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121、神獣
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私たちは地上から何かがこちらに向かってやってくるのを見つめていた。
天馬の子供たちの治療が無事に終わり、ミシェイルの案内でエディファンへ向かう気流に乗るはずだったのに。
私たちが見たのは延々と続く同じ天空の島の光景。
何者かが作り出した結界から出ることが出来なかった。
そんなことをする相手は一人しかいない。
天馬のリーダーであるミシェイルが、白い翼を羽ばたかせながら私に向かって叫ぶ。
『ルナ! 何かこっちにやってくるぞ』
『ええ、ミシェイル』
まるで白い稲妻のようにこちらに向かってくるのは、天空の神殿の主であり有翼人の王だ。
あっという間に私たちの前にやってきて、その翼を広げると私たちの進路に立ちふさがった。
「ルナ! 我が結界に触れる力を感じたがやはりお前か! どうしてこんなところにいる?」
「フェニックス! それはこっちのセリフよ! どうして、私をこんなところに閉じ込めるの!? 私には待ってる人が、仲間たちがいるの!」
有翼人たちの中でもひときわ美しい翼が大きく羽ばたくと私の頭上からフェニックスが言った。
「理由など知る必要はない。言ったはずだぞ、お前はもう地上には帰さないと。ここで暮らすのがお前の幸せなのだからな」
私はそれを聞いて首を横に振った。
「勝手に決めないで! そんなの答えになっていない。貴方が駄目だって言っても私は地上に帰るわ、もうそう決めたのよ!」
天馬の厩舎でアレクやみんなに書いた手紙を思い出す。
感情が溢れてきて居ても立ってもいられなくなった。
ミシェイルが私に向かって叫ぶ。
『おい! 見ろルナ! 他の連中もやってくるぞ』
『ええ……』
地上から一直線にやってきたフェニックスを追って、彼に仕える有翼人の騎士たちがこちらに向かってくるのが見えた。
数名の翼の生えた騎士が彼らの王の傍で翼を羽ばたかせる。
「陛下! 突然、どうされたのです。この者は──」
「まさか! 地上からやってきた例の聖女ではありませんか?」
「なぜ翼が!」
彼らもどうして私の背中に翼が生えているのか一様に驚いた様子だ。
当然だろう。
私だって驚いたのだから。
そんな中、フェニックスは一人静かに私を見つめると彼らに命じた。
「捕えよ。その女を捕え、再び我が神殿に連れてゆく」
その言葉に周囲の騎士たちの雰囲気が変わった。
王の命令は絶対なのだろう。
彼らは、私やミシェイルを取り囲むようにして大空に円を作る。
『ルナ!』
『分かってるわミシェイル!』
私の目の前に半透明のパネルが開いていく。
そこに描かれた黄金のステータス。
名前:ルナ・ロファリエル
種族:人間
職業:もふもふの聖女
E・G・K:シスターモード(LV100)
E・G・K:レンジャーモード(LV100)
もふもふモード:獣人化(特級)
力:775
体力:772
魔力:1320
知恵:1520
器用さ:1130
素早さ:1270
運:750
物理攻撃スキル:聖弓技、聖剣技
魔法:回復系魔法、聖属性魔法
特技:【探索】【索敵】【罠解除】【生薬調合】【祝福】【ホーリーアロー】【自己犠牲】
ユニークスキル:【E・G・K】【獣言語理解】【もふもふモード】
加護:【神獣に愛された者】
称号:【もふもふの治癒者】
私の左手には光輝く弓が握られている。
そして、右手でつがった光の矢はもう限界まで引き絞られている。
翼を羽ばたかせながら私を捕えようとする騎士たちを狙う。
<上級聖女の力でホーリーアローの真の力が目覚めます。ライトニングアローを放ちますか?>
パネルに描き出されたその言葉。
「怪我をしたくないのなら、近寄らないで!」
まるで私の魔力を高めていくように背中の翼が輝きを増していく。
その言葉に騎士たちは怯んだ。
「この力は……」
「一体どういうことだ。これほどの魔力を持つ者が地上にいるとは」
「王族の中でもこれほどの力を持つ者は陛下以外にはおるまい」
弓を構えた私を見て、フェニックスが騎士たちの前に来ると私を睨んでいる。
「その矢で我らを射るつもりか? お前にそんなことが出来るはずもない。つまらぬ脅しなどせぬことだ、手荒な真似はしたくはない」
私は真っすぐに彼を見つめると言った。
「そこをどいてフェニックス! どかないなら本当に撃つわよ」
そんな私の様子を見てミシェイルが慌てたように言う。
『おい! ルナ本気か? 相手は翼人族の王だ! 不死鳥の血を引く神獣だぞ!』
『分かってるわ、そんなこと。でも、私も引けない』
私はアレクの顔を思い出す。
初めて出会ったときは、大喧嘩をして彼のことを好きになるなんて思いもしなかった。
でも、今は一刻も早く彼に会いたい。
あの時、まるで白い炎のようになって消えた私を見てアレクはどう思っただろうか。
シルヴァンやリンたちは、ピピュオは今どうしているのだろう。
それを思うと、心が押しつぶされそうになる。
一生ここで暮らすなんてごめんだわ!
