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高年期[二学期・前編]

一条悠真という人物。そしてテスト勉強会

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次の日の昼。言われた通り屋上へといつもの昼食メンバーで行く。すると一条先輩はもう場所取りをしていた。





「お待たせしました。」

「いや、俺が誘ったのだ。早めに来て場所を取る位どってことない。」

「お邪魔するよ一条くん。薫風といつの間に仲良くなったんだい?」

「あ、八乙女先輩。いえ、会議で少し話をしただけで仲良くは・・・今日だって無理矢理」

「それは僕が先に誘いましたよね?今度昼にでもって。・・・ああ、こんな押し問答してたら時間の無駄です。喋りながら食事するのは行儀悪いですが今日だけは時間のある限り話しましょう。」





そう言ってとりあえず座り弁当を広げる。・・・そして他愛ない話を含めながらイベントの話を混ぜて雑談する。




「あの始めの階段から仕掛けを見た瞬間、嫌な予感がヒシヒシと感じていたよ。」

「あ、あれ考えたの僕です。簡単にバリケード破れないように。」

「あ、あれを八乙女くんが・・・?」

「そうです!あれ、聞いたときエグいと思ったね。つくづく僕、薫風くんと同じ学年で良かったと思ったよ。」

「いやいや!陽南さんの考えた奴の方がエグいでしょ!やっと辿り着いた姫&執事の部屋に入った瞬間、黒のインクをぶちまけられるなんて!まだパイの方が良かったんじゃないかな・・・」

「パイ?」

「ああ、ホイップクリームを紙皿に大量に乗せて顔面に向けて投げる「パイ投げ」の事です。」

「あれ、始め僕たちの、王様がいる部屋で使おうか悩んでたんだけど・・・手間がかかるとのことで却下されたんだよね。」

「ホイップを仕掛けに使う予定だったの?それは勿体ないよ。だったら薫風がケーキ作ってほしいな。」

「いやいや兄さん聞いてた?今、罠の話。何故ケーキの話に!?」

「ほう、八乙女くんはお菓子作りが得意ってのは本当なんだね。なんか八乙女くんの慕ってる友人が美味しそうにクッキー食べてたの見たから知ってたんだが。まさかケーキまでも作れるとは。」

「妹の誕生日とかに作ってます。まぁ簡単ですから。」

「いやいや薫風くん?ケーキってそんな簡単に作れませんわよ?ねぇ紫音さん!」

「そうですわね。私もシェフと作ってみたのですが、まずスポンジが膨らまず何度か失敗しましたわ。」

「あーコツを掴めば簡単だよ?特に下準備をちゃんとすれば問題ないよ。ちゃんとシェフさんに聞いてみるといいよ。」




等々・・・あっと言う間に昼休みは過ぎてしまった。・・・ん?これでいいのか一条先輩。なんかほんと雑談だったんだが。





・・・後日。会議の内容をまとめた用事を各クラスに配られた。ちゃんと1、2年と協力して3年生を攻略しよう、と書かれていた。うーん・・・これ、どうなの?なんか微妙。






モヤモヤが残る中、お休みに入り今日、休校の学校に生徒が集まった。・・・ん?なんか人数多くね?





他クラスの人が何人か。後にA組の生徒が他組の友達も誘ったらしく、それが蔓延し約2クラス分の人が集まった。・・・まさか僕が教えるわけないよね?ねぇ他クラスの方は独自で勉強するんだよね?・・・ねぇ?





そして何故か教室へは行かず70人程入れる視聴覚室へと移動する事になった。そして何故だか風間くんがいた。まぁ一瞬顔を合わせて場所を提供してくれただけですぐ理事長へと行ってしまったがね。・・・うん、未だに顔色が悪かった。大丈夫か?





そして有り難く広い部屋を借りれた所で順に勉強をしていく。・・・はぁ。





「この漢字、『丁寧』の『寧』は、「ウシンシティ」と覚えてください。ウ冠に心、四にテを組み立てて書きます。これは僕が分かりやすいよう暗記用に考えた物です。人それぞれ覚え方があると思いますので参考程度に教えときます。」

「あ、じゃあ『挨拶』は八乙女くんならどう覚えてるの?」

「ああ・・・『むやみくゆうて』って覚えました。『ム三くゆうテ』です。2つとも手偏から始まるので最後にテと覚えやすいようにしました。」






漢字の勉強中、調べて引っ掛かったのがこれだった。面白いからこれですぐ覚えたね。言葉に出しながらノートにひたすら書いてたなぁ。うーん、懐かしい思い出。もう僕は殆どの漢字を難なく書けますので、それを惜しみ無く皆さんに黒板に書きながら教えてます。





でもね・・・なーんでか廊下にチラチラと先生の姿が見えるんだけど。視聴覚室だから防音で聞き取れないと思うんだけどなぁ?






「薫風センセー!ここ!ここ教えてー!」

「まじ薫風センセー覚えやすい!これなら赤点免れるかも!あ、次お願いします!」




そう、ここに蔵本兄弟と、克典もいます。でも克典は眠かったらしくこの場にいるだけで俯せになってます。・・・何しにきたの?




意外と蔵本兄弟はスポンジの如く吸収してってるので、単に勉強嫌いなだけで頭は良さそうだ。まぁバカには変わりないが(笑)





「ちゃんと出来てるじゃん。なんで赤点取るのかわからない位だよ。」

「いやぁ~なんか家だと勉強捗らなくて~」

「授業も子守唄みたいで・・・頭に入らないんだよねぇ~。でも!薫風センセーの教え方なら頭に入るんだよね!も~ほんと教師になって欲しいくらいだよぉ~!」

「そうそう!できるなら家庭教師になってほしー!薫風センセー独り占め!」


「「「それは駄目だろ。」」」

「ぅえ!?何故皆が至くんに反応するわけ?」





何気に皆僕たちの会話を聞いてたわけ?家庭教師ねぇ~・・・そんな暇ないんだけどね。てか何故皆が反対するわけ?



「八乙女くんは皆の先生です!」

「八乙女さんを独り占めはよくない!そう、よくない!」

「えぇぇ~・・・」




思わず呆れて声が漏れてしまった・・・僕、神か何かですか?ヒーローでもないんだけど。




はぁ、とにかく継続。教科書に印を付けて覚えるよう促す。まぁある程度ヤマを張って覚えさせればなんとかなるだろう。覚え方も教えてー暗記するのみですよー。




・・・それにしても蔵本兄弟の教科書、新品同様、折り目すらないんですけど。よくこの学校入れたな。ある意味、火事場の馬鹿力で乗り切ってたのか?




昼食は各自弁当を持ってきて食べている。僕も勿論弁当です。料理長に悪いと思い自分で作ったものを持っていく。あと・・・




「あ、後に皆さんにお菓子を配ります。ただ・・・A組の分しかないので悪しからず。」

「えっ!?」




チョコクッキーを朝から大量に焼いて持ってきました。まさかA組意外の人が来るとは思わず人数分+蔵本兄弟と克典の分しか持ってこなかった。うん、それ僕のせいじゃないよね。悲しい顔するならその友達とやらにわけてもらってね。




あーチョコがもっと手軽に手に入れればなぁ~






******

一条悠真の簡単な説明を構図らしきものに更新しましたー。気になる方は読んで下さい。
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