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高年期[夏休み編]

トラブル?発生?

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___________




ドーン、パラパラパラ・・・




ドーン、パラパラパラ・・・







『わぁ~!綺麗な花火ですね・・・』

『陽南さんの方が可愛くて綺麗だよ。花火の光に照らされてる陽南さんの姿の方がとても・・・』

『鳥羽先輩・・・嬉しいです。』





ドーン、パラパラパラ・・・




色鮮やかな花火が空へ舞う。隠れスポットで佇む2人の影。静かに唇を合わせる・・・





『今日は貴女とこうして過ごせる時間は何よりも宝物になるよ。』

『ふふ・・・私もです。鳥羽先輩、いや愛翔先輩・・・』

『!・・・嬉しいね、名前で呼ばれるなんて。うん、今度からそう呼んで。そして少しずつで良いから先輩も取れるように・・・ね。』

『は、はい・・・』




鳥羽は優しくヒロインを抱き寄せ、ヒロインは抵抗なく受け入れ、そして胸元に頬を擦り寄せ甘える・・・甘い甘い一時。






_________





うん、回想終了。確か鳥羽愛翔のデートイベントってこんな感じだったよね。ベタ・・・ベタすぎる展開。糖分ヤバいわぁ・・・ちょっと遠くを見てしまったよ。





「花彫、どうしましたか?」

「ん?あ、いやゲームの事を思い出して、ね・・・」

「乙女ゲームか?そんなにこの世界はゲームの世界に似てるのか?」

「うん・・・そうだね~・・・まさしく。はい。」

「「?」」





うん、まさしくその通り。今いるこの場所が隠れスポットだからだ。違う所はヒロインはこの場にいなく、男3人が色気なく花火を見ている所かな。まぁそれはそれで楽しいけど。






屋台を回ってるうちに「あ、この景色は・・・」と思い、記憶を辿り目印となる物を探し回った。




そして案の定、ここは花火祭りデートの鳥羽愛翔ルートで使われている場所と判明。うん、今一緒にいるのは愛翔お兄がいるからおかしくはないよ?でも・・・ここにヒロインはいないから意味なくね?






そして屋台を見回り、なんやかんや夜になり隠れスポットへ行き花火を3人で見ています。うん、綺麗ねー。






「こうしてゆっくり花火を見るのは初めてかもしれん。」

「そうなの?」

「俺もです。今まであまり興味がなかったというか、花火大会に来ようと思いもしませんでしたね。銀徹さんから手紙を貰い花彫となら楽しめそうかなと思い、この場所を銀徹さんに連絡しました。こうして3人で見れば楽しいですね。」

「同感だ。前世でもこんなゆっくり花火を見る機会もなかった。・・・ああ、この世界も悪くないな。」

「そうですね・・・」

「・・・」






お兄たち・・・ああ、まぁそうだよね。前世では遊ぶ事はせず生活に一杯一杯だったもんね。・・・僕は甘えて友達とよく遊びに行ってたけどね。うん、ごめん。2人とも働いてたのに僕だけ結構遊んでたな。






「僕、今更だけど、2人にとても甘えてたね。ごめんね。なんか我儘な事ばかりしてたね。」

「そんな事ありませんよ?花彫は家事をやってくれたではないですか。俺や銀徹さんは家事はできませんでしたから。」

「そうだな。小遣いで遊びに行くくらい我儘ではない。」

「お兄たち・・・」







くぅ!このお兄二人は僕に甘すぎる!いや知ってたけどさ。やはり僕は幸せ者だったんだな。今も甘えさせてもらってるし。やばいヤミツキになりそう。だって何言っても許してくれるし。





・・・僕、この世の兄、流依兄さんにさえこんな甘えた事無い気がするなぁ・・・






「・・・すまん、トイレ行ってくる。」

「うん。」

「すみません俺は喉が乾いたので飲み物買ってきます。」

「あ、わかった。・・・じゃあ僕はここにいるよ。」

「・・・大丈夫か?」

「?ここは誰にも知られてない穴場だから大丈夫だと思うよ?」

「・・・そう、ですか。わかりました。すぐ戻りますからね。」

「う、うん。」






なんか変なフラグ立てないでよ。え、やめてよ?マジで。







・・・2人がいなくなり木に凭れながら花火を眺めている。・・・あれ?そういえば花火イベントは屋台を見回ってる時にモブ野郎が絡んでくるんだよね?そこへ攻略者が格好良く追い払いキュンキュンする場面があるんだよね。





今の所、お邪魔虫は現れてない。・・・と、なると?








