上 下
252 / 313
高年期[二学期・前編]

ネタバレは時に人を傷付ける。

しおりを挟む


とりあえず時間も遅いとの事で解散となった。




一条先輩と万純くんを帰らせ今は自室で陽南さんと2人きりだ。




「陽南さんも気付いてるよね?本当は全学年が勝っていた・・・・・って知ってるよね?」

「はい・・・」

「でも僕たちが口出ししたためシナリオが変わってしまった。・・・始めは姫が天野くんにならなかった所から変わってましたね。そして2年生は最短記録で負けてしまった。本当は勝ってたのに・・・」

「・・・」

「次は3年生です。もうこれ以上口出ししない方が良いかもしれませんね。僕も、貴方も。」

「じゃあ何故私に会議に出させたんですか!理不尽ですわ!」

「そうだね・・・うん、僕もさっき陽南さんがアイディアを一条先輩に話してた内容を聞いて考えを改めてから考え方が変わったんだよ。」

「・・・なんか卑怯ですわ」

「なんとでも言え!とにかく明日からは他の人に任せてテスト勉強に専念しよう!」

「・・・そうですわね。2年生の修学旅行はどうなるのでしょう?」

「あ~シナリオでは南の島だったね。3年は登山だったかな?紅葉のイメージがある。」

「そうですわね。そして1年は・・・・・」

「「温泉!!!」」





そーなのです!修学旅行は温泉!山奥の天然温泉に行くんですよ!なんか3年と被るが1年は温泉メイン!3年は山で紅葉メインなんだよね。場所も違うしね。




「まったく・・・アドバイス的な感じなら僕も文句は言わないけど、あれは完璧ネタバレだから!ね!頼むよ?」

「そ、そうですわね・・・ええ、気を付けますわ。てか、もう会議に出なければ良い事ですのよね?」

「ああ・・・だがきっと真面目先輩は訪ねてくるだろうね。」

「・・・あ~ええ、そうですわね。否定できませんわ。」




ああ、平和に過ごしたい・・・





____________




「花塚さんはいるかな?」

「花塚さん?」





はいーさっそくフラグ回収。うん、2人してフラグたてちゃったから仕方ないよね~。・・・ほら陽南さん、出番ですよ~・・・って、僕をすがる目で見ないで?助けないからね?




この世にゲームもテレビもないんだからね?あ、図書館はあるけどファンタジー系の小説とかありませんからねぇ?・・・さあさあ、どう言い訳するのかなぁ~?




「薫風ちゃん!お願い付いてきて!」

「ちゃん呼ぶなや!無理!自分の尻は自分で拭きなさい!」

「まぁお下品!」

「君なら意味わかってるよねぇ~?さっさと言い訳してこい!」





これは小声でヒソヒソと話しております。はい下品です。口悪いです。でも陽南さんが悪い!僕は絶対立ち会いはーーー



「遅い。呼ばれたら早く来い。」

「すみません先輩。」




はい、呼んだ本人が教室に入ってきて問い詰めてきました。うわぁ~巻き添え・・・




「昨日の事」

「あーすみません先輩、その事は廊下へ行って話しましょう。」

「・・・わかった。」




こんな教室ど真ん中で話せるわけがない!急いで移動!・・・はぁ、結局道連れですよ。イイ迷惑!





「・・・つまり、不正であって不正ではないと言うのか?」

「その通りですわ。これはあくまで私の想像ですわ。実際こう行くとは絶対とは言えませんので。」

「・・・ほう?それを俺に信じろと?」

「すみません僕がややこしい言い回しをしてしまったが為に混乱させましたね。陽南さんとはよくカードゲームやチェスなどゲームが好きなもので・・・1年が対象の時は色々と仕掛けて見事に勝ちました。トラップを仕掛けたのは僕と陽南さんです。」

「・・・」

「すみません、つい熱が上がって色々と口をだしてしまいましたわ・・・ネタバレと言ったのは3年生に情報が漏れる心配をしたからですわ。たとえ放課後であっても、まだ残ってる方も居るかもしれませんので。」

「・・・そうか。まぁ、もう少し話を聞きたかったがな。もうネタバレしてくれないんだろ?」

「・・・そう、ですわね・・・」




おい、陽南さん何故僕の方をチラ見するんだよ?ダメに決まってるだろ?特に3年生は高校最後の修学旅行なんだぞ?それを好きな所に行けないって事になってみろ!落胆する奴がでてくるぞ?




