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1話

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理不尽ってこういうことだと思う。

  つい先ほど適当女神によって僕は知らないところへ置き去りにされてしまった………

 <転送される前>  

休日の日、僕、綴夜佐紀つづらやさきはいつものようにリビングで課題もせずだらけていた  

[がっしゃぁぁぁぁぁん] 

突然どこかの窓ガラスが割れた。 

その現場へ二階へ行くとそこには女の人が倒れていた。 

「あの………大丈夫ですか?」  

声をかけてもピクリとも動かない……もしかして死んじゃった?  

「よっこらしょ……いてて」  

まるで老人のように声をあげながら立ち上がると僕の方にその人は目を向けた。

「ど………泥棒!」  

近くからほうきをもってきてその人を追っ払おうとした。 

「ちょ!き、きみ待った待った!私は泥棒なんかじゃ!」  

その女の人は慌てていたのか足を滑らせた、だが不思議なことが起こった、その女の人は空中に浮いている 

「へ?」 

「ったくぅ、私がもし女神じゃなかったらしたに落ちて死んでてきみ犯罪者になるところだったよ?」  

は?今この女の人なんて? 

「今、何て言った?」 

「ん?女神だけど?それがどうかした?」  

きょとんとする女神、ちゃんと細かく説明しろや 

「それがどうかした?じゃないですよ!なんで女神なんてここにいるんですか!」

 「仕方ないじゃない、神様から振り下ろされて落ちたのここだもん」  

ムッっとなり女神さんはいった。 

 しかたないってなんだよ……… 

「神様から振り下ろされた?なにいってんスか?」 

「細かいことはいいの、それより君、『異世界』いってみない?」  

この女神、たぶん人間の顔立ちしてるけど耳がない特殊な生物なんだな… 

「異世界?」 

「うん、ライトノベルとかゲームとかで見たことや聞いたことはあるでしょ?」

 「いや、両親どっちも先生なんでライトノベルやゲームとかかってもらったことないんでわかんないですね、はい」
 
「……………まじ?」 

「まじ」  

すこし黙る女神 

「ま、まぁ、世の中にはいろんな悩みがある人間は多いわよね…あはは…まさかライトノベルやゲームを持ってない人間がいるなんて、なによあのじじぃは『最近の若いもんの流行りはゲームじゃ!若いもんは皆親におねだりして買って貰っておる』なんていって、嘘じゃない」  

すこし小さな声で愚痴を言う女神さん

「あの、全部こっちに聞こえてますけど」 

「あらやだ私ったら!っで、異世界ってのはね」  

といい机においてあった辞書で調べ始めた。 

「えっと、日本語読めない……よ、要するに地球とは違う世界のことよ!ほら、ええっと………説明めんどくさいからいってちょうだい!」  

突然女神さんは俺に謎のビームを撃ち僕を『異世界』というところへ送った。 

 以上、回想終わり 



 さて、これからどうしたもんか、  異世界っていっても見たことや聞いたことないからどう活動したらいいんだ。  そう考えてると 

「よう、そこの若いの!ここではあまり見ない顔だな?もしかして新入りか?新入りならギルドで祝ってやるよ」  

後ろからドスの聞いた声が聞こえた。  ふりかえるとそこには長身のおっさんがいた。 

「祝い?」 

「そうさ、ここに始めてきた冒険者や若僧はギルドへいって『新しい仲間』として歓迎会が開かれる。たまに連日行われることがあるがな、俺の名はジンマ、ジンマでいい、オメーさんは?」  

ジンマさんは俺の前を歩きギルドまでつれていってくれた。 

「僕の名前はサキと言います。えっと冒険者ってなんです?」 


「ん?サキは冒険者知らねーのか?よほど田舎にすんでたんだな、冒険者というのはな、最初はよわっちいけどいろんな経験をして強くなる職業なんだよ、まぁ、無限の可能性をもった職業だな、ちなみに俺は冒険者じゃなくて魔法格闘だ、魔法を拳に使いそのままモンスターに物理でダメージを与える職業だ、それを選んだ俺の同期はその使い方を間違いモンスターに丸飲みされた、さぁついたぞ!ここがギルドだ」


 ジンマはギルドの扉を開けた。 

すげーここがギルドか! 

