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高年期[二学期・前編]

・・・え、克典が?

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「風邪?」

「らしいよー?センコーが朝言ってたー。」

「克典いなくて寂しー・・・早く熱下がってくれないかなぁ?」

「・・・ほんと忠犬だね2人とも。」






克典が熱を出し欠席らしい。・・・へぇ、一体何が起こったんだ?てか家に夢美姉さんがいるよね。大丈夫かな?




「お見舞いいく?」

「「行くー!」」





うん、そーしよっか。久々に姉さんに会えるし可武伊義兄さんにも会いたいな。





___________





「いらっしゃい薫風くん。それに蔵本くんたちだね。」

「久しぶりです可武伊さん。」





さっそく放課後、鳳家に行くことにした。成績結果と生姜と蜂蜜を持参して。




「有難う!・・・うん身体に良さそうだね。」

「作り方は姉さんが知ってるから大丈夫だと思います。・・・あ、ところで姉さんは?」

「ああ、夢美は今、息子を寝かしつけてるところだよ。あとで顔をだすと思うよ。」

「有難うございます。では克典の所へ行かせてもらいます。」

「お願いね。多分起きてるから。」





え、起きてるの?そんなに重症じゃないって事?





・・・





「克典ー、お見舞いに来たよ。」

「この声は薫風ー?」

「「俺たちも来ましたー!大丈夫ー?」」

「うわぁ、一気に興醒め・・・薫風だけでいーよー。」

「「酷い!でもそんな重症じゃなくて良かったー!」」





うん酷いよ克典。こんな心配してくれる友達はいないと思うよ?・・・でもまぁ熱が上がった位で重症じゃなさそうで良かったよ。うんうん。




「克典、一問間違えただけだったよ。惜しかったね、何間違えたの?」

「・・・さぁ?・・・それにしても2位かー。薫風と同じ首位に立ちたかったなー・・・」

「まぁ今は安静にしてなね。・・・てか何故急に体調崩した?」

「あーそれはねー・・・」





なんでも夢美姉さんの子供の風呂の世話をしたらしく、子供がはしゃぎだし濡れたまま廊下を走り克典は双子を追いかけ回し、湯冷めしたまま眠ってしまったらしい。・・・うわぁ子供は元気なのは良い事だけどやんちゃすぎるのは大変そうだね。




「もう一度風呂場に戻って~身体を暖めれば良かったんだけど・・・疲れてほったらかしにしたのが悪かったんだー。朝起きたら体が怠くてーもう起き上がれなかったんだよねぇ~。」

「・・・姉さんの子供達、凄いな。」





その前に克典が子供達の相手をしている事に対して驚いたよ!面倒くさがりだから子供なんて相手にしないと思ってたよ。






少しして姉さんがやってきた。生姜湯をカップに人数分持ってきて。




「久しぶりね薫風。ああ、凄く背か伸びたわね。」

「姉さん久しぶり!・・・あ、やはり姉さんなら作ってくれると思ったよ。蜂蜜生姜湯。」

「ふふ。私が倒れた時にいつも飲ませてくれたわよね。あれ、体が暖まるし甘くて美味しいの。」





そう、幼い転がら姉さんは年に一度必ず熱をだしていた。その時によく僕が作って姉さんに飲ませてたんだよね。食欲なくても飲めるし生姜の辛みが苦手でも蜂蜜入れれば飲みやすくなるからね。




「おいしー。義姉さんありがとー。」

「「美味しいです!有難うございまっす!」」

「うふふ、有難う。・・・ゆっくりしてってと言いたいけど、あまり長いすると克典くんが疲れちゃうからね。程々にしてお帰りなさい。何かあったら呼んでちょうだい。」

「有難う姉さん。」





姉さん子供生んでから物凄くしっかり者になったんだよね。やっぱり母親になると強くなるって本当だよね。




「あーうん、少し眠くなってきたな・・・あれ、美味しーね。薫風の差し入れでしょ?有難うーねぇ。」

「あ、うん。早く学校来れると良いね。」

「薫風さぁ・・・今日泊まってかない?」

「・・・は?なんで?」

「えー?寂しいからー?」

「「じゃあ俺たちもー!」」

「風邪移っても良いなら泊まってけばー?」

「え、いいの?」

「やった!じゃあ親に連絡するー!」

「ちょ、ちょっと待て!この家の人に許可もらわないと!それに親にも連絡しないと・・・」





えー・・・何故病人の所に泊まらなけりゃならない!?




_________




まぁ結局泊まる事になった。七草粥?のような物を食べ克典が寝るまで4人で喋っていた。





それから風呂を借りて客室へと案内されて眠る事になった。・・・てか克典が眠ったら帰れば良かったんじゃね?



でも姉さんと話をしたかったから結果オーライかな。今は姉さんと2人きりで居間でお茶を飲んでいる。





「薫風、家の方はどう?」

「うーん・・・流依兄さんが次期領主になる為に父さんと忙しそうにしているよ。」

「そう、流依が・・・」

「真菜は相変わらずかな。夏休みに僕の友人たちと海行ったりして仲良くしてたよ。」

「まぁ海に?楽しそうね。・・・ふふ、今度薫風の友人を見てみたいわぁ!」

「うん、じゃあ今度家に招待するから姉さん時間があったら実家に寄ってよ。・・・あ、でもまだ子育て忙しいよね?体も心配・・・」

「ふふふ、私もそんな柔じゃないわ。もう3人の親よ。初めが苦労した分、3人目は楽に出産できたわ。」

「あー出産に関しては本当に女性を尊敬するよ。だって姉さん、双子を生むのに丸一日かかったんだって?よく耐えたよね。」






・・・そう、初めての出産が双子で陣痛きてから中々子宮口が開かなくて難産だったらしいんだよね。僕は寮生活だったからその場に立ち会えなかったけどかなり辛かったらしい。



前世では女性だった僕だが出産経験が無かった為その痛みがどれくらい辛かったのかわからないけど、友達の話からして気を失った方が楽って思える程痛くて辛くて死にそうだったって聞いた事がある。・・・しかも初産で双子は辛いよね・・・姉さん頑張ったね。





世間話をしていたらかなり遅い時間になったため寝る事になった。・・・うん、僕も明日学校だし賛成です。姉さんは昼寝とか挟んでる為まだまだ話足りなさそうにしていたがゴメンね。今度は休みの時に兄弟で遊びにくるよ。






__________





ゴソゴソ・・・





ん?なんか背中が暖かい・・・ってか熱い?






「ん、何・・・?」

「ゴメンね薫風。一緒に寝かせて。」

「あ、克典か?・・・あー何もしないなら良いよ。・・・熱、大丈夫?」

「うーん、だいぶ体が軽くなったよ。昼間はずっと寝ててつまんなかったけど、薫風たちが来てくれて楽しかったよー。」

「そっか。・・・明日、学校行けると良いね。」

「そーだねー。・・・てかテストで間違えた所が気になる・・・まったく、一問くらい見逃して満点にしてくれないなんて・・・センコー使えないな。」

「おいおい。ズルは良くないだろ。まぁ後1点だったんだ。期末は満点取れるんじゃないかな。」

「・・・そーだねー」




お、克典眠いか?背中にギュ~っと抱き着かれてるが・・・まぁ寝にくくはないから良っか。




はい、お休み~・・・


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