絶対にみんなのところに帰ってみせる。
矢を構える私を眺めながらフェニックスは言う。
「撃ってみろ。言ったはずだ、俺に向かって矢を放つなどお前には出来はしない」
「馬鹿にして! 私は本気よ? そこをどいて!」
額から冷たい汗が流れ落ちていく。
私たちの行く手を遮る白い翼をもつ貴公子。
その姿が変わっていく。
美しい貴公子から、神獣と呼ばれる生き物へ。
復活を象徴する白く輝く炎から生まれてきたかのように美しく燃え盛るその姿。
竜族の中でも頂点を極めた存在の一つ、不死鳥と呼ばれる存在。
そこから感じられる凄まじい力。
彼に仕える騎士たちは畏れ敬うかのようにこうべを垂れる。
白い炎の化身ともいえるその神獣が羽ばたくと、白い羽根が私の周りに舞い散った。
それは次第に濃密さを増してその羽根から放たれる魔力が繭を作る糸のように私の体をからめとっていく。
「うぅ!」
必死に抜け出そうとして体をねじらせ、思わずうめき声が出てしまう。
手にしていた弓と矢はもう消え去っていた。
気が付くと神獣の大きな顔が私の傍にある。
そして、囁いた。
「どうしてお前はいつもそうなのだ。あの時も俺の忠告を聞かずに地上に降りた。その結果がどうなったのか、もうお前は覚えてはいまい」
「フェニックス、一体何を言っているの?」
一瞬見せた不死鳥の優しい横顔。
でも、その表情はすぐに消えて厳しい目で私を見ると言った。
「問答は無用だ。お前は我の傍にいるのが一番の幸せなのだ。あの時も、そしてこの先もな」
私は叫んだ。
「何が幸せかなんて私が決めるわ! 勝手に決めないで」
その言葉を聞いてフェニックスが一瞬ひるむ。
まるでかつて同じ言葉を誰かの口から聞いたかのように。
でも、私の力ではいくら身をよじっても彼の翼が作り出した繭からは逃れることが出来ない。
悔しくて唇を噛みしめる。
その時──
視界の端で何かがこちらに向かってやってくるのが見えた。
それは銀色の稲妻のように空を駆けると、うなり声をあげて白く巨大な神獣に牙をむいた。
同時に私を拘束していた不死鳥の羽根が辺りに散っていく。
こんな真似が出来る存在がいるなんて。
神獣と呼ばれる者の力を帯びた羽根を吹き飛ばし、つむじ風のようにそこに現れたその姿に私は見覚えがあった。
美しい大きな狼。
「セイラン様!!」
強力な魔力の渦に包まれているその神獣の姿は、次第に人のそれへと変わっていく。
月光色の髪を靡かせた信じられないほどの美しさを持った貴公子。
その手には白銀に輝く剣が握られていた。
神獣フェニックスが怒りを込めた声で言った。
「セイラン、地上で待っていろと言ったはずだぞ。ここは我の聖域、同じ神獣とて我の許可なくここに足を踏み入れることは許さん」
どうして、セイラン様がここに?