「サキ、すげーだろ?ここのギルドは、俺も最初にきたとき驚いたよ」  

通常のギルドの内装はよくわかんないが、ここは高級ホテルのバイキングが食べられるところみたいな広さがあるギルドだった。 


「やっば、ここがかの有名なギルドってところか!」 


「あんまりうろつくなよ、サキ、こっちに来てみろ」  

僕はジンマのあとをついていくと職業受付に着いた。 

「ほらサキ、まずは職業を診断してもらって簡単なクエストへいってこい」  

ジンマは僕に生徒手帳らしきものを渡した。 
「これは?」 

「ギルドカード、そのカードで自分が今どのくらいのレベルかとか覚えたい技などが書いてある、まだサキは診断してないからどんな職業になるかはわからないけどな」  


ギルドカードか、てことは証明写真もとらなきゃいけないのかな? 

「では指で自分の名前を上の欄に書いてください」  丁寧に教えてくれるスタッフ、僕は指で『ツヅラヤ サキ』と書いた。 

「ツヅラヤサキさんですね?ではこの隣にある機械に入ってください」  


隣を見るとすごくでかい箱の機械があった。  

僕は恐る恐るその機械にはいるとスタッフは思い切り閉めた 

「では目を閉じてくださいね、30秒で職業が決まりますから」  

指示通り僕は目を閉じた。  30秒後、



 「あなたはステータスが標準なので冒険者ですね」 


職業は冒険者に決まった。  

小さな剣に小さな盾、これが今日からお世話になるかもしれない武器だった。 

「サキは冒険者か、いろんな可能性が予想できる職業だな」  

椅子に座りお酒らしきものを豪快に飲むジンマ 

「ここにきて日が浅いし相手がいないんだろ?パーティーメンバー募集の張り紙出してきな、パーティーメンバーが一人来るまで俺といっしょにクエストへいこうぜ」

とジンマはいいその日の夜、ジンマは僕のためにパーティーメンバー募集の張り紙を張ってくれた。 

「ありがとね、ジンマ、俺、よくわかんないけど強い冒険者になるね」

  ジンマにいろいろ訪ねたいことがあったけど今日は忙しかったのでギルドで休んだ




「クエストでポッケをためて一軒家が買えるぐらいになるまでこの家に住め」

1ポッケは日本円で1円らしい 

ベッドはいい高さでマットレスひいてて寝心地がいいし布団は気持ちいいし毛布はもふもふ、いい香りがする。 


「もしもーし、きこえてる?おーい!」

 どこかで聞いたことがある声が聞こえたが持病の難聴でなにも聞こえない。

 「ねぇ、聞こえてるよね?私よ?女神、女神様よ!」 

だんだん声のボリュームが上がっていくけど空耳だろ 

「起きてんだろこのくそがき!」 
「うるせー!」 


我慢できず僕はベッドから起きた やっぱり声の主は僕をこの世界へ無理やり来させた女神だった。 

「なんだよこんな真夜中に!」
 僕は寝起きと寝てるとき起こされるとすごく機嫌が悪い。 

「ちゃんと歯磨きはした?お風呂はいった?」 

「おのれは僕のおかんか!」 

女神はバカのことを言うので突っ込みをいれた。 
「で、用件は?」 

「用件はね…うふふ、…そっちの町に魔王の幹部送っといたから!」

 は? 



