に挑んだ。
 (倒したとは言っていない) 

今回は僕たちは戦わない。

調査パーティーが倒してくれるらしい。

 なぜ今日調査パーティーが魔王幹部を討伐しにいくのかと女神が今ここにいるのかいうと一週間前のこと…… 「今日も簡単なクエストなかった、小型モンスター出てこなくなったのかな?」

 最近小型モンスターの討伐がなく、新人冒険者は困って毎日薬草でもないただの葉っぱを採取している。

 「近くにゴルフ場でもできたんじゃない?」 

「異世界にもあるのかよ、ゴルフ場……って女神!」

 「おひさ!元気にやってる?自分の部屋で独り言してたから来てみたの!」

 僕が自分の部屋で独り言を言ってたことに気づいてきたらしい

。「お前!真夜中に来なくなったと思ったらいまくるのかよ!」 「悪い?……まぁいいわ、というか君、クエストいってるの?」 

「そういえば行ってたけど途中でリタイアしちゃって」 

そう、イオリを助けてから一度もクエストへ行ってないしこの間のヴァンパイアも死んでしまった(リスポーンした)からカウントされてないらしい…… 

「リタイアしたですって!ちゃんと異世界生活しないと日本に戻すわよ!全く!女神の気持ちも考えて!死んだあなたをよみがえらすのに大変だったしこうして今話してるのも私があなたを神様に無断で生きかえらしたから女神を辞任させられたのよ!」


 なんか今聞こえたな、日本がどうって

 「いまなんつった?」


 「だから私があなたを神様に無断で生き返らしたから女神を辞任させられたって言ったのよ!」 

「ちがう、その前」 

「おひさ!元気にやってる?」 

「誰がそこまでもどれつった!日本がどうとかだよ!」

 「女神条約で女神が人間を異世界へ送ってもなにもしない場合は日本に戻すって決まってるの!」

 「日本に戻れるのかよ?!僕を日本に今すぐ戻して!」

 ぼくは馬鹿みたいに駄女神にお願いしたが 

「無理、だって私、さっき女神解雇されてからって言ったでしょ?」

 終わったぁ~!僕の日本へ戻れる近道終わったぁ! なんでこんなときに女神解雇されるんだよ! 

「安心して!女神に戻れる条件があるから!」 

となんかすごく気が重くなりそうなことを言う女神 

「聞きたくないが一応聞いてみる。その方法ってなんだ?」 

「この世界で魔王を倒すことと異世界へ送った者と二人でパーティーを組むこととあとは結……」  

「まてまて!その条約って何個あるの?」 

「人間の人生ぐらい」 

「わかんねぇよ!その例え!あれか?まずはリア充になって結婚して子供生んでその子供が大人になり孫が生まれ自分達が病気にかかり死ぬまでか?」 

「そゆこと!最初は男の子がいいな!」 「黙れ!」  

ということだ、なんか女神中心に回想したような気がする……てか一切魔王幹部の話してないな。
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