もしかして、フェニックスがわざわざ地上に降りて行ったのはセイラン様が訪ねてきていたからなのだろうか。
セイラン様は、美しい髪を靡かせて静かに首を横に振ると手にした剣を構えた。
「断る。ルナは我が加護を与えた娘だ。返してもらうぞ」
天馬の子供たちの治療が無事に終わり、ミシェイルの案内でエディファンへ向かう気流に乗るはずだったのに。
私たちが見たのは延々と続く同じ天空の島の光景。
何者かが作り出した結界から出ることが出来なかった。
そんなことをする相手は一人しかいない。
天馬のリーダーであるミシェイルが、白い翼を羽ばたかせながら私に向かって叫ぶ。
『ルナ! 何かこっちにやってくるぞ』
『ええ、ミシェイル』
まるで白い稲妻のようにこちらに向かってくるのは、天空の神殿の主であり有翼人の王だ。
あっという間に私たちの前にやってきて、その翼を広げると私たちの進路に立ちふさがった。
「ルナ! 我が結界に触れる力を感じたがやはりお前か! どうしてこんなところにいる?」
「フェニックス! それはこっちのセリフよ! どうして、私をこんなところに閉じ込めるの!? 私には待ってる人が、仲間たちがいるの!」
有翼人たちの中でもひときわ美しい翼が大きく羽ばたくと私の頭上からフェニックスが言った。
「理由など知る必要はない。言ったはずだぞ、お前はもう地上には帰さないと。ここで暮らすのがお前の幸せなのだからな」
私はそれを聞いて首を横に振った。
「勝手に決めないで! そんなの答えになっていない。貴方が駄目だって言っても私は地上に帰るわ、もうそう決めたのよ!」
天馬の厩舎でアレクやみんなに書いた手紙を思い出す。
感情が溢れてきて居ても立ってもいられなくなった。
ミシェイルが私に向かって叫ぶ。
『おい! 見ろルナ! 他の連中もやってくるぞ』
『ええ……』
地上から一直線にやってきたフェニックスを追って、彼に仕える有翼人の騎士たちがこちらに向かってくるのが見えた。
数名の翼の生えた騎士が彼らの王の傍で翼を羽ばたかせる。
「陛下! 突然、どうされたのです。この者は──」
「まさか! 地上からやってきた例の聖女ではありませんか?」
「なぜ翼が!」
彼らもどうして私の背中に翼が生えているのか一様に驚いた様子だ。
当然だろう。
私だって驚いたのだから。
そんな中、フェニックスは一人静かに私を見つめると彼らに命じた。
「捕えよ。その女を捕え、再び我が神殿に連れてゆく」
その言葉に周囲の騎士たちの雰囲気が変わった。
王の命令は絶対なのだろう。
彼らは、私やミシェイルを取り囲むようにして大空に円を作る。
『ルナ!』
『分かってるわミシェイル!』
私の目の前に半透明のパネルが開いていく。
そこに描かれた黄金のステータス。
名前:ルナ・ロファリエル
種族:人間
職業:もふもふの聖女
E・G・K:シスターモード(LV100)
E・G・K:レンジャーモード(LV100)
もふもふモード:獣人化(特級)
力:775
体力:772
魔力:1320
知恵:1520
器用さ:1130
素早さ:1270
運:750
物理攻撃スキル:聖弓技、聖剣技
魔法:回復系魔法、聖属性魔法
特技:【探索】【索敵】【罠解除】【生薬調合】【祝福】【ホーリーアロー】【自己犠牲】
ユニークスキル:【E・G・K】【獣言語理解】【もふもふモード】
加護:【神獣に愛された者】
称号:【もふもふの治癒者】
私の左手には光輝く弓が握られている。
そして、右手でつがった光の矢はもう限界まで引き絞られている。
翼を羽ばたかせながら私を捕えようとする騎士たちを狙う。
<上級聖女の力でホーリーアローの真の力が目覚めます。ライトニングアローを放ちますか?>
パネルに描き出されたその言葉。
「怪我をしたくないのなら、近寄らないで!」
まるで私の魔力を高めていくように背中の翼が輝きを増していく。
その言葉に騎士たちは怯んだ。
「この力は……」
「一体どういうことだ。これほどの魔力を持つ者が地上にいるとは」
「王族の中でもこれほどの力を持つ者は陛下以外にはおるまい」
弓を構えた私を見て、フェニックスが騎士たちの前に来ると私を睨んでいる。
「その矢で我らを射るつもりか? お前にそんなことが出来るはずもない。つまらぬ脅しなどせぬことだ、手荒な真似はしたくはない」
私は真っすぐに彼を見つめると言った。
「そこをどいてフェニックス! どかないなら本当に撃つわよ」
そんな私の様子を見てミシェイルが慌てたように言う。
『おい! ルナ本気か? 相手は翼人族の王だ! 不死鳥の血を引く神獣だぞ!』
『分かってるわ、そんなこと。でも、私も引けない』
私はアレクの顔を思い出す。
初めて出会ったときは、大喧嘩をして彼のことを好きになるなんて思いもしなかった。
でも、今は一刻も早く彼に会いたい。
あの時、まるで白い炎のようになって消えた私を見てアレクはどう思っただろうか。
シルヴァンやリンたちは、ピピュオは今どうしているのだろう。
それを思うと、心が押しつぶされそうになる。
一生ここで暮らすなんてごめんだわ!