「まぁアドバイスくらいなら良いんじゃない?いつも通りに・・・・・・・・・」

「!・・・そ、うです、わね・・・はい。では一条先輩、お話は放課後でも宜しいですか?」

「わかった!妥協してくれ助かる。では放課後。・・・できれば八乙女くんも来てもらいたいが・・・」

「僕の代わりにクラスの生徒に勉強を教えてくれるのでしたら僕からもアドバイスしますが?」

「・・・わかった。では花塚さん、後程。」

「は、はい。」





はぁ~・・・これでなんとか誤魔化せたか?いや一条先輩、意外と勘が鋭い人だったな。頭良いんだろうな。流石、次期生徒会長!



ああ、テスト終わった後に生徒会交代するんだったかな?もうすぐ二階堂くんお役後免だね。




そして廊下で3人で話してる間、ある噂が流れた。




『高嶺の花である花塚陽南さんがついに恋人発覚!?お相手はあの一条悠真!』




・・・



・・・ふーん。





「ふーんって顔しないで頂けますか?攻略対象者ならまだしも、なぜイレギュラーと関係が噂されなければなりませんの!?」

「ぶふっ!・・・一条先輩は女の気配がなかったのに今日の行動で一気に噂立たれたね。・・・まぁ一条先輩は優良物件じゃないか?顔や性格も悪くないし。」

「では薫風くんがもらってくださいよ!」

「生憎、僕には恋人がおりますので。」

「・・・そうでしたわね。あ、そうだわ!風間理事長との馴れ初めを」

「話しません!いい加減諦めなさい!」




懲りないな陽南さんよ。どんだけタフなんですか?昨日散々痛め付・・・ケホン、注意したのに気持ちの切り替えが早いこと。ポジティブ過ぎるだろ!





そして放課後、また恒例のテスト勉強をしています。・・・これ僕、金取っても良くね?前世で言う『塾』だよね?何で自分の時間減らして皆の前で講座?してるんだろう・・・?



何でだろ~ぅ、何でだろ~・・・何でだ何でだろ~?あれぇ~?可笑しいよねぇ?



前回は流依兄さんと一応克典が手伝ってくれたけど今は一人黙々と黒板に公式を書いて講座を開いております。可笑し~よねぇ~?



あ、対策会議は明日やるみたい。僕は明日は講義しないからね~。


・・・と言いたかったんだけどね?






「八乙女くんの代わりに俺が行くから休みに勉強教えてほしい!」

「私が行きますわ!ですのでわからない所を次のお休みに教えてください!」




などなど、挙手が上がりまして・・・なんでも昨日の発言が原因で、丸一日僕に教えてもらえるのが魅力的だったらしく我が行くー的な感じになってしまった・・・うん、明日は絶対に会議参加しよう。なんか皆が怖い。





「いっその事、先生に休みの日に教室を使えるか聞いてみて、許可がくだったら勉強会として学校に集まったらどうかな?」









へ、へぇ~良い考えではないですかクラス長?でもそれに僕は入ってないよね?ねっ?!




「もちろん先生は薫風くんだよー!」

「・・・クラス長に降格。」

「えーーーーー!!!!ごめん今の言葉取り消す!ごめん皆!」

「クラス長頑張れ!越名くんなら説得できる!」

「もっと粘って!八乙女くん説得してー!」




はいーそこの発言した生徒たち?そんな事を言う人には教えてあげませんからねー?





・・・だが結局、お休みの日にわざわざ学校に集まり勉強会をする事になった。更に会議にも参加する事になった。




なんか理不尽!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】異世界で傭兵仲間に調教された件

がくん
BL
あらすじ その背中は──俺の英雄であり、悪党だった。 物分かりのいい人間を演じてきた学生、イズミケントは現実で爆発事故に巻き込まれた。 異世界で放浪していたケントを魔獣から助けたのは悪党面の傭兵マラークだった。 行き場のなかったケントはマラークについていき、新人傭兵として生きていく事を選んだがケントには魔力がなかった。 だがケントにはユニークスキルというものを持っていた。精変換──それは男の精液を取り入れた分だけ魔力に変換するという歪なスキルだった。 憧れた男のように強くなりたいと願ったケントはある日、心を殺してマラークの精液を求めた。 最初は魔力が欲しかっただけなのに── 仲間と性行為を繰り返し、歪んだ支援魔法師として生きるケント。 戦闘の天才と言われる傲慢な男マラーク。 駄犬みたいな後輩だが弓は凄腕のハーヴェイ。 3人の傭兵が日常と性行為を経て、ひとつの小隊へとなっていく物語。 初投稿、BLエロ重視にスポット置いた小説です。耐性のない方は戻って頂ければ。 趣味丸出しですが好みの合う方にはハマるかと思います。

