上 下
263 / 313
高年期[二学期・前編]

・・・え、克典が?

しおりを挟む




「風邪?」

「らしいよー?センコーが朝言ってたー。」

「克典いなくて寂しー・・・早く熱下がってくれないかなぁ?」

「・・・ほんと忠犬だね2人とも。」






克典が熱を出し欠席らしい。・・・へぇ、一体何が起こったんだ?てか家に夢美姉さんがいるよね。大丈夫かな?




「お見舞いいく?」

「「行くー!」」





うん、そーしよっか。久々に姉さんに会えるし可武伊義兄さんにも会いたいな。





___________





「いらっしゃい薫風くん。それに蔵本くんたちだね。」

「久しぶりです可武伊さん。」





さっそく放課後、鳳家に行くことにした。成績結果と生姜と蜂蜜を持参して。




「有難う!・・・うん身体に良さそうだね。」

「作り方は姉さんが知ってるから大丈夫だと思います。・・・あ、ところで姉さんは?」

「ああ、夢美は今、息子を寝かしつけてるところだよ。あとで顔をだすと思うよ。」

「有難うございます。では克典の所へ行かせてもらいます。」

「お願いね。多分起きてるから。」





え、起きてるの?そんなに重症じゃないって事?





・・・





「克典ー、お見舞いに来たよ。」

「この声は薫風ー?」

「「俺たちも来ましたー!大丈夫ー?」」

「うわぁ、一気に興醒め・・・薫風だけでいーよー。」

「「酷い!でもそんな重症じゃなくて良かったー!」」





うん酷いよ克典。こんな心配してくれる友達はいないと思うよ?・・・でもまぁ熱が上がった位で重症じゃなさそうで良かったよ。うんうん。




「克典、一問間違えただけだったよ。惜しかったね、何間違えたの?」

「・・・さぁ?・・・それにしても2位かー。薫風と同じ首位に立ちたかったなー・・・」

「まぁ今は安静にしてなね。・・・てか何故急に体調崩した?」

「あーそれはねー・・・」





なんでも夢美姉さんの子供の風呂の世話をしたらしく、子供がはしゃぎだし濡れたまま廊下を走り克典は双子を追いかけ回し、湯冷めしたまま眠ってしまったらしい。・・・うわぁ子供は元気なのは良い事だけどやんちゃすぎるのは大変そうだね。




「もう一度風呂場に戻って~身体を暖めれば良かったんだけど・・・疲れてほったらかしにしたのが悪かったんだー。朝起きたら体が怠くてーもう起き上がれなかったんだよねぇ~。」

「・・・姉さんの子供達、凄いな。」





その前に克典が子供達の相手をしている事に対して驚いたよ!面倒くさがりだから子供なんて相手にしないと思ってたよ。






少しして姉さんがやってきた。生姜湯をカップに人数分持ってきて。




「久しぶりね薫風。ああ、凄く背か伸びたわね。」

「姉さん久しぶり!・・・あ、やはり姉さんなら作ってくれると思ったよ。蜂蜜生姜湯。」

「ふふ。私が倒れた時にいつも飲ませてくれたわよね。あれ、体が暖まるし甘くて美味しいの。」





そう、幼い転がら姉さんは年に一度必ず熱をだしていた。その時によく僕が作って姉さんに飲ませてたんだよね。食欲なくても飲めるし生姜の辛みが苦手でも蜂蜜入れれば飲みやすくなるからね。




