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高年期[二学期・前編]
どーしてこーなった?設定と違う!
しおりを挟むうーん・・・何故かなぁ?
僕たちが攻略される側の時はね、始めはワァーっと怒声のような歓声が響き渡って始まったんですよ。
それが今、何かが壊れるバキッ!って音や蹴り砕くようなドコン!という音と・・・悲鳴がね?聞こえるんですよ。
うん、合図が鳴った時はね、怒声が響き渡りましたよ。でも前衛さん達が学校へと入ってった途端「ギャー」やら「ヒィー」やら「来るなー」と悲鳴がね、聞こえてきたんですよ。
確かに前衛には克典がまず先頭切って突っ走って行きましたよ?でも・・・ねぇ?
「おいおい・・・これ下手したら1時間で方がつくんじゃないか?」
「・・・うーん。さすが可武伊さんの弟。頭良いし運動神経いいね。」
「あー可武伊さんが言ってた「問題児」って意味がようやくわかった気がするよ。」
「ん?かむいって誰だ?」
「克典のお兄さんです。克典のお兄さんとうちの姉さんが結婚して親戚なんです。可武伊さんは克典の事を「ヤンチャな問題児」だって言ってたので、今正にその通りだなって。」
「あれがヤンチャで済むのか?」
「・・・うーん。」
未だに悲鳴が止まないんだよね。・・・大丈夫かな?
あ、因みに王様はなんと猫屋敷先輩だった。王妃様はA組の英才令嬢様。宰相は天野くん、執事は一条先輩。あの文化祭後にあった逃走中イベで対象になった人だ。まぁ人気ある人みたいだからねー。
2年生の方も衣装には凝ってました。いや正確には凝ってるらしい?だってまだ僕見てないし。・・・でもあれ?天野くんが王妃になってドレス着るんじゃなかったっけ?
「・・・陽南さん陽南さんや。」
「薫風くん、なんだか私たちの知ってるイベント内容とは少し違いますわね?」
「王は猫屋敷先輩だったけど王妃は・・・しらない女性だったね。」
「ええ、代わりに宰相みたいですけど。・・・その前になんだかもう終わりそうな雰囲気が?」
「うーん・・・イレギュラーの克典が暴れてるせいでもう終わりそうだね?」
「はぁん・・・萌え要素が足りませんわ。ねぇ薫風くん、風間くんとのエピソードをお聞かせくださいな。」
「・・・なんでよ?」
「あらあら?減るものでもないでしょ?最近超高層ビルを購入したとか?噂されてますわよ?」
「そ、そーなんだ・・・僕は昨日知ったよ。」
「あら?・・・では中へ入ったのですね?いかがでしたか?」
「東京タワーを思い出したよ。エレベーターの中に入って昇ってく途中、耳鳴りがしてね・・・あ。」
「ふふふ~・・・それはそれは楽しい夜を過ごしましたのねぇ~。なんだか薫風くん朝からお疲れのようですしね~?そんな激しい夜を」
「もーいいでしょ!?昼間にそんな話題を出すべきじゃない!」
「あらあら~?ふふふ。」
モーヤダこの子。人をからかって楽しんでるよ。てか僕は記憶にないから詳しく話せないし覚えていても話す気はないよ。
ガラガラガラーーーー!!!!
おっと!激しい何かが崩れる音が響いたよー?大丈夫か?
「バリケードが崩れたな。・・・では私たちも行こうか。」
二階堂くんの号令で後衛たちが動き出す。もちろん僕もその中にいますよー。
走り出すと隣にピタッとくっついてくる人がいた。・・・あ、この感覚。
「愛翔さん!」
「薫風、大丈夫?あんまり危ない目に合わないようにね。」
「大丈夫だよ。僕はみんなに付いていくだけだから。取れそうなハチマキは取るつもりだけど。」
「ふふ。俺が傍にいるよ。薫風に襲いかかってくる奴がいたら俺が盾になるよ。」
「えーそんな。愛翔さんが怪我をしたら僕悲しむよ。」
「大丈夫だよ。俺だって多少は鍛えてるからね。」
「でも僕も愛翔さんが危なそうになったら僕が助けるからね!」
「はは!期待してるよ。」
も~愛翔お兄優しい。でも過保護じゃね?
学校へ入り階段を上り2年生の教室へと行く。・・・ん?なんかいざこざがあったのかな?なんか塊があるぞ?
「あ、万純くん?どうしたんだい?」
「ああ薫風くん。・・・いやぁバリケードを1つ壊したんだけどね、運悪く下敷きになった人がいて大怪我しちゃったんだ。皆で運んで保健室へと連れてってる所だよ。」
「・・・そっか。あ、克典はどこにいるかわかる?」
「いや・・・てか大暴れして大変だったよ。一人で何本取ったんだろうって位暴れてるよ。あと付き人?らしい2人も。」
「うわぁ」
つまり克典と蔵本兄弟が主に突進して先輩方を制圧していると。どんだけ規格外な奴らなんだ?ここ貴族学校だよね?なんで不良モドキがいるんだよ。しかもそいつは僕がよく知る奴・・・はぁ。
ガシャーン!
「すぐ上の階で暴れてるようだな。」
「子鷹狩先輩。・・・そのようですね。行きますか?」
「そうだな。新、行くぞ。」
「そうだね。薫風は無理せず後からくるといい。」
あら子鷹狩くんと二階堂くんが突撃するみたいです。・・・おーい陽南さん出番だよー?ここで協力して好感度上げなきゃ~・・・って女子は一番最後なんだっけ。
おい、意味ないじゃん。乙女ゲーム不成立!
とりあえず怪我人を保健室へと運んでる万純くんに付いていき、後に一緒に2階へと行く。
・・・すると想像以上にカオスだった。とりあえず死骸が廊下に埋め尽くされてます。騎士たちは守備に徹してて攻略する側はハチマキを取られたら死亡と見なされるが騎士の方は力の限り頑張らねばならない。つまりリタイヤできないのだ。
この死骸は・・・うん、克典たちがやらかしたんだろうな。所々足跡が背中に残ってるから踏まれたんだね。可哀想に。
と、とりあえず王・王妃をみつけないと・・・この死骸たち、邪魔だなぁ。先輩方、どいてもらえないかな。
「や、八乙女くん・・・手を貸して」
「ん?」
「あー・・・ここに八乙女がいる?た、助けて・・・」
「は?」
「薫風くんの知り合い?」
「い、いや・・・とにかく肩を貸した方がいいかな?・・・先輩方、僕のハチマキ取りませんか?」
「わ、かった・・・とりあえず壁に寄りかかりたい。もう踏まれたくな、」
「わ、わかりました!ごめん万純くん、手伝って。」
「わかったよー。」
何故か敵である先輩方を介抱する事になった。
「あ~八乙女の匂いヤバイ・・・」
「あ~癒される」
「八乙女に触ってもらってる・・・もうこれだけで騎士だった自分が報われる・・・」
なに、この先輩方。もう頭ヤバイんじゃないか?他にもボヤかれたがもう無心になって介抱してます。なんなんだこいつら、あ、先輩方をこいつと思っちゃった。でも仕方ないよね変な事言い出してるんだから。なに僕の匂いって、臭いってか?失礼だろ。
先輩方を壁に寄りかからせ床がみえてきたところで先へと歩き出した。・・・うん、まだまだカオスは続きそう。階段上った先の教室を覗いたら、そこにトラップを仕掛けていたらしい人物たちが仰向けやらうつ伏せやらに横たわってたので見なかったことにしました。
ねぇ、ここって乙女ゲーだよね?なんかサバゲー化してませんか?
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