「は?なんつった?」 
「だから魔王の幹部をそっちに送っといたから」 
「魔王の幹部?」 
「うん、簡単に言うと………やっぱ説明無理!戦ってみて!」 

 「ぶっとばすぞテメー!」 

 翌日、ギルドで朝食を食べてるジンマに女神について質問した。 

「女神ってどんな人なの?」 

「女神様か?女神様はとっても綺麗で心優しくて心を浄化させてくれる立派な神様だ」

 ジンマの話で確信した、あいつ『自称』女神なんだろな、綺麗以外なにひとつあってなかった。

 心優しいか?
俺を理不尽にこの世界へ送るやつだぞ?
 心を浄化させてくれるか?
人が寝てるのに邪魔してくるやつだぞ? 浄化どころか汚してたわ!心行くまま熟睡してたのに あいつのせいで昨日はあのあと寝れなかったし僕はすげー困ってるんだけど…… 
「サキ、それがどうしたんだ?」 

「いや、なんでも、ところで、ここのギルドで魔王の幹部が来てるって噂は聞いたことない?」
 昨日あのアホ(女神)から聞いた話を聞いてみる 
「いや、一切噂にはなってないが?」 


はい確定。この町には魔王の幹部は来ませんね。 つーわけでこの話はおしまい!女神はホラ吹き、ホラ吹き 



「大変だ!商店街で翼と牙のはえた女が暴れまくってるって!しかもそいつ自分から魔王の幹部っていってるらしいぞ!」


 いきなりギルド入り口が開いて一人の男が大声で叫んだ 

「そりゃあ大変だ!サキ、いくぞ!」 「は?マジですか?」 



商店街につくと何処かでみたことがある女が暴れまくってた。 

「ここの町に戦勢布告するわ!この美しき女神……じゃなかった、ヴァンパイアがえっとえっと……」


 今、女神っていっただろ


 戸惑ってるヴァンパイア(女神)をみて町の住人は 

「あいつどうしたんだ?さっきまでそこにおいてあるリンゴの山を崩したり、あっちにいる子供の飴を取り上げたりしてるが今はもう落ち着いてるな」


やることちっちぇな女神さんよぉ、 まぁ幹部のことすこしわかった僕は女神……ヴァンパイアに近づいた。 

「こ、これ以上近づくな!私は女神……じゃなかったヴァンパイアよ!血を吸うわよ!」 

なぜか後退りを始める幹部 

「ようやくわかったよ女神様、幹部がどんなやつかってね!」

 昨日から僕の相棒になった剣をヴァンパイアに向け振り下ろした。 

「ちょ!たんまぁ!」 


ヴァンパイアは振り下ろす瞬間に消えた。


 後ろを振り向くと町の人たちが全員こちらを見ている。まぁ無理もないか、


 「サキが、魔王の幹部をやっつけた!まだこの町にきたばかりなのに!」

 「すげー!それって将来有望じゃん!」


 なんかすごい騒ぎになった、これってなんでかわからないけど! その日から僕は英雄サキと呼ばれた。





「はい、こちらのクエストを受注するのですね」


 僕はジンマから簡単なクエストを受けるよう言われた。

 ここのギルドはレベルが上がるごとに武器のレベルも上がるらしいし加工屋で特定のものとお金を出すと新しい武器を作ってくれることがわかった。

 今回僕が受けたクエストはこれだ 

【豚スター(ブースター)を10匹討伐せよ!難易度 星☆☆☆】


 豚スターはここでは有名らしく生きたまま捕獲すると最大で9000ポッケするらしい高級食材、昨日の歓迎会で丸焼きが出て来て食べたらおいしかった。 

今日は捕獲ではなく討伐だから食べれないのが残念だが豚スターを討伐すると捕獲のように高くはないが報酬として5000ポッケが僕の懐に入る。 僕は町を出て豚スターを探していると一人の女の子が一人で五ひきの豚スター相手に苦戦していた。