「おいしー。義姉さんありがとー。」

「「美味しいです!有難うございまっす!」」

「うふふ、有難う。・・・ゆっくりしてってと言いたいけど、あまり長いすると克典くんが疲れちゃうからね。程々にしてお帰りなさい。何かあったら呼んでちょうだい。」

「有難う姉さん。」





姉さん子供生んでから物凄くしっかり者になったんだよね。やっぱり母親になると強くなるって本当だよね。




「あーうん、少し眠くなってきたな・・・あれ、美味しーね。薫風の差し入れでしょ?有難うーねぇ。」

「あ、うん。早く学校来れると良いね。」

「薫風さぁ・・・今日泊まってかない?」

「・・・は?なんで?」

「えー?寂しいからー?」

「「じゃあ俺たちもー!」」

「風邪移っても良いなら泊まってけばー?」

「え、いいの?」

「やった!じゃあ親に連絡するー!」

「ちょ、ちょっと待て!この家の人に許可もらわないと!それに親にも連絡しないと・・・」





えー・・・何故病人の所に泊まらなけりゃならない!?




_________




まぁ結局泊まる事になった。七草粥?のような物を食べ克典が寝るまで4人で喋っていた。





それから風呂を借りて客室へと案内されて眠る事になった。・・・てか克典が眠ったら帰れば良かったんじゃね?



でも姉さんと話をしたかったから結果オーライかな。今は姉さんと2人きりで居間でお茶を飲んでいる。





「薫風、家の方はどう?」

「うーん・・・流依兄さんが次期領主になる為に父さんと忙しそうにしているよ。」

「そう、流依が・・・」

「真菜は相変わらずかな。夏休みに僕の友人たちと海行ったりして仲良くしてたよ。」

「まぁ海に?楽しそうね。・・・ふふ、今度薫風の友人を見てみたいわぁ!」

「うん、じゃあ今度家に招待するから姉さん時間があったら実家に寄ってよ。・・・あ、でもまだ子育て忙しいよね?体も心配・・・」

「ふふふ、私もそんな柔じゃないわ。もう3人の親よ。初めが苦労した分、3人目は楽に出産できたわ。」

「あー出産に関しては本当に女性を尊敬するよ。だって姉さん、双子を生むのに丸一日かかったんだって?よく耐えたよね。」






・・・そう、初めての出産が双子で陣痛きてから中々子宮口が開かなくて難産だったらしいんだよね。僕は寮生活だったからその場に立ち会えなかったけどかなり辛かったらしい。



前世では女性だった僕だが出産経験が無かった為その痛みがどれくらい辛かったのかわからないけど、友達の話からして気を失った方が楽って思える程痛くて辛くて死にそうだったって聞いた事がある。・・・しかも初産で双子は辛いよね・・・姉さん頑張ったね。





世間話をしていたらかなり遅い時間になったため寝る事になった。・・・うん、僕も明日学校だし賛成です。姉さんは昼寝とか挟んでる為まだまだ話足りなさそうにしていたがゴメンね。今度は休みの時に兄弟で遊びにくるよ。






__________





ゴソゴソ・・・





ん?なんか背中が暖かい・・・ってか熱い?






「ん、何・・・?」

「ゴメンね薫風。一緒に寝かせて。」

「あ、克典か?・・・あー何もしないなら良いよ。・・・熱、大丈夫?」

「うーん、だいぶ体が軽くなったよ。昼間はずっと寝ててつまんなかったけど、薫風たちが来てくれて楽しかったよー。」

「そっか。・・・明日、学校行けると良いね。」

「そーだねー。・・・てかテストで間違えた所が気になる・・・まったく、一問くらい見逃して満点にしてくれないなんて・・・センコー使えないな。」

「おいおい。ズルは良くないだろ。まぁ後1点だったんだ。期末は満点取れるんじゃないかな。」

「・・・そーだねー」




お、克典眠いか?背中にギュ~っと抱き着かれてるが・・・まぁ寝にくくはないから良っか。




はい、お休み~・・・


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

3人の弟に逆らえない

ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。 主人公:高校2年生の瑠璃 長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。 次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。 三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい? 3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。 しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか? そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。 調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m

俺は兄弟に愛されすぎている…

日高 アンズ
BL
両性の主人公総受けのBLです。 とにかく作者の欲望を積み込む予定です(笑)。 フリーターの冴えない主人公が、血の繋がらないハイスペック兄弟達に監禁される話し。 5人兄弟です。 誤字。脱字などがあったら申し訳ないです。 少し分かりにくい表現あるかもしれません。

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!

しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎 高校2年生のちょっと激しめの甘党 顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい 身長は170、、、行ってる、、、し ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ! そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、 それは、、、 俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!! 容姿端麗、文武両道 金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい) 一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏! 名前を堂坂レオンくん! 俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで (自己肯定感が高すぎるって? 実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して 結局レオンからわからせという名のおしお、(re 、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!) ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど なんとある日空から人が降って来て! ※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ 信じられるか?いや、信じろ 腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生! 、、、ってなんだ? 兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる? いやなんだよ平凡巻き込まれ役って! あーもう!そんな睨むな!牽制するな! 俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!! ※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません ※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です ※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇‍♀️ ※シリアスは皆無です 終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします

愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと

糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。 前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!? 「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」 激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。 注※微エロ、エロエロ ・初めはそんなエロくないです。 ・初心者注意 ・ちょいちょい細かな訂正入ります。

兄弟がイケメンな件について。

どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。 「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。 イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。

[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん
BL
【縦読み推奨】 ■ 第一章(第1話〜第9話)  アラディーム国の第七王子であるノモクは、騎士団長ローエの招きを受けて保養地オシヤクを訪れた。ノモクは滞在先であるローエの館で、男奴隷エシフと出会う。  滞在初日の夜、エシフが「夜のデザート」と称し、女奴隷とともにノモクの部屋を訪れる。しかし純潔を重んじるノモクは、「初体験の手ほどき」を断り、エシフたちを部屋から追い返してしまう。 ■ 第二章(第1話〜第10話)  ノモクが「夜のデザート」を断ったことで、エシフは司祭ゼーゲンの立合いのもと、ローエから拷問を受けることになってしまう。  拷問のあと、ノモクは司祭ゼーゲンにエシフを自分の部屋に運ぶように依頼した。それは、持参した薬草でエシフを治療してあげるためだった。しかしノモクは、その意図を悟られないように、エシフの前で「拷問の仕方を覚えたい」と嘘をついてしまう。 ■ 第三章(第1話〜第11話)  ノモクは乳母の教えに従い、薬草をエシフの傷口に塗り、口吻をしていたが、途中でエシフが目を覚ましてしまう。奴隷ごっこがしたいのなら、とエシフはノモクに口交を強要する。 ■ 第四章(第1話〜第9話)  ノモクは、修道僧エークから地下の拷問部屋へと誘われる。そこではギーフとナコシュのふたりが、女奴隷たちを相手に淫らな戯れに興じていた。エークは、驚くノモクに拷問の手引き書を渡し、エシフをうまく拷問に掛ければ勇敢な騎士として認めてもらえるだろうと助言する。 ◾️第五章(第1話〜第10話)  「わたしは奴隷です。あなたを悦ばせるためなら……」  こう云ってエシフは、ノモクと交わる。 ◾️第六章(第1話〜第10話)  ノモクはエシフから新しい名「イェロード」を与えられ、またエシフの本当の名が「シュード」であることを知らされる。  さらにイェロード(=ノモク)は、滞在先であるローエの館の秘密を目の当たりにすることになる。 ◾️第七章(第1話〜第12話)  現在、まとめ中。 ◾️第八章(第1話〜第10話)  現在、まとめ中。 ◾️第九章(第一話〜)  現在、執筆中。 【地雷について】  「第一章第4話」と「第四章第3話」に男女の絡みシーンが出てきます(後者には「小スカ」もあり)。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。  「第二章第10話」に拷問シーンが出てきます。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。

宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている

飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話 アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。 無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。 ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。 朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。 連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。 ※6/20追記。 少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。 今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。 1話目はちょっと暗めですが………。 宜しかったらお付き合い下さいませ。 多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。 ストックが切れるまで、毎日更新予定です。

処理中です...