「なーんだ、先客がいるぞ~」

「なんだよぉ、良い所見つけたと思ったのになぁ。・・・あ、でもお一人様のようだぞ?」

「お~しかも美人くんだねぇ~!暗くて良く見えないが小顔で幼くて可愛い顔してるぞぉ~!」

「なぁなぁ~1人なら俺らと楽しもうよぉ~!名前なんてゆーの?」








うわぁ~まさしくテンプレ。2人がいなくなった途端に絡まれるとか・・・僕、ヒロインでもヒーローでもないんだけどなぁ・・・







「・・・連れがいますのでお構い無く。」

「おぉ~可愛い声!こんな可愛い子なら全然イケる!なーんか肌白くないか?かーわいいねぇ~!」

「ちょっ・・・!」

「こっち来なよ。・・・うわ軽っ!それに香水付けてる?なんか良~い匂いがする~。」

「ん~?・・・おお本当だ。うわ、堪んない。なにこの子。なぁ部屋連れてって頂こうぜ?明るいところで見てみたい。」

「いいね~賛成!いやぁ良い手土産ができたな。」

「なっ!ちょっと・・・!や、めろー!」

「ぐあっ!?」







僕より背の高い4人組に囲まれたら怖いわっ!しかも連れ去られそうになったから僕の腕を引っ張った奴を1人、護身術でひっくり返しちゃった・・・やばっ、逃げなきゃ!と、とにかく人混みへ!






後ろから怒声が聞こえたが知らんぷり!とにかく逃げる!まずは近くのトイレ施設へ!銀徹お兄とすれ違わなければ良いけど・・・!









「っ!」

「おっと、すみませ、ん?・・・花彫か。どうした?」

「あ!お、お兄ぃ~~~・・・」

「っ!ど、どうした!?」





人混みに紛れて後ろを振り向きながら足早に歩いてたら人にぶつかった。が、運良く銀徹お兄にぶつかったらしく合流できた!なんて幸運!




もう思いっきり抱き着いた!くぅ~凄く会いたかった!あ、ちょっと涙でた。






「あ~~~どこ行ったあの野郎・・・」

「ひっ!?」

「・・・花彫、大丈夫か?・・・なんだ、あいつらに絡まれたか。」





絡んできた奴らの声が聞こえて軽く悲鳴を上げてしまった。いやぁ~勘弁して。・・・あ、お兄が抱き締めてくれた。あ、やばい安心する。






そのまま道外れに移動する。・・・何気に、わざと僕に気付かせる素振りを見せながら移動した。・・・お兄、なにする気?






「見ぃつけたぞぉ~。よくも投げ飛ばしてくれたなぁ?・・・そいつが連れかい?ずいぶん厳つい兄ちゃんだなぁ?」

「なんだ?投げ飛ばしたのか花彫。」

「いや、だって連れ去られそうになったから・・・」

「ほぅ・・・」

「「「っ!?」」」





ほぇぇえ~!覇気ヤバい!夏なのに寒い!冷や汗ヤバい!相手なんか縮こまっちゃったよ!?






「大事な連れが世話になったようだな?・・・どうだ?お礼をしてやろうか。」

「っ!!?い、いや・・・結構だ!」

「お、おい、こいつヤバそうだ・・・諦めた方が良さそうだ・・・」

「な、なんだよお前ら・・・相手は2人だぞ。皆でかかれば勝てーーー」



「ほぅ・・・?」



「ひっ!!ほ、ほら帰ろうぜ!は、早く!」

「お、おう・・・」

「・・・」






さ、さすがお兄、いや五十嵐先輩。迫力ヤバし。ひと睨みで相手が戦意喪失。あー格好いいですお兄様。惚れちゃいそう。






「なんだあの小者達は?花彫に手を出すには弱すぎるだろ。」

「・・・お、おにぃ・・・ありがと。」

「お安いご用だ。・・・とりあえず愛翔と合流するか。あそこにいるかな?」

「とりあえず行こう。」







・・・あーやはりお兄は頼りになる。マジ安心できる。はぁ~・・・また3人で暮らしたいな・・・






花火見てた所へ行くと焦ってる愛翔お兄がいた。ごめんね心配かけて。愛翔お兄が僕のためにかき氷買ってくれたらしく3人で分けて食べた。シェアシェア!怖い思いしたけどすぐどーでもよくなったよ。守られちゃったけど気にしてないようだし有り難く甘えさせてもらいます。ありがとーお兄たち!





・・・最後まで花火を見て五十嵐家の車で送ってもらい帰った。ほんと今日は至れり尽くせりでした。・・・うん、イベント発生しなければ満点だったけど楽しかったから気にしない!








はぁー・・・あと夏休み、もう少しだし・・・何しようかねぇ?







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