 「いやぁ!なんでこんなにこの豚つよいの?」 

次々と女の子に突進していく豚スター ヤバい!このままだとあの女の子倒れちゃう!でもあの子の鎧がだんだん破け………

 僕は急いでその女の子のところへ駆け寄り突進してくる豚スターを退治した。

 「大丈夫?怪我はない?(イケボ)」

 「あ、ありがとうございます!あ!あなたはもしかして!サキ様?あの魔王幹部を倒されたという!」 

「そうですけど?」 

「会いたかったです!あの?あなた様は今、一人で冒険者やってるんですか?パーティー組まずに?」

 顔を僕に近づけて訪ねてくる女の子 

「一応パーティーメンバー募集の張り紙はギルドのメンバー募集の壁に張ってるんだけど誰も来なくて……」

 張り紙をはってから一日たった昨日は誰も来なかった。 

「じゃあ!私をあなた様のパーティーにいれてください!」 

突然そんなことを女の子は口走った。 
「へ?パーティーに入りたいの?」

 半信半疑な僕は確認としてもう一度女の子に聞いた。 
「はい!いれてください!魔王幹部を倒されたあなた様の活躍が見たくて!それに幹部を倒されたあなた様のプライベートが見たくて!だめですか?」
 
すこし悲しそうな顔をする女の子に僕はこういった。

 「いやだめじゃないよ!大歓迎!仲間がいないと僕寂しいしね!」
 「本当ですか!ありがとうございます!私がんばります!私の名前はイオリといいます!」 

満面の笑みで僕をみたイオリはすごく嬉しそうだった。 

「という訳でパーティーメンバー見つかったんだよジンマ」

 クエストは一度リタイアして僕はギルドで力仕事していたジンマにパーティーメンバーのことを話した。

 「ほー!よかったじゃねーか!で、肝心のお仲間さんは?」

 「今、メンバー申請してるよ」

 「パーティーメンバーもいったのか?ここのパーティーは好きなように名前を決められるんだぞ!」 

やば!いってないかも! 
「え?自由に決められるの?!最初にいってよジンマぁ」
 「すまんな、まさかサキに仲間ができる日はまだまだ遠いと思ったから」

 ジンマが僕に謝ってるとさっきのイオリが戻ってきた。 

「サキ様ぁ!パーティーの申請してきましたよぉ!」 
「あ、ありがとね、えっと紹介するね、今僕がお世話になってるジンマだよ」
 「わぁ、大きなからだの人!よろしくお願いします、私の名前はイオリといいます!」 
「よろしく」 
すこし頭を下げて礼をするジンマ なぜか顔が真っ赤だ 

「ところでお嬢ちゃん、サキとのパーティー名何にしたんだい?」

 とジンマはイオリに質問する

 「私とサキ様のパーティー名は『イオリちゃんとサキ様~愛を添えて~』です!」 「高級そうなレストランの料理か!」

 つい突っ込みをしてしまった 

「え~だめですかぁ?いいと思ったんですけどねぇ…まぁパーティーメンバーが増えたら『イオリちゃんと◯◯とサキ様~愛を添えて~』ってパーティーメンバーの名前を使ってパーティー名の名前を増やそうと思ってるんですが?駄目です?」

 とすごくなにもなかったのようにイオリは言う。 

僕はちらっとジンマを見ると顔と手を机において震えながらうずくまってる、これ絶対笑ってんだろ。




「はぁ~い!元気にやってる?」 

また真夜中、あのアホ女神が僕のところへきた。 

「元気にやってる?ってなんだよ!お前が魔王の幹部に化けたせいでギルド中大騒ぎしてるわ!」
 「そりゃよかったじゃん!人気者になって甘えまくり異世界生活楽しもうよ!」 

「ばか言うな!今思ったがお前もしかして一日おきに俺の顔見に行くるの?」 

「もち!」 
女神は親指でbとした 

「もち!じゃねーよ駄女神!まさか責任負わされたのか?」

 ときくと恥ずかしがりながら女神は縦にコクリとうなずいた。 
「だったら早く異世界から僕を日本へ帰国させろ!」 
というと女神は横に首をふった。 
「無理なの、女神条例上もといた場所には二度と戻れない仕組みなの」

