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高年期[二学期・後編]

新展開。とんでもない事が起こりました。

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『選択してください。
1.記憶を残し、対象者の記憶をリセットする。
2.今までの記憶を対象者共にリセットし新たな恋をする。
3.このまま記憶を残し風間和彦と一緒に人生を歩む。

警告。選ばなかった場合、強制的に全てリセットします。・・・選択してください。』




あーついに警告されましたよ?なんてせっかちなんだ。この世界の神様は僕になにをさせたいんだよ。




「選択は・・・1で。」

『承認しました。新たな人生に幸あれ』

「・・・は?」




新たな人生に幸あれって・・・リセット迫ってきた得たいの知れない者に言われたくないんだけど。





さて・・・どうなるかな・・・あ~なんか深い暗闇に引きずり込まれてる気がする・・・







____________





ふと意識が覚醒した。まだ朝日が登って間もないようで薄暗い。




「・・・ノート」




学校で使ってる鞄へと手を伸ばし、中に入ってるノートを一冊取り出す。





「・・・ノート・・・ああ、はっきり覚えてる。こんなノート必要なかったな。」





昨日の放課後、リセットされた事によって記憶が曖昧になった時の対策として陽南さんと2人で今までの出来事を日記の様に簡潔的にノートに書いたのだ。




入学式の事から始まり文化祭や夏休み等イベントを中心的に書いた。僕のは、少し付け足しに紫音さんや万純くんや克典の事を書いた。・・・克典はきっと僕の事は義兄弟の関係に戻ってるだろう、なにしろ攻略対象者ですからね。あとは銀徹さんと愛翔さんが心配だ・・・せっかく前世の記憶があるのに赤の他人のような態度とられたら泣くかもしれない・・・





あと鬼龍院さんと蛭間さんのカップルはどうなるんだろう?鬼龍院さんはまだしも、蛭間さんは確か攻略対象者。鬼龍院さんだけ恋人の時間を覚えていて蛭間さんが忘れて素っ気なくなったら哀しいな・・・



あとは風間くん。・・・やっぱりリセットされてるよね・・・どんな感じにリセットされてるのか気になる。




・・・気になりすぎて、すっかり目が覚めてしまったな。少し中庭に散策しに起きようかな。





・・・




「おはようございます薫風様。今日は随分お早いお目覚めですね。」

「おはよう鞍馬。あーもしかして僕が起こしてしまったかい?」

「お気になさらずに。・・・どちらへ?」

「早く起きて眠気も飛んでしまったようだから中庭へと行こうかなと。」

「左様ですか。ではお供します。最近、朝は肌寒くなってきましたので羽織りをどうぞ。」

「有難う。」




紅葉が見所の季節になると、やはり朝方は肌寒くなってくるよね。執事さんから羽織りを貰い中庭へと行く。





「・・・ねぇ鞍馬。流依兄さん、最近どうかな?」

「流依様ですか?・・・そうですね、学校に領主の仕事に忙しそうに動いておられますね。」

「・・・婚約の話とか、どうなったのかな?知ってる?」

「婚約?・・・どこでその話を聞いたのですか?」

「風間理事長だよ。」

「風間家の・・・そうですか。・・・はっきりとは決まってませんが、旦那様は流依様の相手を邪答院侯爵家のご令嬢をと話が進んでます。」

「はぁ!?え、まさか・・・相手は紫音さん!?」





なんてこった!なんでそんな話に!?・・・あーまぁ侯爵家同士で釣り合いはとれてるけど・・・紫音さんが義姉さんに?いや義妹?同い年だからなぁ・・・いやいやそれより!





「・・・流依兄さんはそれを承諾してるの?」

「いえ、保留にしてるようです。そしてそれは親同士の話らしく相手の令嬢様にはまだ話は通ってないはずです。」

「・・・」




確かに風間くんからは婚約の事で悩んでるとは聞いていたが・・・まさか相手は紫音さんだなんて。でも確かに紫音さんからはそんな話聞かなかったなぁ。




「領主の引継ぎについては、まだ旦那様は健在ですので、今は旦那様と一緒に仕事をこなしてる状況です。」

「・・・そ、そうなんだね。わかった。情報ありがとう。もちろん他言無用にするよ。」

「はい。」





・・・これはリセットする前から決まってた話なのかな?






__________





朝早く学校へと向かった。まず園庭へ・・・






「おはようございます鬼龍院さん。」

「おはよう。・・・早いな。」




庭師さんに言われたくないよ。庭師さん何時に来てるの?まだ朝礼が始まる一時間も前に登校してきたんだよ僕。それより早いって・・・




「あの・・・蛭間さん、ご存じありませんか?」

「蛭間・・・?あいつは今日は昼から出勤だぞ。まだ学校にはいない。」

「そ、そうですか。」

「?・・・あいつに用があるのか?」

「はい。少し話がしたくて・・・ではまた昼に来ますね。」

「そうするといい。」

「・・・あの、質問してもいいですか?」

「なんだ?聞きたいことがあるなら、そんな改まらなくて良いぞ。」

「・・・蛭間さんと付き合ってますよね?」

「・・・」





どーかyesと言ってー!





・・・





「なにを言ってるんだ?昨日も一緒にいたが?・・・なんだ薫風、蛭間狙いか?」

「!ち、違います!僕は風間理事長と付き合ってますから!」





昨日も一緒に居たって事は・・・付き合ったままって事だよね!?はぁー・・・良かったぁ。





「昨日はあいつ同僚と飲みすぎたらしく仕方なく俺の家に連れてきたんだ。あいつは昔からの付き合いだからな。弟分のようだ。・・・まぁ八乙女ならあいつを落とせるんじゃないか?見た目と違って良い奴だぞ?」

「・・・は?」

「風間と付き合ってるのはカモフラージュなんだろ?蛭間が好きならまず風間に言うべきだぞ?」

「・・・」






・・・なんか話の流れが?




「き、鬼龍院さん・・・蛭間さんと恋人、ですよね・・・?」

「あ?なんで蛭間と俺が恋人なんだ?確かにあいつは可愛いが恋人は御免だな。」

「!」





まじか・・・付き合ってた事がリセットされている。・・・やはり蛭間さんが対象者だから・・・




「・・・薫風、こっちへ来い。」

「え?」

「顔色が悪いぞ。ダージリンがあるから飲んでいけ。朝礼まで時間があるだろ。」





・・・あまりにもショックで血の気が引いてたようだ。・・・あんなに相思相愛で、しかも告白したのは鬼龍院さんからで・・・あの様子だと、ただの弟分としか思ってないようだな・・・




庭師さんに促されバラ園の裏の方へと案内されて椅子に座らされた。・・・庭師さんと蛭間さん・・・どーすればいいんだろう。・・・あんなにも幸せそうな2人が今は兄弟分のような関係に戻ってるなんて・・・




「・・・」

「おい、大丈夫か?」

「は、い・・・あの、鬼龍院さん、蛭間さんの事、何とも思ってませんか?」

「さっきからなんなんだ。繰り返し同じ質問されるのはあまり良い気分ではない。」

「・・・僕にとって重要なんです。すみません、答えてください。」

「・・・チッ。可愛いとは思う。だが可愛いと思うだけだ。弟の様な存在だ。金魚の糞の様にいつも背中からくっついてくるからな。薫風が聞きたい様な感情はない。」

「!・・・うっ、そうですか・・・」





これはマズイ。リセットは本当に凄まじい影響があるようだ。・・・陽南さん、学校に登校してきたかな?他の、万純くんや紫音さんは・・・?




暖かいダージリンを飲んでるのに体が冷えてく気がする。・・・選択を間違えたか?

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