3人の弟に逆らえない

ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。 主人公:高校2年生の瑠璃 長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。 次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。 三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい? 3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。 しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか? そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。 調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m

俺は兄弟に愛されすぎている…

日高 アンズ
BL
両性の主人公総受けのBLです。 とにかく作者の欲望を積み込む予定です(笑)。 フリーターの冴えない主人公が、血の繋がらないハイスペック兄弟達に監禁される話し。 5人兄弟です。 誤字。脱字などがあったら申し訳ないです。 少し分かりにくい表現あるかもしれません。

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!

しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎 高校2年生のちょっと激しめの甘党 顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい 身長は170、、、行ってる、、、し ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ! そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、 それは、、、 俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!! 容姿端麗、文武両道 金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい) 一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏! 名前を堂坂レオンくん! 俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで (自己肯定感が高すぎるって? 実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して 結局レオンからわからせという名のおしお、(re 、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!) ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど なんとある日空から人が降って来て! ※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ 信じられるか?いや、信じろ 腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生! 、、、ってなんだ? 兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる? いやなんだよ平凡巻き込まれ役って! あーもう!そんな睨むな!牽制するな! 俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!! ※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません ※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です ※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇‍♀️ ※シリアスは皆無です 終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします

愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと

糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。 前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!? 「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」 激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。 注※微エロ、エロエロ ・初めはそんなエロくないです。 ・初心者注意 ・ちょいちょい細かな訂正入ります。

[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん
BL
【縦読み推奨】 ■ 第一章(第1話〜第9話)  アラディーム国の第七王子であるノモクは、騎士団長ローエの招きを受けて保養地オシヤクを訪れた。ノモクは滞在先であるローエの館で、男奴隷エシフと出会う。  滞在初日の夜、エシフが「夜のデザート」と称し、女奴隷とともにノモクの部屋を訪れる。しかし純潔を重んじるノモクは、「初体験の手ほどき」を断り、エシフたちを部屋から追い返してしまう。 ■ 第二章(第1話〜第10話)  ノモクが「夜のデザート」を断ったことで、エシフは司祭ゼーゲンの立合いのもと、ローエから拷問を受けることになってしまう。  拷問のあと、ノモクは司祭ゼーゲンにエシフを自分の部屋に運ぶように依頼した。それは、持参した薬草でエシフを治療してあげるためだった。しかしノモクは、その意図を悟られないように、エシフの前で「拷問の仕方を覚えたい」と嘘をついてしまう。 ■ 第三章(第1話〜第11話)  ノモクは乳母の教えに従い、薬草をエシフの傷口に塗り、口吻をしていたが、途中でエシフが目を覚ましてしまう。奴隷ごっこがしたいのなら、とエシフはノモクに口交を強要する。 ■ 第四章(第1話〜第9話)  ノモクは、修道僧エークから地下の拷問部屋へと誘われる。そこではギーフとナコシュのふたりが、女奴隷たちを相手に淫らな戯れに興じていた。エークは、驚くノモクに拷問の手引き書を渡し、エシフをうまく拷問に掛ければ勇敢な騎士として認めてもらえるだろうと助言する。 ◾️第五章(第1話〜第10話)  「わたしは奴隷です。あなたを悦ばせるためなら……」  こう云ってエシフは、ノモクと交わる。 ◾️第六章(第1話〜第10話)  ノモクはエシフから新しい名「イェロード」を与えられ、またエシフの本当の名が「シュード」であることを知らされる。  さらにイェロード(=ノモク)は、滞在先であるローエの館の秘密を目の当たりにすることになる。 ◾️第七章(第1話〜第12話)  現在、まとめ中。 ◾️第八章(第1話〜第10話)  現在、まとめ中。 ◾️第九章(第一話〜)  現在、執筆中。 【地雷について】  「第一章第4話」と「第四章第3話」に男女の絡みシーンが出てきます(後者には「小スカ」もあり)。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。  「第二章第10話」に拷問シーンが出てきます。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。

兄弟がイケメンな件について。

どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。 「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。 イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。

処理中です...