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高年期[一学期編]
やっぱり風間は風間先輩だった
しおりを挟む「ど、どうしてここに・・・?」
「薫風が走ってこっちに来たのが見えたからだよ。それより・・・どうしたの?そこの鳥羽くんに何かされたの?」
「いえ違います・・・別のーーーって、近寄らないでください。」
ごめんなさい鳥羽先輩、盾になってもらいます・・・
あっ。
うん、もう手遅れでしたね。腕を引っ張られ風間先輩に抱き締められました。
「うぐっ・・・風間先輩・・・離してください・・・」
「はぁ~・・・まず何故泣いてるのか聞いてもいい?」
「・・・言いたくありません。」
「俺も気になるんだけど・・・男が泣くなんて、余程の事が起こらなきゃ泣かないよ?」
「・・・」
鳥羽先輩が背中を擦ってくれる。
いや、なんか情けなくて言いたくないんだけど・・・
まさか男性に告白されてキスされてパニクって涙がでました~なんてね・・・言えるわけないっしょ!
女性ならね、「無理矢理奪われたんです~」なんて事を泣きながら言えるだろうが、僕は今オトコノコ。そう男の子なんですよ~
あ~でも何だかんだ人の温もりって落ち着くよねぇ・・・
「だいぶ落ち着きました・・・有難うございます風間先輩。」
「うん。それは良かったね。それで、どうしたんだい?」
「えっ、いや・・・言いたくないです。記憶から削除したいので。少々混乱してしまって、情けない事に涙がでてしまったんです。」
「相変わらず変な事をいうね~。まぁだいたい予想ついたよ。・・・とりあえず花園に来たんだから観賞していくかい?それとも帰る?」
「あ・・・少し花を見ていきたいです。」
「そうか。私も付き合うよ。ゆっくり観賞するといいよ。」
「八乙女さん、とりあえず暖めたタオルを用意したから使いなよ。目が赤いよ?」
いつの間にかいなくなってると思ったら蒸しタオルを用意してくれたみたい。・・・有難い。
素直に受け取りベンチに座り目を暖める。あ~凄く気持ちいい・・・
それから鳥羽先輩はまた庭師と話をし始め風間くんは僕の隣に座って何故か手を握って静かにしていた。
「・・・私が小学校中退した理由は噂で聞いた事あるかい?」
「あ・・・はい。でもすぐに立て直したみたいですね。・・・風間先輩が後継者になって・・・」
「そう。それで今まで薫風に会いに行けなかったんだ。あの青い手紙、あれ薫風が書いたんでしょ?」
「えっ!?・・・ああ、わかりましたか?」
あー懐かしい。あれ、こっそり風間先輩の家に出向いてポストに入れたんだよね。・・・ちゃんと本人に届いたようで良かったよ。
「文字でわかるよ。・・・有難う。あの手紙があったから私は頑張れたんだ。」
「そんな大袈裟ですよ。・・・なんだか失礼な事を書いた気がしますが。」
「うん、薫風らしい励まし方だったかな。でも嬉しかったよ。ずっと礼が言いたかったんだ。・・・有難う薫風。」
「!!・・・どういたしまして。」
うわあ・・・目隠ししてて良かった。なんか泣いてはいないけと目尻が熱くなって、てか顔が火照ってる感じがする。恥ずかしい・・・
「ねぇ薫風・・・改めて言うけど、本当に俺の恋人にならない?」
「・・・え?」
なんか声が間近に聞こえるんですが・・・
これ、ヤバくない?えっ、ヤバくない!?
「えっ風間先ぱ・・・んんっ!?」
・・・何故1日に2回も男に告白されキスされなきゃならない・・・
唇に当たる感触はまさしくキスされてる感じだよね・・・
うん、油断してた。風間先輩に小学校の頃に告白されてたんだった。僕、警戒心無さすぎだろ・・・
「っは・・・ちょっと、風間せん・・・んぁ!?」
「薫風・・・」
ちょっと風間くんの声に熱がこもってるよ!?てか舌入れないでほしい!!
「・・・ふぅ、んんっ!・・・ちょっと!やめてください!」
「はぁ・・・やっぱり薫風はいいなぁ・・・」
目元にあったタオルがベンチに落ち風間くんの胸を突き飛ばす。そして風間くんの顔を睨み付けるつもりが思わずドキッとしてしまった。
風間は目がトロンとして少し頬が赤くなってて凄く色っぽかった・・・男でも惚れ込んでしまう整った顔で、そんな熱視線で見つめられたら自分が女だったらコロッと恋に落ちてしまいそうだよ・・・イケメンのフェロモンはやばい
「何、するんですか・・・」
「ん~消毒かな?」
「・・・は?」
「くくっ・・・相変わらず素直だね薫風は。・・・なんとなく想像できるよ。誰かに告白されてキスでもされたんじゃないかい?」
「!?・・・え・・・」
「うん、合ってたみたいだね。・・・誰?」
おいおい・・・「誰?」の部分に威圧を感じたよ?・・・ここで僕が名前だしたら学校追い出しかねないよね!?・・・どーしよ?
「風間先輩、そんな事聞いてどーするんですか?」
「そりゃもちろん、ちょっと懲らしめるだけだよ?」
「・・・具体的に?」
「ん~家に圧力かけたり?」
「アウトですそれ!やってはいけない事です!絶対に言わないです!」
「・・・そう?じゃあ力を使って探ーー」
「やめてください!そんな事したら僕この学校やめて遠くへ行きます!」
「別に構わないよ?私も一緒についていくから。財産は沢山あるしね。」
「いやいやいや!やめてください?本当に!」
あーそうだ、この人話が通じない部類の人だった。あー面倒!
でも顔がニヤついてるから僕をからかってるな・・・?あっイラッときた。
「そうですか。・・・では今後一切風間先輩とお話しません。」
「!」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・フフッ、わかったよ。でも何かあったら私を頼っておいで?ここには理事長室があるから。危ないと思ったら来るといいよ。」
「・・・いや、僕としては一番危険なのは風間先輩なんですが。」
「ははっ。でも薫風は可愛いから。すぐに人目を惹き付けるから心配だよ?」
「・・・有難うございます。いざとなったら頼らせてもらいます。」
「うん。・・・頼ってね。」
うわっ!!またその顔!その愛おしい人を見る目で僕を見ないで?色っぽすぎて頭がクラクラするよ!?
あーとんでもない人に好かれちゃったなぁ僕・・・
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