君に噛み跡を遺したい。

卵丸

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偽りの家族

消滅

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※ Ωに対しての特殊な設定がございます。

セイメイジャーショーが終了して遊園地にあるレストランで昼ごはん食べていたが要が食べているデミグラスソースのオムライスが余り減っておらずハンバーグを食べていた絢斗は気になり結衣に聞こえないように小さい声で囁いた。

「体調悪いのか?」

「えっ・・・余り食欲が無いというか・・・身体が熱いというか・・・。」

「まだ、ヒートが落ち着いてないのか?」

「・・・それは終わったんですけど・・・・・。」

絢斗は心配して要の顔を眺めていると顔が真っ赤に染まり潤んだ瞳をして息が上がっていた。
すると彼は苦しそうに項を左手で押さえつけたのを見て結衣がお子様ランチを食べるのを止めて要を心配そうに見て悲しそうに言った。

「ママ、大丈夫?」

「大丈夫だよ、心配かけてごめんね?」

要は汗をかきながらゆっくりオムライスを食べたが全部食べきれなくて少し残してしまった。それを絢斗が食べてようとしたので要は全力で阻止をした。

「ばっ止めてください汚いでしょ!」

「でも・・・勿体ないし・・・・・。」

「他人の残した物なんて食べたくないでしょ?」

「俺は平気だけど?」

要は「信じられない」と小さく呟いたが絢斗は気にせずに余ったオムライスを平らげてしまった。

「・・・・氷室さん凄いですね。」

「そうか?」

「ママ、アレに乗りたい!!」

目を輝かせている結衣がガラス越しにカラフルなゴンドラがくるくる回っている観覧車を指さした。

「観覧車か・・・良いよ。」

「やった~かあらしゃだ!!」

「ふふ、観覧車だよ。・・・オムライスのお礼?の分として払わせて下さい。」

「えぇっ別に良いってば。」

「いえ、僕のプライドが許せないので!!後、氷室さんより稼いでいますので!」

「・・・・・・確かにな・・・・。」

少し、絢斗は落ち込みながら要は払うとレストランから出て三人は観覧車に向かった。

***

「結衣、青色が良かった・・・。」

順番が来るまで結衣はワクワクしていたが来たゴンドラの色が好きなセイメイブルーの青ではなく赤が来たので絢斗は右に座り少し拗ねてる結衣と苦笑いしている要は左に座った。

「仕方ないでしょ、赤色でもかっこいいじゃない。」

「そうだよ、結衣ちゃん、俺は赤色好きだなぁ~リーダーって感じで、それにほら見て下の人達が小さいよ。」

「わぁ~本当だ!みぃ~んな小さいね!!」

「それにほら、天気が良いから青空、綺麗だよ。」

「凄く綺麗!!」

絢斗が結衣を自分の娘のように機嫌取りをしているのを見てつい、彼女に聞いてみた。

「結衣、ともだちといるの楽しい?」

すると結衣は陽だまりのような笑顔で絢斗と要を交互に見て元気に言った。

「ママがともだちといると笑顔が増えるからとっても楽しいよ!」

「えっ・・・ママは結衣と一緒にいる時も笑顔でしょ?」

結衣は首を振ると両腕を広げて要に説明した。

「結衣ね、ママはともだちといる時の方が沢山笑ってるの、後ねたまにママの眉にシワがあるけどあんまり無くなったの!」

「・・・・シワ?」

「そう、シワ!・・・真ん中にいっぱい有る時があるの!」

結衣が眉間を抑えて説明したので要は右手で眉間を抑えた。

『やっぱり、子供ってしっかり見てるんだよな・・・・もっとしっかりしないと!』

要が誓っていると本人も気付いておらず眉間に皺が出来ていて絢斗は困ったように微笑み要に近づいて人差し指で要の眉間を突いた。

「皺、出来てるぞ?」

絢斗の表情に要の心臓の動きが早くなってぶわりっと甘い匂いが微かにして二人は少し戸惑って絢斗は汗をかいて座って要は少し息を整えた。

「・・・・・箕輪、さっきのは?」

「・・・・すみません、僕も分かりません。」

「ママ?」

二人の微妙な空気に結衣が気づいて要に話しかけると彼は彼女の頭を撫でて「大丈夫だよ」と囁いていたが絢斗は要から香る匂いが気になって仕方が無かった。

『あいつ、香水はして無さそうだし、一体何だ?』

「わぁ~、一番上にいるよ!!」

「そうだね、てっぺんにいるね。」

ゴンドラが頂上まで登り頬を紅潮させた結衣が要の服の袖を引っ張って一緒に景色を眺めているのを絢斗は微笑んでいると少し違和感を感じた。

『何かが可笑しいような・・・。』

絢斗は彼らを見ているとある事に気づいて目を見開いた。

***

要達は観覧車から降りると絢斗はスマホである事を調べていて他の客にぶつかってしまった。その人は嫌そうな表情で彼を睨んでいた。

「あっすみません!」

「・・・・・えぇ。」

「ちょっと氷室さん、歩きスマホは止めましょう?」

「あぁ、すまない・・・・・あのさ、みの・・・・わ。」

「えっ・・・・・。」

要は顔全体を紅潮させて右鼻からは鼻血が少し垂れていた。要はリュックのポケットからポケットティッシュを取り出したが遂には頭がクラクラして目眩がして前に倒れてしまったが絢斗がギリギリの所で支えてくれた。

「箕輪!!」

「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・・・あぁぁぁぁぁ!?」

「ママ!ママ!ママぁ!!!」

泣きそうになっている結衣に声をかけたいが項が焼けるように熱くて声が出なくて身体から全身に汗が出て鼻血も止まらなくて要は目を閉じてそのまま気絶をしてしまった。

「おい、箕輪!箕輪!」

絢斗が懸命に要を揺さぶっても起きる気配が全く無く顔が青白くなっていく要に焦り彼は救急車を呼んだ。

「・・・はい、遊園地にお願いします。」

絢斗はスマホを切ると結衣がポロポロ大泣きして絢斗はただ彼女の頭を撫でて慰めるしか無かった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

「大丈夫だよ、ママは絶対無事だから。」

絢斗は結衣を慰めながら要の険しい表情で見つめて彼の項を再確認したがやっぱり、今日の朝まで有ったはずの噛み跡が完全に綺麗に無くなっていた。

『・・・・項にあった噛み跡が消えてたけど前の番が他の奴を番にしたのか・・・・・箕輪を完全に無い存在にして作ったのなら絶対に許さない・・・・。』

絢斗の怒りがΩを守る為にフェロモンをいつの間にか放出していて他の客のαが怯えている様子に全然気かづかないまま、救急車のサイレンが喧しく鳴り響いていた。
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