 とてへぺろをしながら女神は言った。 

「なんだよその規制、てか今日はなんのようだ?また魔王の幹部に化けて僕に倒されたいの?」 

「違う違う、今日は君の心の傷を癒しにきたの!無理やり連れてきちゃったから悪いかなぁ~と思っ

<ゴチン!> 


思い切り僕は女神の頭を殴った 

「痛いじゃない!何すんのよ!」


「僕の心の傷を癒しにくるならいっそあの変な条約無視して日本に帰らせろよ!てかもうくんな!」

 「あなたはたしか両親教師なのよね?だったらわかるでしょ!条約や法律無視すると捕まるって!」 

「知ってるよそんなもん!てか今何時だと思ってんだ!もう帰れ!」

 「意地悪!うわ~ん!」 


女神と下らない話をすると眠れなくなるのでほんとうにもうでてこないでほしい。 

「おっはようございま~す!サキ様!あれ?目に隈できてますけど?眠れなかったんですか?」 

何事もなかったかのようにイオリは僕に朝の挨拶をした。
 「悪夢にうなされててな……」
 「悪夢ですか、あ!ジンマさんおはようございます!今日あれやるんですよね?」 

「お!もう起きてるのか!お二人さんおはよう、やるぞ!自分の必殺技考えてきたか?」 

僕たちは今日、冒険者限定で使える『必殺技』の練習する。
 イオリは必殺技を考えてきたらしく早くいこうといってるが昨日の夜、駄女神の邪魔が入り必殺技を考えられなかった。
 あの女神、次あったらぶちのめす。 ここの世界は日本とおんなじく季節があるらしい。

日本は『春夏秋冬』だがこの街は『夏秋春冬』で今ここの世界では夏だ、

日本では夏にセミがなくがこの世界ではそんな常識的なこのはなく冬に蝉が鳴き春に鈴虫がなくらしい。 

「見てろよサキ、イオリ!これが俺の魔法格闘の技だ!『バーニングスプラッシュ!』」  

ジンマは近くにあった木に攻撃した。 巨木なのに一瞬で粉々になった。

 「すごい!これが技なのか!」 
「すごいです!すごいです!ジンマさんは強いです!」 

驚く僕と感心するイオリ 

「じゃあ順番に昨日考えてきた必殺技を見せてもらおうか!」 

「はい!一番イオリ!剣に炎を着けてブーメランのように飛ばして『ファイアーローリング!』」

 剣の先を燃やし回転させブーメランのように投げた。 


「おお!すげー!イオリ嬢ちゃんいいの考えたな!」

 ジンマはイオリの頭を撫でる

 「よし次、サキ、行けるか?」

 女神のせいでなにも考えてないけど即興で何とかしなきゃ!

 「えっと、『綴夜スペシャル!』」 僕は両手を無駄に振り回し特効した。 「フッ」 

《ふっ》

なぜか鼻で笑い目をそらすジンマ 絶対これ下らねーって思っただろ?


とその時、

[緊急!緊急クエストです!皆さんギルドへお集まりになってください!] 

のんびり穏やかな町に轟音のギルド放送が流れる。


 「なんだなんだ!」 

 ギルドへつくと出入り口までパンパンに冒険者たちが詰まってた。 多すぎじゃね? 

[皆さん!お集まりいただきありがとうございます!緊急クエストが発生しました!] 

 「緊急クエストってなに?なにがくるの?」 

「ヴァンパイアだ、お前がすこし前に倒したやつが復活したんだろ」

 またあの女神か!また僕に殺されにきたのか!今度こそ許さない!

 [今回の緊急クエストは魔王の幹部ヴァンパイアの討伐および撃退です!今回はもっとも危険とされる難易度星六つだそうなので上級冒険者様たち頑張ってヴァンパイアを撃退してください!英雄サキ様に続けぇ!] 