絶対にみんなのところに帰ってみせる。
矢を構える私を眺めながらフェニックスは言う。
「撃ってみろ。言ったはずだ、俺に向かって矢を放つなどお前には出来はしない」
「馬鹿にして! 私は本気よ? そこをどいて!」
額から冷たい汗が流れ落ちていく。
私たちの行く手を遮る白い翼をもつ貴公子。
その姿が変わっていく。
美しい貴公子から、神獣と呼ばれる生き物へ。
復活を象徴する白く輝く炎から生まれてきたかのように美しく燃え盛るその姿。
竜族の中でも頂点を極めた存在の一つ、不死鳥と呼ばれる存在。
そこから感じられる凄まじい力。
彼に仕える騎士たちは畏れ敬うかのようにこうべを垂れる。
白い炎の化身ともいえるその神獣が羽ばたくと、白い羽根が私の周りに舞い散った。
それは次第に濃密さを増してその羽根から放たれる魔力が繭を作る糸のように私の体をからめとっていく。
「うぅ!」
必死に抜け出そうとして体をねじらせ、思わずうめき声が出てしまう。
手にしていた弓と矢はもう消え去っていた。
気が付くと神獣の大きな顔が私の傍にある。
そして、囁いた。
「どうしてお前はいつもそうなのだ。あの時も俺の忠告を聞かずに地上に降りた。その結果がどうなったのか、もうお前は覚えてはいまい」
「フェニックス、一体何を言っているの?」
一瞬見せた不死鳥の優しい横顔。
でも、その表情はすぐに消えて厳しい目で私を見ると言った。
「問答は無用だ。お前は我の傍にいるのが一番の幸せなのだ。あの時も、そしてこの先もな」
私は叫んだ。
「何が幸せかなんて私が決めるわ! 勝手に決めないで」
その言葉を聞いてフェニックスが一瞬ひるむ。
まるでかつて同じ言葉を誰かの口から聞いたかのように。
でも、私の力ではいくら身をよじっても彼の翼が作り出した繭からは逃れることが出来ない。
悔しくて唇を噛みしめる。
その時──
視界の端で何かがこちらに向かってやってくるのが見えた。
それは銀色の稲妻のように空を駆けると、うなり声をあげて白く巨大な神獣に牙をむいた。
同時に私を拘束していた不死鳥の羽根が辺りに散っていく。
こんな真似が出来る存在がいるなんて。
神獣と呼ばれる者の力を帯びた羽根を吹き飛ばし、つむじ風のようにそこに現れたその姿に私は見覚えがあった。
美しい大きな狼。
「セイラン様!!」
強力な魔力の渦に包まれているその神獣の姿は、次第に人のそれへと変わっていく。
月光色の髪を靡かせた信じられないほどの美しさを持った貴公子。
その手には白銀に輝く剣が握られていた。
神獣フェニックスが怒りを込めた声で言った。
「セイラン、地上で待っていろと言ったはずだぞ。ここは我の聖域、同じ神獣とて我の許可なくここに足を踏み入れることは許さん」
どうして、セイラン様がここに?
もしかして、フェニックスがわざわざ地上に降りて行ったのはセイラン様が訪ねてきていたからなのだろうか。
セイラン様は、美しい髪を靡かせて静かに首を横に振ると手にした剣を構えた。
「断る。ルナは我が加護を与えた娘だ。返してもらうぞ」
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