上 下
97 / 313
高年期[一学期編]

救世主と思いきや・・・あ、あれ?

しおりを挟む


頭がボォ~っとしてる中、大きな音がした方へと目をやる。





黒いスーツ姿に黒いオーラを纏った人物・・・








そこには・・・あぁ、超信頼している前世の兄、銀徹さんがいました!





きゅーせーしゅー(救世主)登場!






「だっ誰だ?」

「・・・あの銀髪・・・っ!あの人は五十嵐秘書だよ!風間理事長の秘書!」

「はっ?なんでこんな所に・・・っ!?」







無言で僕らの所へと近付いてくる。






ひぇ~こんな露になった姿、見せたくないけど、なんせ身体がいう事利かないもんで・・・







ってかこの神経毒?身体全体に効くくせに脳はクリアなままなんですが・・・麻痺毒のようなもんなの?







っと、思い耽ってたらいつの間にか僕にあれこれしてた2人が撃沈してました。




そしてさっき着ていた銀徹さんの上着が僕の上にありました。






・・・早業ですね。






「ぎ、ん・・・にぃ・・・」

「すまん花彫・・・遅くなった」

「ぁ・・・だ、い・・・ぶ・・・」






あー・・・大丈夫と言いたいのに滑舌がぁ・・・






「双葉先生が慌てて俺に知らせに来てくれてな。・・・風間は丁度いなかったから・・・はぁ~~~また花彫に辛い目に合わせてしまって・・・」

「・・・お、にぃ・・・あ、り、が・・・と」

「?・・・あ、何か様子が・・・?」

「・・・び、ひゃ、く・・・し、ん、け、い
・・・ど、きゅ・・・」

「・・・媚薬に神経毒?・・・はぁ、まだそんな物が出回ってるのか・・・」

「・・・にぃ・・・あ、つい・・・」

「・・・とにかく移動するぞ。」





今更ながら保健の先生は双葉先生というんだ。うん、後で・・・いや、薬を盛ったのは先生だから感謝できないな・・・





そう言ってヒョイッと軽々しく僕を横抱きしてくれた。銀徹さんの上着・・・主に僕の下半身の方を覆い隠してるようだけど・・・こ、これ高くないの!?




い、いや確かに他人に下半身、しかもグチャグチャになってるであろうものを見せるのは嫌だけど・・・スーツがぁ・・・ごめんね。





「スーツは気にするな。何着も似たようなのがある。それに後で風間に請求する。」






わぁー銀徹さんサラッと風間くんに金ださせよとしてるし!




うん、お兄は金に対する執着は半端なかったよ。それはやはり前世のを引き継ぐんだね。



さすが金の亡じ・・・





「何か変な事、考えてないか?」

「・・・イ、エ・・・」

「ん、そうか。・・・今はそんなに金に執着してないぞ?今はご貴族様だからな。金はいくらでもある。」





ひょえー!完璧心読まれてた!










・・・それから銀徹さんがスタスタと歩く。向かった先は・・・花園だった。





かなり時間が経ってるせいか日が落ちかけ生徒たちはもういなかった。もちろん愛翔お兄も・・・






「愛翔が心配してたが・・・先に帰らせた。流依もな。」

「・・・」

「とりあえず・・・おい!鬼龍院いるか!」

「・・・あ?」





おうっ!?身体の奥に響くような低いドスのきいた声が花園の奥から聞こえた!あ、鬼龍院さんはまだ作業中なんだ・・・






「すまんな、少し・・・こいつを匿ってくれ。神経毒と媚薬を飲まされたらしい。」

「あ?・・・八乙女か。」

「すまんな、頼む。」





ひえっ!?なにも鬼龍院さんの腕に降ろさなくてもっ!!!って・・・鬼龍院さんも僕を軽々と抱っこするのね・・・





それから鬼龍院さんは、あのバラ園の秘密基地に入っていき僕を寝かしつけてくれた。





「しゅ・・み、みゃ、しぇ・・・」

「・・・クッ!」

「っ!」

「すまん・・・神経毒で滑舌が良くないんだったな。なんとも・・・あぁ、笑ってすまん。」

「い、え・・・」





わっ笑われた・・・。いや素の鬼龍院さんの笑顔は、かなり眼福です!ダンディな笑顔、有難うございます。





「・・・酷な事を言うが、お前の状態からして神経毒は今日中に消えるだろうが媚薬の方は厄介だ。」

「・・・え?・・・ど、ゆ、・・・?」

「それはな・・・俺の知ってる物だったら、間違いなく厄介だ。」






なんなんだろう?厄介って・・・?







「何年も前に全て押収され、もう出回らないはずだったんだがな・・・。その出回ってた媚薬ってのがな、男専用の物で、どーゆうわけか犯されないと永遠に発情する代物なんだ。」

「・・・」

「ちなみに意識はハッキリしているだろう?・・・それが何よりもの証拠だ。・・・どうしたもんか。」

「・・・」








絶句。唖然。・・・ほんと言葉を失った。




本当に、ここって乙女ゲーの世界に似てるだけで内容は全くの別物なんですね・・・





てか、意識してしまったからか、あいつらに弄られてた・・・お尻のほうがムズムズするような・・・





それからまた銀徹お兄が帰って来て解毒剤を飲ませてくれた。・・・うん、口移しで。仕方ないよね。少量しかなかったから溢したらもう無いし。






そして僕が解毒剤が効いて喋れる様になった時、銀徹お兄にとんでもない事を言われた!!






「・・・俺もその媚薬の事を知っててな・・・その媚薬の抜き方も知ってる。かほ、薫風は・・・誰だったら気を許せる?」

「・・・え?・・・な、何を、言って・・・?」

「・・・一生このままにいるか?家に引きこもるつもりか?」

「・・・」






ヒッキー?いや無理。毎日陽を浴びなきゃ生きてけない。そして今の家族を悲しませたくないし。





えー・・・脱童貞じゃなく脱処女ですよねー?犯されるって言ってたし?




・・・何?その処女を捧げる相手を選べって?・・・酷過ぎる・・・




でも・・・一度抜いた(正確には抜かされた)にも関わらず未だに火照りは収まらないんだよね・・・





・・・あーここでも腹を括らなきゃならないのか・・・もう人生に何回腹を括らなきゃならないんだ・・・?




「・・・銀徹さ、ん・・・じゃあ・・・」

「あぁ。そいつをすぐ呼んできてやる。明日は学校を休め。」





わかりましたー。・・・じゃあ・・・あの人を呼んでもらおう。


しおりを挟む
感想 263

あなたにおすすめの小説

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

坊ちゃんは執事兼教育係の私が責任を持って育てます。

幕間ささめ
BL
一目惚れして爵位を捨てた執事兼教育係(攻め)×執事大好き純粋ぽわぽわ坊ちゃん(受け)

美醜逆転世界でフツメンの俺が愛されすぎている件について

いつき
BL
いつも通り大学への道を歩いていた青原一樹は、トラックに轢かれたと思うと突然見知らぬ森の中で目が覚める。 ゴブリンに襲われ、命の危機に襲われた一樹を救ったのは自己肯定感が低すぎるイケメン騎士で⁉︎ 美醜感覚が真逆な異世界で、一樹は無自覚に数多のイケメンたちをたらし込んでいく!

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

処理中です...