とメガホンを使って話すギルドスタッフのお姉さん 僕の名前使うのやめて、緊張するから

 町のそとへ出て思ったまた今回も女神だろうなぁと、だが……


 「きさまたちがこの大きな大都会、バンバラの冒険者たちか!こんなよわそうなやつらしかいないのか」

 あ、あれ?声男っぽいしちゃんとコウモリの羽はえてるし顔怖いし本物っぽいぞ……… おれ、今日死ぬかも。


 「よわそうなやつらだと?!こっちには英雄サキがいるんだぞ!」


無理だって!あれはいくらなんでも死ぬから! ………あれ?異世界だから死んでもいいのか?だったら! 

「やい、ヴァンパイア!今日をお前の命日にしてやる!僕の名前はサキ!さっきあの冒険者がいっていた英雄サキだ!」 

僕は絶対殺されても生き返ると信じてずんずんとヴァンパイアに近づく。 死なないとわかったらなんだか急に楽しくなってきたぞ!


 「貴様がサキかぁ、貴様が所属してるパーティー名をいってみろ!」

 「『イオリちゃんとサキ様~愛を添えて~』だ!」


 「馬鹿にしてんのか?」 

「してない!」


 ほらぁ、このなまえいうと英雄でも大笑いされるから嫌なんだけど 毎回やらなきゃいけないのか、この戦い無事に終わったらパーティー名変更しよう。 そう胸に誓った。 

「英雄サキ様をなめるなよ!必殺!『綴夜スペシャル!』うぉぉぉぉぉぉぉ!」 僕は必殺技を出してヴァンパイアに特効した。 これでかつる!







 …………………………………………………………… なんだここは、すごく広い部屋だ。壁もないし、てかなんでこんなところにいるんだ?異世界の休憩場所か? 

「ちょっとあんた、なにしてんの?」 

目の前で何処かで聞いたことがある声がする。 声の主は……あの馬鹿女神だった


 「なにって今、僕はヴァンパイア倒して気を失い休憩場所に運ばれてきたんだろ?」 

「はぁ?なに寝ぼけてんの?あなたは死んだのよ?」

 は?死んだ?なに?異世界って普通に死ぬの? 


「え?死んじゃったの?相討ちで?」

 「相討ちどころか全然違うところへいって池に落ち溺れて死んだのよ?覚えてないの?」 

池?溺れた?日本では校内河童で有名な僕が? 

「嘘だと思ったらこれ見なさい!」 女神がパネルを思い切り叩いたら異世界が映った。 

 そこに映ってたのは先ほどの僕だった。 

 「あなたは必殺技を出して目を閉じそのまま方向がわからなくなり森へ突っ込んでったのよ!」

 本当だった。目を閉じヴァンパイアの手前で直角に曲がりそのまま池に落ちてった。 

「最悪だ、僕の死因は池ポチャかぁ、でも僕が今ここにいるってことはヴァンパイアどうなったの?」 

「ヴァンパイアはジンマという男によって消滅したわ、ジンマは瀕死になりながらね、ちなみに今池からあなたが打ち上げられたところよ」

 画面に写ったのはシュールな絵だった。 まるで僕が魚の水上げのように網で捕まってる。 

「あの、僕これからどうすればいいの?女神」 

「うーん、もう一度人生やり直す?」

 人生やり直すということは晴れて日本に帰れるんだな!

 「もう一度人生やり直して!」


 ワクワクしながら女神に言った。 こいつも女神っぽいことするじゃん! 

「了解、人生やり直してあげる!」

 そういうと僕の回りに魔方陣が出た。

 「じゃあね、

 これで日本に帰れる! 第一声はやっぱり「うんぎゃー」かな?「おぎゃー」かな? 





「あ!サキ様!生きてたんですか!」
「うんぎゃー!なんで日本にイオリが!?」 


「なにいってるんです?早く報酬取りに行きましょうよ!そのあとにジンマさんのお見舞いにいってぇ」 

まさか人生やり直しって日本じゃなくて異世界でなの!? あの馬鹿女神!
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